• 更新日 : 2021年11月12日

自宅サロンで必要経費にできるものと確定申告方法を解説

自宅サロンで必要経費にできるものと確定申告方法を解説

ネイルサロンやリラクゼーションサロンなど、自宅兼サロンで開業するケースがあります。自宅サロンのメリットは、自宅と職場が同じであるため移動が必要ないことや、自宅の空いた部屋などを活用してサロンを開業できることなどが挙げられます。

しかし、職場専用のスペースを借りる場合と比べ、自宅サロンは、家賃など経費面で気を付けるべき点があります。今回は、自宅サロンの確定申告にスポットを当てて、必要経費の考え方と確定申告の方法を解説していきます。

自宅サロンを開業したら確定申告が必要!

自宅サロンを開業するということは、自宅サロンを経営して、事業活動による利益を得ることになります。

赤字により納めるべき所得税がないなど、場合によっては確定申告が必要ないこともありますが、自宅サロン開業後は、基本的に所得税の確定申告が必要です。

自宅サロンを開業することになったら、開業に必要な物品購入のレシートのほか、サロンで使用する商材購入の領収書や納品書など、事業に関わる書類は失くさないように保管しておきましょう。事業に関わる書類は、確定申告書の作成などで使用します。

確定申告の概要と対象者などは以下の記事で詳しく説明していますので、こちらもご覧ください。

自宅サロンの確定申告の方法は?

自宅サロンを経営している方の確定申告の手順は、ほかの事業者が確定申告を行う手順と同様で、大きく変わる部分はありません。確定申告は、以下の手順によって行います。

  1. 自宅サロンの事業経費や収入に関わる書類(領収書など)を準備する
  2. 白色申告者は「収支内訳書」、青色申告者は「青色申告決算書」を用意する
  3. 「収支内訳書」などを作成するための勘定科目の集計を行う
  4. 「収支内訳書」または「青色申告決算書」を作成する
  5. 社会保険料控除証明書」など「確定申告書」の作成に必要な書類を準備する
  6. 「確定申告書B」を用意する
  7. 必要に応じて明細書などを作成する
  8. 「確定申告書」を作成する
  9. 添付書類などを確認して「確定申告書」を所轄の税務署に提出する
  10. 申告した所得税を納付する

自宅サロンを経営している人など事業を行っている人は、事業所得を計算するために、収支内訳書や青色申告決算書を作成しなければなりません。いずれも個人版の決算書類で、損益計算や従業員別の給与、減価償却資産など記載する項目がいくつもあります。一から集計すると計算ミスが生じる可能性が高くなりますので、確定申告ソフトなどを使って計算するのがおすすめです。

確定申告の方法については以下の記事でも取り上げていますので、こちらも参考にしてみてください。

自宅サロンの確定申告で経費にできるものは?

自宅サロンの確定申告において、経費にできるのは、事業の必要経費です。事業に直接的に要したものとしては、以下のような経費が計上できます。

  • 施術に使用する消耗品の購入費用(仕入)
  • サロンで販売する商材の購入費用(仕入)
  • 施術に必要な機器の購入費(※金額が大きいものは経費ではなく資産に分類します)
  • 資産の減価償却費
  • サロンの内装工事費
  • サロンの看板費用
  • など

ほかにも、事業に要したものであれば、以下のようなものも経費に計上できます。

  • ホームページ作成費用
  • チラシなどの広告費用
  • スタッフに支払う給与
  • スタッフのユニホーム代
  • 顧客のお茶代やお菓子代
  • 顧客が読むために購入した雑誌代
  • 顧客へのイベント案内のためのはがき代
  • など

家事按分で家賃等を経費にできる

支出の中には、プライベートにも事業にも関連するものがあります。代表的なのが家賃です。自宅サロンでは、一部を自宅、一部をサロンとして使用しますが、家賃の支払いが別々に発生するわけではありません。このようなプライベートと仕事利用が混在した支出は、家事按分によって一部を経費にできます。

家事按分は、事業での使用が合理的に見積もれる方法で行います。勘定科目や使用状況によっては、専有面積をもとに計算するのが合理的な場合もありますし、使用時間や使用日数が合理的な場合もあります。いずれにおいても、しっかり説明できるように状況に合った方法で家事按分を行いましょう。

按分計算については以下の記事で詳しく説明していますので、こちらもご覧ください。

家賃

自宅が賃貸物件で、家賃を払っている場合、払っている家賃の一部を家事按分により経費にできます。自宅サロンは、自宅の一角をサロン専用で使用しているケースが多いと思われますので、サロンとして使用している部分の面積をもとに按分計算するのが合理的でしょう。

(例)自宅60㎡のうちサロンの専有面積は20㎡、毎月家賃を9万円負担している。
   家事按分は専有面積をもとに行うこととする。

 20㎡÷60㎡=1/3(自宅の3分の1の区画をサロンとして使用)
 9万円×1/3=3万円

自宅の3分の1をサロンとして使用しているため、経費に計上できるのは、家賃全体の3分の1である毎月3万円です。

なお、購入した自宅の毎月の住宅ローン返済額は、家賃ではなく借金を返済していることになるため、経費にできません。代わりに、家事按分で自宅建物の減価償却費の一部、固定資産税の一部、火災保険料の一部、住宅ローンの利息の一部を経費に計上できます。

電気代

自宅サロンを経営していると、電灯のほか、施術に必要な器具をコンセントにつないで使用するなど、電気を使用する機会も多いかと思います。なかなか合理的な計算が難しいですが、家賃のように専有面積をもとにしたり、使用時間をもとにしたりして按分計算を行うことで、自宅の電気代の一部を経費に計上することが可能です。

(例)サロンの営業時間は毎日8時間、今月の電気代は18,000円だった。
   家事按分は営業時間をもとに行うこととする。

 (8時間×30日)÷(24時間×30日)=1/3 (※毎日営業、30日で計算した場合)
 18,000円×1/3=6,000円

ガス・水道代

ガス代や水道代は、サロンの事業内容によって使用頻度が変わってくるかと思います。例えば、毎日サロンで使用するタオルを洗濯しているなど、使用頻度が多ければ、按分計算によって経費計上しても問題ありません。しかし、月に1回使用するかどうかなど、使用頻度が極端に低い費用については、税務調査で認められない可能性が高いため、経費に計上しないのが無難です。

(例)サロンの営業時間は毎日8時間、今月の水道代は6,000円だった。
   サロンで使用するタオルの洗濯などで水道を頻繁に使用している。
   家事按分は営業時間をもとに行うこととする。

 (8時間×30日)÷(24時間×30日)=1/3 (※毎日営業、30日で計算した場合)
 6,000円×1/3=2,000円

通信費

通信費とは、電話代やインターネット代、切手代など、通信にかかる費用のことです。例えば、自宅の固定電話をサロンの受付も兼ねて使用している場合、家事按分により事業分を経費にできます。按分計算の方法としては、毎月の平均的な通話時間をもとに計算する方法などがあります。

(例)自宅の固定電話を、サロンの代表電話としても使用している。
   毎月の平均的な通話時間を見たところ、プライベートと仕事の割合は半々だった。
   今月の固定電話代は5,000円である。

 5,000円×50%=2,500円

確定申告ソフトを使えば自宅サロンの確定申告も簡単!

自宅サロンを開業したら、基本的に確定申告が必要と考えたほうがよいです。確定申告にあたっては、事業所得を正確に計算する必要があります。年間所得を一つひとつ手計算で行うと時間もかかるだけでなく、ミスも発生しやすいので、確定申告ソフトの利用がおすすめです。

確定申告ソフトには、自動仕訳対応や按分計算の設定ができるなど、会計の知識が少なくても確定申告できるように充実した機能が備わったものもあります。確定申告が大きな負担にならないためにも、確定申告ソフトを活用してみましょう。

よくある質問

自宅サロンの確定申告は必要?

通常は事業活動により利益が生まれるはずですので、自宅サロンを開業したら基本的に確定申告が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

自宅サロンで経費にできるのは?

経費にできるのは事業に要したもので、たとえば施術に必要な消耗品や器具、サロンホームページの作成費用などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

家事按分とは?

仕事利用とプライベート利用が混在する費用について、合理的な計算によって費用を配分することをいいます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(税理士)

叶税理士法人 東京事務所代表。不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし、自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』(技術評論社)がある。

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