• 更新日 : 2023年12月19日

信用取引は確定申告が必要?税金の仕組みや損益通算についても解説!

信用取引は確定申告が必要?税金の仕組みや損益通算についても解説!

信用取引とは、現金や株などを証券会社に担保として預け、証券会社から現金や株券を借用して目的の株式を売買する取引です。

この記事では、信用取引に係る税金について解説します。たとえば、配当所得がある場合には損失との通算ができるのか、確定申告不要となる場合はあるのか等の疑問や、確定申告書の書き方についても触れていきます。

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信用取引は確定申告が必要?不要?

現物取引とは株式取引の基本的な取引で、自己資金のみで株式を買い、現に自分が保有している株式のみを売却する取引です。

それに対して、信用取引は自己資金だけでなく、証券会社から借りたお金などで株式の売買をするものです。
信用取引では、証券会社に委託保証金という担保を預けることによって、その保証金の約3倍のお金を借りて株を買うことが可能です。借りるのはお金だけではなく、株式そのものでも可能です。したがって、信用取引では手元資金以上の株式取引ができることがメリットとなります。

しかしながら、株式の取引から生じた譲渡益については、現物取引、信用取引にかかわらず所得税が課せられるため、原則として申告分離課税で確定申告する必要があります。資金調達の手法や投資の手法が異なっても、結果として譲渡損益を正しく計算し、確定申告することに変わりはありません。

ただし、信用取引の場合には、現物取引では生じない信用取引に係る費用(借入に係る金利や株を借りるための貸株料など)が発生します。そのため、譲渡損益の計算において気をつけるべき点が出てきます。

なお、確定申告についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

株(現物・信用取引)の税金の仕組み

基本的に、現物取引であっても信用取引であっても税金の仕組みは同じです。
現物取引や信用取引によって株式を売買した場合の所得税、住民税の課税について概要を見ていきましょう。

計算期間は、対象となる年の1月1日から12月31日までであり、後述するように損益通算が可能です。

課税対象となるのは、取引によって年間取引結果で譲渡益が出た場合に、その譲渡益から委託手数料などの費用を差し引いた額です。

取得費とは、年間の株式購入額であり、購入の際の手数料等を含みます。

(課税対象)上場株式等に係る譲渡益 = 譲渡額 -(取得費 + 委託手数料等 )

税率は、所得税(復興税を含みます)15.315%、住民税が5%です。

所得税=上場株式等に係る譲渡益 × 15.315%

住民税=上場株式等に係る譲渡益 × 5%

なお、損益通算によっても控除できない譲渡損は、確定申告により損失分を翌年以降3年間にわたって繰越控除することができます。

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信用取引の損失は損益通算できる?

上場株式等を譲渡したことにより生じた譲渡損は、確定申告において上場株式等に係る配当所得(分離課税に限る)と損益通算できます。損益通算については、信用取引、現物取引の区別はありません。

そもそも損益通算とは、利益と損失を合算し、最終的な損得を求めることです。譲渡益と譲渡損の通算だけでなく、譲渡損と配当金の通算も可能です。ただし、配当所得で総合課税を選択している場合には譲渡損と配当の損益通算はできません。

なお、信用取引においても特定口座で管理することが可能です。源泉徴収ありの特定口座に上場株式等の配当を受け入れたときは、「確定申告不要」で同一口座内の配当と譲渡損とを損益通算することができます。

損益通算や繰越控除についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

信用取引の確定申告の方法は?

信用取引と現物取引については、先述のように必要経費の点で異なるものの原則として所得の計算方法について変わりはありません。実際の確定申告書にどのように記載するのかを見てみましょう。

信用取引の確定申告に必要な書類

信用取引、現物取引どちらの場合でも、上場株式等の譲渡益を確定申告する際に最低限必要な申告書類は、次のものです。

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細(又は特定口座年間取引報告書)確定申告書第一表、第二表、第三表

その他、譲渡損などがある場合には、さらに確定申告書付表などを添付します。
次項で申告書のイメージを紹介します。

確定申告書の書き方

確定申告をする前に、信用取引や現物取引によってどの程度の譲渡損益となったかを計算します。

下図のように「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細」を作成して、確定申告書に添付する必要があります。ただし、特定口座以外の株式の譲渡等がない場合、「特定口座年間取引報告書」の添付でこの計算明細の代替ができます。

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書を先に作成し、確定申告書第三表(分離課税用)に転記します。第三表は分離課税なので、納税の際は第一表の納税額だけでなく、第三表で計算した納税額も忘れないようにしましょう。

【株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書と確定申告書第三表】

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書と確定申告書第三表 令和5年

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」、「申告書第三表(分離課税用)【令和4年分以降用】」を加工して作成

また、譲渡損を翌期に繰り越す場合には、確定申告書付表にも記載した後、確定申告書第三表へ転記します。

【株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書と確定申告書付表】

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書と確定申告書付表

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」、「確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)

なお、ここでは詳細な説明を省略しますが、「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」には上記の1面のほか2面があります。2面には各銘柄についての明細を記載します。

信用取引の確定申告をしないとどうなる?

確定申告をすべき納税者がその申告をしない場合には、ペナルティがあります。

まず、税金が期限までに納付されなかった場合、原則として納期限の翌日から納付日までの日数に応じて延滞税が自動的に課されます。延滞税は納付すべきであった本税に対して課税されます。

次に、申告期限を過ぎても確定申告をしなかった場合に、本税に対し課せられる罰金のような意味合いで無申告加算税が徴収されます。本税が50万円までについては15%、50万円を超える金額については20%の税率で本税に「加算」されます。

さらに、無申告加算税に代えて重加算税という懲罰的な税金があり、最高税率は50%となっています。結局は本来の申告納付額よりかなり多く支払うことになってしまいます。

なお、確定申告をしないことについての詳細は、以下の記事をご参照ください。

信用取引の仕組みを理解し、忘れずに確定申告しましょう

信用取引は、どちらかといえばある程度株の取引に慣れてきた方が始める取引です。

委託保証金が足りなくなると、「追証(おいしょう)」といって担保を追加しなくてはならないこともあり、取引を続ける際のルールを熟知しておくことが大切です。

ある程度計画性を持って取引を行い、確定申告時期になってもあわてず、損失が出たときも繰越控除等をうまく利用しましょう。

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よくある質問

信用取引とはなんですか?

現金や株式を担保として証券会社に預けて、証券会社から現金や株券を借用して目的の株式を売買する取引です。詳しくはこちらをご覧ください。

信用取引では確定申告が必要ですか?

信用取引・現物取引に関係なく、譲渡益には課税されますので、確定申告が必要です。特定口座で源泉徴収ありを選択した人については、他に譲渡益がなければ確定申告は不要です。詳しくはこちらをご覧ください。

譲渡損が出た場合も確定申告は必要ですか?

譲渡損には課税されませんが、確定申告により損失を繰り越しすると翌期以降の節税につながります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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