• 更新日 : 2025年1月31日

ネイリストは確定申告が必要?書き方や経費で落とせるもの、帳簿の付け方まで解説

ネイリストとしての働き方には、いくつかの選択肢があります。ネイルサロン勤務をはじめ、副業としての活動や個人事業主、法人設立まで考えられます。この記事では、個人事業主として活動するネイリストを中心に、会計帳簿作成上の注意点から確定申告の作成、提出までを解説します。

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ネイリストは個人事業主として確定申告が必要?

ネイリストとしての働き方によって、課税方法が異なることがあります。ネイリストの働き方として、大きく分けて次の3つが考えられます。

ネイリストとしての働き方課税対象となる所得確定申告の方法
ネイルサロン等で勤務給与所得年末調整のみで終了する場合あり
ネイルサロンを開業事業所得確定申告要
他の仕事の副業他の所得 + 雑所得(年末調整+)確定申告要

①~③以外に、法人を設立する方法もありますが、その場合には法人税の確定申告が必要です。ここでは、所得税の確定申告に限定して解説します。

正社員や契約社員でネイリストをしている場合(上記①)

ネイルサロン等の運営会社と雇用契約を結び、ネイルサロンの従業員として勤務する場合には、「給与所得」を得ることになります。この場合は、年末調整にて課税関係が終了することが多いですが、医療費控除住宅ローン控除の初回などがある場合には、確定申告をします。

業務委託でネイリストをしている場合(上記②)

顧客から「業務委託」を受け、ネイリストとして働く場合は「個人事業主」になるため、事業所得として確定申告が必要です。

業務委託契約とは、ネイルサロンの経営者(委託者)とネイリスト(受託者)の間で結ばれる契約等で、ネイリストは主としてネイリスト業務全般が委託されるものです。業務委託契約においては、ネイリストは委託された業務に対して責任を負うことになります。

副業でネイリストをしている場合(上記③)

副業でネイリストとして収入を得ている場合には、いくつかのパターンがあります。

  • ネイルサロン勤務 + 他のネイルサロンに副業として勤務
    本業において年末調整後、副業としての給与も合わせて確定申告することになります。副業として勤務しているネイルサロンからは「年末調整未済」の源泉徴収票を受け取りますので、給与所得を合算して確定申告します。
    ただし、給与を2か所以上から受ける場合には、年末調整が未済となる給与収入額が20万円以下の場合には確定申告は不要です。
    参考:確定申告が必要な方|国税庁
  • ネイルサロン勤務 + 副業としてネイリストとして活動
    本業において年末調整後、通常、副業は雑所得として確定申告します。ただし、給与所得以外の所得が20万円未満の場合には確定申告は不要です。雑所得には3つの区分がありますが「業務に係る雑所得」に該当します。
    参考:給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合|国税庁雑所得|国税庁
  • 他の業務にて開業 + 副業としてネイリストとして活動
    本業が事業所得であれば、副業についても事業所得として捉えて問題はありません。したがって、これらの事業所得をまとめて確定申告します。

個人事業主としてネイルサロンを開業している場合(上記②)

個人事業主となり、ネイルサロンを主宰する場合等は、事業所得に該当するため確定申告書が必要です。支払うべき所得税額がない場合には確定申告書が不要ですが、連続して確定申告書を提出する必要のある特例を適用する場合には、確定申告が必要となります。

(例:上場株式等の譲渡損失を翌年に繰り越す場合など)

参考:No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|国税庁

ネイリストが確定申告しないとどうなる?

ネイリストだけでなく、確定申告すべき人が確定申告しない場合には、「無申告」となります。申告期限を過ぎても申告がない場合には、延滞税や無申告加算税の対象となります。

納付が期限より遅れた場合、法定納期限の翌日から納付する日までの延滞税を本税に追加して支払う税金が延滞税です。

無申告加算税は本税に次のとおり追加される税金です。

  • 税務調査の通知前に自主的に申告した場合:本税の5%
  • 税務調査の通知後に申告した場合:本税の10%ほか
  • 税務調査を受けた後に申告した場合:本税の15%ほか

所得税が追徴された場合、住民税にももちろん影響があります。忘れずに申告しましょう。

参考:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁

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ネイリストの確定申告は青色申告と白色申告の2種類

所得税の確定申告の方法には、申請が必要な青色申告とそれ以外(白色申告)があります。

ネイリストが青色申告するメリット

青色申告とは、事前に税務署への申請が必要となる申告方法です。原則として複式簿記で事業の取引を記録し、一定の会計帳簿を作成します。その帳簿から貸借対照表および損益計算書を作成して、確定申告書に添付します。

青色申告のメリットは様々ありますが、最大65万円の所得控除が可能な「青色申告特別控除」、損失の繰り越しや繰り戻しが3年間可能な「純損失の繰越控除・繰戻」、さらには、生計を一にする配偶者等が事業に専従した場合、給与を必要経費にできる「青色事業専従者給与」などが節税に結びつきます。

参考:No.2070 青色申告制度|国税庁

ネイリストが白色申告するメリット

青色申告でない場合には、白色申告と呼ばれます。白色申告に特別な申請は不要ですが、帳簿に記帳し、取引に係る書類を保存する必要があります。青色申告だけでなく、白色申告者も記帳や保存についてはルールがあります。

白色申告のメリットもありますが、青色申告で受けるメリットに比べて少ないと言えます。白色申告のメリットは、手続きが簡単なことや記帳の負担が少ないことなどです。

参考:No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁

ネイリストの確定申告のやり方

先述のようにネイリストが所得税の確定申告をする場合には、次のケースがあります。

  • 個人事業主:確定申告
  • 勤務ネイリスト:年末調整 + 確定申告

ここでは、勤務ネイリストが休日などに副業としてネイリスト活動をしている場合の確定申告の例を見てみましょう。

(事例)

ネイルサロンでネイリストとして勤務しているが、副業として時々ネイリストとして活動している。勤務先から源泉徴収票を受け取ったが、ネイリストとしての所得が年間30万円程度あるため確定申告をする。

ネイリストの確定申告の必要書類

事例の場合の確定申告で必要となる書類は次のとおりです。

  • 勤務先から交付された給与所得の源泉徴収票(転記用)
  • 確定申告書 第一表、第二表
  • 雑所得を計算した帳簿類
  • マイナンバーカード等の証明書類

ネイリストの確定申告書の書き方

事例の場合の確定申告の流れは次のとおりです。

<手順1:源泉徴収票から確定申告書に転記>

源泉徴収票に記載された数値を確定申告書第一表および第二表に転記します。

年末調整時に失念していた所得控除などがあれば、確定申告で反映することができます。転記方法については、次のサイトなどで確認しましょう。

参考:A1-1 申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)|国税庁、「給与所得者(年末調整済)の記載例

<手順2:雑所得の記載>

雑所得には次の3つの種類があり、事例の場合は業務に係る雑所得に該当します。

  • 公的年金等
  • 業務に係るもの
  • その他

雑所得の計算方法は、総収入金額-必要経費 です。

<手順3:税額の計算>

事例においては、最終的に確定申告書第一表にて年税額を求め、業務に係る雑所得分追加で納付することになります。

参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁

ネイリストの確定申告書の提出方法

確定申告書の提出方法には、書面による方法と電子申告による方法があります。

ネイリストの確定申告書の提出期限

確定申告書の提出期限は、毎年概ね2月半ばから3月半ばとなります。令和7年は、令和7年3月17日(月)が提出期限であり納付期限となっています。

参考:申告と納税|国税庁

ネイリストが所得計算において経費で落とせるもの

ネイルサロンを開業している場合、必要経費として計上できるものには次のようなものがあります。主なものを列挙します。

  • サロンの家賃、水道光熱費通信費
  • スタッフを雇用する場合の給与等、技術向上のための研修費
  • ネイル用品や消耗品費、事務用品代
  • サロンで使用する道具や機器等(固定資産となる場合には減価償却費
  • 広告宣伝費(チラシやポスター、ホームページ費用など)
  • 交通費、クルマを利用する場合にはガソリン代など
  • 業務で必要となる損害保険や賠償責任保険料
  • 接待交際費 ほか

ネイリストが家事関連費において経費にできる割合

家事関連費とは、個人事業主の支出において事業用と私用が混在しているものを言います。上記で挙げた必要経費で家事関連費に該当するものは、原則として業務上直接必要なことが明らかな部分が必要経費となります。これらについては、どのように「事業部分」と「私用部分」を按分したのか明確な基準等が必要です。

家事関連費として按分できるものは、「事業に直接関係がある」だけではなく、「事業用部分を合理的に分ける」ことができるものです。

例えば、事業にも私用にも使っている携帯電話の通信費については、具体的な計算や証拠から事業での割合を決める必要があります。業務で使った時間や通信量について通話履歴などから統計をとり、割合を求めるなど按分の根拠を作っておきましょう。

参考:No.2210 必要経費の知識|国税庁

ネイリストの確定申告に必要な帳簿

青色申告をする個人事業主の場合、原則として複式簿記が求められます。また、白色申告においても帳簿は求められます。それぞれにおいて必要となる帳簿やその保存期間は次のとおりです。

保存が必要な帳簿保存期間
青色申告仕訳帳総勘定元帳現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など7年
白色申告法定帳簿:収入金額や必要経費を記載した帳簿7年
任意帳簿:上記以外の帳簿5年

なお、帳簿の付け方は様々で仕訳帳に手書きすることも考えられますが、会計ソフトを利用するのがよいでしょう。

参考:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁
参考:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁

ネイリストが確定申告するときのポイント

個人事業主の場合、毎年の確定申告となりますので、青色申告をおすすめします。また、取引の証拠書類となる請求書領収書類の保管はしっかり行いましょう。

必要経費の領収書を保管しておく

必要経費となる支出については、領収書や請求書を保管しておきましょう。支払だけではなく、売上の証拠として発行した請求書の控えや注文請書なども保存しておきましょう。また、電子データでやり取りをした取引については、電子データでの保管が必要となるため注意してください。

参考:電子取引関係|国税庁、「電子取引データの保存方法をご確認ください

青色申告をするには開業届と青色申告承認申請書の提出が必要

開業してから白色申告から青色申告に移行しようとする場合は、青色申告書による申告をしたい年の「3月15日までに」青色申告承認申請書を提出しなければなりません。青色申告承認申請書はe-Taxでも申請可能です。

参考:所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

業務に傾注するなら会計ソフト+電子申告

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