• 作成日 : 2021年6月10日

養老保険が満期になったら確定申告は必要?

養老保険が満期になったら確定申告は必要?

養老保険の満期保険金を受け取った場合、確定申告が必要になることがあります。しかし、多くの場合において、所得税の課税対象にはならないため、確定申告も不要です。どのような場合に確定申告が必要になるのか、確定申告が不要な場合はどのようなケースなのかについて詳しく見ていきましょう。

また、養老保険の契約者と保険金の受取人が異なる場合は、贈与税が発生することもあります。贈与税がかかるケースや税額の求め方についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

養老保険金の受領で確定申告が必要なケース・不要なケース

養老保険が満期になって受け取る保険金は「一時所得です。金額などのいくつかの条件を満たすことで確定申告の対象となり、納税義務が発生します。また、まとめて保険金を受け取らずに年金として受け取る場合は「雑所得」の分類です。雑所得はそのほかの所得と合算して課税対象になるのか計算します。どのような場合で確定申告が必要になるのか見ていきましょう。

必要なケース

養老保険の契約者と受取人が同じで、なおかつ保険期間が5年超のときは一時所得として確定申告をします。しかし、保険金の全額が一時所得額になるのではありません。一時所得額は以下の計算式で求めてください。

一時所得額={保険金額-払い込んだ保険料の合計-50万円(一時所得控除)}×1/2

例えば、満期保険金が500万円で、今までに払い込んだ保険料が420万円だとしましょう。一時所得額は以下の式から15万円と計算できます

(500万円-420万円-50万円)×1/2=15万円

一時所得控除として50万円を差し引くため、払い込んだ保険料よりも受け取る保険金のほうが50万円以上高いときは確定申告の必要があるといえるでしょう。

また、養老保険の満期保険金をすぐには受け取らずに据え置くときも、確定申告は必要です。この場合は、満期日時点に保険金を受け取ったとして、所得税(一時所得)や贈与税の対象になります。

また、毎年、据え置き保険金に利息が繰り入れられる場合は、利息に関して「雑所得」として確定申告が必要になることがあります。

不要なケース

保険期間が5年以下のときは「金融類似商品」という扱いになります。金融類似商品は「申告分離課税」として源泉徴収されるため、確定申告は不要です。

元々の保険期間が5年を超える契約であっても5年以下で解約すると金融類似商品の扱いになります。この場合も、申告分離課税として源泉徴収されるため、確定申告は不要です。

また、保険期間が5年を超え、5年以内に解約しなかった場合は金融類似商品ではないので源泉徴収はされません。しかし、受け取った保険金から払い込んだ保険料を差し引いた金額が50万円以下のときは、一時所得額が0円になるため確定申告は不要になります。

所得税額の計算

養老保険の保険金は、満期保険金としてまとめて受け取る「一時金」タイプと、毎月あるいは隔月などのように、何度かに分けて受け取る「年金」タイプがあり、それぞれ所得税の種類や税額の計算方法などが異なります。

そのため、養老保険などの保険を2つ以上かけ、それぞれの保険金を受け取っている場合には、一時金タイプか年金タイプかに分けて計算しなくてはいけません。それぞれの所得税額の求め方を見ていきましょう。

保険金を一時金で受領した場合

満期保険金等を一時金で受領した場合は一時所得です。一時所得として分類されるものには、懸賞金や競馬・競輪などの払戻金、遺失物を拾得したときの報労金などが含まれます。

その年1年間に、養老保険の満期保険金以外の一時所得がないとしましょう。この場合は受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料又は掛金の額を差し引き、さらに一時所得に関して定められた特別控除額50万円を差し引いた金額を1/2にした金額が「一時所得額」となります。

例えば、1,000万円の養老保険満期金を受け取り、保険料として払い込んだ金額の合計が850万円としましょう。「(1,000万円-850万円-50万円)×1/2=50万円」で、一時所得額は50万円と計算できます。

この一時所得額を給与所得(給与から給与所得控除を差し引いたもの)など、他の所得額と合算し「所得額」を求めましょう。給与所得が800万円で一時所得以外の所得がなかったとすれば、その年の所得額は850万円です。

所得額から基礎控除医療費控除社会保険料控除などの「所得控除」を引いたものが「課税所得額」です。所得控除の合計が350万円だとすれば、課税所得額は500万円になります。

この課税所得額に所得税率をかけて控除額を差し引くと「所得税額」です。課税所得額が500万円のときの所得税率は20%、控除額は42万7,500円になるため「500万円×20%-42万7,500=57万2,500円」が所得税額となります。

保険金を年金で受領した場合

満期保険金を年金で受領した場合には、公的年金等以外の雑所得として計算されます。雑所得の金額は、その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料又は掛金の額を差し引いた金額です。

雑所得も所得の一部なので、他の所得と合算して「所得額」を求めることができます。所得控除を引いて「課税所得額」を算出し、所得税率をかけて控除額を引いて「所得税額」を計算しましょう。

養老保険金に贈与税がかかるケース

契約者と受取人が異なるときは、贈与税として受取人が確定申告することになります。その他の贈与を合わせた額から110万円を差し引き、贈与税率をかけて控除額を差し引きます。

この場合、保険金から払い込んだ保険料が経費として差し引かれないため、受け取った保険料全額を使って計算しましょう。例えば、養老保険金として300万円の贈与を受け、その年は他の贈与がなかったとすると、贈与税の対象額は以下のように190万円になります。

300万円-110万円=190万円

190万円のときの相続税率は10%なので、相続税として19万円を払うことになります。

正しく確定申告をして税控除・納税をしよう

養老保険の保険金額が高く、なおかつ払い込んだ保険料の合計よりも50万円以上多いときは、満期保険金は一時所得として確定申告を行わなくてはいけません。しかし、近年は保険金の金利があまり高くないため、確定申告の対象になるケースは限られているでしょう。

確定申告をする必要があるときは正しく確定申告をして、正しく納税してください。また、贈与税の課税対象になるときも、忘れずに税申告するようにしましょう。

さらに確定申告について詳しく知りたい人は、次の記事をぜひご覧ください。

【参考】
国税庁|No.1490 一時所得
国税庁|No.2260 所得税の税率
国税庁|No.4429 贈与税の申告と納税
国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

よくある質問

養老保険金の受領で確定申告が必要なケースは?

基本的には、養老保険の契約者と受取人が同じで、なおかつ保険期間が5年超のときは一時所得として確定申告をします。詳しくはこちらをご覧ください。

養老保険の保険金はどのような種類がありますか?

満期保険金としてまとめて受け取る「一時金」タイプと、毎月あるいは隔月などのように、何度かに分けて受け取る「年金」タイプがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

養老保険金に贈与税がかかるのはどのような場合ですか?

契約者と受取人が異なるときは、贈与税として受取人が確定申告することになります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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