- 更新日 : 2025年2月6日
個人事業主に役立つ検索!屋号、インボイス登録番号、法人番号を解説
個人事業を始める際には、屋号を検索する必要があります。自身が希望する屋号やそれに近いものがすでに商標登録されている場合、重複するとトラブルに発展するケースもあるためです。
本記事では、屋号をはじめインボイス登録番号、法人番号の検索方法や注意点などについて詳しく解説します。
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目次
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個人事業主は登録前に屋号を検索しよう
屋号とは、個人事業主が事業活動を行う際に使用する名称で、法人の「会社名」に相当します。
設定にあたり、すでに他人が同じ屋号を使用しているかどうかを前もって調べておくと、余計なトラブルを避けられます。ここでは、屋号を検索する意義や検索に関連する法律上の注意点を取り上げながら、順を追って見ていきましょう。
屋号を持つメリット
個人事業を本名だけで行うことは可能であり、屋号を持たなければ事業ができない、というわけではありません。しかし、屋号を持つことにより事業としての信用を高める効果が期待できます。
銀行口座の開設や名刺の作成時に屋号を使うことで、「事業者」としての印象を与えられます。対外的なイメージが向上し、取引先や顧客の安心感につながるため、事業を始めるにあたって屋号を持つメリットは大きいといえるでしょう。
また、サービス名や商品名とリンクさせやすい屋号を設定することで、広告・宣伝の際にも活用しやすくなります。
屋号の検索はなぜ重要か
屋号が他社と重複すると、思わぬクレームが発生するリスクがあります。特に同業種で似た名称がすでに使われていれば、顧客や取引先に誤解を与える可能性が否定できません。
特に商標登録されている名称を不用意に使うと、商標権侵害を指摘され法的問題に発展するリスクもあります。屋号は商標権や商号権のように法律で絶対に保護されるわけではありませんが、競合との不要なトラブルを回避するためにも、事前に希望する屋号に類似する商標や商号がないかを検索しておくことは重要です。
商号の検索方法
個人事業主の屋号と、法人が登記した商号とは性質が異なるため、法務局の商業登記簿で屋号そのものを直接検索できるわけではありません。ただし、事前に同一の名称を使った法人が存在していないか確認することは重要です。
商号を調べる場合は、まずインターネットでの一般的な検索を行い、該当の名称を用いた法人やサービスがすでにないか探してみましょう。また、法務局のウェブサイトや国税庁法人番号公表サイトで既存の称号や法人名を検索する方法もあります。
屋号に使用できる文字
屋号に使用する文字に、法的な制限はありません。ひらがなや漢字、カタカナといった日本語のほか、アルファベットや数字の使用も可能です。文字数の制限もありません。
法人の名称である商号では使用が制限される記号についても、屋号では特に制限なく使用できます。
屋号の具体例
屋号に使用する文字に制限はないとはいえ、読みにくいものは避け、事業内容をイメージしやすいものを使用するのが一般的です。業種別に、いくつか具体例を挙げてみましょう。
- 美容院の場合:カットハウス〇〇、〇〇美容室、ヘアサロン〇〇など
- 配達業の場合:〇〇運送、〇〇配送など
- 執筆業の場合:ライティングオフィス〇〇など
- Webデザイナーの場合:デザインスタジオ〇〇、クリエイティブ企画〇〇など
事業内容を連想させるもののほか、地域名とあわせて「東京〇〇堂」などとする方法も見受けられます。
屋号をつける際の注意点
屋号は原則として自由に設定できるものの、いくつかの注意点もあります。
屋号には「株式会社」や「合同会社」「法人」など、法人格を想起させる用語を含めることはできません。会社でないのに「会社である」と誤認されかねない名称の使用は、会社法第7条によって禁止されています。
「銀行」「保険」なども同様で、その事業を行っていない事業者が使用することは認められません。
屋号を登録するには
個人事業主として屋号を用いたいときは、開業届に記載して税務署へ提出するだけで基本的には足ります。それ以外に特別な手続きはありません。
開業時点で屋号が決まっていない場合は、毎年の確定申告時に変更や追加登録が可能です。ただし、一度決めた屋号は変更すると顧客への周知などで手間が増えるため、事前に検索して重複がないか確認したうえで慎重に検討し、登録しましょう。
個人事業主のインボイス登録番号を検索する方法
2023年10月から本格運用が始まったインボイス制度は、個人事業主にも大きな影響を与えました。ここでは、インボイス登録番号の概要や検索手順を紹介します。
インボイスの登録番号とは
インボイス制度とは2023年10月から日本で導入された新しい消費税制度であり、その中で適格請求書発行事業者として認められた事業者には「T+13桁」の番号が付与されます。この番号がインボイスの登録番号です。
インボイス登録番号は、事業者が適格請求書を発行し、取引先が仕入税額控除を受けるために必須の項目です。この番号が記載されていない請求書は適格請求書として認められず、原則として受領者は消費税の仕入税額控除を適用できません。
インボイス登録番号を検索することにより何がわかるか
インボイス登録番号を検索すると、適格請求書発行事業者として登録された事業者の以下の基本情報を確認できます。
- 登録番号に対応する事業者名(法人名または個人名)
- 所在地(基本的には法人のみ)
- 登録年月日
- 最終更新年月日
- 過去の登録情報の変更履歴(必要に応じて)
インボイス登録番号の検索の仕方
インボイス登録番号は、国税庁が運営する「適格請求書発行事業者公表サイト」を利用して簡単に検索できます。検索の手順は、以下のとおりです。
- サイトへのアクセス
- 登録番号の入力
- 検索結果の確認
- 詳細情報の閲覧
検索画面では、インボイス登録番号(T+13桁の数字)の「T」を除いた13桁の半角数字を入力します。複数の登録番号をまとめて検索したい場合は、最大10件まで同時に入力可能です。
入力後に「検索」ボタンを押すと、該当する登録番号に対応する事業者情報が一覧表示されます。検索結果一覧から「詳細等」のリンクをクリックすると、さらに詳しい公表情報(過去の変更履歴など)が確認可能です。
受け取ったインボイスの登録番号が誤っていたら?
登録番号が間違っていたり虚偽の番号であったりした場合、検索結果がエラーになり、「検索対象の登録番号は存在しません。内容をお確かめのうえ、入力してください。」と表示されます。
この場合、そのままでは仕入税額控除を受けられません。発行元にインボイス登録番号が誤っている旨を連絡し、修正インボイスの発行を依頼しましょう。
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個人事業主の法人番号を検索する方法
法人には、法人番号が付与されます。ここでは、法人番号とは何か、個人事業主と法人番号との関係や法人番号の検索方法などを見ていきましょう。
法人番号とは
法人番号は、日本国内で法人格を持つ団体や一部の非営利団体に対して国税庁が指定する13桁の識別番号です。この番号は、商業登記簿に記載される12桁の「会社法人等番号」に1桁のチェックデジット(検査用数字)を加えたもので構成されています。
法人番号は、法人税や消費税などの税務手続き、社会保険関連手続き、さらには取引先情報の確認など幅広い用途で使用されます。
法人番号がない法人とは
すべての法人が、必ずしも法人番号を付与されるわけではありません。法人番号は原則として以下の団体に付与され、それ以外の法人には法人番号がありません。
- 商業登記を行った設立登記法人(株式会社、合同会社など)
- 国の機関および地方公共団体
- 法人格を持たない社団等であっても、税務署への申告義務がある場合
また、町内会や同窓会などの「人格なき社団」や任意団体には法人番号が付与されない場合があります。ただし、これらの団体でも特定条件(税務署への届出など)が満たされれば、例外的に法人番号が指定されることがあるほか、要件を満たしていれば団体側から申請を行うことで法人番号を取得することも可能です。
法人番号は個人事業主には付与されない
個人事業主には、原則として法人番号は付与されません。これは個人事業主が法人格を持たないためです。ただし、インボイス制度に基づく適格請求書発行事業者として登録した場合、先述した「T+13桁」のインボイス登録番号が付与されます。
インボイス登録番号は法人番号とは異なるものですが、一部類似した役割を有するといえます。個人事業主には独自の識別手段として屋号やインボイス登録番号が利用されるため、多くの場合で法人番号そのものを必要とする場面は少ないでしょう。
個人事業主が法人番号を必要とするシーン
個人事業主が取引先の法人番号を必要とする場面として、弁護士法人や税理士法人などの専門職法人と取引する際が挙げられます。
たとえば、弁護士法人の弁護士と顧問契約を締結し、年間報酬が5万円を超える場合、税務署に提出する「支払調書」に相手方の法人番号を記載する必要があります。支払調書は税務署が取引内容を把握し、受け取った側の適切な申告を確認するための書類です。
大規模な取引先との契約や公的機関への申請書類で取引先情報を記載する場合にも、相手方の法人番号が必要になることがあります。このように、個人事業主自身には法人番号は付与されませんが、取引先の法人番号が必要になるシーンもあることを覚えておきましょう。
法人番号の検索の仕方、検索条件
国税庁法人番号公表サイトで、法人番号、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地から検索が可能である。
法人番号は「国税庁法人番号公表サイト」で検索できます。誰でも無料で利用でき、公表された基本情報(商号または名称、本店所在地など)を確認可能です。
引用:国税庁法人番号公表サイト
商号や名称・所在地から、または法人番号から検索します。称号や名称から検索する場合は部分一致検索、前方一致検索も可能です。
屋号、インボイス登録番号、法人番号の違いを正しく理解しよう
屋号、インボイス登録番号、法人番号はそれぞれ役割が異なります。個人事業主に関連が深いのは屋号やインボイス登録番号ですが、取引によっては相手方の法人番号が必要になるケースもあります。これらの違いを正しく理解し、必要があれば検索して自身の事業形態や目的に応じて適切に活用するようにしましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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