• 更新日 : 2024年11月14日

副業したら青色申告にできる?節税やメリットは?やり方や条件を解説

確定申告を行っている方であれば、控除が受けられ節税になる青色申告を検討している方も多いでしょう。青色申告は個人事業主の方が実施するイメージはありますが、サラリーマンの副業においてもメリットがあります。

本記事では青色申告の内容や、メリット、手続きについて紹介していきます。

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そもそも青色申告とは?

青色申告とは確定申告する際の申告方法の一つで、手間がかかる一方で税務メリットが認められています。青色申告について詳しく見ていきましょう。

確定申告する際の申告方法のひとつ

青色申告は確定申告をする際の申告方法の一つで、所得税を正しく納税するために行います。所得税は一年間の所得を、税務署に自分で申告して納税を行います。

青色として申告するには日々の取引を複式簿記で記帳して、さらに取引に関する書類を保管しておく必要があるなど手間がかかるでしょう。申告の手間がかかる一方で、控除を受けられるというメリットがあります。青色申告のメリットについては後ほど詳しく解説していますので参考にしてください。

なお、青色申告については以下の記事でくわしく解説しています。

白色申告との違い

白色申告との違いは、事務の手間がかからない点です。確定申告の方法には青色の他に白色申告があります。青色申告以外の申告はすべて白色申告といいますが、青色のように取引ごとの記帳は不要なため事務作業の手間がないことは特徴といえるでしょう。

青色申告をするメリット

青色申告を選択すると、控除などさまざまな税務メリットがあります。青色申告をするメリットについて詳しく紹介します。

特別控除が受けられる

青色申告をするメリットの一つが、最大65万円の特別控除が受けられることです。特別控除は所得額から差し引けるため、適用されれば税金を抑えられるでしょう。最大65万円の控除を受けるには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 事業的規模の事業所得、不動産所得がある
  • 複式簿記で記帳する
  • 青色申告決算書を添付する
  • 申告期限内に申告する
  • e-taxを利用する

e-taxを利用しなかった場合で他の条件を満たしていれば、控除額は55万円となります。また上記の条件に当てはまらなくても、青色申告であれば10万円の控除が利用できます。

赤字を繰り越せる

損失が出た場合に、繰越ができることも青色申告のメリットです。所得税は年間の所得に対して課税されるため、所得がマイナスの場合、税金は発生しません。そのため所得はできるだけ少ないほうがよいですが、青色申告をしていれば損失を最大3年間繰越できます。

例えば、確定申告の結果100万円の損失が出た場合、翌年の所得から100万円を差し引けます。翌年の所得が30万円であれば、さらに翌年の所得70万円を差し引けます。このように損失を繰り越せることにより、税務メリットを享受できるでしょう。

家族に対する給与を経費計上できる

家族に対する給与を経費計上できることも、青色申告のメリットです。白色申告では経費計上は認められていませんが、一定の事業専従者控除が可能です。控除額は配偶者で86万円、その他親族で50万円と金額が決められています。一方、青色申告の場合、妥当性のある金額であれば全額が経費計上できるため、所得を抑えられるでしょう。

貸倒引当金を計上できる

貸倒引当金を一括評価で計上できることも、青色申告のメリットです。貸倒引当金とは売掛金の未回収に備える資金のことで、費用として計上できます。青色申告をしていれば売掛金の5.5%(金融業の場合3.3%)を計上できるため、節税に繋がります。

貸倒引当金は白色申告でも行えますが、一括評価ではなく個別評価という方法で実施することが一般的です。個別評価で認められる引当金は、相手が破産や民事再生をした場合や、債務超過の状態が継続して好転の見通しが無い場合とされています。一括評価に比べると計上しにくいため、節税効果は期待できません。

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青色申告にするための条件

税務メリットが多い青色申告ですが、誰でも利用できる訳ではありません。青色申告にするための条件を見ていきましょう。

開業届や青色申告承認申請書の提出

青色申告を採用するには、開業届と青色申告承認申請書の提出が必要です。

開業届とは正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼び、青色・白色に関わらず開業後1ヶ月以内に提出する必要があります。開業届は出さなくても罰則はありませんが、青色申告をするのであれば必要です。

また青色申告する際には、青色申告承認申請書も必要です。青色申告承認申請書は青色申告をしようとする年の3月15日までに、税務署に提出が必要です。新規開業で開業の年から青色申告を利用するのであれば、開業から2ヶ月以内に提出が必要なため注意しましょう。

所得の種類は限定される

青色申告を利用するには、所得の種類が事業所得・山林所得・不動産所得に限定されます。所得の種類には他にも給与所得譲渡所得などがありますが、青色申告は利用できません。

サラリーマンの方が行う副業の場合は、業務の内容によっては雑所得に分類されます。特にライティングなどは雑所得になりやすいため、青色申告は選択できない場合が多いでしょう。

副業による年間所得が水準以上あること

副業による収入が一定額以上でなければ、青色申告は利用できません。サラリーマンの場合、確定申告が必要になるのは、副業の所得が20万円超となっています。また、給与所得が2か所以上ある場合は、年末調整されなかった給与収入が20万円超の場合です。つまり給与収入が一か所で、副業の所得が20万円以下であれば確定申告は不要なため、青色申告も利用できないことになります。

記帳・帳簿書類を保管しておく

青色申告を利用するには、記帳や帳簿書類の保管が必要です。青色申告は事業所得・不動産所得・山林所得しか利用できないことは先程も説明しましたが、サラリーマンの副業は事業所得になるか雑所得になるかの判断が曖昧でした。そこで国税庁は2022年に年間収入が300万円を超えない場合には、雑所得とするという改正を予定し意見を募集しました。

これには多数の反論があり、結果として訂正されました。収入が300万円以下であっても帳簿書類を保管していれば、事業所得として取り扱う方向性になっています。正式決定ではありませんが、今後青色申告を利用するには帳簿の保管が必要になる可能性があることは認識しておきましょう。

副業での青色申告は本当にするべき?

ここまで青色申告について説明してきましたが、サラリーマンの副業であれば白色申告がおすすめです。青色申告は税務メリットも多いですが、事務負担も大きいです。副業としての収入であれば収入もそこまで多くなく、税務メリットも限定的でしょう。

そのため本業で忙しく、副業に多くの時間を割けないサラリーマンにとっては、白色申告の簡単さのメリットは大きいでしょう。収入にもよるため一概にはいえませんが、税務メリットだけでなく事務負担を考えると、副業には白色申告がおすすめです。

副業をしているなら、まずは確定申告の準備から

サラリーマンであっても、副業で一定収入のある方は確定申告が必要です。確定申告の方法には青色申告があり、事務負担がある一方で税務メリットもあります。副業で確定申告をする方にとっては青色申告するための事務負担と、享受できるメリットを比較して判断するとよいでしょう。

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