- 更新日 : 2026年4月14日
葬儀費用は確定申告で控除できない!相続税の基礎控除を受けよう
確定申告にあたって、個人的な事情をふまえて税負担を調整するため、所得から一定の額を差し引ける「所得控除」が認められています。個人的な事情を加味するのであれば、葬儀費用なども所得控除できるのではという意見もあるでしょう。しかし、結論からいうと葬儀費用は確定申告において所得控除の計算に含めることはできません。
この記事では、葬儀費用と所得税の確定申告と相続税の申告の関係、故人の代わりに確定申告する準確定申告まで解説します。
おかげさまで、確定申告期に多くのユーザーさんにお読み頂いております。 「初心者向け 確定申告書の記入ガイド」は、すでにお持ちでしょうか?
「マネーフォワード クラウド確定申告」に無料登録いただいたのち、「確定申告お役立ち資料集」からダウンロードいただけます。
目次
「マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。
取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。
PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。
葬儀費用は確定申告で控除できる?
葬儀費用は確定申告によって所得控除できません。所得控除の項目に葬儀費用が含まれておらず、また葬儀費用に対応する所得も課税対象とならないためです。
理由のひとつとして、所得控除の項目に葬儀費用がないことが挙げられます。確定申告において所得控除が認められるのは、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、寡婦控除、ひとり親控除、特定親族特別控除(令和7年12月創設)、勤労学生控除、障害者控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除、寄附金控除、雑損控除のみです。
葬儀費用に該当するような所得控除の項目はありません。
もうひとつの理由として、葬儀費用に対応する所得が計上されない点も挙げられます。葬儀費用に対応する収入があるとすれば、故人の関係者から受け取る香典です。ただし、香典は、社葬で法人が受取人になる場合を除き、喪主である個人が受け取れば非課税となります。所得として計上されないため、対応する葬儀費用は所得税の確定申告において控除しません。
もちろん、喪主の受け取る香典は収入に数えられないため、収入に対する経費としても葬儀費用を計上することはできません。
この記事をお読みの方におすすめのコンテンツ4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドや無料セミナーを簡単に紹介します。無料登録だけでもらえますので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
青色申告1から簡単ガイド
40ページ以上のガイドが無料でお得!図解でカンタン
「青色申告1から簡単ガイド」では、青色申告の基礎知識や、青色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。
白色申告1から簡単ガイド
これから初めて白色申告をする方や確定申告に不安がある方は、おすすめの1冊!
「白色申告1から簡単ガイド」では、白色申告の基礎知識や、白色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。
はじめての確定申告 不安解消セミナー
税理士法人 Five Starパートナーズ 代表「税理士Youtuberヒロ☆税理士」田淵 宏明 氏による、人気のセミナーを特別公開!
1時間以上の充実の内容を無料で公開しております。はじめて確定申告を行う方はもちろん、ご経験者の方にも参考になる内容です。
確定申告控除ハンドブック
確定申告で、正しく「控除」を活用できていますか?
「確定申告控除ハンドブック」では、確定申告の所得控除・税額控除を一覧表や必要書類の見本付きで分かりやすく解説しています
葬儀費用は相続税の控除対象にできる?
葬儀費用は、所得税の確定申告では所得控除できませんが、相続税の申告において、被相続人(亡くなった人)の残した債務とともに、遺産総額から差し引けます。
基礎控除額を超えると相続税が発生する可能性がある
相続税は、被相続人から財産を相続した相続人に課される税で、相続人が取得した財産の額に対して課税されます。ただし、相続があったからといって必ず課税されるわけではありません。課税遺産総額が生じるときにはじめて相続税の課税が行われます。
相続税が課税されるかどうかを簡易的に把握するには、基礎控除額と比較する方法があります。相続税の基礎控除とは、課税遺産総額の計算にあたって必ず控除される額のことです。
以下の式を用いて基礎控除額を算出します。
3,000万円+600万円×法定相続人の数=相続税の基礎控除額
法定相続人とは、法律によって定められている相続人のことです。相続税の基礎控除の計算にあたっては、相続を放棄しているかどうかは関係なく、法定相続人の数を乗じて基礎控除額を出します。
遺産総額がこの基礎控除額を超える場合は、相続税が課される可能性があります。
葬式費用は相続税計算時の遺産総額から差し引ける
相続税と葬儀費用(相続税法上は葬式費用)の関係を整理します。
相続税の計算にあたって、課税遺産総額は以下の手順で算出します。
相続等により取得した財産+相続時精算課税の贈与財産+みなし相続財産-(非課税財産+債務+葬式費用)=遺産額
遺産額+相続開始3年以内の贈与財産=正味遺産額
正味遺産額-基礎控除額=課税遺産総額
計算式を見ると、相続時精算課税の贈与財産やみなし財産を含む遺産総額から差し引く額として、葬式費用があることがわかります。以上のように、相続人が負担した被相続人の葬式費用があれば、相続税を納税することになったとき、遺産総額から葬式費用を控除して計算することが可能です。
葬式費用で相続税の控除対象となるもの
一般的に葬儀費用として認識されるものでも、すべてが葬式費用として遺産額総額から差し引けるわけではありません。相続税の計算で、控除できる葬式費用と、控除できない葬式費用があります。
控除できる葬式費用は、以下のようなものです。
- 火葬や埋葬、納骨のための費用(仮葬式や本葬式の両方の費用)
- ご遺体やご遺骨の回送費用
- お通夜など葬式前後で通常欠かせない費用
- 読経料のような葬式でのお寺などへのお礼
- ご遺体の捜索やご遺骨などの運搬費用
葬儀で一般的に必要な費用は、葬式費用として相続税の計算で遺産総額から差し引けます。
例えば、喪主などが社会通念上負担するのが一般的な生花代や会葬御礼の費用も控除対象になります。ほかにも、精進落としは四十九日明けや初七日の後に行われるのが通常ですが、なかなか集まれないなどの理由から葬儀後すぐに行うことも増えてきました。葬儀後すぐにふるまう精進落としの費用も控除対象に含めることが可能です。
葬式費用で相続税の控除対象とならないもの
一般的に葬儀費用と認識されるようなものでも、相続税の計算上、以下のような費用の控除は認められていません。
- 香典返しの費用
- 位牌にかかった費用
- 墓石や墓地の購入費用
- 墓地を借りるための費用
- 初七日など法事の費用
- 特別の処置に要した医学上また裁判上の費用
基本的には、葬儀以外でかかる費用は墓地の購入など社会通念上必要と考えられるものであっても控除できないことになります。
また、葬式費用を控除できるのは、実際に負担した相続人や包括受遺者に限られます。親族であっても、相続人や包括受遺者以外の人が負担した葬式費用は遺産総額からは差し引けません。
故人の確定申告はどうすればいい?
相続があったら、相続税以外に、もうひとつ相続人が考えておかなければならないことがあります。被相続人の確定申告の問題です。
所得税については、1月1日から12月31日までの1年間について生じた所得を計算し、原則翌年の2月16日から3月15日※に確定申告をし、納税することになっています。
被相続人の所得税についても例外ではありません。個人事業主など所得税の確定申告が必要な人が年の途中で亡くなり、確定申告や納税が行われていないときは、代わりに相続人が確定申告を行う必要があります。これを、準確定申告といいます。
準確定申告は、相続開始を知った日から4か月以内に行い、納税まで済ませなくはなりません。相続開始前に被相続人の申告状況などわかっているのが望ましいですが、把握できていない場合は、相続開始後速やかに準確定申告が必要か、必要なら所得や経費などを把握できるよう準備を進める必要があります。
※例年、確定申告の時期は原則2月16日から3月15日ですが、変更や延長の可能性もあるので、最新情報を確認しましょう。
葬儀費用の負担があれば確定申告ではなく相続税で精算しよう
相続人が葬儀費用を負担しても、相続人の所得とは直接関係しないため、所得控除として確定申告で差し引くことはできません。代わりに、相続税が発生する場合は、相続税の計算上、総遺産額から葬式費用を差し引くことができます。相続税の計算で使えることを把握しておきましょう。また、相続に関連して、被相続人に所得税の確定申告の義務があるにも関わらず確定申告が行われていないときは、相続人が代わりに確定申告する必要があります。
確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える
有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む複数サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。
合わせて読みたいおすすめ資料
マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。会社員の確定申告 丸わかりガイド
青色申告1から簡単ガイド
個人事業主が知っておくべき経費大辞典
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
葬儀費用は確定申告で控除できる?
葬儀費用は確定申告によって所得控除できません。詳しくはこちらをご覧ください。
葬儀費用は相続税の控除対象にできる?
葬儀費用は、所得税の確定申告では所得控除できません。詳しくはこちらをご覧ください。
故人の確定申告はいつするの?
相続開始を知った日から4か月以内に行い、納税まで済ませなくはなりません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 職業・ケース別
家庭教師に確定申告は必要?個人契約や業務委託、学生の掛け持ちの場合は?
家庭教師をして所得を得ると、確定申告が必要になる場合とならない場合があります。家庭教師には業務委託や直接雇用の塾講師、個人契約などがありますが、契約形態によって所得税法上の所得区分…
詳しくみる -
# 職業・ケース別
個人投資家の確定申告のやり方は?経費や税金対策についても解説
個人投資家とは、金融資産等を運用し、利益の獲得を目指す人のことです。しかし、投資に対してあまり積極的ではなくとも、その投資額が大きい場合には個人投資家にカテゴライズされる場合もあり…
詳しくみる -
# 職業・ケース別
太陽光発電の売電収入には確定申告が必要?経費についてもわかりやすく解説!
太陽光発電で得た電力を販売して収入を得ると、確定申告が必要になる場合とならない場合があります。自宅で太陽光発電を行って余った電力を販売したり、事業として太陽光発電を行ったりする場合…
詳しくみる -
# 職業・ケース別
研究開発費は確定申告で経費にできる?税額控除制度についても解説!
研究開発費は、研究費や試験研究費などの科目で会計処理されることもあります。個人事業主やフリーランスは、確定申告で研究開発費を経費にできます。また、法人は税額控除を受けることもできま…
詳しくみる -
# 職業・ケース別
占い師の確定申告のやり方は?経費で落ちる費用や勘定科目も解説
個人事業主として占い師で生計を立てている方や、会社員の副業として占い師をしている方で一定要件に該当した場合には確定申告が必要になります。では、どのような場合に確定申告が必要になるの…
詳しくみる -
# 職業・ケース別
【個人事業主向け】廃業届の手続きガイド!e-Taxや書類の書き方、適切なタイミングを解説
個人事業主が事業を廃止した場合には、廃止届を提出します。経営不振で事業を廃業する場合だけでなく、家族の事情、健康上の理由、あるいは、事業を法人化するためなど、個人事業を廃業する事例…
詳しくみる




