- 更新日 : 2022年8月5日
2022年(令和3年度分)スマホで確定申告する方法

コロナ禍で人混みの中へ外出することを避けている方も多いでしょう。確定申告書の提出のために、わざわざ混雑しがちな税務署や確定申告会場に行きたくはないものです。しかし今は、スマホを使って自宅で確定申告をすることができます。
本記事では、スマホを使って確定申告する方法について説明します。スマホを使うことで、時間を有効活用することができ、感染リスクも抑えられるでしょう。
目次
スマホで確定申告できる対象者
2019年(平成30年分)の確定申告から、スマホで国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、電子申告(e-Tax)ができるようになりました。
運用開始当初はID・パスワード方式のみの対応でしたが、2020年(令和元年分)の確定申告からはマイナンバーカードを使った申告ができるようになりました。
2022年(平成3年分)の確定申告では、スマホ申告に対応する所得の拡充や源泉徴収票のスマホ撮影など、さらに使いやすさがアップしています。
とはいうものの、2022年(令和3年分)の確定申告もまだすべての人がスマホ申告できるわけではありません。
スマホでe-Taxができる所得や所得控除は、次のものです。
対象となる 所得 | 給与所得(2カ所以上も可)、公的年金等、その他雑所得、一時所得 ※2021年(令和3年分)から追加 特定口座の上場株式等譲渡所得や配当所得など 上場株式等の譲渡損失額(前年繰り越し分) 外国税額控除 |
対象となる 所得控除 | すべての所得控除 ※2021年(令和3年分)から追加 外国税額控除 |
サラリーマンはスマホで確定申告できる
スマホから「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、確定申告書を作成・送信できるのは、サラリーマンの方が次のようなケースに該当するような場合です。
医療費控除の申告
医療費控除のように、年末調整できない控除を受けたいサラリーマンは、別途確定申告することで税金を還付してもらえます。サラリーマンの医療費控除等の申告は、スマホから可能です。
副業の申告
サラリーマンが副業を行っている場合、その副業の所得が雑所得であれば、スマホ申告ができます。事業所得や不動産所得があるサラリーマンは、スマホ申告はできません。
個人事業主もスマホで確定申告する方法がある
2022年の確定申告でも、スマホから国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を経由して事業所得の申告はできません。ただし「マネーフォワードクラウド確定申告」アプリを使えば、個人事業主もスマホで確定申告を行うことができます。
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スマホで確定申告する時に必要なもの
スマホからe-Taxで確定申告を行うには、以下のようなものが必要になります。
スマートフォン
Androidスマートフォン、iPhoneなどが必要です。iPadなどのタブレットでもOKです。
詳しくは後述しますが、e-Taxによる確定申告には、「ID・パスワード方式」と「マイナンバーカード方式」の2種類のやり方があります。マイナンバーカード方式を利用する場合には、ICカードの読み取りが可能なスマートフォンが必要です。
源泉徴収票
サラリーマンの人は、会社で発行してもらった源泉徴収票を用意しておきます。2020年から確定申告書への源泉徴収票の添付義務はなくなっていますが、給与支払額や源泉徴収額をスマホ撮影で取り込む際や、金額を確認する際に必要です。
領収書、控除証明書
控除を受けるために必要な領収書、控除証明書等を用意します。
医療費の領収証は確定申告書への添付義務はありませんが、「医療費控除の明細書」を記入する際に必要です。
なお、2021年1月より、「確定申告書等作成コーナー」とマイナポータルとの連携が可能になります。確定申告で生命保険料控除等の控除を受ける場合、マイナポータル連携により、控除証明書のデータを確定申告書に自動入力できるケースもあります。
マイナンバーカード
マイナンバーカード方式を利用する場合には、マイナンバーカードが必要です。ID・パスワード方式の場合にも、申請書にはマイナンバーの記入が必要なので、マイナンバーカードや通知カード等を用意しておきます。
スマホで確定申告するための事前準備
スマホで確定申告する前に、マイナンバーカード方式かID・パスワード方式のどちらにするかを選び、事前準備をしておきましょう。
マイナンバーカード方式の事前準備
スマホでマイナンバーカード方式を利用するには、マイナンバーカードとマイナンバーカード対応のスマートフォンが必要です。
マイナンバーカードを持っていない場合には、以下のいずれかの方法で申請できます。いずれの方法でも発行までには1カ月程度かかりますから、余裕を持って手続きしましょう。
交付申請書で申請
通知カードに同封されていた交付申請書に記入し、顔写真を貼って郵送することにより申請できます。
オンラインにより申請
オンライン申請用サイトで必要事項を入力し、スマートフォンのカメラで撮影した顔写真を登録して申請できます。
証明写真機から申請
マイナンバーカード対応のステッカーが貼ってある証明写真機から、画面の案内に従って必要事項を入力し、顔写真を撮影・送信して申請できます。
ID・パスワード方式の事前準備
ID・パスワード方式は、税務署に発行してもらったIDとパスワードでe-Taxにログインし、確定申告書を送信する方法です。運転免許証などの本人確認書類を税務署に持って行けば、その場でIDとパスワードを発行してもらえます。
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スマホで確定申告するには?手順を解説!
スマホから確定申告する場合、以下のような手順になります。
1. 「確定申告書等作成コーナー」で作成開始する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をタップします。
引用:スマートフォンで初めてマイナンバー方式を利用する場合の画面の流れ|国税庁
2. 質問に「はい」または「いいえ」で答えていき、提出方法(マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式、書面)を選択します。
※画面は令和2年分のものであり、令和3年分の画面は令和4年1月頃に公開予定です。
引用:スマートフォンで初めてマイナンバー方式を利用する場合の画面の流れ|国税庁
なお、マイナンバーカード方式の場合、従来はe-Taxアプリなど複数のアプリのインストールが必要でしたが、2021年からはマイナポータルAPのインストールのみでOKです。
3. 利用規約を確認したうえで、「同意して次へ」をタップし次に進みます。
引用:スマートフォンで初めてマイナンバー方式を利用する場合の画面の流れ|国税庁
4. マイナンバーカード方式の場合には、マイナンバーカードを読み取ります。
ID・パスワード方式の場合には、「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されている利用者識別番号を入力してe-Taxにログインします。
5. 源泉徴収票を見ながら、「支払金額」「所得控除の額の合計額」などを入力します。
なお、2021年(令和3年分)の確定申告から、スマホで撮影した源泉徴収票が画面に自動で取り込みされる機能が追加され、入力の手間が省略できるようになります。
引用:【スマートフォン専用画面での申告書入力】~令和3年1月4日以降~|国税庁
6. 医療費控除や寄附金控除を受ける場合には、指示に従って情報を入力します。
引用:【スマートフォン専用画面での申告書入力】~令和3年1月4日以降~|国税庁
7. 住民税等に関する情報や16歳未満の扶養親族の情報、申告者の氏名や生年月日等を入力します。
引用:【スマートフォン専用画面での申告書入力】~令和3年1月4日以降~|国税庁
8. 最後にデータを送信します。「送信成功しました」のメッセージが表示されれば送信は完了です。
「受付結果を確認する」をタップし、申告データが正常に受け付けられたことを確認します。
個人事業主もスマホで確定申告するのがおすすめ
2021年以降は、青色申告を行う個人事業主が受けることができる「青色申告特別控除」が変更されています。
- 確定申告を電子申告で行う場合 → 65万円控除
- 上記以外の場合 → 55万円控除(又は10万円控除)
つまり、電子申告しないと税制上不利になってしまいます。スマホアプリを使って電子申告することを考えましょう。
前述の通り、事業所得のある個人事業主は、スマホから国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスして確定申告書を作成・送信することができません。しかし、確定申告ソフトを使えば、個人事業主も仕訳入力や確定申告書の作成をスマホで行うことができます。「マネーフォワードクラウド確定申告」では、2021年2月以降、スマホからのe-Tax送信も可能になる予定です。
スマホを利用すれば、いつでも、どこからでもe-Taxによる確定申告ができるようになります。これまで書面で申告していた人も、この機会にe-Taxへの切り替えを検討するのがおすすめです。
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マイナポータル連携で確定申告がより簡単に
「マイナポータル」は内閣府が運営するウェブサービスの1つであり、サービス利用者が自身のマイページを作ることで行政手続きを簡単に行えたり、お知らせを受け取ったりすることができるというものです。
マイナポータルが提供するサービスのなかに「確定申告書作成コーナーとマイナポータルの連携」があります。マイナポータルに登録していると行政機関や保険会社、金融機関等から確定申告に必要な各種証明書データが届きますが、令和3年1月から、届いたデータを確定申告書に取り込み自動入力してくれる機能が追加されました。
自動入力された箇所については、入力漏れや入力間違いといったミスをなくすことができますし、確定申告にかかる作業時間を減らすこともできます。
確定申告をはじめとして、行政手続きの電子化は今後さらに進んでいくと考えられますので、これを機会に「マイナポータル」を開設してみてはいかかでしょうか。
参考
マイナポータルとは マイナンバー(社会保障・税番号制度)|内閣府
マイナポータルと連携した所得税確定申告手続|国税庁
2022年はスマホで簡単に確定申告しましょう
スマホを活用すれば、自宅にいながらでも確定申告できます。国税庁のサイトは個人事業主のスマホ申告には対応していませんが、アプリを使えば個人事業主もスマホで確定申告が可能になります。
2021年以降、個人事業主はe-Taxを使わないと不利になることがあります。PCがない人もe-Taxによる申告をあきらめる必要はありませんので、スマホによる申告を考えてみましょう。
よくある質問
スマホで電子申告ができる対象者は?
2022年(平成3年分)に対象となる所得や所得控除が追加されましたが、まだすべての人がスマホ申告できるわけではありません。詳しくはこちらをご覧ください。
スマホで確定申告する時に必要なものは?
スマートフォン、源泉徴収票、領収書・控除証明書、マイナンバーカードが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
スマホで確定申告書を作る手順は?
国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスして作成できます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。