- 更新日 : 2026年6月29日
個人事業主も復興特別所得税を支払う?納付手続きや計算方法を解説
復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源として、すべての所得税納税者に課される税金であり、個人事業主も確定申告での納付が必要です。
Q:復興特別所得税の計算方法を教えてください。
A:所得税額から税額控除を差し引いた「基準所得税額」に対して、2.1%(令和9年分以降は1.1%+防衛特別所得税1.0%)を乗じて計算します。
東日本大震災からの復興を目的とした復興特別所得税は、個人事業主も納めなければなりません。会社員の場合は、源泉徴収されるため意識する機会は少ないですが、個人事業主は自ら計算して納付する必要があります。
本記事では、個人事業主が知っておくべき復興特別所得税の納付方法や計算方法、そして申告漏れのリスクについて解説します。
※本記事の内容は2025年12月公表の税制改正大綱をもとにしています。税制改正大綱は自民党が毎年12月頃に発表する改正のドラフトであり、国会での審議を経て翌年春頃に法律として制定されます。最終的に制定された法律の内容と異なる場合があります。
おかげさまで、確定申告期に多くのユーザーさんにお読み頂いております。 「初心者向け 確定申告書の記入ガイド」は、すでにお持ちでしょうか?
「マネーフォワード クラウド確定申告」に無料登録いただいたのち、「確定申告お役立ち資料集」からダウンロードいただけます。
目次
フォームに順番に入力するだけで、控除や還付金を受け取るための確定申告も簡単に。「マネーフォワード クラウド確定申告」は、医療費控除・社会保険料控除、ふるさと納税・住宅ローン控除…などの各種控除がある方にも、多くご利用いただいています。
スマホのほうが使いやすい方は、アプリからも確定申告が可能です。
復興特別所得税とは?
復興特別所得税は、東日本大震災からの復興を目的として導入された税金です。復興特別所得税は、2011年に制定された「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づき、2013年から課税が始まりました。
当初、課税期間は2037年(令和19年)までの25年間とされていましたが、令和8年度税制改正により2047年(令和29年)まで10年間延長されています。
また、同改正により、令和9年分以後は復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に引き下げられ、あわせて新たに防衛特別所得税(税率1.0%)が創設されます(適用は令和9年1月1日以後)。
復興特別所得税の対象は、すべての所得税納税者です。所得税に加算される形で課税されるため、個人事業主は確定申告の際に、所得税と同時に申告・納付しなければなりません。また、源泉徴収義務者には、給与や報酬の支払時に所得税と併せて復興特別所得税を徴収し、国に納付する義務があります。
復興特別所得税によって得られる収入は、被災地のインフラ再建や被災者支援、産業再生などに充てられ、復興を支える重要な財源となっています。
なお、復興特別所得税の税率や計算方法、納付方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
この記事をお読みの方におすすめのコンテンツ4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドや無料セミナーを簡単に紹介します。無料登録だけでもらえますので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
青色申告1から簡単ガイド
40ページ以上のガイドが無料でお得!図解でカンタン
「青色申告1から簡単ガイド」では、青色申告の基礎知識や、青色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。
白色申告1から簡単ガイド
これから初めて白色申告をする方や確定申告に不安がある方は、おすすめの1冊!
「白色申告1から簡単ガイド」では、白色申告の基礎知識や、白色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。
はじめての確定申告 不安解消セミナー
税理士法人 Five Starパートナーズ 代表「税理士Youtuberヒロ☆税理士」田淵 宏明 氏による、人気のセミナーを特別公開!
1時間以上の充実の内容を無料で公開しております。はじめて確定申告を行う方はもちろん、ご経験者の方にも参考になる内容です。
確定申告控除ハンドブック
確定申告で、正しく「控除」を活用できていますか?
「確定申告控除ハンドブック」では、確定申告の所得控除・税額控除を一覧表や必要書類の見本付きで分かりやすく解説しています
個人事業主に復興特別所得税の納付義務はある?
個人事業主にも復興特別所得税の納付義務があります。
復興特別所得税は、所得税を納めるすべての個人に課されるためです。所得税が源泉徴収される給与所得者とは異なり、個人事業主は確定申告を通じて納付を行う必要があります。
復興特別所得税は、「基準所得税額」に対して課されます。この基準所得税額とは、原則としてその年分の所得税額から一定の税額控除額を差し引いて計算した金額です。
- 居住者(非永住者以外):すべての所得に対する所得税額が対象となる
- 居住者(非永住者):国内源泉所得および国外源泉所得のうち国内で支払われたもの、または国内に送金されたものが対象となる
- 非居住者:国内源泉所得に対する所得税額が対象となる
- 外国税額控除が適用される場合は、控除前の所得税額が基準となる
個人事業主は、これらの計算を正確に行い、確定申告を通じて適切に納付する必要があります。
参考:国税庁 個人の方に係る復興特別所得税のあらまし
参考:国税庁 No.2010 納税義務者となる個人
個人事業主の復興特別所得税の納付方法と納付期限
経営者は、自身の復興特別所得税の支払いについてだけでなく、従業員における復興特別所得税の源泉徴収・納付についても義務を負っているため、双方について理解しておく必要があります。ここでは、それぞれの納付方法と納付期限について解説します。
納付方法
「個人事業主自身の場合」と「従業員給与の源泉徴収の場合」それぞれの納付方法は、以下のとおりです。
【個人事業主自身の場合】
所得税および復興特別所得税は、例年2月16日〜3月15日(申告納期限が土曜日・日曜日・国民の祝日・休日の場合は、その翌日が申告納期限となる)の確定申告期間内に申告および納付を行うことが一般的です。確定申告書に記載した所得税および復興特別所得税の合計額を、申告書提出時に納税地を所轄する税務署へ納付しましょう。
納付方法は、以下の方法から選択できます。
- ダイレクト納付(口座引き落としで納付)
- インターネットバンキング
- クレジットカード納付
- スマホアプリ納付
- コンビニ納付(QRコード・バーコード)
- 窓口納付
【給与所得者の場合(源泉徴収)】
個人事業主が従業員を雇用している場合、給与から所得税と復興特別所得税を源泉徴収し、税務署に納付しなければなりません。源泉徴収額は「源泉徴収税額表」に基づいて計算し、「所得税徴収高計算書(納付書)」に記載して納付します。なお、年末調整も所得税と同様に実施します。
また、従業員が常時10人未満の場合には、「納期の特例」を利用し、半年分の源泉徴収額をまとめて納付することが可能です。この特例を適用するには、事前に税務署へ「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。
納付期限
個人事業主の場合、例年は前述の確定申告期間内(毎年2月16日〜3月15日)に申告と納付を行うことが一般的です。
一方、従業員の給与や賞与から源泉徴収した税額は、支払い月の翌月10日までに税務署へ納付が必要です。なお、従業員が常時10人未満の場合は「納期の特例」を利用でき、半年分をまとめて7月と1月に納付することが認められています。
復興特別所得税の予定納税
復興特別所得税の予定納税は、前年の所得金額や税額をもとに計算された金額(予定納税基準額)が、15万円以上の場合に適用される制度です。この場合、所得税および復興特別所得税の一部を前払いすることになります。
予定納税基準額は、毎年5月15日現在における前年分の所得金額や税額をもとに計算されます。税務署から予定納税基準額の通知を受けた事業主は、指定された期日までに納付をしなければなりません。
予定納税基準額の3分の1を第1期分として7月1日から7月31日までに、第2期分として11月1日から11月30日までに3分の1を納付します。
予定納税で納付した金額は、翌年の確定申告で納税額から差し引かれ、過不足分が精算されます。
従業員の場合、通常は年末調整で税額が精算されるため、予定納税の対象にはなりませんが、副業収入などが一定額を超える場合には対象となることもあるため注意が必要です。
復興特別所得税の計算方法
個人事業主における復興特別所得税計算式と具体例は、以下のとおりです。
【復興特別所得税計算式】
=課税される所得金額(収入−必要経費−各種所得控除)×所得税率−税額控除額
【具体例】
個人事業主の年間売上(収入)金額が、600万円であった場合を仮定します。
<1.所得税の課税所得を計算する>
課税所得は、年間売上(収入)金額から必要経費を差し引き、さらに所得控除を引いて求めます。
- 売上金額:600万円
- 必要経費:260万円
- 各種所得控除:180万円
- 税額控除:なし
課税所得の計算式
<2. 所得税額を計算する>
課税所得に対して所得税の税率を適用します。税率は課税所得に応じた累進課税で決まります。課税所得160万円の場合の税率は5%であり、控除額はありません。
所得税額の計算式
<3. 復興特別所得税を計算する>
復興特別所得税は、基準所得税額に対して2.1%を乗じて計算します。
復興特別所得税の計算式
<4. 合計納税額を確認する>
最終的に、所得税額と復興特別所得税を合算して納税額が確定します。
合計納税額の計算式
なお、令和8年度税制改正により、令和9年分以後の所得税からは、復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に引き下げられる一方、新たに防衛特別所得税(税率1.0%)が創設されます。税率の内訳は変わりますが、基準所得税額に対する付加税率の合計は2.1%のままで変動はありません。
復興特別所得税の申告漏れがあった場合のリスク
復興特別所得税の申告漏れが発生すると、過少申告加算税や延滞税が課されるリスクもあるため注意が必要です。
自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税は免除されますが、税務署から調査通知を受けた後の修正申告では、新たな税金と加算税が発生します。また、税務署による更正が行われた場合には、高い税率の加算税が適用されてしまいます。
加えて、納税遅延日数に応じて延滞税も課せられるため、早期の対応が重要です。申告漏れを防ぐため、過去の確定申告書を見直し、誤りがあれば速やかに税務署に相談し修正申告を行うようにしましょう。
復興特別所得税を理解し、適切に納税しよう
復興特別所得税は、東日本大震災からの復興を支える重要な税金であり、個人事業主も納付義務があります。
所得税と併せて申告・納付する必要があり、その計算方法や納付方法を正しく理解しておくことは、事業を円滑に進める上で不可欠です。
万が一、申告漏れがあった場合には、加算税や延滞税が課されるリスクもあるため、日頃から適切な申告・納税を心がけることが重要です。
なお、令和9年分以後は税率区分の変更(復興1.1%+防衛1.0%)や新設税目(防衛特別所得税)が加わるため、令和9年分以降の確定申告では注意が必要です。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える
有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む複数サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。
合わせて読みたいおすすめ資料
マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。会社員の確定申告 丸わかりガイド
青色申告1から簡単ガイド
個人事業主が知っておくべき経費大辞典
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 税制・控除
社会保険料控除とは?対象となる保険料や確定申告で控除を受ける方法を解説
年金や健康保険といった社会保険は原則として強制加入となっており、多くの人が社会保険料を負担しています。ただし、被扶養者など自身で保険料を支払っていないケースもあります。確定申告の際…
詳しくみる -
# 税制・控除
不動産の減価償却とは?計算方法や仕組み、耐用年数についても解説!
不動産とは、土地や建物などの「動かすことのできない資産」であり、減価償却できるものとできないものがあります。この記事では、不動産の減価償却について、法定耐用年数や定額法・定率法など…
詳しくみる -
# 税制・控除
個人事業主は消費税還付を受けられる?書類の書き方や勘定科目をわかりやすく解説
個人事業主であっても、消費税の課税事業者で要件を満たす場合は、消費税の還付を受けられます。消費税の還付とは、多く支払い過ぎた消費税の払い戻しを受けることです。消費税の還付を請求でき…
詳しくみる -
# 税制・控除
税金が払えない個人事業主が最初にすべきことは?滞納リスクや対策を解説
個人事業主にとって、税金が払えなくなる理由は数多くあります。所得税、住民税、国民健康保険料(税)をはじめ、事業の資金繰り、外部環境の変化による思わぬ出費など、個人事業の運営には多く…
詳しくみる -
# 税制・控除
個人事業主もふるさと納税をした方が良い?節税効果やデメリットを解説
ふるさと納税は税金の使途を自身で選択できるため、自分の故郷や考え方に合った自治体に貢献できるというメリットがあります。直接的な節税にはなりませんが、結果として得られる現物である「返…
詳しくみる -
# 税制・控除
消費税の割戻し計算とは?積み上げ計算との違いも解説
インボイス制度の導入により、消費税の制度が大きく変わりました。代表的な変更点は、仕入税額控除を受けるためには取引先からの適格請求書等(インボイス)が必要になることです。また、消費税…
詳しくみる




