- 更新日 : 2025年1月31日
フリーランスカメラマンの確定申告のやり方は?副業の場合や経費・勘定科目も解説
2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ
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フリーランスカメラマンも確定申告が必要になる場合があり、その収入が本業か副業かによって確定申告の要否や所得区分が変わります。カメラマンとして確定申告する際にどこまで経費として認められるのか、所得税を抑える節税対策にはどのような方法があるか等を中心に解説します。
目次
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カメラマンは確定申告が必要?
カメラマンが確定申告をする必要があるかは、その収入が本業で得たものか副業で得たものか、所得金額がいくらかによって判断します。
フリーランスカメラマンの場合
フリーランスカメラマンの仕事を本業として行っている場合、収入金額から経費を差し引きした所得(もうけ)が基礎控除額の48万円を超える場合に確定申告です。カメラマンが得る所得の申告区分は後ほど解説しますが、所得金額が48万円を超える場合は必ず確定申告をしましょう。
副業カメラマンの場合
会社員をする傍らに副業としてフリーランスカメラマンの仕事をしている場合、カメラマンとしての収入金額から経費を差し引いた所得(もうけ)が20万円を超える場合には確定申告が必要です。
20万円以下であれば申告は不要ですが、本業である会社員の給与所得で年末調整を行っている場合に限り申告が不要になる点に注意しましょう。何らかの理由で年末調整をしていない場合は、副業の所得金額に関わらず確定申告が必要です。
カメラマンの確定申告は青色申告と白色申告の2種類
カメラマンの確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2つがあります。次に、それぞれのメリットを挙げてみましょう。
カメラマンが青色申告するメリット
所得税には、青色申告という制度があります。青色申告を簡単にいうと、記帳方法や申告方法など一定要件を満たす確定申告を行えば、所得や税額を抑えることができる制度です。
例えば、収入金額から必要経費を差し引いた所得金額から、さらに一定額を控除できる「青色申告特別控除」や、当年分の所得が赤字(純損失)になった場合にその赤字を3年間繰り越せる「純損失の繰り越し」などがあります。
カメラマンが白色申告するメリット
白色申告には、青色申告制度のように特別な税法上の特典はありません。しかし、確定申告をする際に白色申告の届出は必要ないこと、決算書(収支内訳書)を作成する際、貸借対照表(資産や負債に関する資料)を作成する必要がないので、青色申告より簡単に確定申告できるメリットがあります。
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カメラマンの確定申告のやり方
次に、カメラマンの確定申告のやり方について解説します。
カメラマンの確定申告の必要書類
カメラマンが確定申告をするパターンとして「カメラマンを本業とするケース」と「カメラマンを副業とするケース」に分けられます。ここでは、フリーランスカメラマンが必要な書類について解説します。
- 収入金額がわかる資料
カメラマンとしての収入金額を集計するための資料です。報酬が入金される通帳やクライアントからの支払通知書や支払調書、現金で受け取った際の入金領収書などから収入金額を集計します。 - 必要経費がわかる資料
カメラマンとして収入を得るために支出した経費を集計するための資料です。仕入先から受け取る経費の請求書や領収書、レシートなどから年間の必要経費を費目別に集計します。 - 源泉徴収票
会社員が副業でカメラマンをする場合に限り必要になる書類です。本業の勤務先から源泉徴収票をもらっておきましょう。なお、源泉徴収票を紛失した場合、再発行に時間がかかることがあるため、確定申告が始まる前に手配しておきましょう。 - 所得控除や税額控除の資料
社会保険料控除や寄付金控除、住宅借入金等特別控除など各種控除を受けるための資料です。副業として申告する場合、会社の年末調整で提出しなかった控除があれば、確定申告で追加することができます。 - マイナンバーの資料と身元確認資料
確定申告書にはマイナンバーの記載が必要になるため、マイナンバーが記載された「番号確認資料」を準備しておきます。また、書面提出する場合には「番号確認資料」の他に運転免許証などの「身元確認資料」を添付する必要があります。
カメラマンの確定申告書の書き方
カメラマンの所得を事業所得として申告する場合は、最初に「青色申告決算書(青色申告)」や「収支内訳書(白色申告)」を作成します。作成が終わったら決算書で計算した所得金額を確定申告書に転記するという順番になります。
カメラマンの所得を雑所得として申告する場合は、青色申告ができないため最初に作成するのは「収支内訳書(白色申告)」です。ただし、収入金額が1,000万円以下であれば「収支内訳書」の作成は必要なく、計算した所得金額を確定申告書に直接記載することになります。
カメラマンの確定申告書の提出方法
確定申告書の提出方法には次の3つがあります。
- e-Taxなどによる電子申告
- 窓口に書類を直接持参
- 税務署宛に書類を郵送
このうち電子申告は年々使いやすくなっており、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を使って誰でも簡単に確定申告書の作成・提出を行えるようになっています。マイナンバーカードを事前に作っておけば、24時間いつでも確定申告の作業を完了できるため時間がない方も安心です。
カメラマンの確定申告書の提出期限
所得税の確定申告は、毎年2月16日から3月15日が申告期間となっています。特に、提出期限の3月15日直前は例年、窓口が非常に混雑します。窓口で書面提出する場合には期日に余裕をもって早めに提出しましょう。
なお、電子申告による提出は24時間、窓口持参による提出は3月15日の閉庁時間、郵送による提出は3月15日の消印がそれぞれの期限となります。土日や祝日の場合は翌開庁日が期限になります。
カメラマンが確定申告で経費にできる費用
カメラマンが確定申告で経費にできる項目について、いくつか例を挙げてみましょう。
- カメラ本体やレンズなどの備品
撮影で使うカメラ本体やレンズ、三脚やその他周辺機器などの備品のうち、1個(または1セット)が10万円未満のものは消耗品として経費にすることができます。10万円以上の固定資産については原則として固定資産に計上し、期間の経過に応じて減価償却費として経費に計上します。 - 撮影のための移動に要した旅費交通費
撮影現場まで行くために支出した交通機関の乗車券・搭乗券やガソリン代、宿泊代などの旅費交通費は経費として認められます。ただし、出張先での休暇日に行った観光等のために支出したものは経費になりませんので注意してください。 - クライアントとの会食代・飲食代、慶弔金品など
クライアントとの飲食代については、交際費として経費にすることができます。また、冠婚葬祭に伴い渡す慶弔金品やお中元、お歳暮なども経費になります。
経費にする前提条件は、「その支出が収入を得るために直接要するものであること」です。事業外のものは必要経費にならないためプライベート部分を含めないように注意してください。
カメラマンが経費計上するときの仕訳・勘定科目
次に、カメラマンが必要経費を支出した場合の仕訳を例示してみましょう。
10万円未満のカメラを購入した場合
【カメラ本体90,000円を現金で支出した】
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
消耗品費 | 90,000円 | 現金 | 90,000円 |
30万円未満のカメラを購入した場合
【カメラ本体150,000円を現金で支出した】
A:白色申告の場合(固定資産経理)
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
備品 | 150,000円 | 現金 | 150,000円 |
B:白色申告の場合(一括償却資産経理)
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
一括償却資産 | 150,000円 | 現金 | 150,000円 |
C:青色申告の場合(経費経理)
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
消耗品費※ | 150,000円 | 現金 | 150,000円 |
※上限300万円までとなります。
30万円以上のカメラを購入した場合
【カメラ本体400,000円を現金で支出した】
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
備品 | 400,000円 | 現金 | 400,000円 |
カメラマンが確定申告するときの注意点
最後に、カメラマンが確定申告をする際に注意したいポイントを挙げてみましょう。
経費の領収書を保管しておく
経費の領収書については税法上、保存期間が定められています。青色申告の場合は7年間、白色申告の場合は5年間、領収書を保存しておかなければなりません。また、経費を事業用とプライベート用に按分した場合は、按分計算した資料も併せて保存しておくようにしましょう。
経費率が適切かどうかを確認する
経費のなかにプライベート部分が含まれるケースで、事業用に相当する金額として一部を経費計上することがあります。事業とプライベートを按分する際の基準は、客観的にみて合理的かつ適切でなければなりません。意図的に事業部分を増やして所得を低くすることがないように注意しましょう。
青色申告の場合は開業届と青色申告承認申請書が必要
カメラマンの確定申告を青色申告で行いたい場合は、青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、その事業開始等の日から2月以内)に「開業届」および「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。提出期限が土日・祝日等の場合は、翌日が提出期限となります。
フリーランスカメラマンの確定申告では本業と副業の違いを正しく理解しましょう
同じフリーランスカメラマンの仕事でも、本業として行うケースと副業として行うケースでは青色申告適用の可否など、申告方法が違ってきます。自身の仕事は本業として行っているかどうかを正しく判断して確定申告を行いましょう。
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