- 更新日 : 2023年1月26日
遺族年金とは?受給したら確定申告は必要?

遺族年金は、年金の被保険者が亡くなったときに、配偶者やその子どもに支給される年金です。遺族年金を受給できれば、生活を維持するために必要なお金が得られるため、残された家族にとっても非常に大切な制度といえます。
そこで当記事では、遺族年金とは何かを解説し、受給するための手続きや確定申告が必要かどうかについて紹介します。
目次
遺族年金とは?
「遺族年金」とは、国民年金や厚生年金の加入者、もしくは過去加入者だった人が対象の年金です。被保険者が死亡した際に、その人と一緒に生活し、生計を維持されていた配偶者や子どもに対して支払われます。生活の柱がいなくなってしまった際の生活保障が、最大の目的といえるでしょう。
遺族年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがおもな制度です。それぞれの違いは「被保険者が国民年金のみの加入だったか」「厚生年金も含めて加入していたか」によります。
条件を満たしていればどちらの年金も受け取れる可能性があるため、加入状況や受給条件を確認しておきましょう。
遺族基礎年金
国民年金に加入者だった被保険者が亡くなったときに受給できるのが、「遺族基礎年金」です。遺族基礎年金の受給者は、先程も紹介したように被保険者の配偶者とその子どもです。
受給の対象となる子どもの年齢は「18歳到達年度の末日までの子」という条件があります。障害を持つ子どもに関しては、障害等級が1級または2級と判定されている20歳までが対象です。
遺族基礎年金は配偶者のみでは受給できず、先程の条件を満たす子どもがいなければいけません。受給を検討する際には、条件を満たしているか確認しましょう。
遺族厚生年金
会社員として企業に雇われて働いている、もしくは公務員は「遺族厚生年金」の対象となります。国民年金を納める個人事業主は、基本的に遺族厚生年金の対象外です。
ただし、過去に厚生年金の加入経歴がある場合は、条件によって受給できる可能性があります。詳しい内容については年金事務所や市区町村の窓口で相談しましょう。
遺族基礎年金との違いとしてもう一つ挙げられるのが、受給できる人の条件です。子どもの年齢条件は遺族基礎年金と同様ですが、特徴として配偶者のみであっても受給が可能となっています。
遺族年金を請求する場合の手続き
被保険者であるパートナーが亡くなり、遺族年金を受給する際には請求の手続きをしなければなりません。遺族年金を受給するための申し込みには時効があり、受給の権利が発生してから5年経過すると被保険者の支払い分を受けられない場合があるため注意が必要です。
そのため、できる限り早めに手続きを行いましょう。ここからは、遺族年金の手続きする手順について紹介します。
1.年金請求書の記入
遺族年金を受給する際に準備するものが「年金請求書」です。年金請求書は、被保険者と受給者の情報や保険の加入経歴などの情報を記入します。
特に加入状況は詳しい内容の記述が必要になるため、被保険者の年金手帳を手元に準備しておくとよいでしょう。請求書の様式や記入例、注意事項などは日本年金機構のホームページにまとめられています。記入用紙はこちらからダウンロードすると便利です。
2.年金請求書の添付書類を準備
年金請求書が準備できたら、それに添付する書類を準備しましょう。添付書類で必要なものは、以下の通りです。
- 年金手帳
- 戸籍謄本(受給権発生日以降で提出日から6カ月以内に交付されたもの)
- 世帯全員の住民票の写し
- 死亡者の住民票の除票(世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要)
- 請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税証明書など)
- 子の収入が確認できる書類(高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証など)
- 市区町村長に提出した死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
- 請求者(遺族)名義の受取先金融機関の通帳など
これら以外にも、年金受給の条件を確認するために必要とされる書類があります。不明点がある場合は、年金事務所や年金相談センターに確認しましょう。
3.年金事務所および年金相談センターに書類を提出
書類が一式揃ったら、近くにある年金事務所か年金相談センターに提出します。窓口での提出と郵送での提出が可能です。
書類の確認には1ヵ月程度を要し、その後年金証書が自宅に届きます。この証書は遺族年金の受給資格をとった証書となります。
指定した口座へ年金が振り込まれるのはその約50日後となるため、書類を提出してから3ヵ月ほど経過してからでなければ受給されません。前述の通り、年金受給の申請には時効となる期間があります。
もし自分では手続きを進めるのが難しい場合は、社会労務士に申請に必要な書類を集める代行をお願いできます。なお、代行を利用する際には委任状が必要です。
遺族年金を受け取ったら確定申告は必要?
遺族年金を受給してお金をもらったとしても、原則確定申告の必要はありません。遺族年金で得たお金は非課税のため、働いて得た収入やほかの年金とは異なり、確定申告の対象からは除外されます。
そのため「遺族年金の受給額によっては課税しなければならないのか」「老齢年金のように申告しなくてよいのか」といった疑問点が挙がるかもしれません。遺族年金は受給金額に応じた課税もありませんし、ほかの年金のような申告は不要です。
ただし、遺族年金を受給していれば確定申告をしなくてよいわけではありません。他の雑所得で課税対象の内容があれば、忘れずに確定申告を行いましょう。
遺族年金の制度を有効活用するべき
遺族年金の制度は、家族の柱となっていた人が亡くなったときの生活保障となります。確定申告の対象からも外れるため、特に子どもがいる家庭にとっては、生活をしていくうえで貴重な収入となるでしょう。
遺族年金を受け取る際には、多くの書類を取り揃える必要があり、自分だけで申請することが難しい場合は、社会労務士に手を借りるのをおすすめします。遺族年金だけでなく、確定申告が必要かどうか判断するためには、どのようなものが申告の対象になるのか理解しておくと役立ちます。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
遺族年金とは?
遺族年金とは、「国民年金」または「厚生年金」の被保険者の方、もしくは被保険者であった方が亡くなったときに、遺族が受けられる年金です。 詳しくはこちらをご覧ください。
遺族年金に確定申告は必要?
遺族年金は非課税のため、遺族年金だけで他の所得がなければ確定申告は必要ありません。 詳しくはこちらをご覧ください。
遺族年金を受け取るには?
国民年金および厚生年金保険の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた遺族が、遺族厚生年金を受け取れます。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。