• 作成日 : 2022年1月7日

寡婦(寡夫)控除やひとり親控除を申告するには?

寡婦(寡夫)控除やひとり親控除を申告するには?

2022年提出確定申告まとめ 【随時更新】

・提出期限
 

2022年2月16日(水)〜2022年3月15日(火)

令和元年分及び令和2年分の確定申告期限については、新型コロナウィルスの影響により、期限が延期されました。そのため、国税庁の今後の動きでは令和3年分の確定申告期限も変動の可能性があります。『2022年の確定申告期間はいつからいつまで?』こちらも参考にしてください。

・注意すべき変更点

詳しい変更点については『2022年(令和4年)提出の確定申告変更点は?前年の変更も丁寧に解説』をご覧ください。

なお、初めて確定申告をされる方、また確定申告の必要があるか分からない方は『確定申告のやり方と流れを全くわからない人向けに解説』こちらをお読みください。

夫や妻に先立たれた、あるいは離婚した人で、その後婚姻していない場合、女性であれば寡婦、男性であれば寡夫といいます。

なかには、死別や離婚によって再就職や子育てといった負担が重なり、生活が困窮してしまう人もいます。寡婦(寡夫)を支援するために設けられた税制上の制度に、寡婦控除寡夫控除)があります。税法で定められた要件に該当すれば、所得控除を受けられるというものです。令和2年度より寡夫控除は廃止され、ひとり親控除が創設されました。

ただし、個人事業主(フリーランスを含む)と会社員とでは寡婦控除(寡夫控除)の申告手続きに異なる点があります。寡婦控除(寡夫控除)の概要とともに、その申告手続きについて見ていきましょう。

寡婦控除とは

所得税法上の寡婦とは、その年の12月31日時点の現況が下記項目のいずれかに該当している人のことで、27万円の所得控除を受けられます。

「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに当てはまる人

  • 夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下の人
  • 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人

また、一定の条件に該当している人のことを「特別の寡婦」といい、その場合、所得控除額が35万円になるという特例がありました。「特別の寡婦」の控除は令和2年度に創設されたひとり親控除に組み込まれました。以前の「特別の寡婦」に該当する条件は、次のすべてを満たしていることです。

・夫が亡くなったもしくは離婚した後婚姻をしていない人、または夫の安否が不明な人で、扶養家族がいる人または同一生計の子がいる人。ただし、その子は、合計所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象となる配偶者や扶養家族になっていない場合に限る。
・夫と死別もしくは離婚した後婚姻していない人、または夫の生死が明らかでない人で、合計所得金額が500万円以下である。

ひとり親控除とは

ひとり親控除は、納税者がひとり親であるときに受けることができる控除です。
ひとり親とは、婚姻をしていないこと又は配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、その年の12月31日時点の現況が下記項目のすべてに該当している人のことで、35万円の所得控除を受けられます。

  • その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと。
  • 生計を一にする子がいること。ただしその子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限る。
  • 合計所得金額が500万円以下である。

寡夫控除とは

令和2年度より寡夫控除は廃止されています。

寡夫控除は、寡婦控除よりも少し要件が厳しくなっています。

所得税法上の寡夫とは、その年の12月31日時点の現況が下記3つの項目すべてに該当している人のことで、27万円の所得控除を受けられます。

・妻が亡くなったもしくは離婚した後婚姻をしていない人、または妻の安否が不明な人。
・同一生計の子供がいる人。ただし、その子供は、合計所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象となる配偶者や扶養家族になっていない場合に限る。
・合計所得金額が500万円以下である。

寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除で注意が必要な点

寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除の適用については、以下の点に注意してください。

・寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除の要件における夫や妻とは、民法上の婚姻関係がある人のことをさします。

そのため、内縁関係、いわゆる事実婚である場合には、役所に届け出る法的な結婚の手続きを行なっていないため、寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除の適用対象外となります。だからといって、控除を適用するために籍を抜いたり入れたりといった行為をしても、それだけでは対象になりませんのでご注意ください。

  • 以前は寡婦控除(寡夫控除)の適用対象年齢が65歳未満と定められていました。
  • しかし、平成17年の老年者控除の廃止により、控除制度の重複がなくなったため、年齢制限なく寡婦控除(寡夫控除)を受けることができます。

  • その年の12月31日時点で寡婦(寡夫)であるかを判定しますので、その年の途中から要件に合致した場合でも、その年の寡婦控除(寡夫控除)を受けることができます。

寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除の申告手続き

寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除を受けるには申告が必要です。正しく手続きを行わないと控除されませんので、間違いがないか確認しましょう。

また、申告をし忘れる場合も多いですので、書類の各項目の内容を理解して、該当するかどうかを判断できるようにしておきましょう。個人事業主(フリーランスを含む)と会社員とでは、手続き方法が次のように異なります。

個人事業主(フリーランスを含む)の場合

フリーランスや個人事業主の方は、確定申告の際に手続きをすることになります。

確定申告書を作成する際に、まず申告書様式の第一表にある「所得から差し引かれる金額」の「寡婦、ひとり親控除」欄に金額を記入します。そして、第二表の右側にある「本人該当事項」の「寡婦控除」「ひとり親」欄の該当箇所へチェックを入れ、あとは通常の申告事項を記入し、税務署に提出してください。
特に添付書類などは必要ありません。

会社員の場合

会社員の方は、所属している会社から年末調整の書類が配られます。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書という書類の、「主たる給与から控除を受ける障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」欄に記入します。「2寡婦」「3特別の寡婦」「4寡夫」のいずれかに丸印をつけ、会社に提出してください。

ひとり親控除を適用する場合には注意が必要です。
令和2年分の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、「ひとり親」欄はありません。
「寡婦」、「寡夫」又は「特別の寡婦」欄を「ひとり親」に訂正するなどします。
また、「令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には「ひとり親」欄が設けられますので、この申告書の「令和3年分」を「令和2年分」に訂正し、使用します。

特に添付書類などは必要ありません。

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よくある質問

寡婦控除とは?

納税者が寡婦に該当するときに受けることができる27万円の所得控除です。詳しくはこちらをご覧ください。

ひとり親控除とは?

納税者がひとり親であるときに受けることができる控除です。詳しくはこちらをご覧ください。

寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除で注意が必要な点は?

内縁関係、いわゆる事実婚である場合には、寡婦控除(寡夫控除)やひとり親控除の適用対象外となる点などに注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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