• 作成日 : 2015年3月13日

不動産投資による節税のポイント

不動産投資を行っている場合、節税対策は非常に重要です。せっかく利益が出ていても、多く税金を取られていては不動産投資のメリットを十分に生かしているとは言えない状態です。ここでは法人の場合と個人の場合と、それぞれでの不動産投資による節税のポイントを説明します。

不動産投資における税金

不動産所得は、不動産による収益から必要経費を差し引いた金額に税率を乗じて計算します。

収益とは、貸付等の家賃収入のほか、名義書き換え料・更新料または礼金や頭金や、敷金や保証金のうち返還をしないものを指し、掃除代や水道代・電気代などを定額にし、共益費等の名目で受け取るものも含みます。

必要経費は、その不動産収入を獲得するにあたって必要な費用をいい、事業用経費に含まれている家事関連費を控除する必要があります。

事業用経費として、例えば、減価償却費修繕費・損害保険料・租税公課(固定資産税)・人件費・借入金利息・管理費などがあげられます。

法人税・所得税はともに利益に対して税金がかかりますが、その税率が違うため、同じ物件を購入し同じ収支となっていても、税金は変わってきます。
法人税ではほぼ一定の税率になりますが、所得税は累進課税になり収入が多い年は税率が高く、少ない年は低くなります。

法人の場合の節税ポイント

節税のポイントは、必要経費をしっかりと計上していくことにあります。

減価償却費による節税

法人税法上、減価償却費の扱いは個人と法人では異なります。

個人事業者の場合、強制償却といい、業績に関わらず、取得価額と耐用年数から求めた定額法、もしくは定率法などにより計算された減価償却費を毎年計上しなければなりません。

一方法人の場合は、任意償却といい、取得価額と耐用年数から求めた減価償却費を上限とし、その範囲内で経費にする金額を自由に定めることができます。
したがって、利益が多く出ているときは上限まで計上し、利益が少ないときには限度額を下回るように計上するなどして税金を調整することができ、節税につながります。

ただし、企業会計の原則からは外れることとなるため、上場企業の場合は調整しないほうが良いでしょう。また、中小企業でも融資を受ける際に金融機関から理由を求められることがある可能性もあります。

個人の場合の節税ポイント

・不動産所得に関する経費による節税
不動産所得の金額が赤字だった場合には、赤字分を給与所得など、他の所得から控除することができます。
この制度を利用して、修繕や増改築などを行う時期を調整することで、節税することができます。

・減価償却費による節税
個人事業者の場合、毎年取得価額と耐用年数を元にして計算した定額もしくは定率の金額を計上します。ただし、償却資産の中には、一取引あたり10万円未満などの条件を満たせば消耗品として計上できるものや、20万円未満で購入時以上に価値を増加させない修繕であれば、修繕費として計上できます。
償却資産としてしまう前に、消耗品や修繕費として計上できないかをしっかりとチェックすることも節税につながります。

青色申告特別控除での節税
個人事業者では確定申告の方法として青色申告を行うと、青色申告特別控除として最大65万円が所得から控除できます。正規の簿記の原則に従った記帳や行っている事業が事業的規模であるが必要などの条件はありますが、不動産所得の確定申告のときに青色申告で申請することで直接の節税になる方法です。

・事業専従者給与、専従者控除での節税
通常、生計を同一にしている配偶者や親族へ支払った給与は経費として計上することはできませんが、青色申告を行う場合で、かつ「青色事業専従者給与の届出書」の提出をしている場合、対象となる家族へ支払った給与を全額経費として計上することができます。また、白色申告者の場合も配偶者で最大86万円、その他親族であれば最大50万円までの給与を計上できます。
不動産の運営や管理などで家族に給与を支払う予定であれば、これらの制度を利用すると計上できる経費が増えることになりますので節税につながります。

法人・個人共通の節税ポイント

下記の項目は法人でも個人でも共通して利用できる節税のポイントになります。

固定資産税についての節税

固定資産税は、土地および家屋にかかります。その税率は1.4%で、土地の方が家屋よりも高くなっています。一戸建の場合、その土地および家屋の固定資産税がかかります。

分譲マンションの場合は、家屋はその部屋の床面積に対する評価分になりますが、土地についてはマンションの全体の床面積からの対象の床面積で按分した割合分だけの固定資産税がかかります。

こうした固定資産税を節税するための要点は3つあります。

・住宅用の土地は優遇される
・私道は非課税とされている
・固定資産税は賦課課税方式を採用している

特に、優遇措置のある住宅用地での節税を忘れがちなので注意しましょう。たとえば、空き地をそのまま遊休地として所有しているより、アパートを建てて住宅用とすると固定資産税は節税できます。その逆のことも発生します。古家の建っている土地を所有しているが、誰も住まいとして活用していないため、取り壊したとします。そうすると取り壊した翌年の固定資産税は高くなります。土地を所有している場合には、住宅用地の特例を活用することが重要です。

相続税に関する節税

不動産投資は、相続税の観点からも節税になります。

不動産の評価額は、実勢価格よりも低く出されている路線価や固定資産税評価額から設定されていますので、現金で相続をするより不動産投資をすることで節税できる可能性があります。

不動産を相続する場合、不動産そのものの価値(実際に現金の場合の価額)のうち、築年数にもよりますが、土地の場合約70%、建物の場合約80%の金額を評価額として、それに対して税率がかかります。

さらに、小規模宅地等の特例を活用することも忘れずに検討しましょう。

小規模宅地等の特例というのは、自営業を営む会社や工場、アパート経営、駐車場経営を行っている土地、あるいは、自宅の土地などは、親族が相続する場合は、その評価額を50%あるいは80%減額できるというものです。小規模宅地等の特例については「相続税・贈与税の改正点まとめ(2017年1月施行)」を参考にしてください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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