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  • 更新日 : 2021年9月14日

確定申告における扶養控除や控除対象扶養親族の所得要件を解説!

確定申告における扶養控除とは?控除対象扶養親族の所得要件などわかりやすく解説!

所得税では、家族が多い、保険に加入しているなど、その人の状況に合わせた課税を行うため、所得控除を設けています。所得控除には人に関する人的控除とモノに対する物的控除があります。

控除の内、特に複雑なのが人的控除です。例えば扶養控除の対象となる親族のように、それぞれで細かい規定があります。そこでここでは、人的控除の内、特に知っておきたい扶養控除や控除対象扶養親族について詳しく解説します。

扶養控除とは

扶養控除とは、扶養控除対象となる親族がいる場合、一定額の控除が受けられる制度です。受ける控除額が多ければ多いほど、確定申告の際に納税額を抑えることができます。

所得税の扶養親族に該当する条件・対象

12月31日の時点で以下のすべてを満たす親族は、扶養親族に該当します。自分の家族内に該当者がいる場合には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しましょう。

通常、年末調整時期になると会社の総務部などから「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を受け取ります。年末調整時期に重なると年末調整のやり直しといった面倒な事態にもなりかねませんので、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を受け取ったら、すぐに担当者に提出するようにします。また、年の途中に扶養親族に変更があった場合は、すみやかに担当者に知らせるようにしましょう。

なお、対象となる親族が年度の途中で死亡した場合、死亡時に以下のすべてを満たしていれば扶養親族に該当します。

16歳以上である

平成22年より「子ども手当(平成25年4月より「児童手当」として制度変更)」が実施されました。この制度により、15歳以下の子供を扶養している保護者に一定額が支給されることになったため、平成23年の法改正で16歳未満の年少扶養親族は扶養控除の対象から外れることになりました。

6親等内の血族及び3親等内の姻族

「血族」とは、納税者側の親族を指し、「姻族」は、納税者の配偶者側の親族を指します。家系図を描くと分かりやすく親等を数えることができます。例えば、両親や子供は1親等、兄弟姉妹・祖父母・孫は2親等です。

「扶養」という言葉からは、自分の配偶者や下の世代を養うというイメージがあるでしょう。しかし、実際は上の世代も扶養控除の対象となります。

自分の親族の場合は、6親等とかなりの範囲がカバーできます。

同一生計

同一生計とは、「生計を一にする」という意味ですが、必ずしも同居し、生活費を共有している必要はありません。

例えば、以下などの場合は、別居していても「同一生計」であるといえます。

  • 単身赴任や越境入学により別居中の親族に仕送りを行っている
  • 病気のため入院中の親族の療養費を支払っている

合計所得金額48万円以下

年末調整の際、扶養控除の対象となる親族の条件は、無収入の人に限りません。合計所得金額が48万円以下なら、扶養親族となります。

この場合の「所得」とは、実際に得た収入金額とは一致しません。税法上での所得とは、収入から所得控除などの必要経費を差し引きした金額を指すからです。必要経費は、所得の種類別によって異なります。

1.パート・アルバイトの場合「年収103万円以下」

パート・アルバイトは、提供した労働の対価として給与を支払われる労働者のことです。
給与所得は、「収入 - 給与所得控除額(最低ライン55万円)」で求められるため、年収が103万円以下の場合は、「103万円 - 55万円 = 48万円」により、48万円以下となり、合計所得金額48万円以下の条件を満たします。

2.年金受給者の場合「65歳を境に計算法が異なる」

ここでいう年金とは、国民年金・厚生年金などの公的年金等のことです。

公的年金等を受給した場合の所得金額は、「年金の受給額 - 公的年金等控除額」で求められますが、公的年金等控除額の最低額は、以下のように65歳を境にして異なります。

  • 65歳以上 ・・・ 110万円
  • 65歳未満 ・・・ 60万円


この金額に48万円を加えた金額が、扶養控除を受けることができる年金受給額のボーダーラインとなるため扶養している親族の収入が年金しかない場合に、年金額が158万円以下の65歳以上または年金額が108万円以下の65歳未満であれば、扶養控除が受けられます。

控除対象扶養親族とは16歳以上の扶養親族のこと!

年末時点で16歳以上の親族は、他の要件をすべて満たせば、控除対象扶養親族となり得ると解釈できます。

扶養控除の金額は扶養親族の年齢で異なる

扶養控除を受ける場合の控除額は、扶養親族の年齢等により異なります。それぞれ見ていきましょう。

1.控除対象扶養親族について

一般の控除対象扶養親族は、合計所得金額48万円以下(令和元年分以前は扶養親族の年間所得が38万円以下)における

  • 年齢16歳以上18歳以下
  • 年齢23歳以上69歳以下

の扶養親族となります。これらの年齢に該当する扶養親族は、一般の扶養親族となり、控除額は38万円となります。

2.特定扶養親族について

その年の12/31時点で19歳以上23歳未満の扶養親族に対して受けられる控除です。扶養控除が38万円であるのに対し、25万円加算された63万円となっています。

3.老人扶養親族について

70歳以上の扶養親族がいるのであれば、通常の扶養控除38万円に対して控除金額が加算されます。同居老親等以外であれば10万円加算の48万円、同居老親等であれば20万円加算の58万円が控除金額となります。

4.同居老親等について

同居老親等に該当する老人扶養親族の条件は、以下の2点を満たす必要があります。

  • 納税者またはその配偶者の直系尊属であることと
  • 同居を常況としていること

(例1)「同じマンション内や別棟の建物に居住しているけれど、日常生活はほとんど一緒に過ごしているような場合には、同居老親等に該当します。」という場合は控除額は58万円となります。

(例2)「長期入院で同居している状態とはいえないものの、居住所が一緒であり、退院後は一緒に暮らすことになっているのであれば、同居老親等に該当します。」という場合は控除額は58万円となります。

(例3)「老人ホームに住んでいる場合は、住所も生活も共にしている状態とはいえないため、同居老親等には該当しません。」という場合は控除額は48万円となります。

扶養控除を受けるためには?

扶養控除を受けるためには、年末調整による方法と確定申告による方法の2つがあります。それぞれについて見ていきましょう。

年末調整を行う場合

会社員の場合は、年末調整の中で扶養控除を適用します。

年末調整で扶養控除を受けるには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に扶養親族の氏名や生年月日などの情報を記載し、勤務先に提出する必要があります。
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記載方法については、次のページで詳しく記載しています。ぜひ、ご参照ください。

年末調整を行わない場合は確定申告が必要

個人事業主など、年末調整を行わない人の場合は、確定申告で扶養控除を適用します。

確定申告で扶養控除を受けるためには、確定申告書第一表の「扶養控除」欄に扶養控除の金額を記載し、第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄に、親族の名前や生年月日などの情報を記載する必要があります。

扶養控除と間違いやすい5つの控除

扶養控除と間違えやすい5つの控除について、なにがどのように異なるのかを解説します。

1.配偶者控除

扶養控除は、配偶者を除く6親等内の血族と3親等内の姻族だと定められています。配偶者も扶養されている親族であることに違いはないのですが、「配偶者控除」という別格の控除を受けることができるのです。

配偶者控除を受けるためにはいくつか要件がありますが、民法の規定による配偶者であることが前提であり、いわゆる内縁関係の人は該当しません。

2.勤労学生控除

あなたが学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校などに通う学生で、アルバイト収入がある場合、収入金額によって受ける控除が変わります。

  • 103万円以下であれば、扶養控除除
  • 103万円を超えて130万円以下であれば、勤労学生控除


扶養控除であれば、納税者(親)の扶養親族となりますが、103万円を超える給与収入があれば扶養を外れて、あなたが納税者となります。そのときに勤労学生控除を受けられるということになります。

3.寡婦控除

寡婦とは、夫と死別したり離婚したりした人で「ひとり親」に該当しない方をいいます(令和元年分以前は夫と死別または離婚した人)。寡婦控除は民法上の婚姻関係を結んだあとに、一定の事由が生じた場合に適用を受けることができる所得控除です。内縁の妻や未婚の母は、婚姻関係を結んでいないので、先立たれてしまったとしても寡婦控除を受けることはできませんが、一定の要件を満たせば令和2年分以降「ひとり親控除」を受けることができます。

以下の様な例で見ていきましょう。

  1. 離婚した娘が2人の子どもを抱えて実家に帰りました。
  2. 子どもの負担を考えて、姓はそのままにしておくことにしました。
  3. 実家の父に養ってもらうことにしました。
  4. 実家の両親、娘と2人の孫の5人家族になりました。
  5. 年内は実家でゆっくりして、落ち着いたら仕事を探そうと思っています。
  6. 年が明けて、子どもたちを実家の母に預けて働くことにしました。しばらくはパート収入で生計を立てたいと思っています。

実家のお父様の年間給与収入が2,000万円以下だとすると、お母様は配偶者控除、娘は扶養控除を適用して、年末調整を受けることになります。

また、「6.」のパート収入による所得金額が38万円超500万円以下であれば、娘本人が実家の父の扶養を外れて、本人の確定申告により寡婦控除を受けることができます。

4.寡夫控除

令和2年分以降、寡夫控除が廃止され「ひとり親控除」に統合されましたが、令和元年分以前の確定申告では引き続き寡夫控除を受けることができます。

寡夫控除を受ける条件は以下の4点です。

  • 男性であること
  • 妻と死別または離婚したあと、再婚していないこと
  • 生活をともにしている、合計所得38万円以下の子どもがいること
  • 合計所得金額が500万円以下であること

5.納税者が2人以上いる場合の扶養控除

実家のお母様の生活費を、離れてくらす兄弟2人が同じ額ずつ仕送りをしているような場合、お母様の年間合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であれば、兄弟のどちらかがお母様を扶養親族にできます。兄弟がそれぞれお母様を扶養親族として扶養控除を受けることはできません。

扶養控除について理解できましたか?

扶養控除は、多くの人が受けることのできる所得控除のひとつです。ただし、控除対象扶養親族になるには、条件があったり、年齢により控除額が異なったりします。扶養控除について正しく理解し、正確な税金の金額を計算しましょう。

よくある質問

扶養控除とは何ですか?

扶養控除とは、扶養控除対象となる親族がいる場合、一定額の控除が受けられる制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

控除対象扶養親族とは何ですか?

控除対象扶養親族とは、年末時点で16歳以上の扶養親族のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

扶養控除はどのように控除を受けますか?

年末調整または確定申告で控除を受けます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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