- 更新日 : 2026年6月10日
青色申告承認申請書の提出期限はいつまで?過ぎたらどうなるのかも解説
原則は青色申告をしようとする年の3月15日まで、1月16日以降の開業なら開業日から2か月以内です。
- 期限を過ぎるとその年は青色申告不可 (白色申告での申告)
- 提出後は承認通知なし/不承認なければ自動承認
- 令和9年分以降、書面提出では控除額が10万円に減額
青色申告承認申請書は、青色申告を始めるために前もって税務署へ出しておく書類です。提出期限を過ぎると、その年は青色申告ができず、節税につながる特典を受けられません。
開業の準備で見落としやすい手続きでもあるため、ここでは提出期限と出し忘れたときの扱い、期限を過ぎた場合の影響をまとめて整理します。
※本記事の内容は2025年12月公表の税制改正大綱をもとにしています。税制改正大綱は自民党が毎年12月頃に発表する改正のドラフトであり、国会での審議を経て翌年春頃に法律として制定されます。最終的に制定された法律の内容と異なる場合があります。
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目次
青色申告承認申請書とは?
青色申告承認申請書は、青色申告で確定申告をするために、前もって所轄の税務署へ提出して承認を求める書類です。まずは青色申告承認申請書とはどのようなものか簡単に見ていきましょう。
青色申告を始めるために税務署へ提出する書類
青色申告承認申請書は、青色申告の承認を税務署から受けるための申請書です。
提出の対象になるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがあり、青色申告をしたいと考えている人です。
青色申告承認申請書の書き方とダウンロード方法
青色申告承認申請書は、国税庁のサイトからダウンロードでき、税務署の窓口でも受け取れます。
サイト中ほどの[申請書様式・記載要領]に、所得税の青色申告承認申請書のPDFファイルへのリンクがあるので、そこをクリックし、表示されたPDFファイルをダウンロードしてください。
青色申告承認申請書には、氏名や住所、生年月日などの納税者の基本情報のほか、青色申告を始める年分、青色申告をする所得の種類、過去に承認の取消しや取りやめをしたかどうか、簿記の方式や備え付ける帳簿などを記載します。
青色申告承認申請書の提出方法(窓口・郵送・e-Tax)
青色申告承認申請書の提出方法には、税務署への窓口提出・郵送・e-Tax(電子申告)があります。
郵送の場合は、引受消印日が提出日になります。控えを残すためにも、簡易書留を使うと確実です。e-Tax(電子申告)はデータで申請書を作成して送る方法で、対応した会計ソフトからも提出できます。
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青色申告承認申請書の提出期限はいつまで?
青色申告承認申請書の提出期限は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以降に開業した場合は、開業日から2か月以内になります。
原則は青色申告をする年の3月15日まで
すでに事業をしている人や1月15日までに開業した人は、青色申告をする年の3月15日までが提出期限です。
提出期限が土日祝日にあたるときは、翌平日が期限になります。白色申告から青色申告へ切り替える場合も、同じ期限で申請書を出します。
1月16日以降に開業した場合は2か月以内
1月16日以降に開業した場合は、開業日から2か月以内が提出期限です。
たとえば4月1日に事業を始めたときは、5月31日までに提出します。開業届と同時に出しておくと、提出期限を気にせずに済みます。
また、青色申告をしていた人の事業を相続で引き継ぐ場合は、亡くなった日によって青色申告承認申請書の提出期限が変わります。
詳しくは下記をご覧ください。
出し忘れるとその年は青色申告ができない
青色申告承認申請書を出し忘れると、その年は青色申告ができず白色申告になります。
たとえば、令和7年1月1日から12月31日までの所得を青色申告するには、令和7年3月15日までに申請書を出す必要があります。期限までに出し忘れると、令和7年分は青色申告ができず、青色申告ができるのは令和8年分からになります。
白色申告では節税の面で不利になりやすいため、早めの提出が安心です。
青色申告の承認がされたかどうかを確認するには?
青色申告の承認は、承認を知らせる通知が届く仕組みではありません。
原則として、青色申告の承認を受けようとする年の12月31日までに「承認しない」という通知が来なければ、承認されたとみなせます。
たとえば令和7年分について申請書を出した場合、令和7年12月31日までに通知が来なければ承認されたことになります。
なお、一度承認されれば、取りやめや取消しがない限り翌年以降も続くため、毎年の提出は不要です。
青色申告の提出期限を過ぎたらどうなる?
ここでの期限は、申請書ではなく確定申告そのものの提出期限を指します。申告が遅れると、加算税や控除の減額といった不利な扱いを受ける場合があります。
無申告・過少申告など各種加算税がかかることも
納税は国民の三大義務となっているため、義務を適正に果たさなかった場合、ペナルティとして加算税が課されることになっています。
無申告加算税
うっかり申告期限の3月15日を過ぎて申告をしていない場合、納める税金とは別に無申告加算税がかかります。無申告加算税の税率は、申告の状況などによって異なります。
たとえば、税務署による調査の事前通知の後に期限後申告した場合、納税額が50万円までは15%が、50万円を超える部分は20%が無申告加算税となります。
このケースでは、30万円の納税額であれば、30万円×15%=45,000円が無申告加算税となり、75万円の納税額であれば、50万円×15%と25万円×20%を合算した12万5,000円となります。
ただし以下の条件にすべて該当する場合は、無申告加算税はかかりません。
- 法定申告期限からひと月以内に自主的に期限後申告を行っている
- 期限後申告によって生じた納税額を、すべて期限後申告書を提出した日までに納付した
- 過去5年間に無申告加算税や重加算税を課されていないこと、期限内に申告をする意思があったと認められる場合
過少申告加算税
実際より少ない納税額になった場合、過少申告加算税が加算されます。ただし、自主的に修正申告した場合は、過少申告加算税はかかりません。
青色申告特別控除が減額されるケース
帳簿の記帳が要件に届かないと、特別控除が減額される場合があります。
複式簿記といえる水準に達していないと判断されると、最高額の控除ではなく10万円控除になることがあります。
なお令和9年分以降、書面提出の場合は控除額が10万円となる(55万円控除は廃止)ため、e-Taxを利用しないと大幅な節税機会を失う点にも注意が必要です。
青色申告の承認取り消し
帳簿書類が要件どおりに備えられていないと、青色申告の承認が取り消される場合があります。
- 帳簿書類が規定通りに備え付けられていない
- 帳簿書類が税務署長の指示に従ったものではない
- 帳簿書類の内容に疑いがある
帳簿書類に関して正しい運用をしていないと認められてしまった場合、その事実があった年にさかのぼって、青色申告の承認が取り消されてしまうのです。
青色申告(確定申告)の期限と申請書の期限はどう違う?
申請書の期限と、確定申告そのものの期限は別物です。申請書は青色申告を始める前に出す書類で、確定申告は1年間の所得を申告する手続きを指します。
確定申告は翌年2月16日から3月15日
確定申告は、1年間の所得について翌年の2月16日から3月15日の間に行います。
1月1日から12月31日までに生じた所得とその所得税額を計算し、この期間に申告します。3月15日が土日祝日にあたるときは、翌平日が期限になります。
災害などやむを得ない事情があるときの延長
災害などやむを得ない事情で期限に間に合わないときは、申請により期限を延長できます。
所轄の税務署長へ申請することで、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲で期限を延ばせます。
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青色申告のメリット
青色申告には、白色申告にはない税制上の特典があります。提出期限を守って青色申告を選ぶと、節税につながる扱いを受けられます。
最大75万円の青色申告特別控除(令和9年分以降)
青色申告を行う大きなメリットとして、青色申告特別控除が挙げられます。青色申告特別控除とは、簡単にいうと「青色申告をすることで、申告方法や帳簿の種類に応じて最大75万円(令和9年分以降・一定条件あり)の控除が受けられる」というものです。
控除額は以下の条件によって異なります。
| 条件 | 令和8年分まで | 令和9年分以降 |
|---|---|---|
| 複式簿記+e-Tax提出+優良な電子帳簿または電子取引データ保存 | 65万円 | 75万円(増額) |
| 複式簿記+e-Tax提出のみ | 65万円 | 65万円(変更なし) |
| 複式簿記+書面提出 | 55万円 | 10万円 (大幅減額) |
| 簡易簿記(前々年の収入1,000万円超の場合) | 10万円 | 0円 (適用除外) |
個人事業主にとって、通常の経費からさらに大きな控除を捻出することは容易ではありません。しかし、青色申告をすれば最大75万円(令和9年分以降・一定条件あり)の控除が受けられるので、節税効果が高くなります。
赤字の繰り越し・繰り戻し
「赤字の繰り越し」とは、青色申告をすると、事業所得や不動産所得で出た赤字を翌年以降3年間繰り越せることをいいます。繰り越した赤字は翌年以降3年間の黒字から差し引くことができるので、翌年以降の節税効果が高くなります。
「赤字の繰り戻し」とは簡単にいうと、今年が赤字で前年が黒字の場合に、今年の赤字を前年に繰り戻して前年の黒字から差し引くことをいいます。このことで、支払済の前年分の税金が還付されます。
40万円未満の固定資産を一括で経費計上
原則、1つあたり10万円以上のものを購入したら、固定資産として減価償却をしなければいけません。減価償却とは、固定資産を購入年度で全額経費にするのではなく、一定の期間内で毎年少しずつ経費にしていくことをいいます。そのため、固定資産を購入しても、購入年度の節税効果は小さくなります。
しかし青色申告をしている場合は、令和8年4月1日以後に取得する資産から取得価格が40万円未満のものを、年間で合計300万円まで購入年度に一括して経費計上ができるので、購入年度の節税効果が大きくなります。(令和8年度税制改正大綱による拡充。適用期限は令和11年3月31日まで延長。ただし常時使用する従業員が400人を超える法人は対象外。)
家族への給与を経費にできる
個人事業では原則、配偶者や家族に対する給与を経費にできません。なぜなら、個人事業において、家族の財布はひとつという考え方があるためです。しかし、青色申告で一定の要件を満たせば、配偶者や家族への給与を経費にできます。これを「青色事業専従者給与」といいます。
ただし、青色事業専従者給与を経費計上した年度は、配偶者控除や扶養控除を併用できないので注意しましょう。
青色申告のデメリット
青色申告には特典がある一方で、白色申告より準備の手間がかかります。事前の届出と帳簿付けが必要になる点をおさえておくと、つまずきにくくなります。
開業届と青色申告承認申請書の提出が必要
青色申告をするには、開業届や青色申告承認申請書の提出が必要です。書類作成の手間がかかるだけでなく、青色申告承認申請書の提出が遅れると、青色申告をしようと考えていた年にできなくなるので注意しましょう。
複式簿記での帳簿付けが必要
青色申告をするには、一定の水準に達した帳簿を備え付ける必要があります。特に、青色申告特別控除で65万円・75万円控除(令和9年分以降・一定条件あり)を受ける場合には、複式簿記の方法で取引を記載した帳簿が必要になるので注意しましょう。
なお、令和9年分以降、書面提出による55万円控除は廃止され10万円になります。e-Taxによる申告を強くおすすめします。
法人も青色申告できる?
法人も青色申告ができます。法人も個人事業主と同じように、一定水準の帳簿を備えるなどの要件を満たすことで青色申告ができ、赤字(欠損金)の繰り越し・繰り戻しや40万円未満の固定資産を一括で経費計上できることなどの特典を受けることができます。
法人の青色申告承認申請書の提出期限
法人が青色申告をするには、原則として青色申告を始める事業年度開始日の前日までに申請書を出します。
設立初年度の法人は、設立日から3か月を経過した日と最初の事業年度終了日のうち、いずれか早い日の前日までが期限になります。期限の詳細は、国税庁の案内で確認しておくと確実です。
法人はほとんどが青色申告をしている
法人は、個人事業主に比べて青色申告をしている割合が高いのが特徴です。
法人税の計算は複雑で、しっかりと記帳された帳簿をもとに行う必要があります。その過程で青色申告の要件を満たすため、結果として多くの法人が青色申告をしています。
青色申告承認申請書は提出期限までに出そう
青色申告承認申請書は、青色申告を始めるために前もって税務署へ出す書類です。提出期限は原則として青色申告をする年の3月15日まで、1月16日以降に開業した場合は開業日から2か月以内になります。
出し忘れると、その年は青色申告ができず、特別控除などの特典を受けられません。開業届とまとめて早めに提出しておくと、忘れずに済みます。
青色申告には節税につながる特典が多くあるため、提出期限を守って手続きを進めましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
青色申告を行うための期限は?
青色申告を行う事業者は、1月1日から12月31日までの課税金額を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
青色申告承認申請書の提出期限は?
現在の状況によって期限が異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
青色申告の期限に間に合わなかった場合は?
ペナルティとして加算税が課され、青色申告の承認が取り消されてしまうことや、控除額を減額されてしまうこともあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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