• 更新日 : 2024年11月5日

扶養控除とは?年収の壁や控除金額を分かりやすく解説!

扶養控除とは、所得税法上の控除対象扶養親族(扶養親族のうち、年齢が16歳以上の人)がいる場合、一定の所得控除を受けられる制度です。

税法上の扶養親族は、配偶者以外の親族となる点がポイントで、配偶者の場合は扶養控除ではなく「配偶者特別控除」「配偶者控除」などが適用されます。

税法上の扶養親族の要件の1つとして、扶養に入る人の合計所得金額が48万円以下(パート・アルバイトなど、給与所得者の場合は、年収103万円以下)であることが挙げられます。

当記事では、扶養控除や、扶養控除と年収の壁や、控除金額のなどについて、分かりやすく紹介します。

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扶養控除とは

扶養控除とは、扶養控除対象となる親族がいる場合、一定額の控除が受けられる制度です。受ける控除額が多ければ多いほど、年末調整確定申告の際に所得税・住民税の納税額を抑えることができます。

具体的には、所得や税金の計算をする上でのベースとなる「課税所得額」を減らすことが可能です。

税法上の扶養と社会保険上の扶養の違い

税法上の扶養と社会保険上の扶養の違い

「扶養」について理解するうえで、混同してしまいやすいのが「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」です。これらは別の制度として考える必要があります。

1.税法上の扶養

所得税の扶養(税法上の扶養)とは、主に家計を支えている人が収入の少ない同居住者の配偶者、子ども、両親などを経済的にサポートすることです。扶養を受けられる条件は、年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入がある人は年間103万円以下)の場合です。

扶養を受けると、配偶者は「配偶者控除」、子どもや親は「扶養控除」の対象となり、家計を支える扶養者(納税者本人)の税負担が軽減されます。ただし、被扶養者の給与収入が年間103万円を超えた場合、配偶者控除や扶養控除の対象外となり、自身で所得税や住民税を納める必要があります。

2.社会保険上の扶養

一方で、社会保険上の扶養とは、主となる生計者が加入する社会保険の「被扶養者」になることです。

社会保険上で扶養を受ける人は「被扶養者」と呼ばれ「扶養者」と同じ社会保険に加入できます。そのため、被扶養者が社会保険料を納める必要はありません。

社会保険上の扶養については、こちらの見出しで詳しく解説しています。

配偶者控除・配偶者特別控除との違い

配偶者控除・配偶者特別控除との違い

「扶養控除に配偶者も含まれそう」と思う方も多いと思いますが、所得税における扶養控除は、配偶者は要件に含まれません。

扶養親族は、「配偶者を除く」6親等内の血族と3親等内の姻族を指します。配偶者も扶養の対象である点は同じですが、配偶者には「配偶者控除」「配偶者特別控除」という別の控除が用意されていますので「扶養控除」ではありません。

なお、配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためにも要件がありますが、ポイントとしては民法上の配偶者であることが前提です。いわゆる内縁関係の人は該当しません。

配偶者控除・配偶者特別控除については、こちらの見出しで詳しく解説しています。

所得税の控除対象扶養親族になるための要件

「控除対象扶養親族」とは16歳以上の扶養親族のことです。年末時点で16歳以上の親族は、他の要件をすべて満たせば、控除対象扶養親族となり得ると解釈できます。

所得税法が定める「控除対象扶養親族」の要件は下記の通りです。

所得税の控除対象扶養親族になるための要件
  • ①16歳以上であること
  • ②6親等内の血族、3親等内の姻族であること
  • ③同一生計であること
  • ④合計所得金額が48万円以下であること
  • 青色申告者の事業専従者給与を受けていない、または白色申告者の事業専従者でない

※②~⑤は扶養親族の要件
※①は、扶養親族のうち、控除対象扶養親族としての要件

一般的に「家族」といえば、一つ屋根の下で暮らす配偶者や子供、両親や祖父母などをイメージする方が多いでしょう。また、単身赴任や就学のため家を離れ別々で暮らすことがあっても「家族」であることには変わりません。

所得税法でいう「扶養親族」も「家族」の定義に近いものはありますが、捉え方が少し異なります。具体的には、税法では親族関係のほかに「生計」を含めて「扶養親族」を総合判断することになります。

①16歳以上であること

平成22年度より「子ども手当(平成25年4月より「児童手当」に変更)」が実施されました。

この制度により、15歳以下の子供を扶養している場合「子ども手当」が支給されています。その結果、手当を受給しているかわりとして平成23年の法改正で16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)は扶養控除の対象外となりました。

②6親等内の血族、3親等内の姻族であること

「血族」とは、納税者本人の親族を指し、「姻族」は、納税者本人の配偶者の親族を指します。分かりにくい場合は家系図を描くと「6親等内」「3親等内」を理解しやすいでしょう。例えば、納税者本人の両親や子供は1親等ですし、兄弟姉妹・祖父母・孫は2親等にあたります。

「扶養」という言葉から、自分の配偶者や下の世代を扶養するというイメージがあるでしょう。しかし、実際は親や祖父母といった上の世代も扶養控除の対象となります。

自分の親族(血族)の場合は6親等、配偶者側の親族(姻族)の場合は3親等までとかなりの範囲がカバーできます。

③同一生計であること

同一生計とは、「生計を一にする」という意味ですが、必ずしも同居し、生活費を共有している必要はありません。

例えば、以下などの場合は、別居していても「同一生計」であるといえます。

同一生計の例
  • 単身赴任や越境入学により別居中の親族に仕送りを行っている
  • 病気のため入院中の親族の療養費を支払っている
  • 離婚後、子供の養育費を支払っている

④合計所得金額が48万円以下であること

扶養控除の対象となる親族の要件として、無収入である必要はありません。何らかの収入があったとしても、合計所得金額が48万円以下であれば扶養親族となります。

ここでいう「所得」とは、「収入金額」ではないことに注意してください。税法上の所得とは、「収入金額」から給与所得控除などの「必要経費」を差し引きした残額を指すからです。必要経費となる控除、所得の種類によって異なります。

1.パート・アルバイトの場合は「年収103万円以下」がボーダーライン

パートやアルバイトのように、労働の対価として労働者が得た給与は「給与所得」に該当します。

「給与所得」の所得金額は、「収入金額 - 給与所得控除(最低額55万円)」で求められるため、年収(収入金額)103万円以下が扶養親族となるボーダーラインになります。例えば年収103万円であれば「103万円 - 55万円 = 48万円」で48万円以下となりますので扶養親族の要件を満たします。

2.年金受給者の場合は年齢も考慮する必要がある

国民年金・厚生年金などの公的年金等は「雑所得」に分類されます。

公的年金等の所得金額は、「年金の受給額 - 公的年金等控除額」で計算されますが、ここで注意したいのは公的年金等控除額の最低額が、年齢により異なるという点です。

具体的には65歳で控除額が変わります(65歳以上なら「110万円」、65歳未満なら「60万円」)

例えば、公的年金を130万円受給している親族の場合、65歳以上であれば「受給額130万円-110万円=所得金額20万円」ですから扶養親族に該当します。

しかし、65歳未満であれば「受給額130万円-60万円=70万円」で扶養親族の所得要件から外れてしまいます。公的年金の受給者を扶養親族につける場合には年齢にも十分注意しましょう。

⑤青色申告者の事業専従者給与を受けていない、もしくは白色申告者の事業専従者でない

扶養親族(扶養しようとしている人)が、青色申告者の事業専従者給与を受け取っている場合や、白色申告者の事業専従者の場合は、控除対象扶養親族にはなりません。

あまり多いケースではありませんが、親族に個人事業主がいて、お手伝いなどをしているケースがある場合などは、よく確認しておきましょう。

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扶養控除の控除額は扶養親族の年齢で異なる

扶養控除の金額は扶養親族の年齢で異なる
扶養控除を受ける場合の控除額は、扶養親族の年齢等により異なります。それぞれ見ていきましょう。

1.控除対象扶養親族について

一般の控除対象扶養親族の要件は以下のとおりです。

控除対象扶養親族の要件
  • 合計所得金額48万円以下であること(令和元年分以前は年間所得が38万円以下であること)
  • 年齢16歳以上18歳以下又は年齢23歳以上70歳未満であること

上記の要件に該当する扶養親族は、一般の扶養親族となり、控除額は38万円となります。

2.特定扶養親族について

その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満であれば「特定扶養親族」という特別な控除を受けることができます。一般の扶養控除が38万円であるのに対し、特定扶養親族は25万円加算された63万円を控除することができます。

3.老人扶養親族について

親族が70歳以上であれば、一般の扶養控除38万円に「老人扶養控除」が加算されます。老人扶養親族に該当すれば10万円を加算した48万円、同居を常としている「同居老親等」に該当すればさらに10万円加算した58万円が控除金額となります。

老人扶養親族についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

4.同居老親等について

「同居老親等」の要件は、以下の2点を満たす必要があります。

同居老親等の要件
  • 納税者本人又は配偶者の直系尊属であること
  • 同居を常としていること

特に「同居を常としている」という部分については判定が難しいので、具体的な例をあげて解説してみましょう。

(例1)「同じマンションや別棟の建物に居住しており、日常生活はほとんど一緒に過ごしている」
同居老親等に該当しますので控除額は58万円となります。
(例2)「長期入院で今は同居しているとはいえないものの、住民票の居住地は一緒であり、退院後したらまた一緒に暮らすことになっている」
同居老親等に該当しますので控除額は58万円となります。
(例3)「老人ホームに住んでいるおり、住民票も施設に移し生活も共にしていない」
同居老親等には該当しませんので控除額は48万円となります。

2024年度の税制改正で扶養控除が見直された

2023年12月14日に令和6年度税制改正大綱が発表され、その中で子育て世代の支援を目的とした扶養控除等の見直しが行われました。

見直しにより、児童手当の所得制限が撤廃されるとともに、支給期間が高校生年代まで延長されることになりました。

また、「ひとり親控除」の要件と控除額についても見直しが行われ、以下の2点の変更が行われます。

  • 所得金額合計を500万円以下から1000万円以下に引き上げ
  • 所得税の控除額は35万円から38万円に、住民税の控除額は30万円から33万円に引き上げ

参照:令和6年度税制改正の大綱の概要|国税庁

詳しく知りたい人は以下の記事もあわせて読んでみてください。

扶養控除を受けるためにはどうすればよいか?

扶養控除を受けるためには、年末調整による方法と確定申告による方法の2つがあります。それぞれについて見ていきましょう。

年末調整で控除を受ける場合

会社員の方が年末調整で扶養控除を受ける方法です。

年末調整で扶養控除を受けるためには、会社から配布される「給与所得者の扶養控除等申告書」に扶養親族の氏名等を記載し、勤務先に提出する必要があります。

「給与所得者の扶養控除等申告書」の記載方法については、次のページで詳しく記載しています。ぜひ、ご参照ください。

確定申告で控除を受ける場合

個人事業主など、年末調整を行わない人の場合は、確定申告で扶養控除を適用します。

2024確定申告書(令和5年分以降)第二表

確定申告で扶養控除を受けるためには、まず第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄に、親族の名前等の情報を記載します。

2024確定申告書(令和5年分以降)第一表

その後、前段で図解した表から控除額を求めます。次に、求めた金額を第一表の左下の「扶養控除」欄に合計を転記します。

なお、マネーフォワード クラウド確定申告では「控除」の確定申告にも対応しています。

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税法上の扶養・社会保険の扶養と年収(金額)の関係

年収と税金の関係

パートやアルバイトをするとき「扶養範囲内にするとお得」という言葉を見聞きします。

103万円、106万円、130万円、150万円の壁など色々な壁があり、以下ではそれぞれの控除制度などの内容について説明します。

103万円の壁

103万円の壁とは「税金(所得税)」の壁のことです。給与収入が103万円以下なら、所得税はかかりません。しかし、年収が103万円を超える給与所得者には、金額に応じた所得税がかかります。

103万円以下だと所得税がかからない非課税になる理由は、給与収入から控除される金額が103万円と決まっているためです。「基礎控除48万円」と「給与所得控除55万円(最低額)」を足した額が103万円までなら、所得税はかかりません。

合計所得が48万円以下で生計を一にしている親族は、扶養控除を受けられます。以下の通り、扶養控除額は年齢により異なります。

扶養控除額
  • 満15歳以下:0円
  • 16歳以上19歳未満:38万円
  • 19歳以上23歳未満:63万円
  • 23歳以上69歳未満:38万円
  • 同居以外の70歳以上:48万円
  • 同居の70歳以上:58万円

出典:国税庁「No.1180 扶養控除」

106万円の壁

106万円の壁とは、年収が106万円を超えると社会保険への加入が必要になることです。主に家計を支える人の扶養に入り、同じ社会保険に加入するには年収が106万円以下であることが条件となります。扶養から外れたくない場合には、年収を106万円以下に抑える必要があります。

これまで、年収130万円までは社会保険の加入義務がなかった事業所(従業員数101人以上500人未満)が、2022年10月の社会保険制度改正により、106万円超えで加入義務が発生するようになり、対象者が増えました。

出典:厚生労働省 社会保険適用拡大 特設サイト「厚生労働省から法律改正のお知らせ」

年収106万円の内訳に含まれないもの
  • 臨時に支払われる賃金や手当
  • 賞与
  • 時間外労働、休日労働、深夜労働の賃金
  • 通勤手当、家族手当など

130万円の壁

130万円の壁とは、社会保険の扶養範囲を超えることです。パートやアルバイトとして勤務することはできますが、年収130万円を超えると社会保険の扶養を外れ、自分で社会保険に加入することになります。扶養を受け続けたい場合は、扶養内での勤務を意識しなければなりません。

130万円の壁を越えた場合、社会保険の加入には以下2パターンの方法があります。

①パート先の社会保険に加入する方法
勤務先の健康保険組合などの健康保険と厚生年金保険に加入します。収入に応じた保険料を支払います。
国民健康保険に加入する方法
国民健康保険と国民年金保険の支払いが必要です。一般的に収入の15%ほどの支払額となります。

現時点で社会保険の扶養に入っている場合で、長く130万円超えの状態が続くようであれば、調査により扶養対象外と発覚し通知がくるため、収入を把握して管理することが大切です。

150万円の壁

150万円の壁とは、所得税上の扶養に関係するボーダーラインです。扶養者が「配偶者特別控除」を満額38万円受けるには、被扶養者の年収が150万円以下という条件があります。

そのため控除額を満額で受けたい場合には、控除対象配偶者の年収をコントロールしなければなりません。

配偶者特別控除額を満額で受けられるならば、150万円まで収入を得ても良いと考える人もいます。

しかし、106万円の壁、130万円の壁を超えた時点で社会保険料の負担が増えるため、配偶者控除の恩恵も受けにくくなる可能性があります。社会保険料を負担しても106万円、130万円を超えて稼ぎたいという場合には、150万円以下にするのではなく160万円以上稼ぐと、手取りが増えた実感を得やすいです。

社会保険上の扶養とは?

主に家計を支える人が社会保険に加入している場合、その配偶者や3親等内の親族であれば、同じ社会保険に加入できます。ただし、扶養者と同居をしていなければ扶養を受けられないケースと同居をしていなくても受けられるケースがあるため、まずは扶養対象者であるかどうかの確認が必要です。

扶養者と別居していても扶養認定を受けられるケース
  • 配偶者(内縁関係でも良し)
  • 実子、養子、兄弟姉妹、孫
  • 両親、養父母、祖父母、曾祖父母

認定対象者の年間収入が、①130万円未満かつ、②被保険者(扶養する人)からの援助の収入額よりも少ない場合に対象。

扶養者と同居していなければならないケース
  • 同居していなくても扶養を受けられる人以外の3親等内の人(義父母など)
  • 内縁の配偶者の両親、連れ子

認定対象者の年間収入が、①130万円未満かつ、②被保険者(扶養する人)の年間収入の2分の1未満である場合に対象。

※そのほかにも諸条件があるため、詳細は全国健康保険協会「被扶養者とは?」も併せてご参考ください。

また、生計を一にする親族が自分の事業(個人事業主など)に従事しているとき、その人は「事業専従者」となります。原則として、事業者が配偶者などに支払った給料を経費に計上することはできません。しかし、事業専従者控除の条件を満たすことで、一定額は経費となり所得から専従者控除が可能です。

事業専従者控除は、複数種類ある申告書(確定申告書)のうち白色申告者だけに適用され、青色申告者の場合は適用外となります。

扶養控除とは違う5つの控除

扶養控除と間違えやすい5つの控除について、なにがどのように異なるのかを解説します。

1.配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者特別控除とは

配偶者特別控除は、配偶者の年間の合計所得金額が48万円超~133万円以下の場合に適用される控除です。

一方で、配偶者控除が適用されるのは、配偶者の所得が48万円以下の場合です。

配偶者特別控除の要件(すべてを満たす)
  • 控除を受ける納税者本人のその年の合計所得金額が1,000万円以下
  • 年間の合計所得金額が48万円超133万円以下
  • 民法上の配偶者である(内縁関係の人は該当しない)
  • 控除を受ける人と生計を一にしている
  • 青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でない
  • 配偶者が、配偶者特別控除を適用していない
  • 配偶者が別の親族の扶養家族として控除の対象でない
  • 配偶者が公的年金等の受給者の扶養親族として控除の対象になっていない

配偶者特別控除の控除額は下記の通りです。

※控除を受ける納税者本人の合計所得金額で分けて記載しています。
(900万円以下/900万円超950万円以下/950万円超1,000万円以下)

配偶者特別控除の控除額(令和2年分以降)
  • 48万円以下:(38万円/26万円/13万円)※配偶者控除
  • 48万円超95万円以下:(38万円/26万円/13万円)
  • 95万円超100万円以下:(36万円/24万円/12万円)
  • 100万円超105万円以下:(31万円/21万円/11万円)
  • 105万円超110万円以下:(26万円/18万円/9万円)
  • 110万円超115万円以下:(21万円/14万円/7万円)
  • 115万円超120万円以下:(16万円/11万円/6万円)
  • 120万円超125万円以下:(11万円/8万円/4万円)
  • 125万円超130万円以下:(6万円/4万円/2万円)
  • 130万円超133万円以下:(3万円/2万円/1万円)

参考:No.1195 配偶者特別控除|国税庁

2.勤労学生控除

学校教育法に規定する高校や大学、高等専門学校などに通う学生で、アルバイト等の給与所得がある場合、収入金額によって「勤労学生控除」に該当することがあります。

扶養控除と勤労学生控除の違い
  • 給与収入が103万円以下であれば、扶養控除
  • 103万円超130万円以下であれば、勤労学生控除

所得が48万円以下であれば、納税者(親)の扶養親族ですが、所得が48万円を超えてしまうと扶養親族から外れ、あなた自身が納税者となります。その際、勤労学生控除を受けることができます。

3.寡婦控除

「寡婦」とは、夫と死別や離婚した人で「ひとり親」に該当しない方をいいます。(令和元年分以前は夫と死別や離婚した人)。寡婦控除は民法上の婚姻関係を結んだ後に、死別や離婚等、一定の事由が生じた場合に受けることができる所得控除です。

「配偶者控除」と同じく、内縁関係の妻やシングルマザーの方は、婚姻関係がありませんので寡婦控除を受けることはできません。そのかわり、一定の要件を満たせば令和2年分以降は「ひとり親控除」を受けることができるようになりました。

以下の例で見ていきましょう。

寡婦控除の例
  • 離婚した後、子供を連れて実家に帰る
    • 生計が立てられるようになるまで、給与所得者である実家の父に扶養してもらう
      • その後、パート勤務を始め、給与収入で生計を立てる

仮に実家の父の年間給与収入が2,000万円以下であれば生計を立てられるようになるまでは、父の扶養親族になることができます。

ご自身のパート勤務により給与収入を得た結果、扶養親族の要件から外れた場合に、所得金額が500万円以下であれば、ご自身の年末調整で寡婦控除を受けることができます。

4.寡夫控除、ひとり親控除

令和2年分以降、寡夫控除は廃止され「ひとり親控除」に統合されました。ただし、令和元年分以前の確定申告であれば寡夫控除を受けることができます。

寡夫控除の要件は以下の4点です。

寡夫控除の要件
  • 男性であること
  • 妻と死別、離婚した後、再婚していないこと
  • 生計を一にする合計所得金額38万円以下の子供がいること
  • 納税者本人の合計所得金額が500万円以下であること

なお、ひとり親控除の控除額は、35万円です。

5.納税者が2人以上いる場合は両者の扶養にできるか?

実家の父親に生活費を仕送りしていている子供2人がいたとしましょう。父親の年間合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前であれば38万円以下)なら、どちらかの子供が父親を扶養親族にすることできます。

1人の扶養親族である父を複数の子供がそれぞれ扶養親族とする「扶養控除の重複適用」はできませんので注意してください。

扶養控除について理解できましたか?

扶養控除は、納税者本人の性別や所得の種類を問わず受けることができる所得控除のひとつです。しかし、年齢要件や所得要件など、控除対象とするための要件が細かく定められています。扶養控除について正しく理解し、扶養の適用間違いや控除忘れがないよう注意しましょう。

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よくある質問

扶養控除とは何ですか?

扶養控除とは、扶養控除対象となる親族がいる場合、一定額の控除が受けられる制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

控除対象扶養親族とは何ですか?

控除対象扶養親族とは、年末時点で16歳以上の扶養親族のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

扶養控除はどのように控除を受けますか?

年末調整または確定申告で控除を受けます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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