• 更新日 : 2024年12月25日

ものづくり補助金は個人事業主も申請できる?最新事例も紹介

広告

2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ

▽提出期限

2025年2月17日(月)~ 2025年3月17日(月)

※上記は2024年/令和6年分の申告を行う期間です(参考記事はこちら

初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者などによる革新的なサービスの開発を支援するものです。条件を満たす事業者が必要書類を準備して申請を行い、採択されれば補助金を受け取れます。

ものづくり補助金について、個人事業主も申請できるかどうか気になる人もいるのではないでしょうか。

本記事では、法人だけでなく個人事業主がものづくり補助金を申請できるのかどうかを解説します。また、採択されるまでのポイントや、採択された最新事例についても紹介します。

広告
確定申告はオンラインで、簡単に

マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに書類を作成。そのままスマホから提出することもできます。

PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

マネーフォワード クラウド確定申告
詳細を見る 無料で使ってみる

個人事業主はものづくり補助金を申請できる?

ここからは「ものづくり補助金とは何か」「個人事業主もものづくり補助金に申請できるか」という点について説明します。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者などが「革新的なサービスの開発」「試作品の開発」「生産性の向上」を行う際の設備投資を支援するために、国から交付される補助金です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

ものづくり補助金を受け取るまでは、大まかに以下のようなスケジュールで進行します。

  1. 公募要領に従い、ものづくり補助金の公式サイトから申請を行う
  2. 採択発表を待つ
  3. 採択されたら、期限までに交付申請を行う
  4. 交付決定後、補助事業を開始する
  5. 期限までに、補助事業の実績を報告
  6. 補助金額が確定されるので、精算払請求を行う

ものづくり補助金は、補助の対象となる事業が終わってから後払いされる点に注意が必要です。また、公募の期限をはじめ詳細なスケジュールは公募回によって異なるので、随時公式サイトの確認をおすすめします。

参考:スケジュール|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金の種類と補助金額

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者がどのような取り組みを行うかによっていくつかの種類に分かれます。令和6年3月21日に公募要領が掲載された、18次締切分のものづくり補助金に関しては以下の3つに分けられています。

枠・類型特徴
省電力化(オーダーメイド)枠事業の生産性を向上させるために、デジタル技術などを活用した専用の設備(オーダーメイド設備)の設置を支援する補助金
製品・サービス高付加価値化枠先進的な製品・サービスを開発するための設備投資を支援する補助金

※このうち、DX・GXの分野に対する補助金は「成長分野進出類型(DX・GX)」という枠組みに分類され、他の分野(通常類型)と補助金の上限額が異なる

グローバル枠海外事業を実施するうえで必要な設備・システムへの投資を支援する補助金

また、それぞれの補助金について、補助金額の詳細は以下のようになっています。

枠・類型補助率従業員数に応じた

補助上限額

省力化(オーダーメイド)枠中小企業:1/2

小規模事業者等:2/3

※補助金額1,500万円までは1/2もしくは2/3、1,500万円を超える部分は1/3

5人以下:750万円

6~20人:1,500万円

21~50人:3,000万円

51~99人:5,000万円

100人以上:8,000万円

製品・サービス高付加価値化枠【通常類型】中小企業:1/2

小規模事業者等:2/3

※一定の要件を満たすと2/3に引き上げられる場合あり

5人以下:750万円

6~20人:1,000万円

21人以上:1,250万円

製品・サービス高付加価値化枠【成長分野進出類型(DX・GX)】2/35人以下:1,000万円

6~20人:1,500万円

21人以上:2,500万円

グローバル枠中小企業:1/2

小規模事業者等:2/3

3,000万円

参考:公募要領(18次締切分)|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

なお、従業員の大幅な賃上げに取り組んでいる事業者については、補助金の種類や従業員数によって補助上限額が100~2,000万円引き上げられる可能性があります。

ものづくり補助金の対象となる経費

ものづくり補助金の対象となる経費は以下のように定められています(18次締切分の場合)。

経費の種類概要
機械装置・システム構築費機械装置や専用ソフトウェアの購入に要する経費など
運搬費宅配・郵送料などに要する経費
技術導入費知的財産権等の導入に要する経費
知的財産権等関連経費特許権をはじめとする知的財産権等の取得のために必要な、弁理士の手続き代行費用など
外注費新製品・サービスの開発に必要な業務の一部を外注するための経費
専門家経費事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
クラウドサービス利用費クラウドサービスの利用に必要な経費
材料費試作品の開発に必要な原材料や、副資材の購入のための経費
海外旅費海外渡航や宿泊などに必要な経費
通訳・翻訳費通訳・翻訳を依頼する際に必要な経費
広告宣伝・販売促進費海外展開に必要な広告の作成・媒体掲載・展示会出展などに必要な経費

参考:公募要領(18次締切分)|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

経費の種類によっては、補助金の上限額が設けられている場合があります。詳細はものづくり補助金の公式サイトに掲載されている公募要領を確認してください。

参考:公募要領について|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金は個人事業主も対象

ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者などを対象にした制度です。個人事業主も中小事業者等に該当するため、ものづくり補助金の申請が可能です。業種は特に問われません。

しかし、個人事業主は法人と比べて、ものづくり補助金の申請が通りづらい傾向にあります。申請する際は審査されるポイントを把握し、必要書類をしっかり作り込むことが必要です。

個人事業主がものづくり補助金を申請するまでの流れ

ここからは、個人事業主がものづくり補助金を申請するまでの流れについて解説します。

必要書類を準備する

個人事業主がものづくり補助金を申請するにあたって、必ず提出する書類は以下の通りです。

雇用している従業員数など、個人事業主の状況によって上記以外の書類が必要なケースがあります。また、審査の加点を希望する場合に提出できる書類もあります。詳細は公募要領に記載されているので、よく読んで何の書類を提出するべきかを整理し、準備に取り掛かりましょう。

参考:公募要領について|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

GビズIDプライムアカウントを取得する

ものづくり補助金の申請は公式サイトの電子申請システムから行います。電子申請システムの利用にあたって、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。

GビズIDプライムアカウントは書類の郵送、もしくはマイナンバーカードを使ったオンライン上での申請を行うことで取得可能です。詳細な手順はGビズIDの公式サイトで確認できます。

参考:GビズID | Home

電子申請システムでものづくり補助金を申請する

GビズIDプライムアカウントを取得したら、ものづくり補助金の公式サイトから電子申請システムのページへアクセスし、ものづくり補助金の申請を行います。

電子申請システムでは、交付を希望する補助金の種類に応じた申請内容の入力や、提出書類の添付などを行います。手順が多いため、公式サイトに掲載されている電子申請マニュアルを確認しながら進めましょう。

参考:電子申請|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

広告
個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。

税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

内容はこちら 無料登録でもらう

個人事業主のものづくり補助金の採択率

16次締切分のものづくり補助金において、個人事業主の採択率はおよそ40%以下であると考えられます。ものづくり補助金の公式サイトで公開されている、申請者の規模別で集計された申請率・採択率のグラフを見てみましょう。

申請者の規模(従業員別)におけるものづくり補助金の申請率・採択率

申請者規模別集計申請率・採択率のグラフ

出典元:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

従業員が0~5人の申請者に関しては、16次の採択率が40.3%であると示されており、6人以上の規模に比べると採択率が低いです。平成26年の統計局の調査で、個人事業主の平均従業員数がおよそ1.6~5人であると示されているため、個人事業主の多くが上のグラフの「0-5人」に該当します。また「0-5人」に法人が含まれる可能性も考慮すると、個人事業主の割合はより低くなるので、16次における採択率はおよそ40%以下であると考えられます。ある程度従業員を雇用している事業者に比べると、個人事業主は採択されにくいことが読み取れる結果です。

個人事業主がものづくり補助金に採択されにくい理由は、主に以下の3点です。

  • 規模が小さいため、補助事業実施のための技術的能力を高く見られにくい
  • 人材が少ないため、補助事業を適切に遂行できると期待されにくい
  • 財務状況の面から、補助事業を問題なく実施できると判断されにくい

個人事業主がものづくり補助金に採択されるには、特に上記3つの懸念点を払拭できるように提出書類を準備する必要があります。

個人事業主がものづくり補助金に採択されるためのポイント

ここからは、個人事業主がものづくり補助金に採択されるためのポイントを解説します。申請の準備をする際にぜひ意識してみてください。

事業計画書をしっかりと作成する

事業計画書は、申請する際に提出する書類の中でも特に重要です。記載するべき内容については公募要領に詳しく書かれています。たとえば、18次締切分の公募要領においては「補助事業の具体的取り組み内容」「将来の展望」「会社全体の事業計画」を記載するように求めています。申請する補助金の種類によっては、他に記載するべき項目もあるので注意です。各項目においてどういった点を中心に記載するべきかは公募要領に書かれているので、しっかり確認したうえで作成しましょう。

また、事業計画書のページ数は上限が設けられている場合があります(18次締切分はA4サイズで計10ページ以内)。各項目について詳しく記載するのは大事ですが、長くなり過ぎないようにまとめることも心がけましょう。

審査項目や加点項目を理解する

ものづくり補助金の公募要領には、提出した書類に関する審査項目・加点項目が明記されています。たとえば、18次締切分においては審査項目として以下が記載されています。

  • 技術面:「補助事業実施のための技術的能力が十分であるか」など
  • 事業化面:「補助事業実施のため、人材面をはじめ体制が整っているか」など
  • 政策面:「高い付加価値を活かして地域経済に貢献できるか」など

また、18次締切分の加点項目として「経営革新計画の承認がされている」「創業・第二創業から5年以内である」などが記載されています。

ものづくり補助金に採択されるには、審査項目について明確にアピールしつつ、加点項目の条件をできるだけ満たすことが重要です。公募要領の審査項目・加点項目を頭に入れたうえで書類を準備しましょう。

事業実施のため社内体制を整える

個人事業主がものづくり補助金を申請する場合「補助事業実施のための人手が足りているか」「事務処理能力が備わっているか」などは懸念されやすいポイントです。

雇用している従業員を含めても、補助事業実施や事務処理に関する人手が足りないと見込まれる場合は、外注の利用を検討するのも一つの手です。ものづくり補助金は外注費も補助の対象になる場合があります。そのため、外注する費用が足りないとしても「その部分を補助金で補填しつつ事業を行う」とアピールできる可能性があります。

事業実施のための体制をどう整えるか事前に考えて、問題なく進められる旨を書類に記載しましょう。

資金計画を立てておく

ものづくり補助金の申請の際、個人事業主は補助事業を進めるための資金に関しても不安に思われやすいです。ものづくり補助金が振り込まれるのは事業が終わった後なので、補助金に頼らずに事業を進める計画を立てる必要があります。

個人事業主の場合、金融機関から借り入れるという想定で資金計画を立てるケースが多いです。「事業を行うにあたって十分な資金を調達できる」「金融機関から借りた分はしっかり返済できる」という点が明確に分かるよう書類を作成しましょう。

個人事業主がものづくり補助金に採択された最新事例

ここからは、個人事業主がものづくり補助金に採択された事例を3つ紹介します。

Bistro La Nature

「Bistro La Nature(ビストロ ラ・ナチュール)」は、北海道釧路市に店舗を構えるレストランです。新型コロナウイルスで客足が遠のいて売上が大きく減少したことをきっかけに、移動式の店舗で販路を拡大できるキッチンカー事業に目をつけました。そこで、ものづくり補助金を活用してキッチンカーを導入します。

Bistro La Natureのキッチンカーはチーズフォンデュ・フレンチトーストなど、本来のキッチンカーではあまり見られないメニューが食べられる点が特徴です。市内のスーパーやドラッグストアの駐車場、各種イベント会場など広範囲で出店したのもあり、コロナ禍の影響による赤字経営を立て直しました。

村松畳店

「村松畳店」は、山梨県笛吹市で畳の製造・販売を行っているお店です。住宅の洋風化にともない、厚さの薄い「薄畳」という畳の需要が増えていた中で、薄畳を手作業で製造するのは時間がかかるという問題がありました。そこで、ものづくり補助金を活用して薄畳を製造するためのロボットを導入します。

ロボットは全自動で畳を製造するため、動かしている間は他の作業が可能です。そのため事業の効率が上がったほか、作業者の体への負担も減りました。また、ロボットを使うことで畳の製造が簡単になったため、未経験者を含めた従業員の雇用も検討できるようになりました。

ブーランジェリー ミケ

「ブーランジェリー ミケ」は、島根県出雲市で店舗を展開している天然酵母パンのお店です。70種類以上のパンが販売されており、レジ業務を行うスタッフはパンの種類をすべて覚えて、レジの操作・現金の受け渡し・パンの袋詰めなどを行う必要がありました。レジ業務の煩雑さを解消するために、ものづくり補助金を活用してパンの値段と種類をカメラで識別する「ベーカリースキャン」を導入しました。

ベーカリースキャンの導入効果は「レジ業務の時間が短縮された」「経験が浅くても簡単にレジ業務を行える」「セルフ会計なので現金に触る必要がなく、衛生面が向上した」などさまざまです。また、レジ業務が時間短縮されたことで製造スタッフによる応援の必要がなくなり、パンを追加で焼けるため生産性も向上しました。

個人事業主がものづくり補助金を受給したときの仕訳方法

個人事業主がものづくり補助金を受給した場合は原則として「受給が決定した日」「実際に振り込まれた日」の2回に分けて仕訳を切る必要があります。受給が決定した日とは、ものづくり補助金に採択された後、補助金交付決定通知書が送られた日です。

たとえば、ものづくり補助金として50万円の受給が決定し、補助金確定通知書が送られた場合は以下のように仕訳を行います。

借方金額貸方金額
未収入金500,000雑収入500,000

補助金の場合、貸方における勘定科目は雑収入です。補助金自体はまだ受け取っていないため、借方には「未収入金」と記載します。

そして、ものづくり補助金が実際に振り込まれた日の仕訳は以下の通りです。

借方金額貸方金額
預金500,000未収入金500,000

借方に振り込まれた金額を記載し、未収入金を消し込むという形で処理を行います。

ものづくり補助金の仕訳に関しては「2回に分けて行う」「勘定科目を雑収入にする」という点に気をつけましょう。

ものづくり補助金に採択されるポイントを理解して申請しよう

ものづくり補助金は個人事業主も申請可能です。しかし、法人に比べると採択率が低い傾向にあります。個人事業主は規模が小さく、技術面や事業化面について本当に問題ないのか懸念されやすいことが採択率が低い理由です。

個人事業主がものづくり補助金に採択されるには、事業計画書を中心に書類を作り込み、上記の懸念事項を払拭できるようにすることが重要です。書類に記載するべき内容は、ものづくり補助金の公式サイトに掲載されている公募要領から確認できます。公募要領には、他にも申請の手順などさまざまな情報が掲載されているので、ものづくり補助金を活用したい方は事前に一通り確認しておきましょう。

広告
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

右矢印アイコン もっと読む

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

広告