• 更新日 : 2021年12月23日

2022年(令和4年)の確定申告変更点は?前年の変更も丁寧に解説

2022年(令和4年)の確定申告変更点は?前年の変更も丁寧に解説

2021年に行う確定申告(2020年分)では、所得控除など多くの変更点がありましたが、2022年に行う確定申告(2021年分)でもいくつかの変更点があります。

そこで、ここでは2022年に行う確定申告(2021年分)の変更点について解説します。

2022年(令和4年)確定申告の変更点

2022年(令和4年)確定申告の変更点は、2021年(令和3年)の各控除の見直しに比べると、所得税の金額に直接影響の与えるものは少ないです。しかし、確定申告書の作成において重要な改正が多くなっています。

ここでは、多くの人に影響を与える主な改正について見ていきましょう。

確定申告書や決算書などの押印義務がなくなる

2022年(令和4年)確定申告から、税務関係書類に押印義務がなくなります。税務関係書類とは、確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書などの書類や届出書などを指します。今までは氏名を記載し、押印が必要でしたが、2022年(令和4年)確定申告から、押印は不要になりました。

そのため、確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書の印鑑を押すマーク(㊞)が無くなっています。

確定申告書に区分欄の追加

確定申告書の事業所得の収入、不動産所得の収入、雑所得の収入(その他)に「区分」欄が追加されています。

事業所得の収入の区分欄と不動産所得の収入の区分2欄には、記帳・帳簿の保存状況についての数字を記載します電子帳簿保存法の規定に基づいているのかどうか、正規の簿記の原則に従って記帳しているのかなどの状況により1から5まで)。

不動産所得の収入の区分1欄には、国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例(措法41の4の3)の適用がある場合のみ「1」を記載します。

雑所得の収入(その他)の区分欄には、個人年金保険の収入がある場合は「1」を、暗号資産の収入がある場合は「2」を、その両方の収入の両方がある場合は「3」を記入します。

ふるさと納税の確定申告手続きの簡素化

ふるさと納税寄附金控除に該当するため、確定申告書に寄付した自治体ごとの寄附金の受領書の添付が必要でした。しかし、2022年(令和4年)確定申告から、寄附ごとの「寄附金の受領書」だけでなく、「ふるなび」や「さとふる」などの指定業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」(年間の寄附額を記載されているもの)の添付も認められるようになりました。

これにより、複数の自治体に寄付した場合に、すべての自治体から寄附金の受領書を取り寄せるなどの手間が省けることになります。

住宅ローン控除の期間延長と要件緩和

本来、住宅ローン控除は、取得した年度に入居しなければなりません。しかし、新型コロナウイルスの影響により、新築なら2021年9月末までに、分譲住宅なら2021年11月末までに取得(契約)したものであれば、2022年12月末までに入居すれば、住宅ローン控除が適用できます。

また、住宅ローン控除を受けるための床面積の要件も緩和されます。

通常、住宅ローン控除を受けるためには床面積が50㎡以上であることが必要です。しかし、新築なら2021年9月末までに、分譲住宅なら2021年11月末までに取得した場合には、控除を受ける人の合計所得金額が1,000万円以下、あるいは住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合でも、住宅ローン控除を受けることができます。

保育の助成等の非課税措置

今まで、国や地方公共団体から、 ベビーシッターの利用料や認可外保育施設等の利用料などの助成を受けた場合、雑所得として確定申告が必要でした。

しかし、子育て支援の観点から助成に対する所得税や住民税非課税となり、2022年(令和4年)確定申告から確定申告をする必要がなくなりました。

2021年(令和3年)確定申告の変更点もおさらい!

2021年(令和3年)確定申告の変更点は、2022年(令和4年)確定申告にも引き継がれています。そこで、ここからは2021年(令和3年)確定申告の変更点もおさらいしておきましょう。

基礎控除の見直し

基礎控除は所得控除の1つです。基礎控除としては、これまですべての納税者が一律で38万円を控除できました。2020年分から基礎控除の額が変更になったと同時に、所得制限も設けられました。

大部分の人の基礎控除額は引き上げに

所得税の基礎控除の額は、合計所得金額が2,400万円以下の人については、48万円に改正されました。大部分の人は、基礎控除額が10万円増えました。

個人事業主にとっては減税になる

控除額が増えると課税所得が減るため、税金は安くなりました。ただし、一般的なサラリーマンについては、給与所得控除との兼ね合いで、税金には影響がありませんでした(詳しくは後述)。
一方、個人事業主については、減税になる人が多くなりました(詳しくは後述)。

高所得者の基礎控除額は引き下げに

合計所得金額が2,400万円を超える人については、基礎控除の額が段階的に少なくなり、合計所得金額が2,500万円を超えると0円となりました。

所得と基礎控除額との関係は、次の表のとおりです。

合計所得金額
基礎控除額
改正前
改正後
2,400万円以下
38万円
48万円
2,400万円超 2,450万円以下
32万円
2,450万円超 2,500万円以下
16万円
2,500万円超
0円

給与所得控除の引き下げ

給与所得控除は、給与所得から差し引きできる金額で、サラリーマンが受けられる控除です。2020年分からは給与所得控除の金額も変わりました。

ほとんどのサラリーマンの給与所得控除が10万円引き下げに

給与所得控除額は、次の速算表で計算します。

給与等の収入金額(A)
給与所得控除
改正前
改正後
162.5万円以下65万円55万円
162.5万円超 180万円以下(A)×40%(A)×40%-10万円
180万円超 360万円以下(A)×30%+18万円(A)×30%+8万円
360万円超 660万円以下(A)×20%+54万円(A)×20%+44万円
660万円超 850万円以下(A)×10%+120万円(A)×10%+110万円
850万円超 1,000万円以下195万円(上限)
1,000万円超220万円(上限)

上の表から、給与収入850万円以下の人については、給与所得控除額がこれまでより10万円引き下げになっていることがわかります。控除額が引き下げになると、通常は増税となります。

ただし、年収850万円以下のサラリーマンの場合、基礎控除額が10万円引き上げになるため、税金に影響はありません。

高所得の子育て世帯は所得金額調整控除で調整

年収850万円を超えるサラリーマンについては、基礎控除額の引き上げによる減税分よりも給与所得控除額の引き下げによる増税分の方が大きくなりました。ただし、年収850万円を超えていても子育て等の負担があるサラリーマンについては、「所得金額調整控除」という控除が設けられ、増税にならないよう調整されました。

所得金額調整控除の対象になるのは、以下の人です。

  1. 本人が特別障害者
  2. 年齢23歳未満の扶養親族を有する人
  3. 特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族を有する人

所得金額調整控除では、給与所得から次の金額を控除します。

(給与収入金額-850万円)×10%

※給与収入の上限:1,000万円

青色申告特別控除の控除額の変更

個人事業主は、税務署の承認を受けることにより、税制メリットが多い青色申告をすることができます。2020年分から、青色申告の最大のメリットとも言える青色申告特別控除の金額が変わりました。

65万円控除が原則55万円控除に

2019年分まで、個人事業主が青色申告すると、65万円(複式簿記による記帳)または10万円(簡易簿記による記帳)の青色申告特別控除が受けられました。2020年分からは、複式簿記による記帳で受けられる控除が55万円に引き下げられました。

ただし、基礎控除額が10万円に引き上げになるため、65万円から55万円になったとしても、それだけでは増税にも減税にもなりません。

e-Taxの利用等で65万円控除が受けられる

2020年分以降も、複式簿記で記帳をし、かつ次の要件をみたす場合には、これまで同様65万円の青色申告特別控除が受けられます。

  1. e-Taxによる電子申告
  2. 電子帳簿保存

青色申告を行う個人事業主は、上記の要件に対応できれば、減税になります。
なお、(2)の電子帳簿保存を行う場合、課税期間の途中からはできず、事前に税務署へ申請書を提出する必要があります(帳簿の備え付け開始日の3カ月前の日まで)。e-Taxであればすぐに対応することも可能です。

ひとり親に関する控除の見直し

2019年分までの寡婦控除寡夫控除は、配偶者と離婚や死別をした人で、要件をみたす人が受けられる控除でした。2020年度からは男性向けの寡夫控除が廃止され、新たに「ひとり親控除」が創設されました。

「ひとり親控除」には未婚のひとり親も含まれる

2019年分までの寡婦(寡夫控除)控除は、婚姻歴がある人を対象にしたものでした。そのため、同じシングルマザーであっても、婚姻歴があれば控除が受けられ、未婚のシングルマザーは控除が受けられないという不平等が生じていました。

2020年分からは「ひとり親控除」という控除ができ、ひとり親であれば、婚姻歴の有無にかかわらず35万円の控除が受けられるようになりました。

ひとり親控除が受けられる要件は、次のようになっています。

  1. 同一生計の子がいる(子の合計所得金額48万円以下)
  2. 合計所得金額が500万円以下
  3. 事実婚に該当する相手がいない

寡夫控除を廃止し寡婦控除の適用範囲は限定的に

寡婦控除はひとり親控除に統合されました。一方、寡婦控除については、離婚・死別経験がり、子どものいない人が控除を受けられるよう、2020年分以降も残されました。

寡婦控除の適用が受けられる金額などの要件は、ひとり親控除と同じく合計所得金額が500万円以下で、事実婚に該当する相手がいないことです。控除額は27万円になります。なお、ひとり親控除創設により、従来の「特別の寡婦」(控除額35万円)は廃止されました。

配偶者控除・扶養控除の判定基準の見直し

配偶者や子、高齢の親などを扶養していれば受けられるのが配偶者控除扶養控除です。2020年分から、基礎控除額の引き上げにより、配偶者控除や扶養控除の要件も変わりました。

配偶者控除の配偶者の所得要件

配偶者控除は、所得が一定額以下の配偶者がいる場合に受けられる控除です。配偶者控除が受けられない配偶者については、配偶者特別控除が受けられることがあります。

配偶者控除を受けるには、これまで配偶者の合計所得金額が38万円以下でなければなりませんでした。2020年分からは配偶者控除の配偶者の合計所得金額の要件が48万円以下となりました。

配偶者特別控除の配偶者の合計所得金額の要件も、従来の38万円超~123万円以下から、48万円超~133万円以下に10万円ずつ引き上げになりました。

扶養控除の扶養親族の所得要件

扶養控除は、納税者に配偶者以外の扶養親族がいる場合に受けられる控除です。扶養親族の合計所得金額の要件も従来は38万円以下でしたが、2020年分から48万円以下となりました。

給与所得控除引き下げにより扶養内の年収は変更なし

配偶者控除の配偶者の所得要件は10万円引き上げになりましたが、給与所得控除が10万円引き下げになっているため、配偶者の年収でみるとこれまでと変わりません。妻の年収が103万円の場合はこれまでと同様に配偶者控除の適用を受けることができます。

同様に、親と同居している子供(16歳以上)がアルバイトで働いている場合でも、子供の年収が103万円以下なら、親は扶養控除が受けられます。

2022年の変更点を理解して正しい確定申告を!

2022年の確定申告では確定申告書の作成において重要な改正がありました。正しく確定申告をするために、変更点を理解しておく必要があります。確定申告をする前に、必ず変更点に目を通しておきましょう。

参考:ひとり親及び寡婦控除に関するF&Q|国税庁

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よくある質問

2022年の確定申告変更点は?

確定申告書の作成において重要なものが多い改正となっています。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告書に押印は必要ですか?

2022年(令和4年)確定申告からは、不要です。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告書の区分欄は何を記載したらよいですか?

収入によって異なります。例えば、事業所得なら記帳・帳簿の保存の状況について、該当する数字を記載します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド確定申告

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