- 更新日 : 2025年3月7日
ダブルワークする個人事業主の社会保険は?勤務先で社会保険に加入する条件や社会保険料を解説
個人事業主がアルバイトやパートなどのダブルワークをする際に、気になるのが社会保険のことです。個人事業主として国民健康保険や国民年金に加入するのか、アルバイト先の社会保険に加入するのかで迷う人も多いでしょう。
ここでは、勤務先で社会保険に加入する条件など、ダブルワークする個人事業主の社会保険について解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。
この記事を読む方におすすめ
税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、毎年使える保存版としてご活用ください。
目次
「マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。
取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。
PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

個人事業主がダブルワークする場合に加入する社会保険は?
はじめに、個人事業主がダブルワークする場合に加入する社会保険について見ていきましょう。本記事で述べる「個人事業主のダブルワーク」とは、個人事業主としての事業のほかに、パートやアルバイトを行うことを指します。
個人事業主は原則、国民健康保険と国民年金に加入します。しかし、一定の条件を満たせば、ダブルワーク先の社会保険に加入できることになります。
個人事業主がダブルワーク先で健康保険や厚生年金保険に加入するための条件
個人事業主は次のすべての要件を満たすと、ダブルワーク先の健康保険や厚生年金保険に加入できます。
- 週の所定労働時間が20時間以上である
- 所定内賃金が月額8.8万円以上である(残業代や通勤手当、賞与などは含まない)
- 労働期間が2カ月を超えることが見込まれる
- 学生ではない
- 従業員数51人以上の企業に勤務している
従業員数など、加入条件を満たしているかどうかが分からない場合には、勤務先に問い合わせるなどしてください。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
ダブルワークする個人事業主の社会保険料の比較シミュレーション
社会保険は、国民年金・国民健康保険かダブルワーク先の社会保険(健康保険・厚生年金)のどちらかにしか加入できません。
ここでは、以下の例を挙げて、個人事業主が国民年金と国民健康保険に加入する場合と、ダブルワーク先で社会保険に加入する場合に支払う保険料を比較してみましょう。
例)個人事業主の月の所得(売上-経費)が30万円、ダブルワークの給料が月15万円。30歳で独身とする。
国民年金と国民健康保険に加入する場合
個人事業主が国民年金と国民健康保険に加入する場合は、個人事業主の月の所得30万円が基準となります。この場合の月額保険料は次のとおりです。
- 国民年金:17,510円(令和7年度)
- 国民健康保険:29,525円
- 社会保険料合計:国民年金17,510円+国民健康保険29,525円=47,035円
上記はあくまで目安です。国民健康保険の保険料は自治体によって異なります。
ダブルワーク先で社会保険に加入する場合
個人事業主がダブルワーク先で社会保険に加入する場合は、ダブルワークの給料15万円が基準となります。この場合の月額保険料は次のとおりです。
- 厚生年金:13,725円
- 健康保険(協会けんぽの場合):7,432円
- 社会保険料合計:厚生年金13,725円+健康保険7,432円=21,157円
上記はあくまで目安です。健康保険の保険料は、勤務先が加入している保険組合などによって異なります。
個人事業主がダブルワークをしている場合、個人事業主の所得に比べて、ダブルワークの収入のほうが少ないことが多いです。その場合、今回の例のように、ダブルワーク先で社会保険に加入するほうが、月に支払う社会保険料が安くなることが多いです。
ダブルワークする個人事業主の年末調整と確定申告
ここからは、税金に焦点をあてて、ダブルワークする個人事業主の年末調整と確定申告を見ていきましょう。
ダブルワーク先で年末調整を受けてもよい
個人事業主がダブルワークをしているときは、給与についてダブルワーク先で年末調整を受けても構いません。
会社員が他の会社でパートやアルバイトをする際には、本業の会社で年末調整をするため、ダブルワーク先では年末調整は行いません。
しかし、個人事業主の所得は年末調整の対象外であるため、給与についてはダブルワーク先で年末調整を受けてもよいことになっています。
確定申告では本業の事業所得とダブルワークの給与所得を申告する
個人事業主の事業による所得は、毎年確定申告が必要です。確定申告では、本業の事業所得だけでなく、ダブルワークの給与所得も合わせて申告をします。これは、確定申告では事業所得と給与所得を合算して、所得税を計算し直すためです。
給与についてダブルワーク先で年末調整を受けていたとしても、事業所得と合わせて申告が必要なので、忘れないようにしましょう。
ダブルワークの確定申告は以下の記事でくわしく解説しているので、合わせて読んでみてください。
マネーフォワード クラウド会社設立は、個人事業主が法人成りを検討したほうがよいタイミングをまとめた「法人化を検討すべき7つのタイミング」を無料で用意しております。
創業支援に強い税理士監修で、ポイントがまとまったお得な1冊となっていますので、ぜひ将来を見据えた情報収集でご活用ください。
個人事業主がダブルワークすると雇用保険に加入できる?
個人事業主がダブルワークする場合、雇用保険に加入することも可能です。ただし、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
個人事業主がダブルワーク先を退職すると失業保険をもらえる?
個人事業主がダブルワーク先を退職しても、失業保険はもらえません。なぜなら、失業保険とは、仕事を失った人が新たな就職先を見つけることを支えるための制度だからです。
ダブルワーク先を退職しても、個人事業主の仕事は継続しており、仕事を失ったわけではないため、失業保険の受給対象外になります。
個人事業主はダブルワーク先の社会保険の加入も考えよう!
個人事業主が個人事業主としての事業の他に、パートやアルバイトなどのダブルワークをしている場合は、労働時間や賃金などの一定の要件を満たせば、ダブルワーク先の社会保険に加入できます。
ダブルワークの金額によっては、ダブルワーク先で社会保険に加入する場合のほうが、月に支払う社会保険料が安くなることも多いです。ダブルワーク先の社会保険に加入できる要件を把握して、ダブルワーク先の社会保険への加入も考えましょう。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
個人事業主は資本金が必要ある?ない?
法人登記の際に必要となる開業資金が資本金ですが、登記の必要がない個人事業主にはこうした概念がありません。しかし、事業を始めるには設備資金や運転資金が必要です。こうした個人事業主の開業資金を、複式簿記の勘定科目上では「元入金」としています。 …
詳しくみる個人事業主は法人を掛け持ちできる?兼業のメリットや注意点を解説
個人事業主と法人を掛け持ちして、節税や保険料の負担軽減をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、掛け持ちによるメリットやデメリット、マイクロ法人や確定申告の有無について解説します。 個人事業主と法人を掛け持ちできる? …
詳しくみる個人事業主がAmazonビジネスを利用するメリットは?必要書類や登録手順も解説
Amazonビジネスは、法人や個人事業主の購入者向けに拡充されたサービスです。個人のアカウントとは、ビジネスに特化している点で違いがあります。個人事業主がAmazonビジネスを利用するメリットは何か、登録時の必要書類や登録の手順もあわせて紹…
詳しくみる個人事業主はパートと掛け持ちできる?確定申告・税金・社会保険の疑問をまとめて解説
個人事業主がパートを掛け持ちすることは可能ですが、それに伴い税金や社会保険の手続きが発生するケースがあります。パート先で年末調整を受けられる場合でも確定申告が必要になることもあるなど、把握しておきたいポイントも少なくありません。 本記事では…
詳しくみる個人事業主の持ち家はどこまで経費になる?具体例や計算方法を解説
個人事業主の持ち家に関する支出は、持ち家を事業で使っている場合にのみ経費にできます。しかし、経費にできるのは支出の全額ではなく、あくまで事業で使った部分のみです。事業で使った部分が明らかでない場合は、一定の割合をもとに計算して求めましょう。…
詳しくみる個人事業主も社会保険適用拡大の対象!常時5人以上の個人事業所の対応を解説
社会保険の適用拡大により、個人事業主も社会保険加入が必要です。この記事を読めば、「個人事業主で社会保険が対象になる基準は?」「社会保険適用の事務手続きがわからない」という悩みを解決できます。本記事で、社会保険適用拡大の概要や、社会保険の仕組…
詳しくみる