• 更新日 : 2023年2月8日

確定申告で不動産所得や家賃収入がある場合

確定申告で不動産所得や家賃収入がある場合

賃貸アパートからの家賃収入など、不動産所得がある場合には、確定申告や納税が必要です。しかし、確定申告をする際は不動産所得金額や納める税額の計算、必要書類の作成や用意など、さまざまな作業が必要です。
そこで、ここでは不動産所得や家賃収入がある場合の確定申告について詳しく解説します。

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不動産所得とは

所得税では、収入の種類に応じて、所得を不動産所得や事業所得など10の所得に区分し、それぞれの所得ごとに所得金額などの計算を行います。不動産所得とは「不動産等の貸付け」による所得のことです(事業所得、譲渡所得に該当するものを除く)。

ここでいう不動産等の貸付けとは、大きく次の3つのことをいいます。

土地や建物などの不動産の貸付け

賃貸アパートや貸地など、土地や建物などの不動産の貸付けによる収入は、不動産所得になります。

地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け

不動産等の貸付けには、不動産の貸付けだけでなく、地上権、永小作権、借地権など不動産の上に存する権利の設定や貸付けなども含まれます。そのため、これら権利の設定や貸付けによる収入も不動産所得になります。

船舶や航空機の貸付け

船舶や航空機の貸付けによる収入も不動産所得に該当します。

そのほか、広告宣伝用の看板やネオンサインの設置使用料など、土地や建物の一部を利用させて受け取る収益(使用料)についても不動産所得になります。

不動産所得のある人は確定申告が必要?

原則、不動産所得のある人は、確定申告が必要です。ただし、次に該当する場合には、確定申告はしなくても良いこととなっています。

納める税金がない場合

確定申告が必要なケースは、納税が発生する場合です。不動産等の貸付けによる収入より経費が多いなど不動産所得が赤字の場合は、納税が発生しないため、確定申告は不要です。
また、基礎控除(最大48万円)などの所得控除よりも、不動産所得が低い場合も、納める税金がないため、確定申告は不要です。

副業で得た不動産所得が20万円以下の場合

サラリーマンの場合、給与所得退職所得以外の所得の合計が20万円以下の場合は、確定申告は不要です。そのため、サラリーマンが副業で不動産等の貸付けをしている場合でも、不動産所得が20万円以下の場合では、確定申告をする必要はありません。

上記のように確定申告が不要な場合であっても、医療費控除を受ける場合や、初めて住宅ローン控除を受ける場合、不動産所得の赤字と給与所得金額を相殺(損益通算)する場合などは、確定申告が必要になるので、注意しましょう。
また、55万円または65万円の青色申告特別控除を受けるためには、提出期限までに確定申告書の提出が必要のため、こちらも注意しましょう。

不動産所得の計算方法

所得税の計算や、上述した確定申告の要不要の基準となるのは、不動産等の貸付けによる収入ではなく「所得金額」です。不動産所得金額は、次の計算式で求めます。

不動産所得金額=総収入金額-必要経費

※青色申告をしている場合は、さらに青色申告特別控除の金額(最大65万円)を差し引くことができます。

例えば、年間の家賃収入が240万円、必要経費が100万円、青色申告特別控除65万円の適用ありの場合、不動産所得金額は次の通りです。

不動産所得金額=総収入金額240万円-必要経費100万円-青色申告特別控除65万円=75万円

総収入金額には、家賃収入や受取地代などのほかに、名義書換料や更新料、礼金や返還を要しない保証金、共益費なども含まれます。
必要経費の代表的なものには、賃貸物件にかかる固定資産税や損害保険料、減価償却費修繕費があります。

不動産所得がある場合の確定申告に必要な書類

不動産所得がある場合の確定申告に必要な書類は以下のものです。

  1. 確定申告書(第一表、第二表)
  2. 青色申告決算書不動産用(青色申告の場合)
  3. 収支内訳書不動産用(白色申告の場合)
  4. 現金出納帳など収入のわかるもの(通帳、契約書など)
  5. 賃借人の氏名や家賃月額などがわかる資料(賃借期間、敷金、礼金)
  6. 通帳、領収書請求書など必要経費のわかるもの(銀行振込書、借入金の支払明細、固定資産税領収書、保険料領収書、管理費など)

1〜3の確定申告書と青色申告決算書または収支内訳書は、税務署に提出します。4〜6は、税務署に提出する必要はありませんが、青色申告決算書や収支内訳書などの作成に必要です。

不動産所得の金額を正しく計算して、確定申告をしよう!

不動産所得がある場合には、原則、確定申告が必要です。しかし、不動産所得の金額を正しく計算しないと、納める税金の金額を間違ってしまうので注意が必要です。

不動産所得の金額を正しく計算するためには、まず、その収入が不動産所得になるのかどうかを判断します。不動産所得に該当する場合は、総収入金額、必要経費の金額を求め、不動産所得金額を計算します。

また、不動産所得があっても、確定申告が必要なケースと必要でないケースがあります。
確定申告が必要な場合は、必要書類を用意して、確定申告を行います。確定申告については以下のページで詳しく解説しています。さらに確定申告について詳しく知りたい方は、ぜひご参照ください。

よくある質問

不動産所得とは?

土地や建物をはじめとする不動産の貸付けによる所得のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

不動産所得のある人は確定申告が必要?

原則として確定申告が必要ですが、一定の条件に該当する場合は確定申告をしなくてもよいことになっています。詳しくはこちらをご覧ください。

不動産所得の計算方法は?

「不動産所得金額=総収入金額-必要経費」で求められます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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