• 作成日 : 2021年11月12日

整骨院・接骨院の確定申告|施術費用は医療費控除の対象?

整骨院・接骨院の確定申告|施術費用は医療費控除の対象?

捻挫や急性の打撲、肉離れなど、整形外科ではなく整骨院や整体、接骨院にかかることがあります。あまり知られていませんが整骨院などでの施術代は、それが治療目的であれば医療費控除の対象になります。

この記事では、整骨院での「支払」についての医療費控除について詳しく解説しています。節税にもつながりますのでしっかり理解しておきましょう。

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整骨院・接骨院・整体の施術費用は医療費控除の対象?

整骨院、接骨院、整体などの施術費用は、医師の指示があり、それが治療目的であるなら医療費控除の対象となります。詳しく見ていきましょう。

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円(または年間所得の5%と比較して少ないほう)を超えた場合に、控除を受けられる所得控除制度のひとつです。

給与所得のある人は、年末調整を行い、所得税の納め過ぎなどを調整しますが、医療費控除は年末調整で所得控除を受けられません。そのため1年間に一定の医療費がかかった場合は、自身で確定申告を行う必要があります。個人事業主はそもそも年末調整がありませんので、1年間の医療費が一定以上かかった場合は、医療費控除を含む確定申告を行う必要があります。

医療費控除についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

医療費控除の対象となる施術

治療のための整骨院、整体、接骨院における施術は医療費控除の対象です。例えば、負傷原因がはっきりしているぎっくり腰や、骨折、不全骨折、脱臼などが医療費控除の対象となります。ただし、骨折、脱臼、不全骨折について健康保険を適用する場合、応急手当を除き、あらかじめ医師の同意が必要です。医療費控除において確定申告で添付することが必要な書類は次のとおりです。

  • 医師の診断書が必要なもの
  • B型肝炎患者の介護に当たる同居の親族が受ける同ワクチンの接種費用

また、健康保険が適用されない自由診療であっても、それが治療と認められれば医療費控除の対象となります。医療費控除の対象となるのは、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師など国家資格を持つ人の施術であるといった条件などがあります。

また、施術を受けるための通院時のバス・電車などの公共交通機関の交通費、公共交通機関が使えないときのタクシー代なども医療費控除の対象となります。申告の際に領収書が必要になりますので、忘れずにもらっておきましょう。なお、公共交通機関は領収書がないため、通院日時やかかった費用などをメモしておくようにしましょう。

その他、整骨院や接骨院の施術で医療費控除の対象となるものには、治療目的のコルセットやサポーターなどもあります。

医療費控除の対象外となる施術

整骨院や整体、接骨院での施術すべてが医療費控除の対象となるわけではありません。医療費控除の対象外となる施術についてみていきましょう。

  • 単なる肩こり・腰痛
  • 健康維持
  • 姿勢矯正
  • 日常生活や仕事の疲労回復
  • リラクゼーション
  • 治癒の見込みのない漫然とした長期間の施術
  • 過去のケガによる後遺症
  • 整形外科や外科での治療との重複

など

疲れを癒やすためや単なる肩こりで整骨院に通うことはあっても、それは医療費控除の対象外になります。

整骨院・接骨院・整体の費用について医療費控除を受ける方法

整骨院や接骨院で受けた施術費用の申告には、1年間にどれだけの医療費がかかったのか、総額を算出するための領収書やレシートが必要です。領収書やレシートは捨てずに必ず保管しておきましょう。

また、医療費の領収書は自宅で5年間は保管しなければなりません。医療費控除の明細書の控えとともにわかりやすい場所に保管しておきましょう。

医療費控除の申告に必要な書類は以下のとおりです。

  • 確定申告書
  • 医療費控除の明細書
  • 医療費通知書
  • 施術費用の領収書やレシート
  • 源泉徴収票(会社員のみ)

領収書やレシートは、確定申告期限から自宅で保管し、医療費通知書などに記載されていない治療費の確認のために使います。

医療費控除を申請するには、まず医療費控除の明細書を作成し、その後、確定申告書の医療費控除の欄に金額を記入します。医療費控除の明細書や確定申告書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。こちらは税務署でも配布しています。
参考:医療費控除の明細書

また、国税庁の確定申告書作成コーナーでは、医療費の集計用にExcelファイルが用意されていますので、それをダウンロードして直接入力することも可能です。

医療費控除の明細書の記載事項は以下のとおりです。

  • 医療を受けた人
  • 医療費の区分(診療、治療/介護保険サービス/医薬品購入/その他の医療費)
  • 病院や薬局などの名称と所在地
  • 治療内容や医薬品の名前
  • 支払った医療費
  • 保険で補填される金額

協会けんぽなどの健康保険組合からの医療費通知書を同時に提出する場合は、「医療費通知に関する事項」に記入すれば医療費控除の明細書への記入を省略することができます。

医療費控除の明細書に記入後、実際に支払った医療費の合計額から保険で補填される金額と、10万円または所得の5%いずれか少ないほうの金額を差し引いた金額が、医療費控除として申告できる金額です。その金額を確定申告書の医療費控除の欄に転記します。国税庁の申告書作成コーナーで書類を作成して郵送、または事前の手続きを踏めば、e-Taxでの申請も可能です。

整骨院や接骨院の施術費用は健康保険の対象?

整骨院や接骨院などでの施術費用は、それが治療目的であれば医療費控除の対象となることをお伝えしてきましたが、すべての治療が健康保険の対象となるわけではありません。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術のみ医療費控除の対象になります。

  • 急性の打撲
  • 捻挫
  • 挫傷(肉離れなど)
  • 骨折
  • 不全骨折(ひび)
  • 脱臼
  • 負傷原因がはっきりしているぎっくり腰など

ただし、健康保険を適用する場合、骨折、不全骨折、脱臼については応急措置を除き、医師の同意書が必要です。単なる肩こりや日常生活における慢性的な疲労回復などは、健康保険の対象になりません。

整骨院や接骨院では、健康保険取り扱いと看板を掲げているところがありますが、健康保険の対象外となる施術も多いため、施術前に必ず健康保険の対象となるのかを確認しておきましょう。

施術費用も医療費控除の対象となるため、適切に確定申告を行いましょう!

整骨院や接骨院の施術は、治療目的であれば自由診療であっても、医療費控除の対象となります。医療費控除の申告には領収書が必要になりますので、捨てずに保管しておきましょう。

医療費が保険で補填される金額と、10万円以上または所得の5%のいずれか少ないほうを差し引いた金額が超えた場合に確定申告を行えば、払いすぎた税金を取り戻すことができます。整骨院や接骨院での施術が続いた場合は、忘れずに申告を行いましょう。

よくある質問

医療費控除の対象となる施術は?

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師など国家資格を持つ者の施術による施術は、医療費控除の対象となります。ただし、骨折、不全骨折、脱臼については応急措置を除き、医師の同意書が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

医療費控除の対象とならない施術は?

単なる肩こりや日常生活における疲労回復、リラクゼーション、姿勢矯正などは医療費控除の対象外です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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