• 更新日 : 2022年4月28日

贈与税申告書の書き方をわかりやすく解説【見本つき】

財産の贈与を受けた場合には贈与税が課税されます。贈与税は贈与する側(贈与者)と贈与を受ける側(受贈者)の関係によって税額が変動します。

贈与税の申告と納付を行うのは受贈者であり、その際に提出する書類はどのような申告をするのかによって異なります。ここでは主となる「第一表」「第二表」「第一表の二(住宅取得資金の計算明細書)」の3種類の申告書と提出方法、書き方について解説します。

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贈与税申告書の種類

主となる贈与税の申告書は以下の3種類です。

  1. 第一表(兼贈与税の額の計算明細書)
  2. 第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)
  3. 第二表(相続時精算課税の計算明細書)

暦年課税の申告をする場合は、第一表のみを使用します。相続時精算課税を申告する(暦年課税と相続時精算課税どちらも申告する場合を含む)場合は第一表と第二表の提出が必要です。

住宅取得等資金贈与と暦年課税を同時に申告する場合は第一表と第一表の二、住宅取得等資金贈与と相続時精算課税贈与の申告をする場合は3種類すべてを提出しなくてはなりません。

申告の内容
使用する申告書
暦年課税のみを申告する人第一表
相続時精算課税のみを申告する人第一表と第二表
暦年課税と相続時精算課税の両方を申告する人第一表と第二表
「住宅取得等資金の非課税」と暦年課税を申告する人第一表と第一表の二
「住宅取得等資金の非課税」と相続時精算課税を申告する人第一表と第一表の二と第二表

引用:令和3年分 贈与税の申告のしかた|国税庁

このほか初めて相続時精算課税で申告をする場合は別途「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要となり、住宅取得等資金贈与の特例を利用する場合は各種証明書の提出が必要になるなど、適宜添付書類が加わります。

暦年課税・相続時精算課税の違いなどについて詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

贈与税申告書の書き方・記載例

以下では3種類の贈与税の申告書の書き方を1つずつ解説します。

暦年課税に必要な申告書の書き方(第一表)

贈与税_申告書第一表

引用:贈与税申告書フォーマット(第一表)|国税庁HP

こちらが申告書第一表です。

贈与税申告書 税務署長 提出年月日

税務署長の欄には受贈者の住所の所轄税務署名を記入します。提出年月日は現在の日付になりますが、「令和□□年分」の□□には前年の数字が入る点に注意しましょう。

贈与税申告書 贈与者の住所・氏名(フリガナ)・申告者との続柄・生年月日

続柄の欄には申告する人(受贈者)から見た贈与者の続柄を記入します。続柄記入欄は第一表の他の部分や、他の申告書にもありますが、考え方は同じです。

□には対応する番号を、※5を選んだ場合に記入します。

贈与税申告書 「種類」「細目」「利用区分・銘柄等」

「種類」「細目」「利用区分・銘柄等」の欄には各財産の種類と細目に応じた利用区分・銘柄等を記入します。

どのような財産がどのように分類されているかは国税庁が公表している各年度分の「贈与税の申告のしかた」を参照してください。

「所在場所等」は各財産の所在場所等を記入します。財産によって所在場所の定義が変わるため、注意が必要です(生命保険金は支払い保険会社の所在地及び名称、船舶・自動車は登録期間の名称及び登録番号など)。

「数量」には面積や株数を、「単価」には財産の1単位当たりの価額を記入します。「固定資産税評価額」には、土地や家屋の固定資産税評価額を記入します。「倍数」は固定資産税評価額に掛ける一定の倍率を記入する欄です。

「財産を取得した年月日」には、贈与を受けた年月日を記入します。「財産の価額」には、贈与を受けた財産の価額を記入します。

贈与を受けた財産についての情報を記載後、申告書の指示に従って合計欄に必要事項を記入します。

相続時精算課税に必要な申告書の書き方(第二表)

贈与税_申告書第二表

引用:贈与税申告書フォーマット(第二表)|国税庁HP

申告書第二表の内容は申告書第一表の二とほとんど同じです。

贈与税申告書 過去の年分の申告において控除した特別控除額の合計額

「過去の年分の申告において控除した特別控除額の合計額」の「特別控除額」とは、相続時精算課税における贈与税の特別控除額を指します。

住宅取得等資金の非課税に必要な申告書の書き方(申告書第一表の二)

贈与税申告書 第一表の二

引用:贈与税申告書フォーマット(第一表のニ)|国税庁HP

引き続き申告書第一表の二の書き方を見ていきましょう。

贈与税申告書 住宅取得資金を取得した年月日

ここには、贈与を受けた住宅取得等資金の取得年月日、金額を記載します。

贈与税申告書 住宅資金非課税限度額

「非課税限度額(34の金額)」には住宅取得等資金贈与制度で定められている新築や取得、増改築等を行った家屋の種類と契約締結日に応じた限度額を記入します。

贈与税申告書 32のうち非課税の適用を受ける金額 33のうち非課税の適用を受ける金額

「32のうち非課税の適用を受ける金額」「33のうち非課税の適用を受ける金額」には非課税限度額を超えないように住宅取得等資金の非課税金額を記入します。

記入欄が2つあるのは贈与者が2人以上いた場合のためです。その場合は非課税の適用を受ける金額の合計が非課税限度額を超えないように記入します。また3人以上いる場合は複数枚の申告書の作成が必要です。

贈与税申告書 32のうち非課税の適用を受ける金額 33のうち非課税の適用を受ける金額

「32のうち課税価格に算入される金額」「33のうち課税価格に算入される金額」は住宅取得等資金の合計から非課税金額分を差し引いた金額を記入する欄です。

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贈与税申告書の入手方法

贈与税申告書は、税務署の窓口もしくは、国税庁のホームページからダウンロードで入手することができます。

また、e-Taxによる電子申告の場合は、申告書用紙を入手する必要はありません。

贈与税申告書の提出方法・期限

贈与税の申告書は受贈者の住所地の所轄税務署に提出します。

直接窓口へ提出する以外にも時間外収受箱への投函や郵便・信書便による送付のほか、e-Taxによる電子申告でも提出できます。提出期間は毎年2月1日から3月15日です(同日が閉庁日の場合はこの限りではありません)。

期間中は税務署で相談窓口も開設されるため、わからないことがあれば質問することもできます。

贈与税申告書の種類を間違えないよう注意しましょう

贈与税の申告には3種類の贈与税の申告書のほかにも、申告内容によって各種添付書類が必要となります。

まずするべきことは、自分がどの書類を提出しなくてはならないかを確認することです。そのうえで各書類の書き方を理解し、記載誤りや提出漏れのないように注意しましょう。

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よくある質問

暦年課税では、どの贈与税申告書を作成すればよいですか?

贈与税申告書の第一表です。詳しくはこちらをご覧ください。

相続時精算課税では、どの贈与税申告書を作成すればよいですか?

贈与税申告書の第一表と第二表です。詳しくはこちらをご覧ください。

贈与税申告書の用紙はどこで手に入りますか?

税務署の窓口または国税庁のホームページからダウンロードで入手できます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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