• 更新日 : 2023年12月5日

個人事業主は複数の事業ができる?二つ目の屋号や確定申告の方法も解説!

個人事業主で当初から二つ目、三つ目の事業の構想がある方もいらっしゃることと思います。このような場合においては、開業届の提出にあたって屋号はどのように記載すればよいのでしょうか?

また、所得税の確定申告においてどのような申告書を提出すればよいのでしょうか?この記事では、複数の事業を営む個人事業主の手続きについて解説します。

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個人事業主は複数の事業を営むことができる?

法人が1社でいくつかの事業を営むことができるように、個人事業主であっても一人でいくつかの事業を営むことは可能です。例えば、商店を営むかたわら、空いた自宅を賃貸用に貸し出している場合などは、事業所得と不動産所得の二つの事業を営んでいると言えます。また、学習塾を経営するかたわら、ソフトウェアのシステム設計を請け負うなどは、どちらも事業所得ですが、こちらも複数の事業を営んでいることになります。

前者の場合、営む事業についての所得の区分が異なります。しかし、後者のようなケースでは、主たる事業が学習塾であり、システム設計事業をサイドビジネスとしているのであれば、個人事業において複数の種類の売上があるということになります。いずれの場合においても、個人事業主は複数の事業を営むことができます。

個人事業主は二つ目の屋号も登録できる?

法人において、商号とは「会社名」のことであり、法人の設立にあたって登記すべき事項となります。これに対して、個人における屋号とは、その個人事業者が使用する「商業上の名前」であり、届出において必須ではありません。

開業届の提出で屋号を登録できる

個人事業主は、税務署に開業届を提出する際、屋号を登録できます。屋号を利用するかどうかは個人事業主の任意です。開業届の正式な名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」であり、廃業の際にも提出する必要があります。

個人事業の開業・廃業届出書
出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
個人事業の開業・廃業等届出書」を加工して作成

開業する際には、上記開業届の「屋号」欄に記載することにより屋号を登録できます。

同じ屋号で複数の事業をするケースもあるかと思います。二つの事業所得がある場合には、どちらかメインとなる屋号のみを届けているのでも特に問題ありません。例えば生花店と文具店を同時に営む場合、生花店の収入が全体の7割であれば、主たる事業である生花店だけの屋号のみの記載でもよいということです。

確定申告にあたっては、個人の名義で申告するため、氏名や住所、個人番号などの記載はよく確認しましょう。

開業日が異なり、かつ、所得が異なる場合においては、屋号ごとに開業届を分けて提出することになりますが、開業日が同じ場合であれば、屋号欄に二段書きなどにより二つの屋号を記載することも可能です。

屋号を登録しなくても確定申告は可能

個人事業主の場合、必ずしも屋号を付けなくても事業はできます。法人の場合は、設立登記という手続きがあり、必ず「法人名」を付ける必要がありますが、個人事業主の場合には、屋号は必須ではありません。

開業届提出時にまだ屋号を決めかねており、確定申告時には屋号が決まっているようなケースでは、申告の際、青色申告決算書や確定申告書の「屋号」欄に記載するので問題ありません。屋号が決まったので、改めて開業届を出し直すという手間は不要ということです。

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複数事業がある場合の決算書の作成方法は?

複数の事業所得がある場合には、それぞれの収支をどのように決算書に記載すればよいのでしょうか?結論から言いますと、個人事業主の場合には同じ所得であれば青色申告決算書や収支内訳書を1部作成すれば問題ありません。

業種ごとに決算書を分ける必要はない

先の例で、生花店と文具店を同時に営む場合、どちらも同じ事業所得であるので、二つの収支を合計した所得で確定申告することになります。したがって、青色申告決算書や収支内訳書は、両方の事業内容を盛り込んだものを一つだけ作成し、確定申告書においても事業所得1本で記載すれば問題ありません。

すなわち、同じ所得であれば業種ごとに決算書を分けるなどの必要はなく、白色申告の場合は収支内訳書と確定申告書のセットを、青色申告の場合には青色申告決算書と確定申告書のセットを提出します。

ただし、これは個人事業が二つある場合の話であり、生花店は法人化し、文具店は個人事業とすると、生花店は法人税の申告、文具店は所得税の申告と申告方法は別になります。

なお、事業税では事業の種類によって税率が異なる場合があります。その場合、それぞれの業種の所得割合で按分することになりますので、決算書自体を分ける必要はありませんが、それぞれの所得がわかるようにしておきましょう。

不動産所得のみ別の決算書を作成する

一人で二つの個人事業を営んでおり、片方は事業収入で、もう片方が不動産収入であった場合は、別々の決算書が必要となります。これは所得の区分が異なるためです。

事業所得と不動産所得の場合ですと、青色申告でも白色申告の場合でも、それぞれ青色申告決算書、収支内訳書を事業所得と不動産所得に分けて作成します。

青色申告の場合には、不動産所得の金額が事業的規模でない場合であっても、事業所得があれば最高65万円の青色申告特別控除が適用でき、節税につながります。

複数事業がある場合の確定申告書の作成方法は?

複数の事業がある場合においても、確定申告書は1部だけ作成します。
所得税は、各種の所得を合計し、総所得金額を求めてそれに対する所得税を計算する総合課税が原則となっています。以下の所得は総合課税の対象となります。

1利子所得源泉分離課税等となるものを除く
2配当所得源泉分離課税等となるものや申告分離課税を選択したものを除く
3不動産所得
4事業所得
5給与所得
6譲渡所得土地建物等、株式等の譲渡によるものを除く
7一時所得源泉分離課税等となるものを除く
8雑所得源泉分離課税等となるものを除く

ただし、上記で除外されている土地や建物等の譲渡による譲渡所得をはじめ、分離課税の対象となるものについては、さらに「分離課税」の確定申告書第三表の追加が必要となります。

確定申告書の作成方法としては、事業所得及び不動産所得の「青色申告決算書」または、「収支内訳書」から、それぞれ確定申告書の「収入金額等」の部分に転記します。(下記㋐及び㋒欄)

次に、事業所得及び不動産所得について、同様に所得額を記載します。(下記①及び③欄)
このとき、青色申告者は、青色申告特別控除額を控除した所得額を記載し、控除した金額については、下記青色申告特別控除額欄に記載します。

所得税等の確定申告書

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁、「 申告書第一表・第二表」を加工して作成

口座を使い分けると複数事業の経費精算も便利に

複数の事業を実施している場合、入出金の確認などもその事業の数だけ必要です。このとき、複数の事業を同一の口座で処理をすると、非常に煩雑となります。銀行口座や事業で利用するクレジットカードについては、その事業ごとに使い分けるほうが経理処理をやりやすく、結果的に確定申告も早くできます。

複数の事業に共通する経費については、どちらか一方の口座を利用して、決算などで按分することとし、極力一つの事業に一つの口座と使い分けるようにしましょう。

「事業所得」なら複数事業でも確定申告は1部作成でOK!

事業を複数経営している個人事業主であっても、それがどれも事業所得として申告するものであれば、青色申告決算書や収支内訳書も、確定申告書も合算したもので問題ありません。

また、屋号についてはそれぞれの事業で屋号を持っている場合でも、主たる事業だけの屋号でも問題はありません。

初めて個人事業主として確定申告する場合において、不明点があれば、税務署に問い合わせて確認しておきましょう。確定申告シーズンなどの繁忙期になる前のほうが相談に乗ってもらいやすいと言えます。

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よくある質問

個人事業主は複数の事業を営むことができる?

個人事業主は複数の事業を営むことに問題はありません。詳しくはこちらをご覧ください。

複数事業がある場合の確定申告書の作成方法は?

同じ事業所得であれば、青色申告決算書や収支内訳書も、確定申告書も合算し、1部提出することで問題ありません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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