- 更新日 : 2023年5月19日
副業するサラリーマンが増加中。オススメや税金などをまとめて解説

隙間時間を活用して、アルバイトをしたり、副収入を得たりするサラリーマンが増えてきました。サラリーマンの副業にはどういったビジネスが人気なのでしょうか。副業をする会社員が増えている理由や注意点、人気の副業の他、確定申告が必要な場合と不要な場合まで解説していきます。
目次
なぜ副業に取り組むサラリーマンが増えているの?
総務省の就業構造基本調査によると、副業を希望する会社員の総数は、2002年には約277万人(雇用者全体の5.1%)であり、2017年には約385万人(雇用者全体の6.5%)に上るなど徐々に増加しています。
副業者の数も2007年は約103万人(雇用者全体の1.8%)だったものが、2017年には約129万人(雇用者全体の2.2%)に増加し、副業希望者だけでなく、実際に副業をするサラリーマンも増加していることがわかるでしょう。
テレワークも普及してきたことから、2018年以降の数年間で副業をするサラリーマンはさらに増えていると予想できます。
このように副業をするサラリーマンが増えているのは、国や企業が副業を推進するようになったからでしょう。
特に、2018年1月に厚生労働省が示した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、社会に大きなインパクトを与えました。同ガイドラインは、国が進める働き方改革のもと公表されたものです。副業・兼業促進の方向性や企業・労働者の対応における注意点などが示されました。さらに、事前申請式で副業を認める企業が大手を中心に増えていることなども副業者増加の背景として挙げられます。
副業しやすい環境が徐々に構築されつつあることに加え、個人のスキルを活かしたい、隙間時間を副業に充てたいといったニーズもあり、サラリーマンの副業が増えているのです。
サラリーマンが副業する際の注意点は?
サラリーマンが副業する場合、まずは本業が優先されます。本業での務めを果たした上で副業に取り組むようにしましょう。ここでは2つの注意点を取り上げます。
本業や日常生活への影響がない範囲でやろう
会社員には、職務専念義務があります。これは雇用契約によって定められた、業務中は本業に専念するという義務です。本業に影響のある副業は職務専念義務違反になる可能性があります。会社に対する雇用者の義務を理解した上で副業に取り組むことが重要です。
また、副業を始めると労働時間が長くなる可能性があり、長時間労働が本業や日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。副業をする労働者には健康管理や就業時間の管理も求められますので、影響のない範囲で取り組むようにしましょう。
会社が副業を禁止している場合も
サラリーマンの副業は法律で禁止されていませんが、会社にはルールとして副業を禁止することも認められています。多くの場合、就業規則などで副業禁止の事項が定められています。
会社は、従業員が副業禁止規定を違反したからといって直ちに解雇などの重い処分を下せるわけではありませんが、雇用契約において重大な問題があったときは解雇の理由として扱うことができます。例えば、本業の業務時間中に副業をした場合、競合他社で副業をした場合、副業で会社の情報を漏えいさせた場合などは、企業側が解雇といった何らかの通告を言い渡すことができるのです。
解雇まで至らなくても、無許可で副業をした場合は会社とトラブルになることもありますので、勤務先が副業を禁止していないか、あらかじめ確認しておきましょう。
サラリーマンに人気の副業は?
副業にもさまざまなものがありますが、サラリーマンには何が人気なのでしょうか。人気の副業を5つ紹介します。
データ入力や事務業務などの在宅でもできる仕事
在宅系の仕事の中でも、スキルがなくても取り組みやすいものが人気です。例えば、住所録の作成などといった企業に指定されたデータを入力するデータ入力の仕事、音声を文字に起こす仕事などがあります。
プレゼンテーションソフトや表計算ソフトなどを利用できる場合は事務系の在宅仕事、文書が得意であればWebライティングなども選択肢として考えられるでしょう。このような在宅系の仕事は、クラウドソーシングなどで簡単に見つけられます。
スマホなどで参加するゲームやアンケート
スマホで簡単に副業を始められることから、ゲームやアンケートでポイントが獲得できるポイントサイトやアンケートモニターサイトなども人気です。ポイントを現金に換えられるサイトもあり、ポイントがたまったら現金収入として得ることもできます。
ゲームやアンケート回答などによる副業が人気なのは、隙間時間を利用して気軽にできるためです。特別なスキルも必要ないため、誰でも簡単に始められます。
単発のイベント系のアルバイト
イベント系などの単発のアルバイトもサラリーマンの副業で人気があります。単発のアルバイトは面接を設けていない場合も多く、かつ日時が決まっているため、本業が休みの日などに仕事を入れやすくなっています。
アルバイトの募集を掲載している求人サイトや派遣会社などを利用して単発のアルバイトを探すのが一般的です。
講師や翻訳などの知識を活かす仕事
専門的な知識やスキル、経験などをお金にすることもできます。講師や翻訳、プログラミングの仕事、写真の販売などが代表例として挙げられるでしょう。
特定の知識やスキルは企業だけでなく個人からの需要もあります。スキル販売サイトやマッチングサービスなどを利用して販売することも可能です。
株やFXなどの投資
会社で副業が禁止されているサラリーマンでも取り組みやすいのが株式投資やFX(Foreign eXchange)です。株式投資やFXは副業ではなく資産運用にあたるため、会社員としての義務に違反しない限り問題にはなりません。
ただし、株式投資やFXは投資であることから、資産が増える可能性もあれば、ほかの副業と違って資産が減少するリスクもあります。副業で株式投資やFXを始める場合は、リスクも十分理解した上で始めることをおすすめします。
副業したら確定申告が必須って本当?
副業する場合に注意したいのが、所得税の確定申告です。サラリーマンの場合、勤務先が所得税額を計算するため、基本的に確定申告は必要ありません。しかし、本業に加えて副業を始めた場合は確定申告が必要になることがあります。
確定申告が必要になるパターン
サラリーマンで確定申告が必要になるのは、一部を除き、本業の給与所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合で、かつ納付する所得税額がある場合です。
ここでいう所得とは、副業から得た収入の全額ではなく、収入額から必要経費を差し引いた金額を指します。必要経費とは、その副業をするにあたって必要になった通信費や消耗品費などのことです。
例えば、副業するためだけに購入したパソコン(※10万円を超える場合は原則的に資産計上し、減価償却を通じて少しずつ費用計上することになります)、副業先に行くための移動費、取引先に書類を送付するための切手代などを必要経費にできます。
副業の所得を計算するためには収支を把握する必要がありますので、副業で要した費用にかかわる領収書などは保管しておきましょう。
金額が小さなときの対処方法
確定申告が必要になるパターンほど収入がない場合は、基本的に確定申告は必要ありません。(※必要ないのは所得税の確定申告で、給与以外の所得が20万円以下でも住民税の申告は必要です。)年末調整で課税関係が完結したと認められるためです。
ただし、収入金額が必要経費の額を下回り副業が赤字になるような場合では、確定申告をした方がよいケースがあります。サラリーマンの場合、副業で赤字があると所得税の対象になる課税所得額が下がり、納付すべき所得税額が減額することがあるためです。減少した税額分は源泉徴収によりすでに納めていることから、確定申告により還付の対象となります。このような仕組みを損益通算といいます。
ただし、副業が雑所得に該当する場合は損益通算の対象外となり赤字は認められませんので、赤字があっても還付は受けられません。事業所得や不動産所得、譲渡所得、山林所得に該当する副業のみが対象になります。
サラリーマンでも副業はできる!知識と隙間時間を有効活用しよう
副業に取り組むサラリーマンが増えてきました。特定の知識やスキルを活かして副業に取り組む方法もありますが、スキルがなくてもできる副業はあります。副業を始めたい場合は、まずは会社で禁止されていないかなど確認することから始めましょう。
よくある質問
オススメの簡単な副業はある?
アンケート回答や単発系のアルバイトなど、スキルがなくても取り組みやすい副業もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
副業の収入が少なかった場合、確定申告するとお得になりますか?
事業所得など損益通算が認められる所得の場合で必要経費が収入を上回るときは、確定申告をすることで、源泉徴収された所得税が還付される可能性があります。詳しくはこちらをご覧ください。
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