• 更新日 : 2022年11月21日

すまい給付金は確定申告が必要?書き方や証明書についても解説!

すまい給付金は確定申告が必要?書き方や証明書についても解説!

住宅取得時に国からすまい給付金を受けられる場合があります。すまい給付金は原則として、一時所得として所得税の課税対象となり、場合によっては確定申告が必要です。

なお、すまい給付金制度は平成26年4月以降令和3年12月31日までに引渡されて入居が完了した住宅が対象でしたが、一定の期間内に契約した場合については令和4年12月31日までに引渡され入居した住宅が対象となりました。

したがって、令和4年に住宅取得契約をしたものについてはすまい給付金の対象とはなりませんのでご注意下さい。

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すまい給付金を受け取ったら確定申告が必要?

すまい給付金は、新規住宅の建築や中古住宅の購入時に一定の要件を満たすと国から支給されるもので、消費税引き上げに伴う住宅取得者の負担緩和を目的に創設された制度です。収入の条件はありますが、住宅を購入したのが消費税率8%のときなら最大30万円、消費税10%のときでは最大50万円が支給されます。

すまい給付金制度は令和3年12月末で終了予定の制度でしたが、住宅ローン減税等の延長措置に合わせて一定の契約期間のものについては、適用期間が延長されました。

次の期間に契約した人については、令和4年12月末まで引き渡し期限が延長されました。

  • 注文住宅の新築:令和2年10月から令和3年9月末まで
  • 分譲住宅・既存住宅の取得:令和2年12月から令和3年11月末まで

さらに、上記期間内に契約した人は、給付対象である住宅の床面積要件が50㎡以上から40㎡以上に緩和されます。

住宅購入費用に関わる国の支援としては住宅ローン控除を想像される方もいるでしょう。住宅ローン控除は所得が比較的多い方に有利な制度であるのに対し、すまい給付金は低収入層でも恩恵を受けられることが違いです。

すまい給付金は一時所得として所得税や住民税の課税対象ですが、確定申告が必要なケースと不要なケースがあるので、それぞれについて紹介します。

すまい給付金は一時所得として課税対象

すまい給付金は収入の一種であり、所得税および住民税の課税対象となる一時所得に分類されます。

一時所得は次の計算式で算出します。

一時所得 = 総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)

参考:No.1490 一時所得|国税庁

課税対象となるのは一時所得の特別控除額50万円を差し引いた後の金額であり、その所得金額の1/2を給与所得など他の所得と合算し、総所得金額を求めます。

すまい給付金は50万円が支給上限であるため、一時所得がすまい給付金だけなら給与所得に合算される金額はゼロとなり課税されません。

すまい給付金の確定申告が必要なケース

すまい給付金の交付年度に一時所得の合計が50万円を超えた場合は、課税所得があるため確定申告が必要です。

ただし、給与所得者の場合、その給与以外の所得が20万円を超えないときは確定申告の必要はありません。一時所得の場合、50万円を控除した残額に1/2を乗じた金額で所得税額を計算することになっているため、他の一時所得とされる所得との合計額が90万円を超えない限りは、所得税の確定申告の必要はありません。

しかしながら、住民税については一時所得があれば、20万円以下の場合でも住民税の確定申告は必要となります。すまい給付金以外の一時所得として考えられるのは、次のようなものです。

  • 生命保険金の満期金・解約返戻金
  • 競馬や競輪などの払戻金
  • 懸賞の賞金等

先述のとおり、すまい給付金の最大支給額は50万円なので、一時所得がすまい給付金だけなら一時所得の特別控除額で差し引かれ課税されません。すまい給付金の交付を受けた年は、それ以外に一時所得に該当するものがないかをよく確認しましょう。

すまい給付金の確定申告が不要なケース

すまい給付金を含めた一時所得の額が50万円以内ならば、一時所得の特別控除額(最高50万円)を差し引くことにより課税所得が発生しないため、確定申告も不要です。

また、すまい給付金を一時所得の総収入金額から除外することが可能です。ただしこの場合には確定申告をしなくてはいけません。すまい給付金は国が支出する補助金等に該当するため、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付すれば、給付金を一時所得に含めなくても差し支えありません。

なぜこの明細書を提出すれば一時所得に含めなくてもよいかというのは、「圧縮記帳」という考え方に基づいています。住宅の減価償却費の計算は、住宅の取得費からのすまい給付金の額を差し引いた額を基礎として行うこととなります。結局は、すまい給付金について受け取った時に課税として考えるか、その住宅を売却等の時に課税として考えるかの違いになります。

すまい給付金の確定申告の方法は?

すまい給付金の確定申告では通常の確定申告書以外に添付すべき書類があります。

収入の証明として「振り込みのお知らせ」が必要になるほか、住宅ローン控除と併用する場合は「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に給付額を反映させます。

住まい給付金を受給時の一時所得としない場合には、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」も必要です。ここでは、すまい給付金に係る確定申告の書類や書き方について解説します。

確定申告の必要書類および証明書

一般的に、確定申告では確定申告書、収入証明、所得控除税額控除の適用を証明できるもの、本人確認書類が必要な場合があります。

すまい給付金に限定すると、給付金の事務局から送付される「振り込みのお知らせ」という圧着はがきが必要な場合があるため、捨てずに保管しておきましょう。

すまい給付金を国からの補助金等として一時所得の総収入金額に含めないときには「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」も確定申告の際に添付します。下記リンクから入手できるので、必要な方は適宜印刷してご使用ください。

出典:国税庁国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書|国税庁

確定申告書類の書き方・記載例

すまい給付金の確定申告では一時所得を申告します。

確定申告書「収入金額等」の一時所得の項目に、すまい給付金を含めた一時所得の金額を記入してください。「所得金額」の一時所得の項目には、収入金額等に記入した一時所得の金額に1/2を乗じた額を記入します。

続いて、住宅ローン控除とすまい給付金を併用する場合、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」にすまい給付金の内容を反映させて記入しましょう。

下の画像は住宅借入金等特別控除額の計算明細書の「2.新築又は購入した家屋等に係る事項」の欄を拡大したものです。

新築又は購入した家屋に係る事項

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書【令和3年分】を加工して作成

「(エ)交付を受ける補助金等の額」にすまい給付金の額を記載して、家屋の取得対価から控除します。上の記載例では(ウ)家屋1,200万円に対して、(エ)すまい給付金50万円をマイナスして(オ)取得対価の額を1,150万円と算出しています。

すまい給付金の確定申告をしないとどうなる?

すまい給付金を一時所得で申告する必要があるにも関わらず期限までに申告を行わなかった場合、無申告に対するペナルティを受けます。具体的には本来の税額に無申告加算税や延滞税が加算され、本来の税金以上の金額を納めることになってしまうのです。

無申告加算税は、原則、本来の税額に50万円までなら15%、50万円超の部分は20%を乗じた金額となります。さらに本来の申告期限から納付までの日数に応じた延滞税も納付します。延滞税の割合は、「年7.3%」「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合となっています。年ごとに基準割合が変わりますが、直近では以下のとおりとなっています。

  • 令和3年度:年2.5%(年8.8%)
  • 令和4年度:年2.4%(年8.7%)

※()内は納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後の場合です。

気付かれないだろうと思い、無申告や所得隠しを企てる人がいますが、このような行為は発見される可能性が高いです。すまい給付金も例外ではないため、確定申告の義務は確実に果たしましょう。

初年度は住宅ローン控除の確定申告も必要!

すまい給付金と住宅ローン控除を併用し、住宅ローン控除を受けたい場合には確定申告が必要です。

住宅ローンを組んだ初年度は確定申告が必須ですが、サラリーマンの方は2年目以降、年末調整による申告が可能になります。したがって、会社に勤務しているなら、2年目以降は住宅ローンについては年末調整で済ませ、確定申告を行う必要はありません。

初年度の住宅ローン控除の確定申告で必要な書類は次の通りです。

  • 確定申告書
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 登記事項証明書
  • 不動産売買契約書や工事請負契約書の写し
  • 源泉徴収票
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • 本人確認書類 など

自分で取り寄せる書類もあるため、余裕をもって準備しましょう。

さらに耐震改修、バリアフリー改修などの特例を受けるためにはそれぞれの証明が必要です。

住宅ローン控除の条件や確定申告で必要な書類の書き方などを知りたければ、次の記事をご覧ください。

すまい給付金の確定申告を忘れないようにしましょう

すまい給付金はその他の一時所得と合わせて、一時所得の特別控除額50万円を超えると確定申告の対象となります。

申告義務があるにも関わらず、確定申告を怠った場合、ペナルティを受けます。本来の納付額に加えて、無申告加算税や延滞税を支払わなくてはいけないため、申告を忘れないようにしましょう。

申告の際は、書類の書き方に注意が必要です。住宅ローンとすまい給付金を併用しているなら「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の「交付を受ける補助金等の額」にすまい給付金の額を記載しましょう。

よくある質問

すまい給付金は課税対象?

一時所得に含まれるため、所得税・住民税の課税対象です。詳しくはこちらをご覧ください。

すまい給付金を受け取ったときは確定申告が必要?

すまい給付金を含む一時所得の合計が特別控除額の50万円以内であれば、課税所得金額がゼロとなるため確定申告の必要はありません。詳しくはこちらをご覧ください。

すまい給付金の確定申告の方法は?

証明書としてすまい給付金の通知はがきが必要な場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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