• 更新日 : 2022年12月20日

非課税所得とは?確定申告は不要?非課税世帯との違いについても解説!

非課税所得とは?確定申告は不要?非課税世帯との違いについても解説!

課税所得とは一般的な所得とは違い、所得税の課税対象にはならない所得のことです。

「所得税がかからないということは確定申告をする必要がないのでは?」と考える方も多いでしょう。

そこで今回は、非課税所得の扱いや非課税世帯との違いなどについて解説いたします。確定申告の際、非課税所得をどうすればいいのかなどお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

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非課税所得とは?

非課税所得とは、社会政策などの観点から課税対象とならず、収入金額分の所得税を支払う必要のない所得のことです。

非課税所得の対象になるものは、主に遺族年金や生活保護費など、特別な事情がある所得や、通勤手当などの補填の意味合いが強い所得などです。これらの所得に関しては、課税の対象とならないため所得税を支払う必要がありません。

一方、課税の免除とは、一定の要件を満たす場合に申告や申請により納税の義務がなくなることです。非課税所得対象と間違えやすい通常の所得もあるため、何となくではなく、非課税所得かどうかをきちんと確認したうえで判断しましょう。

非課税所得は確定申告が不要?

所得税がかからない非課税所得は、所得金額の計算から除かれるため、確定申告の必要はありません。所得税においては、非課税の適用を受ける確定申告などの手続きも、原則不要となっています。

つまり、遺族年金などの収入があった場合でも「その収入を非課税所得にするための手続きを行わなければならないのでは……」などと、心配する必要がないということです。

また、確定申告においては、非課税所得のために発生した費用は経費に算入できないなど、通常の所得とは異なる点が多いことにも注意しましょう。

非課税所得の種類は?

非課税所得は「利子・配当所得関係」「給与所得・公的年金関係」「譲渡所得関係」「その他の所得関係」の4つに分けて考えられます。

本章では「それぞれがどのような所得なのか」「どのような所得なら非課税対処になるのか」などについて解説しながら、それぞれの所得において非課税となるものを例示します。

利子・配当所得関係

NISAなどの非課税口座、納税準備預金、子ども銀行の預貯金など、特定の口座や貯蓄に関する利子や配当は非課税所得に該当します。

利子と聞くと少額を思い浮かべるかもしれませんが、元本によっては相応に大きな金額となるため、こちらも重要な所得の一つです。

また、一部の利子や配当所得が非課税となるだけであり、一般的には利子所得、配当所得も課税対象となります。よって、すべての利子や配当が、非課税にならない点にも注意しましょう。

給与所得・公的年金関係

給与所得者の月15万円までの通勤手当、出張先までの旅費交通費や転居費用などの給与関係や、遺族年金や傷病年金といった一部の公的年金などは非課税所得となります。

基本的に遺族年金は、所得税に加え相続税に関しても非課税対象となっています。しかし、遺族に支給される確定給付企業年金や退職年金などに関しては、所得税は課税されませんが、相続税の対象となります。

このように、所得によって課税対象になるかどうかといった違いがあるため、非課税対象と思われる収入が入ったときには、確定申告の前に必ず確認しましょう。

譲渡所得関係

特定の資産・財産を地方公共団体や国に譲渡した際の所得や、NISAなどの非課税口座内の少額上場株式関係に関係する譲渡所得、また家具や衣類などの生活に通常必要とされるものなど、譲渡所得は非課税所得となり課税対象にはなりません。

そのため「生活必需品の譲渡所得が非課税になることまで明記する必要があるのか?」と思われる方もいるでしょう。しかし、ゴルフ会員権や30万円を超える貴金属や宝石、骨董品などの譲渡所得は、所得税の課税対象になるため、動産の売却によって譲渡所得を得た際には、それが非課税対象かどうかを確認することが重要です。

その他の所得関係

損害賠償金や慰謝料、学資金や扶養義務者が扶養義務を履行するために給付する金品など、上記「利子・配当所得関係」「給与所得・公的年金関係」「譲渡所得関係」のいずれにも分類されない場合でも、非課税になるものがあります。

慰謝料や見舞金など特別な事情がある所得や、損害賠償金といった補填の意味合いが強い所得などは、非課税対象になる可能性が高いでしょう。しかし、課税対象になるかどうかわからない所得を得た際は、課税所得か非課税所得なのか必ず確認しましょう。

課税か非課税か間違いやすい所得は?

ここまで非課税対象になる所得について解説しましたが、中には課税対象か非課税対象かわかりにくいものや、間違えられることの多い所得もあります。

非課税所得かどうかを間違えるようなことがないためにも、遺族年金や補償金など普段の定期収入とは異なる入金があった場合は、それらが課税対象となっているかどうかを確認することが重要です。

また、給付金などは条件の違いによって課税対象となったりならなかったりするため、そういった場合は、その都度適切に判断しなければなりません。

遺族年金

遺族年金は非課税所得のため、確定申告をする必要はありません。しかし、ほかの雑所得で課税対象のものがある場合は、遺族年金を除いて確定申告が必要です。

また、年末調整や確定申告において、遺族年金のような非課税所得を得ている方が扶養親族にいる場合、傷病年金や遺族年金などは非課税であるため、その方の所得見積から差し引くことを忘れないようにしましょう。

失業保険

失業保険は非課税のため確定申告をする必要はありません。しかし、年度の途中に退職をして年末調整をしていない場合などは、確定申告により所得税の還付を受けることができます。

このように、必須ではないものの、確定申告をしたほうがメリットは多い場合もあり、一概にすべての確定申告が手間なだけとは考えないほうがよいでしょう。

所得補償の保険金

怪我や病気で勤務できなくなった際に支払われる保険金は、非課税のため確定申告の必要はありません。しかし、新型コロナウイルス対策の給付金などは、給付金や補助金の種類によって課税対象か非課税対象かが異なっているため注意が必要です。

例えば、国や地方自治体から支給された助成金のうち、次のような助成金は非課税となります。

  • 助成金の支給にあたって、非課税とされるもの
  • その助成金が次に該当することとなり、所得税法により非課税とされるもの
    • 学資金として支給される金品
    • 心身または資産への損害について受ける見舞金<

給付金ごとに課税対象かどうかは異なっているため、必ず確定申告の前には確認するようにしましょう。

新型コロナウイルス関連の給付金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

住民税の非課税世帯との違いに注意!

非課税所得とは所得税がかからない「所得」のことです。なお、住民税の非課税世帯は、その世帯全員の住民税が非課税となっている「世帯」が該当します。ここで言う住民税とは、「均等割」も「所得割」も非課税となっているということを指します。

つまり、非課税所得を得ていれば必ず非課税世帯になるわけではなく、一方で非課税世帯だからといって全所得が非課税になるわけでもありません。

なお、非課税世帯については、こちらの記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

所得税が非課税となる所得を覚えておきましょう!

非課税所得は基本的に確定申告の必要がありませんが、今回解説したように非課税所得と間違えやすい所得や、還付目的で確定申告を行う方がいるなど、非課税所得についてもたくさんのケースが存在します。

課税の対象と思っていたものが非課税であった場合、すでに確定申告・納付が終わっていれば、「更正の請求」という方法で税金を取り戻すことができます。しかし、課税所得を非課税所得と間違えて認識したまま確定申告を行うと、申告漏れにつながる可能性が高くなります。

そのため、確定申告が必要な所得とそうではない所得を判断できるように、利子・配当関係、給与関係、資産譲渡関係など、非課税所得の種類を把握しておくことが重要です。

よくある質問

非課税所得は確定申告の必要がない?

非課税所得は基本的に確定申告する必要はありません。詳しくはこちらをご覧ください。

非課税所得にはどんな種類の所得がある?

主に「利子・配当関係」「給与・年金関係」「譲渡所得関係」「その他」の4つに分けられます。詳しくはこちらをご覧ください。

非課税所得と非課税世帯の違いは?

非課税所得は所得税がかからない「所得」、非課税世帯は住人全員の住民税が免除となっている世帯のことです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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