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  • 作成日 : 2021年12月3日

確定申告で自動車購入費用を経費にする方法や仕訳を個人事業主向けに解説!

確定申告で自動車購入費用を経費にする方法や仕訳を個人事業主向けに解説!

2022年提出確定申告まとめ 【随時更新】

・提出期限
 

2022年2月16日(水)〜2022年3月15日(火)

令和元年分及び令和2年分の確定申告期限については、新型コロナウィルスの影響により、期限が延期されました。そのため、国税庁の今後の動きでは令和3年分の確定申告期限も変動の可能性があります。『2022年の確定申告期間はいつからいつまで?』こちらも参考にしてください。

・注意すべき変更点

詳しい変更点については『2022年(令和4年)提出の確定申告変更点は?前年の変更も丁寧に解説』をご覧ください。

なお、初めて確定申告をされる方、また確定申告の必要があるか分からない方は『確定申告のやり方と流れを全くわからない人向けに解説』こちらをお読みください。

事業を営む個人事業主が、事業専用に車を購入したり、事業とプライベート兼用で車を購入したりすることもあるかと思います。

事業用に購入したものであれば、確定申告時に、事業経費として申告することが可能です。しかし、車購入額は一般的にある程度のまとまった額になるため、多くの場合購入した年に一時に経費とならず、減価償却の対象となります。

この記事では、自動車購入時の仕訳、車購入時の減価償却や耐用年数、中古車がなぜ税金対策になるといわれるか、ローンやリースの扱い、自動車保険の扱い、白色申告青色申告のことまで、詳しく解説していきます。

確定申告で自動車購入費用を経費に計上できる?

個人事業主が行う確定申告では、事業所得を求めるために、年間の売上と必要経費を集計する必要があります。

自動車の購入費については、事業で使用する自動車であれば、必要経費に計上できます。また事業専用でなくても、事業とプライベートの両方で使用する自動車なら、購入費を家事按分によって事業で使用する比率分だけ経費に計上できます。

ただし一般的に、自動車購入費は高額になるため、多くの場合、購入費の全額を一度に経費へ算入できません。別の項で詳しく説明しますが、一旦固定資産として計上し、減価償却費として経費に計上していきます。

そもそも個人事業主に認められる経費とは

国税庁は、事業所得に対する必要経費に算入できるのは、売上原価(売上に対する仕入分)など収入を得るために直接要した費用、その年の販売費一般管理費などと定めています。

当然、どんなに高額であっても事業に必要ではない出費は経費に計上できません。ただし、プライベートと事業の両方に関わる費用については、取引記録などに基づき、事業上必要と明らかに区分できる部分に限り経費計上が認められます。

個人事業主がおさえておきたい経費、個人事業主が迷いやすい経費については、以下の記事でも解説していますので、こちらもご覧ください。


自動車購入費用は減価償却する

自動車の購入費用のように、取得価額(自動車本体のほか納車費用などを含む額)が高額な資産については、減価償却の対象となります。ここでは、自動車購入と減価償却について解説していきます。

減価償却とは

文具などすぐに消耗してしまうようなものでなく、購入から数年、あるいは数十年などにわたって企業や事業主が保有する資産を固定資産といいます。自動車も取得から数年以上にわたって使用することが予想されることから、固定資産に該当すると考えられます。

固定資産の中でも、所有期間の経過に応じて価値が減少する資産を「減価償却資産」、所有期間が経過しても価値が減少しない資産を「非償却資産」といいます。自動車は、経年劣化や使用により価値が減少していく資産であるため、減価償却資産に該当します。

減価償却資産は期間の経過にともない価値が減少していくことから、会計上も、価値の減少を反映することが適切と考えられます。そのため減価償却資産は、取得価額を全額資産とし続けるのではなく、耐用期間にわたって資産の減価分(価値が減少した分)を経費として計上する処理を行います。この処理を減価償却といいます。(ただし、原則1組10万円以下の減価償却資産は、取得時に全額経費計上することが認められています。)

新車の耐用年数

自動車のような減価償却資産は、事業者ごとに減価償却する期間が異なると、税計算において不公平が生じてしまいます。

そこで、所得税や法人税の計算においては、固定資産を使用できる期間を法的に定めた「法定耐用年数」を用いて減価償却を行います。耐用年数は、同じ自動車という括りでも、種類や用途で細かく分類されています。以下の表は、自動車を新車で購入した場合の耐用年数のうち、主なものです。

構造や用途など
耐用年数
一般的な軽自動車
4年
一般的な普通自動車
6年
ダンプ式でない貨物自動車
5年
報道通信用の自動車
5年
タクシー業や代行業で使用する普通自動車(総排気量3リットル未満)
4年
タクシー業や代行業で使用する普通自動車(総排気量3リットル以上)
5年
運送業で使用する積載量2トン以下の貨物自動車
3年
運送業で使用する積載量2トン超の貨物自動車
5年

参考:耐用年数(車両・運搬具/工具)|国税庁 確定申告書等作成コーナー
たとえば、運送業や貸自動車業に該当しない事業者が、事業用として普通自動車を購入した場合は、耐用年数として定められた6年にわたって減価償却することになります。

中古車の耐用年数

中古資産の耐用年数は、法定耐用年数がすべて経過した資産を取得したか、法定耐用年数を一部経過した資産を取得したかによって異なります。一般的な普通自動車(新車の耐用年数6年)を中古で取得した場合を例に中古車の耐用年数の算出の仕方を見ていきましょう。

    • 法定耐用年数をすべて経過した資産を取得した場合

(例)事業で使用するために新車登録から8年を経過した普通自動車を取得した。

 6年×20%=1.2 → 2年

法定耐用年数がすべて経過した資産は、法定耐用年数の20%を耐用年数とします。なお、算出された耐用年数が2年未満なら、2年を耐用年数として扱います。

    • 法定耐用年数を一部経過した資産を取得した場合

(例)事業で使用するために新車登録から3年を経過した普通自動車を取得した。

 6年-3年+3年×20%=3.6 → 3年

一部経過した資産の耐用年数は、「法定耐用年数-経過年数+経過年数×20%」で計算します。1年に満たない端数は切り捨てるため、このケースでは3年を耐用年数にします。

減価償却の計算方法

税務上の減価償却方法には、固定資産の取得額に定額法償却率をかけ、毎年一定額を減価償却する「定額法」、固定資産の未償却残高に定率法償却率をかけ、一定の割合を減価償却する「定率法」があります。原則として個人事業主の法定償却方法は、定額法です。

(例)令和3年1月1日に300万円で取得した新車の普通自動車(耐用年数6年)を、令和3年12月31日の期末において減価償却する。

300万円×0.167=501,000円(減価償却費)

【定額法償却率表(平成19年4月1日以後取得の定額法)】

耐用年数
償却率
2年
0.5
3年
0.334
4年
0.25
5年
0.2
6年
0.167

参考:減価償却資産の償却率等表|国税庁

なお、個人事業主は「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を確定申告書の提出期限(3月15日)までに税務署へ提出すれば、定率法を用いた減価償却を行えます。

新車より中古車のほうが税金対策になる

自動車の取得に関して、新車よりも中古車のほうが税金対策になるといわれることがあります。これは、同じ取得価額でも、中古車のほうが新車よりも耐用年数が短く、新車購入時よりも多く減価償却費として計上できるためです。必要経費の計上額が多いと、その分、所得も少なく計上されるため、所得税の節税対策になります。
(例)事業用車として100万円で車を購入し、初年度の減価償却を行った。減価償却法は定額法を適用する
<新車の場合>

100万円×0.167(耐用年数6年)=16万7000円

<中古車(新車登録から8年経過後)の場合>

100万円×0.500(耐用年数2年)=50万円

ただし新車は3年目以降も減価償却できる一方、中古車は3年目からの減価償却がありません。長期的には必ずしも、中古車の節税効果が高いとは言い切れない点に注意しましょう。

ローンでの自動車購入や自動車のリースも経費にできる?

カーローンなどを利用して自動車を購入した場合も、自動車をリースした場合も、事業で使用している自動車であれば、必要経費に計上できます。ローンでの自動車購入の考え方、自動車リースでの経費の考え方については、以下の自動車購入時の仕訳で詳しく解説していきます。

自動車購入時の仕訳・勘定科目

事業に使用する自動車を入手した際の仕訳は、代金の支払い方法によって異なります。また長期間資産を借りる契約であるリース契約で車を借りた際にも、会計上は仕訳の対象となります。入手方法ごとにどのような仕訳がされるのかを見てみましょう。

■現金で自動車を購入したとき

(例)自動車の取得にともない、自動車本体300万円、自動車税25,000円、自賠責保険料27,180円、検査登録代行費用30,000円、納車費用20,000円を現金で支払った。なお、購入した車は免税対象のエコカーに該当するため、環境性能割(旧・自動車取得税)や自動車重量税の支払いは発生していない。

借方
貸方
車両運搬具
3,020,000円
現金
3,102,180円
租税公課
25,000円
損害保険料
27,180円
支払手数料
30,000円

自動車の本体価格と取得に要した納車費用は、車両運搬具(資産)です。所有する限り支払いが発生する自動車税は租税公課、自賠責保険料は損害保険料などの勘定科目で仕訳を行います。

検査登録代行費用は、取得時に一時に発生する費用ですが必ず発生する費用ではないため、取得価額(車両運搬具)に含めることも、取得価額に含めず支払手数料として取得時の経費に計上することも可能です。任意でどちらかを選択します。

このほか、取得時に発生することもある環境性能割(旧・自動車取得税)も、資産に含めるか、経費に計上するか選択できます。自動車重量税に関しては、自動車税の扱いと同様、租税公課です。

■ローンを利用して自動車を購入したとき

(例)自動車の取得にともない、自動車本体300万円、自動車税25,000円、自賠責保険料27,180円、検査登録代行費用30,000円、納車費用20,000円、全額カーローンを使用(分割手数料30万円)して支払った。なお、購入した車は免税対象のエコカーに該当するため、環境性能割(旧・自動車取得税)や自動車重量税の支払いは発生していない。

借方
貸方
車両運搬具
3,020,000円
長期未払金
3,402,180円
租税公課
25,000円
損害保険料
27,180円
支払手数料
30,000円
長期前払費用
300,000円

カーローンを利用しての自動車購入時には、自動車という資産を入手したとして仕訳を行います。固定資産および各費用の計上は現金での入手時と同様ですが、実際にはまだ代金を支払っていないため、未払金(1年を超えるカーローンは長期未払金)として処理します。ローンの分割手数料は、自動車購入時に、全額を前払費用(1年を超えるカーローンの分割手数料は長期前払費用)として処理します。

■リース契約時(ファイナンス・リース)

(例)事業で使用するために、自動車を5年リースする契約を結んだ。当該リース契約は、リース期間終了後に所有権が移転するファイナンス・リース取引に該当する。リース料総額の現在価値は250万円である。

借方
貸方
リース資産
2,500,000円
リース債務
2,500,000円

ファイナンス・リース取引に該当するリース取引は、リース契約時にリース資産とリース債務の両建処理を行います。リース資産は、自動車購入と同じように、減価償却の対象になる資産です。自動車の耐用年数(所有権移転ファイナンス・リース取引に該当する場合)、またはリース期間(所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当する場合)にわたって減価償却を行います。

■リース契約時(オペレーティング・リース)

ファイナンス・リース取引に該当しないリース取引を、オペレーティング・リースといいます。オペレーティング・リースは、賃貸借取引と同様と考えることから、契約時に資産計上は行わず、仕訳の必要もありません。

仕訳が発生するのはリース料支払時です。以下のように仕訳を行い、リース料を経費に計上します。

(例)自動車のリース契約にともない、1回目のリース料5万円を現金で支払った。リース契約は、オペレーティング・リース取引に該当する。
借方
貸方
リース料
50,000円
現金
50,000円

自動車保険は保険料控除の対象にならないため要注意

一部の保険に対して支払った保険料は、確定申告時に保険料控除の対象となります。しかし自動車保険は保険料控除の対象には含まれていないため、所得控除に計上はできません。

ただし、事業用の自動車にかけられた保険であるなら、家事按分比率に応じて保険料を経費として計上できます。

自動車購入費用の確定申告は白色申告より青色申告がおすすめ

事業で使用する自動車の購入費用は、支払い方法に関わらず経費に計上できます。まずは、取得時に、この記事で取り上げた仕訳を参考に資産に計上し、期末時(個人事業主は12月31日)に減価償却分の経費を計上しましょう。

なお、確定申告で節税したいなら、事業所得者などに認められる青色申告による確定申告がおすすめです。

青色申告については、以下の記事で詳細をご覧ください。

よくある質問

自動車購入費は経費計上できる?

事業用に使用する自動車の購入費用であれば経費計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。

自動車の減価償却とは?

取得時の一時の費用とするのではなく、耐用期間にわたって自動車の取得価額を必要経費に計上することをいいます。詳しくはこちらをご覧ください。

ローンでの自動車購入やリースも経費にできる?

ローンを利用した自動車購入であっても、リースによる自動車の利用であっても、事業で使用するものであれば経費にできます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。