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  • 更新日 : 2021年6月2日

NISAに確定申告は必要?非課税口座を上手に使って節税しよう

NISAに確定申告は必要?非課税口座を上手に使って節税しよう

将来の資金形成などを目的に、NISAやつみたてNISA口座を開設する人も増えてきました。NISAやつみたてNISAは、取引ができる金融商品に制限があるものの、通常の証券口座にはないメリットがあるのが特徴です。このように、NISAなどの口座を開設して、実際に取引をはじめると、利益が出たら確定申告が必要なのでは?と不安になる人もいるかと思います。この記事では、NISAを利用すると確定申告が必要なのか、NISA以外の証券口座の確定申告は必要なのか解説していきます。

NISAなら確定申告は不要

「NISA口座での取引は確定申告が必要なのか?」
結論からいうと、NISA口座で取引して利益が出たとしても、確定申告は必要ありません。
なぜNISAだと確定申告が不要なのか、確定申告やNISAの仕組みも含め、順に説明していきます。

そもそも確定申告とは

確定申告とは、申告により税額等を確定することをいいます。一般的には、「確定申告」というと、所得税の確定申告を指すことが多いです。

所得税の確定申告では、1月1日から12月31日までの1年間について、所得や所得控除などの額を明らかにします。最終的には納めるべき所得税額、あるいは還付を受ける所得税額を計算によって確定し、納税者自らが税額を申告します。

所得税の計算における所得とは、利益のようなものです。さまざまな所得に対して所得税が課税されますが、課税対象にならない所得もあります。法律により課税対象から除かれる所得を非課税所得といいます。

NISA(NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)の種類別の特徴

NISAには、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。NISAは1人1口座のみの開設が認められ、NISAとつみたてNISAの2つの口座を同時に持つことはできません。NISAと確定申告について説明する前に、NISAにはどのようなタイプがあるか、特徴を見ていきましょう。

          
NISA
つみたてNISA
ジュニアNISA
利用できる人
日本に住む20歳以上の人 
日本に住む0~19歳
投資可能期間
2014~2023年

2018~2037年2016~2023年
非課税投資枠
新規投資上限毎年120万円新規投資上限毎年40万円新規投資上限毎年80万円
非課税期間
最長5年

最長20年最長5年

投資対象商品
株式投資信託、国内外株式、ETF、ETN、REIT、ワラント債長期分散・積立投資に適した一定の投資信託株式投資信託、国内外株式、ETF、ETN、REIT、ワラント債

制限等


-
-
・18歳まで払出し制限
・運用管理者が必要
  • NISA

NISAは、非課税枠の新投資上限が毎年120万円、最長5年であるため、最大で600万円分の投資額を非課税にできます。投資対象商品は、投資信託のほかに、株式、ETF、REITと幅広く、さまざまな投資が行えるのが特徴です。

  • つみたてNISA

つみたてNISAは、利用できる人はNISAと同じであるものの、新規投資の非課税枠の上限や非課税期間、投資対象商品がNISAとは大きく異なります。NISAがスポット取引を想定したものであるのに対し、つみたてNISAは積立投資を想定したものだからです。そのため、NISAより毎年の非課税投資枠が小さい代わりに、非課税期間が長く設定されています。投資対象商品は、NISAほどの自由度はなく、販売手数料が不要で信託報酬が低い長期の積立に向いた投資信託に絞られているのが特徴です。最大で800万円分の投資額を非課税にできます。

  • ジュニアNISA

ジュニアNISAは、NISAの未成年版のようなもので、大部分はNISAと同じです。子どもの教育費の積立などでよく利用されます。ただし、NISAと異なり、保護者など運用管理者が必要な点、払出しが制限される点に注意が必要です。最大で400万円の投資額を非課税にできます。

NISAなら配当金も譲渡益も非課税

NISA口座内で金融商品の取引をすると、2種類の利益が発生することがあります。金融商品を継続して所有することによる配当金や分配金、金融商品を譲渡(売却)することによる譲渡益です。NISA口座での取引は、新規投資上限の枠内であれば、配当金や分配金、譲渡による利益には所得税も住民税も課税されません。

預金利息をイメージするとわかりやすいですが、預金利息は、利息から税金が引かれた状態で入金されます。NISA口座を使って新規投資上限の範囲で取引したものであれば、預金利息のように税金が差し引かれることはありません。そのまま利益額が口座に入り、非課税であるため改めて課税されることもありません。

非課税のNISAなら利益が出ても扶養控除の所得対象にならない

家族を扶養している人なら所得税の申告時に扶養控除を、扶養対象が配偶者なら配偶者控除配偶者特別控除を受けている人もいるでしょう。これらの、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除を受け、一定額を所得から控除するには、扶養されている親族や配偶者の年間合計所得が一定以下である要件を満たさなければなりません。

気になるのは、NISA口座やつみたてNISA口座などを開設して、利益が上ったときに年間合計所得の計算に含まれるのかどうかです。結論からいうと、NISA口座内の利益は非課税であるため、所得控除の計算における年間合計所得額に含まれることはありません。

扶養控除や配偶者控除などに影響はないため、納税者の扶養の範囲内にいる配偶者や親族がNISA口座内で大きく利益を上げたとしても、引き続き所得控除を受けることができます(ただし、納税義務者の合計所得が1,000万円を超えるなどそのほかの条件を満たさないときは所得控除が受けられません)。

NISAは損失があっても確定申告で損益通算できない

NISA利用のメリットは、配当金や譲渡益に対する課税がないため、利益をそのまま再投資に回せることです。大きなメリットですが、注意点もあります。NISA口座内で損失が発生した場合です。NISAやつみたてNISAなどで扱う金融商品は、多少なりともリスクのあるものです。預金とは違い、保有することで元本よりも時価が下回ることもあります。元本よりも価値が下がった状態で譲渡(売却)すれば、譲渡損が発生します。

しかし、NISA口座内の所得は非課税であるため、所得ははじめからなかったものとして取り扱われます。損失があってもないものとして取り扱われるため、ほかの一般口座や特定口座で発生した所得との損益通算ができません。通常、所得税計算上同じ分類の金融商品であれば、損益通算によって一方に損失があれば利益と相殺して利益額を圧縮できますが、NISAでは損失があってもほかの口座との損益通算はできないのです。

2024年から変わるNISAのしくみ

NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの投資可能期間を表で示したように、いずれも終了期間が定められています。つみたてNISAは2037年までですが、NISAやジュニアNISAは2023年までです。2023年で現行の制度が終了するのを機に、2024年からNISAのしくみが大幅に変更されることになりました。つみたてNISAについては投資可能期間が2037年から2042年に延びるだけで変更点はありません。

  • NISAは2階建て方式に変わる(口座開設可能期間2024~2028年)

安定した資産形成のために、NISAは2024年から1階と2階に分けて非課税が認められることになります。1階はつみたてNISAと似た積立方式で毎年20万円まで、2階部分は現行のNISAを引き継いだ方式で毎年102万円まで、合わせて最長5年の新規投資が可能です。投資経験者を除き、原則1階部分の積立投資を行わないと2階部分の枠を利用できないしくみになります。なお、1階部分の積立は、NISAの非課税期間終了後、つみたてNISAに移行することが可能です。

  • ジュニアNISAは終了

2024年のNISA制度の変更に合わせ、ジュニアNISAは2023年から延長されることなく、制度が終了することになりました。2023年まで新規口座開設は可能で、2024年からは払出しの制限が解除されます。

NISA以外の口座別の確定申告の要不要

NISA口座のほか、株式や投資信託などの金融商品の取引ができる口座には3種類あります。一般口座、特定口座(源泉徴収なし)、特定口座(源泉徴収あり)です。どの口座を開設するかによって、確定申告が必要かどうか変わってきます。以下の図は、確定申告の要不要を簡単に示したものです。口座別に確定申告の要不要について見ていきましょう。

NISA以外の口座別の確定申告の要不要

一般口座

一般口座は、特定口座では扱えない金融商品の取引も可能な口座です。上場されていない未公開株式なども利用できます。注意点は、一般口座を利用した場合、配当金や譲渡益があれば確定申告が必要になることです。また、上場株式などと違って評価方法が異なるため、口座所有者自身が損益計算を行い、確定申告しなければなりません。

特定口座(源泉徴収なし)

特定口座は、一般口座とは異なり上場株式や投資信託など取り扱える金融商品が一部に限られる口座です。特定口座のうち源泉徴収なしの口座は、複数の証券会社で特定口座の開設がある場合によく利用されます。一般口座と同じく、利益があれば確定申告が必要です。異なるのは、証券会社などの事業者が、確定申告に必要な年間取引報告書を交付してくれることです。確定申告に必要な損益がすぐにわかるため、一般口座と比べ、確定申告を簡便にできます。

特定口座(源泉徴収あり)

源泉徴収ありの特定口座は、取引の都度、税金が源泉徴収される口座です。源泉徴収により所得税を納めたことになるため、基本的には確定申告が必要ありません。ただし、配当金の受取に株式数比例配分方式を選択していないと、該当する配当金の分を確定申告する必要があります。また、複数の証券口座で損益通算したい場合、年間取引の損失を翌年以降繰越控除したい場合も確定申告が必要です。最大3年の繰越控除を受けるには、毎年確定申告が必要で、確定申告をしないでいると損失を繰越せません。

NISA口座と確定申告についてご理解いただけたでしょうか

NISA口座を開設して配当や譲渡益により利益が出ても、非課税枠内の利益については確定申告の必要がありません。配当や譲渡益も源泉徴収されることなく、手数料などを差し引いた額のすべてがリターンになります。なお、NISA以外の一般口座、特定口座での投資による利益は確定申告の要不要は異なるものの、所得税の課税対象です。投資をするなら、NISA制度をうまく活用してみると良いでしょう。

【参考】金融庁|NISAの概要
【参考】国税庁|扶養控除

よくある質問

NISA口座での取引は確定申告が必要なのでしょうか?

NISA口座で取引して利益が出たとしても、確定申告は必要ありません。詳しくはこちらをご覧ください。

NISAにはどのような種類がありますか?

NISAには、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。詳しくはこちらをご覧ください。

NISAで出た利益には課税されるのでしょうか?

NISA口座での取引は、新規投資上限の枠内であれば、配当金や分配金、譲渡による利益には所得税も住民税も課税されません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。