• 更新日 : 2022年3月18日

確定申告で保育園の保育料は経費にできる?引き下げる方法も解説!

確定申告で保育園の保育料は経費にできる?保育料を引き下げる方法も解説!

小学生などにかかる費用に比べて、それより小さい子ども達の通う保育園などに支払う費用のほうが大きくなることがあります。また、3歳になって保育料が無償化されても、給食費や送迎費などはかかります。しかし、保育に関する出費については必要経費にはならず、また、特別な控除もありません。

この記事では、確定申告において、配偶者控除などの控除をしっかり利用して、結果的に翌年の保育費が減額されるための解説をします。

確定申告で保育料は経費にできる?

保育料を必要経費にすることはできません。所得税の計算上、経費として認められるものは業務上の費用であるため、家事費に相当する保育料は認められないのです。

個人事業主においても、給与所得者においても取扱いは変わらず、保育料は経費として認められません。反対に、所得制限はあるものの、3歳未満の子どもについては月15,000円の児童手当が受けられます。児童手当を受けた場合も事業の収入には含めません。

保育園の保育料の計算方法は?

保育料について整理すると、無償化となっている部分も多いことがわかります。
下の表に保育園(保育所)だけでなく、幼稚園や認定こども園についての無償化部分をまとめました。

保育料以外の送迎費をはじめ、給食費、行事費などについては保護者負担となりますが、保護者の年収により一定の免除があります。

対象施設:幼稚園・保育所・認定こども園(地域型保育、企業主導型保育事業*)

年齢保育料備考
0~2歳児住民税非課税世帯などは無料住民税非課税でなくとも、
兄弟がいる場合などでの減額あり
3~5歳児無料子ども・子育て支援新制度の対象外幼稚園は、
月額25,700円まで

*企業主導型保育事業には、一定の減額があります。

したがって、0~2歳児について保護者の収入によっては保育料が大きくなる場合があります。

そもそも地域型保育の保育料については、運営する市区町村によって計算方法が異なります。計算のもとになるのは、おおむね住民税の所得であり、この額を元に細かく保育料が設定されているのが一般的です。お住まいの地域の市役所などに計算方法を問い合わせて確かめてみて下さい。

確定申告で保育料を引き下げる方法とは?

保育料の計算の元となる住民税の所得を少しでも低くするためには、所得税における経費や所得控除をしっかり管理し、申告書へ反映することに尽きます。

個人事業主などが確定申告をする際には、必要経費をしっかり計上しましょう。そして、個人的事情によって所得から差し引ける所得控除について、よく理解することが重要です。ここでは、個人事業主が適用できる経費や控除について説明します。

必要経費を正しく申告する

事業所得は、次の算式で計算します。

事業所得 = 総収入金額 - 必要経費

したがって、必要経費を正しく計上しないと、事業所得は大きくなります。事業に要した経費については、しっかりと根拠資料を集め、正しく計上しましょう。減価償却費など少し複雑なものについては、あらかじめ調査したり専門家に聞いたりしておきましょう。

青色申告特別控除を利用する

事業所得や不動産所得などは、所得から青色申告特別控除を差し引くことができます。

青色申告特別控除として55万円を差し引ける要件は次の3つです。

  • 不動産所得または事業所得となる事業を営むこと
  • 事業の取引を正規の簿記の原則(一般に複式簿記)にて記帳していること
  • 貸借対照表損益計算書を申告書に添付し、申告期限までに提出すること

さらに、あと10万円控除を上乗せし、65万円の青色申告特別控除を適用することも可能です。

青色申告特別控除についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

配偶者(特別)控除を利用する

配偶者控除とは、「控除対象配偶者」がいる場合に適用できる所得控除です。控除対象配偶者とは、納税者と生計を一にしており、所得が48万円以下等の配偶者をいいます。

また、配偶者特別控除といって、配偶者に48万円超の所得があっても、配偶者の所得によって一定の金額の所得控除が受けられるケースがあります。配偶者控除や配偶者特別控除は、納税者と配偶者の双方の所得が関係します。

配偶者控除や配偶者特別控除についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

医療費控除を利用する

医療費控除とは、納税者が自分又は生計を一にする配偶者などの医療費の支払いをし、年間の医療費が一定額を超えるときに受けられる所得控除です。

医療費控除の額は次の式で計算した額となり、控除額は最高200万円までです。

(支払った医療費の合計額 -(保険金等で補てんされる額))-10万円*

*所得が200万円未満の場合は、所得の5%相当額

医療費控除についての詳細は、以下の記事をご参照下さい。

iDeCo等を利用する

iDeCoなど、小規模企業共済法に基づく共済契約の掛金等については、支払額について所得控除が受けられます。(小規模企業共済等掛金控除)

支払った掛金の全額が所得から控除できるので、節税効果の高い制度となります。

iDeCoについての詳細は、以下の記事をご参照下さい。

生命保険料控除を利用する

生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合には、一定額の所得控除が適用できます。これを生命保険料控除といいます。iDeCoのように掛金の全額ではありませんが、組み合わせにより最高12万円までの控除が可能です。

生命保険料控除についての詳細は、以下の記事をご参照下さい。

社会保険料控除を利用する

納税者が自分又は生計を一にする配偶者などの社会保険料を支払った場合には、支払額について所得控除を受けることができます。(社会保険料控除

社会保険料とは、公的な医療保険や年金保険、介護保険、労働保険などの総称です。
給与所得者であれば、給与天引きとなっていますが、個人事業主は支払先などから送られてくる証明書を漏れなく確定申告書に記載しましょう。

社会保険料控除についての詳細は、以下の記事をご参照下さい。

確定申告で保育料が返還されるって本当?

確定申告で保育料が返還されることはありません。

確定申告とは、1年間の所得を計算し納税額を求め、申告・納税する一連の手続きであり、保育料と直接関係はありません。たとえ、事業が赤字だったからといって保育料が返還されることもありません。

しかし、正しい確定申告により所得が低くなったり赤字になったりすると、保育料の元となる住民税の所得にも連動します。

住民税と所得税は計算方法がよく似ているため、所得税がない場合には住民税も非課税となるケースが多々あります。その場合、翌年の住民税の所得に対して決まる保育料はかなり低くなることが考えられます。

このように、確定申告で保育料は返還されませんが、確定申告の結果次第で、翌年の住民税の所得が低くなれば、それに伴い保育料が安くなることは大いにあります。

控除を利用して保育料を賢くおさえましょう!

確定申告を求められる個人事業主にとって、所得控除は是非とも押さえておきたい節税策です。年末調整で会社に申告書を提出する場合よりも、より深い理解が求められます。

しかし、最終的に保育料などにも影響する確定申告は毎年のことです。所得控除をしっかり理解し、翌年度は税制改正で変更がないかを確認する。これを続けていきましょう。

よくある質問

確定申告において保育料は必要経費にすることはできますか?

保育料は必要経費とすることはできません。また、確定申告によって保育料が還付されることはありません。詳しくはこちらをご覧ください。

保育料の計算方法は決まっていますか?

地域型保育の保育料については、運営する市区町村によって計算方法が異なります。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告で保育料を引き下げる方法はありますか?

所得税と住民税は連動しているので、確定申告により所得が低くなった場合には、住民税の課税所得も抑えられるため、結果として翌年の保育料が下がることはあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

関連記事