- 更新日 : 2025年2月25日
確定申告の還付金はいつもらえる?計算方法や振り込まれない場合は?
確定申告をすることで、納めすぎた所得税が還付金として返ってくることがあります。還付金が発生した場合、いつ、どのタイミングで受け取ることができるのでしょうか。還付金の計算の仕方や振り込まれない場合の対処法、受取方法まで、還付金について疑問が生じやすい部分を解説していきます。
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目次
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確定申告で還付金が発生するケースとは
所得税の確定申告で生じる還付金とは、所得税を納めすぎていたときに納税者に返還されるお金のことをいいます。(この申告を還付申告といいます。)所得税が還付されるのは、主に以下3つのケースに該当する場合です。
1. 所得税の予定納税額が確定税額を超えている場合
前年の所得金額をもとに計算した予定納税基準額が15万円以上になるときは、確定申告期限までに数回に分けて所得税を納税しなければなりません。これを予定納税といいます。予定納税額は前年の予測に基づくものであるため、前年よりも業績が落ち込んだ場合など、最終的な確定税額が予定納税ですでに納めた額を下回ることがあるのです。この場合、所得税を納めすぎていることになるため、還付金が発生します。
2. すでに納付した源泉徴収税額が所得税の確定税額を上回る場合
給与所得者や公的年金受給者に限らず、事業所得者も取引相手などから所得税の源泉徴収を受けることがあります。分離課税の対象になる預貯金の利子や株式の配当などによる源泉徴収を除き、事業所得や一時所得、雑所得などの源泉徴収額が所得税の確定税額を上回るときは、還付金が発生します。
参考:【税金の還付】|国税庁
3. 純損失の繰戻しを請求する場合
青色申告をする人が、その年に生じた純損失に関わる税額を繰戻しにより還付請求する場合にも還付金が発生します。
還付金はいつ入金される?
還付金は、確定申告書の提出からだいたい1ヶ月~1ヶ月半程度を目安に入金されます。窓口や郵送ではなく電子申告により確定申告を行った場合はもう少し早くなり、確定申告から3週間程度を目安に還付金が入金されます。
還付金の入金時期については、税務署から送付される通知ハガキでチェックが可能です。何日の何時に入金されるかなど細かくは記載されていませんが、手続き開始の日が記載されているため、入金予定日をある程度予測できます。
電子申告を利用した場合は、e-Taxにログインして還付金処理状況を確認することもできます。ただし、e-Taxで処理状況が確認できるようになるのは還付申告からだいたい2週間後で、すぐに処理状況を見ることはできません。
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還付金はいくら?
還付金がいくらになるか確認したいときは、税務署に提出した確定申告書第一表の「税金の計算」の欄を見ます。この欄は、課税される所得金額をベースに所得税及び復興特別所得税の額を計算するものです。
出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
税金の計算の欄のうち、特に重要な部分が赤枠の部分です。この欄では、所得税及び復興特別所得税の額から調整を行い、最終的な申告納税額を計算します。「所得税及び復興所得税の額」と比べ、「外国税額控除等」と「源泉徴収税額」の合計が多い場合、51番の「申告納税額」はマイナスになります。この場合、54番の「還付される税金」の欄にマイナス分が記載されます。予定納税額が申告納税額より多い場合も同様に、多すぎる分が54番の「還付される税金」としてマイナス表示されます。
実際に数字を使ってシミュレーションしてみましょう。
出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
31番:30番に対する税額は以下の所得税の税率※を使って計算します。
41番と43番:上のケースで税額控除は発生しないため、31番の金額をそのまま記載します。
44番:令和6年分だけ「定額減税」の記載をします。ここでは、1名分とし、1名当たり3万円の減税額を記載します。
45番:43番の税額から44番の定額減税額を差し引いた金額を記載します。
202,500円 - 30,000円(定額減税) = 172,500円
46番:45番の金額に2.1%を乗算し復興特別所得税額を算出します。
47番:45番と46番の合計額を記入します。
51番:上のケースでは外国税額控除と源泉徴収額はないため、47番の金額を記載します。
52番:上のケースでは、予定納税で30万円をすでに納税していることになります。
54番:予定納税額より申告納税額が少ないため還付となります。
※平成27年分以降の所得税の税率表
還付金が振り込まれない場合
確定申告後、なかなか還付金が振り込まれないと不安になるかもしれません。所得税の還付金はすぐに納税者に還付されるものではなく、ある程度時間がかかるものです。特に、書面で提出した場合や、確定申告をする人が集中する3月などは、通常より還付処理に時間がかかり入金が遅いこともあります。
まずは、還付金が入金されるまでのだいたいの目安を確認してみましょう。目安の範囲内であれば、まだ手続き中と考えて少し様子を見ておきます。書面で提出した場合は還付に1ヶ月~1ヶ月半程度を要するので、この期間を目安にすると良いでしょう。
目安の時期を過ぎても還付金が振り込まれない場合は、手続きが滞っている、見落とされているなど、さまざまな状況が考えられます。なかなか還付金が振り込まれないときは、状況を確認するためにも一度管轄の税務署(確定申告書を提出した税務署)に問い合わせることをおすすめします。
参考:還付金処理状況確認について|e-Tax 国税電子申告・納税システム
還付金の受取方法
還付金の受け取りには2つの方法があります。最寄りの郵便局やゆうちょ銀行の窓口で受け取る方法と、口座への振込みにより受け取る方法です。このうち、振込みであれば入金を待つだけなので比較的便利でしょう。
口座への振込みで受け取りたい場合は、確定申告書の「還付される税金の受取場所」の欄に、金融機関の情報を記載しておく必要があります。
出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
なお、指定できる金融機関の口座は本人名義のものに限られます。ただし本人名義であっても、店名や事務所名が含まれるときは振り込まれない場合もありますので、指定する口座は本人名のみのシンプルなものにしましょう。
指定できる金融機関はゆうちょ銀行のほか各銀行、信用金庫、労働金庫、農業協同組合などを選択できますが、インターネット専用銀行は受け取りに対応していないことがあります。実店舗のある銀行やゆうちょ銀行などが無難でしょう。金融機関の情報に誤りや不備があるとなかなか入金されない原因になりますので、申告書を提出する前によく確認しておきましょう。
なお、「公金受取口座登録の同意」には、「還付される税金の受取場所」に記載した口座を公金受取口座として、新たに登録する場合又は以前の登録登録変更をする場合に「〇」をします。
また、公金受取口座登録が済んでいる人は、銀行名や口座名を記載せずに、「公金受取口座の利用」に「〇」をします。
参考:還付金の受取方法|国税庁
確定申告で還付される税金があるときは還付金が受け取れる
所得税の還付金が発生するケースは、予定納税や源泉徴収などですでに納付した税金があり、納めるべき税額よりも多い額をすでに納付している場合などです。還付金の額は、提出した確定申告書の「還付される税金」の欄から確認できます。
還付の前段階である確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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よくある質問
確定申告の還付金はいつ受け取れる?
だいたい申告から1ヶ月~1ヶ月半程度で、電子申告なら最短2週間程度で還付されます。詳しくはこちらをご覧ください。
確定申告の還付金はいくらになる?
提出した確定申告書の「還付される税金の額」に記載された金額を受け取ることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
還付金が振り込まれない場合はどうする?
還付される目安の時期を過ぎるまで待ち、それでも振り込まれないときは管轄の税務署に問い合わせます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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