- 更新日 : 2024年11月14日
マイナンバーカードがないと青色申告できない?e-Taxなら特別控除も受けられる!
政府の施策もあり、マイナンバーを所持する方は、徐々に増えております。
この記事では、電子証明書としての機能を持つマイナンバーカードについて、「e-Taxを利用して青色申告をする際にマイナンバーカードがないと控除額はどうなるのか?」「マイナンバーの通知カードとの違いは何か?」などについて解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
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目次
青色申告にマイナンバーカードは必要?
確定申告書の提出方法としては大きく分けて3つの方法があります。
- e-Taxを利用した電子申告
- e-Taxソフト等で作成した書面を郵送により提出
- e-Taxソフト等で作成した書面を税務署に持参
1.~3.のうち、マイナンバーカードが必要になるのは1.電子申告をする場合です。
現在、青色申告の特典の1つである「青色申告特別控除額」は、電子申告により提出する場合に限り通常の55万円に10万円上乗せされた「65万円」を控除できます。
青色申告をする方にとって、電子申告により提出した方が引き算が多くなりますので有利ですが、電子申告をするためにはまず「電子証明書」を取得しなければなりません。
認証局が発行する「電子証明書」にはいくつかありますが、そのうちの1つがマイナンバーカードです。
そもそもマイナンバーカードとは?
マイナンバー制度は「国民全員の背番号制度」と比喩されるように、国民1人に1つずつ個人番号を付与し、社会保障や納税などの分野で個人情報を一元管理するために導入されたものです。
先に導入された「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」の後継として平成27年からスタートしましたが、住基カードと同様に個人情報やマイナンバーが記載されたカードを発行することができます。これがマイナンバーカードです。
マイナンバーカードには住所や氏名といった個人情報が記載されていますので、身分証明書として利用できます。国や地方公共団体の手続きもマイナンバーカードを提示すれば従来よりも簡単に手続きを済ませられる等のメリットがあります。
そしてマイナンバーカードの特徴にはもう1つ「電子証明書」としての機能があげられます。
カードにはICチップが埋め込まれており、チップの中には本人であることを確認する「公的個人認証サービス」の電子証明情報が記録されています。
e-Taxで電子証明書を添付する際には、この電子証明書としての機能を利用するわけです。
マイナンバーカードと通知カードの違いは?
マイナンバー制度が開始された直後、各家庭にマイナンバーが記載された「マイナンバー通知カード」が郵送されています。自分自身のマイナンバーを確認するために見たことがある方が多いのではないでしょうか。
通知カードには、住所や氏名、生年月日やマイナンバー等が記載されています。
通知カードとマイナンバーカードの大きな違いは、通知カード自体には本人確認用の証明書としての機能がないという点です。通知カードでもマイナンバー等を確認することはできますが、証明書ではありませんので、例えば役場等の公共機関で身分証明をする際には運転免許証等の身分証明を別途提示する必要がありました。
現在は通知カードの発行は廃止されており、順次マイナンバーカードに移行しています。
通知カードについて詳しく知りたい方は以下のサイトを参照してください。
マイナンバーカードを取得していないとどうなる?
制度開始から相当期間が経過したこともあり、取得済みの方が増えているなかで「申請手続きが面倒だから」「発行までに時間がかかるから(発行まで概ね1ヶ月程度)」などの理由によりマイナンバーカードをいまだ取得していない方もいるでしょう。
マイナンバーカードの取得は今のところ義務化されておらず、2021年3月から健康保険証として利用できるようになったこと以外、特に大きな進展はみられません。
しかし「電子政府化」を目指している国の方針から、いずれは国民全員が取得を義務付けられる可能性は充分考えられます。
e-Taxで青色申告する場合もマイナンバーカードが必要?
マイナンバーカードは「電子証明書」としての機能を持つことは前章で触れました。では、e-Taxを利用した電子申告でマイナンバーカードが必要になるかについて解説します。
e-Taxを利用すると65万円の青色申告特別控除を受けられる
青色申告者が受けられる「青色申告特別控除」について、「青色申告特別控除額」は、要件に応じて「65万円」「55万円」「10万円」の3つです。
このうち「65万円控除」を受けられるのは、複式簿記により作成した青色申告決算書を添付し、e-Tax等を利用して電子申告を行った青色申告者です。
パソコンを利用して電子申告をする場合には別途、ICカードのリーダライターを購入する必要がありますが、スマホ等を利用して申告すればリーダライターは不要です。マイナンバーカードの交付も当分の間は無料ですので、元手をかけることなく税額を安くできます。
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マイナンバーカードを取得する方法は?
導入当初に比べて、マイナンバーカード交付の申請方法が追加されており、取得しやすくなっています。
「個人番号カード交付申請書」の入手
交付申請を受けるにあたって、最初に用意するのが「個人番号カード交付申請書」です。
交付申請の方法は現在、4通りあります。
- パソコンによる申請
- スマホやタブレットによる申請
- 証明写真機からの申請
- 郵送による申請
マイナンバーの通知カードが郵送されてきた際に同封されていた交付申請書にはQRコードが付されています。このQRコード付きの交付申請書を利用すれば1.~4.のどの方法でも申請が可能です。
QRコード付きの交付申請書を紛失した場合や、移転等により交付内容に変更があった場合には役場の窓口、あるいはインターネットからダウンロードして申請書を入手できます。
ただし、この場合QRコードは付されていませんので、3.証明写真機からの申請はできませんので注意してください。
マイナンバーカードには顔写真が必要
マイナンバーカードは運転免許証のように、本人確認ができるように顔写真が入ります。したがって、申請する際にはいずれかの方法で顔写真のデータを提出しなければなりません。
前章の1.~3.についてはデジタルデータとして撮影した顔写真を申請時に送信します。
4.については証明写真を撮影し、交付申請書に添付して郵送します。
なお、マイナンバーカードが手元に届くまでには約1ヶ月の時間を要しますので、急いで入手する必要がある場合には早めに申請手続きをする必要があります。
マイナンバーカードを取得して、e-Taxで青色申告しましょう
一時期盛んに報道されていた、マイナンバーカードの銀行口座との紐づけは一旦先送りとなりました。しかし今後、公的な手続きにとどまらず民間業務においてもマイナンバーが浸透していくことが予想されます。青色申告者にとって控除額が増える電子申告でも電子証明書は必須になっていますので、これを機にマイナンバーを取得し、電子申告による青色申告をしてみてはいかかでしょうか。
なお、青色申告については以下の記事でくわしく解説しています。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
マイナンバーカードとは何ですか?
マイナンバーの他に住所や氏名、生年月日が記載された身分証明書です。詳しくはこちらをご覧ください。
マイナンバーカードを利用して青色申告をするメリットは?
e-Taxによる電子申告をすることで青色申告特別控除額が65万円になります。詳しくはこちらをご覧ください。
マイナンバーカードの交付申請の方法は?
- スマホからの申請
- パソコンからの申請
- 証明写真機からの申請
- 郵送による申請
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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