• 更新日 : 2025年2月6日

アルバイトの源泉徴収なしでも個人事業主は確定申告が必要?書き方も解説

アルバイトの源泉徴収なしでも、個人事業主としての年間所得が48万を超える場合は確定申告が必要です。確定申告時は、1年間の給与所得額を申告しなければいけません。今回は、アルバイト先で源泉徴収なしになるケースや確定申告書の書き方について解説します。

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個人事業主がアルバイト先で源泉徴収なしの場合とは?

給与額によっては、給与から所得税が引かれない場合があります。個人事業主がアルバイト先で源泉徴収なしになるケースを確認していきましょう。

そもそも源泉徴収とは

源泉徴収とは、給与から所得税を天引きすることです。

所得税は1年間(1/1〜12/31)の所得額に課せられる税金で、年間給与額の合計が明確になるまで正確に計算できません。1年分の所得税を一括で払うのは金銭的な負担が大きいため、概算で算出した所得税を毎月の給与から天引きして徴収します。

源泉徴収で天引きした所得税は概算であるため、年間給与額が明確になったら正しい所得税を算出し、必要に応じて過不足を精算しなければいけません。いわゆる年末調整と呼ばれるもので、税金を払い過ぎている場合は還付金として返金されます。

アルバイトで源泉徴収なしのケース

個人が受け取る給与や報酬等は、源泉徴収の対象になる所得です。

ただし、月収が88,000円未満の場合は、原則として源泉徴収されません。2024年に国税庁が発表した給与所得の源泉徴収税額表を、以下にまとめました。

扶養親族等の数(甲)
給与等の金額1人2人3人4人5人(乙)
以上未満税額税額
088,000000000
88,00089,00013000003,200
119,000121,0001,7501200004,300
159,000161,0003,3401,7201,0000010,200
205,000207,0004,9803,3601,750130022,700
251,000254,0006,6405,0203,4101,79017037,500

参照:国税庁 令和6年分 源泉徴収税額表

なお、アルバイトの年間給与額が103万円以下の場合も所得税は原則発生しません。

月収が88,000円を超えて源泉徴収された月が発生しても、年間給与額が103万円以下の場合は、年末調整で還付金として返金されます。

源泉徴収なしでも源泉徴収票はもらえる

​​​​源泉徴収票とは、年間収入額や所得税の納税額を記載した書類のことです。

給与所得の源泉徴収票は、会社が雇用する従業員に交付します。正社員や非正規社員(パート・アルバイト)等の雇用形態にかかわらず、源泉徴収票を交付しなければいけません。

源泉徴収票には、以下のような項目が記載されています。

  • 年間の総支払金額
  • 源泉徴収税額
  • 給与所得控除を差し引いた金額
  • 所得控除額の合計額

源泉徴収票は、年間給与額が103万円以下で源泉徴収されていない場合も発行されます。会社によって発行時期に違いはありますが、年末調整後の1月末までに発行されることが多いです。源泉徴収票は、確定申告書の作成時に必要になるため大事に保管しましょう。

アルバイト先からの源泉徴収票がない場合はどうする?

年末を過ぎても源泉徴収票が届かない場合は、アルバイト先に依頼する必要があります。ここでは、源泉徴収票が届かない場合の対処法や紛失時の再依頼方法を確認しましょう。

アルバイト先に発行を依頼する

アルバイト先から源泉徴収票をもらえない場合は、直接連絡して発行を依頼しましょう。

ただし、給与の支払いを受けていない従業員は会社に発行義務はないため、源泉徴収票は発行されない場合があります。また、請負契約や業務委託契約の場合、仕事の対価は給与にあたらないため、会社に給与所得の源泉徴収票の発行義務はありません。

源泉徴収票の発行義務があるにもかかわらず、発行してくれない場合は税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出してください。税務署から会社に源泉徴収票を出すように行政指導が入るため、通常はこの段階で源泉徴収票を発行してくれます。

参考:国税庁 F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続

源泉徴収票の紛失の場合は再発行を依頼する

源泉徴収票を紛失した場合は、会社に再発行を依頼しましょう。

会社には、従業員から源泉徴収票の再発行依頼を受けた際に対応する義務があります。源泉徴収票の再発行の依頼を怠ると所得税法違反に問われる可能性があるため、迅速に対応してくれることが多いです。源泉徴収票の再発行には、通常1週間程度かかります。

なお、アルバイト先が倒産した場合も、破産申立人の所有する財産を管理する破産管財人に連絡をすれば再発行が可能です。破産管財人の連絡先が不明の場合は、税務署に「源泉徴収票の不交付の届出書」を提出すれば確定申告時に対応してもらえます。

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アルバイトの源泉徴収なしでも個人事業主は確定申告が必要?

アルバイトの源泉徴収なしでも、個人事業主は確定申告することが必要です。ただし、合計所得が48万円以下の場合、確定申告は必要ありません。

ここでは、確定申告が必要なケースと不要なケースについて解説します。

確定申告が必要な場合

個人事業主は、1年間の合計所得が48万円を超える場合、確定申告する必要があります。

確定申告が必要な理由・メリットは、主に以下の2つです。

  • 払い過ぎた税金の還付がある
  • 本業の損失や給与所得を相殺できる
  • 納税額の不足分は追加納付が必要である

源泉徴収で天引きした所得税は概算であるため、所得税を払い過ぎている場合は、確定申告をすることで還付金として返金されます。逆に不足額がある場合は、不足分を精算しなければいけません。不足分は、所轄の税務署に「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を提出すると口座引き落としで税金を納付できます。

また、確定申告により個人事業主の損失や給与所得を相殺できます。本業で損失が発生した場合、確定申告によって事業所得の赤字分を給与所得から差し引いて所得税を計算することが可能です。総所得が減り、払い過ぎた所得税が還付される可能性があります。

参考:国税庁 G-2-2 ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の手続

確定申告が不要な場合

合計所得が48万円以下の場合、確定申告は原則不要です。確定申告が不要なのは、基礎控除を差し引くと課税所得が0円で所得税が発生しないためです。

また、本業と副業で給与所得がある場合、副業の所得金額が20万円以下であれば確定申告する必要はありません。

ただし、青色申告には、損失を翌年以後3年間にわたって繰り越せる制度があります。青色申告は日々の取引を記録した帳簿を作成し、その記録に基づいて確定申告を行う納税制度です。この制度を活用したい場合は、確定申告することをおすすめします。

参考:国税庁 確定申告が必要な方

アルバイトをしている個人事業主の確定申告の書き方

確定申告する際は、源泉徴収票をもとに確定申告書を記入する必要があります。記入項目が多くあるため、はじめて確定申告する場合は事前に確認しておくと効率的です。

税務署 令和6年分 収支内訳書(一般用)

ここからは、個人事業主の確定申告の書き方を確認していきましょう。

参考:税務署 令和6年分 収支内訳書(一般用)の書き方

事業所得の記入

事業所得は、小売業や卸売業、サービス業等の事業活動で得た所得のことです。

事業収入から必要経費を差し引いた費用を経費として計上します。必要経費は、仕入れ代金や家賃、通信費消耗品費など事業運営にかかる費用です。

事業所得は、以下の計算式を用いて計算します。

【事業所得の計算方法】

事業収入 – 必要経費 -(青色申告特別控除額)= 事業所得の金額

青色申告特別控除額を適用する場合は、事業所得から差し引いてください。青色申告特別控除額は、青色申告者が一定の要件を満たすことで事業所得から控除が受けられる制度です。個人事業主も利用可能で、青色申告を行うことで特別控除を受けられます。

参考:国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)

給与所得の記入

給与所得は、雇用契約に基づいて支払われる給与や賞与等から得られる所得で、個人事業主の売上で発生した収入は含まれません。

確定申告書には、「事業所得」とは別項目の「給与所得」に記入します。

給与所得は、以下の計算式を用いて計算します。

【給与所得の計算方法】

収入金額(源泉徴収される前の金額) – 給与所得控除額 = 給与所得の金額

給与所得は所得に応じた給与所得控除が適用されるため、計算時は注意してください。給与所得控除額は、国税庁の公式サイトで確認できます。

参照:国税庁 No.1410 給与所得控除

参考:国税庁 No.1400 給与所得

不動産所得の記入

不動産所得とは、個人で所有している住宅や駐車場を貸し出して得た所得のことです。

ただし、事業所得、または譲渡所得に該当するものは含まれません。また、本業が給与所得の方で、年間で不動産所得が20万円以下の場合、確定申告は原則不要です。

不動産所得は、以下の計算式を用いて計算します。

【不動産所得の計算方法】

総収入金額 – 必要経費 = 不動産所得の金額

総収入金額には、更新料や頭金、貸付けによる賃貸料収入のほかに共益費等の名目で受け取る電気代や水道代等が含まれます。必要経費に含められるのは、貸付資産にかかる固定資産税や損害保険料、減価償却費修繕費等です。

参考:国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)

一時所得の記入

一時所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得を指します。

具体的には、以下のようなものがあります。

  • 懸賞や福引きの賞金品
  • 競馬や競輪の払戻金
  • 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等
  • 法人から贈与された金品

一時所得は、以下の計算式を用いて計算します。

【一時所得の計算方法】

総収入金額 – 収入を得るために支出した金額 – 特別控除額(最大50万円) = 一時所得の金額

一時所得には、偶発的に得た所得への税負担軽減措置として最大50万円の特別控除が適用されます。

参考:国税庁 No.1490 一時所得

源泉徴収税額の記入

源泉徴収税とは、特定の所得や報酬から差し引かれる所得税、または復興所得税のことです。

源泉徴収されている場合は、確定申告書の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」の欄に、年末調整後の所得税等の源泉徴収税額を記載します。

なお、年の中途で退職した等の理由で年末調整が行われない人については、本年中に徴収した所得税等の源泉徴収税額を記入してください。なお、源泉徴収されていない場合は、確定申告書に源泉徴収税額を記載する必要はありません。

源泉徴収税額は、国税庁の公式サイトで確認できます。

参考:国税庁 令和6年分 源泉徴収税額表

アルバイトの源泉徴収なしでも個人事業主は確定申告が必要!

アルバイトの源泉徴収なしでも、個人事業主で所得がある場合は確定申告が必要です。

確定申告に必要な源泉徴収票は、源泉徴収なしでも発行してもらえます。年末を過ぎてもアルバイト先から源泉徴収票が届かない場合は、直接連絡して発行を依頼しましょう。

確定申告書は、源泉徴収票に記載された情報をもとに記載します。確定申告書は記載項目が多いため、記入例を確認しながら慎重に記入しましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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