• 更新日 : 2023年1月26日

無職・無収入でも確定申告が必要な場合

無収入の場合は原則として確定申告は必要ありません。しかし一般的な「無収入」の定義と、所得税法上の「無収入」の定義が一致していないために、実際には無収入とはならず確定申告が必要な場合があります。

今回は所得税法上の「無収入」の定義を正しく理解していなかったために起こってしまう、確定申告が必要なパターン3種類をご紹介します。

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退職日の勘違いで無収入でも確定申告が必要な場合

3月31日を退職日とすれば、確定申告は必要ないと思ってしまうかもしれません。

しかし確定申告の課税対象期間は1月1日から12月31日までの1年間となるため、4月1日から無収入でも1月1日から3月31日までの3か月間に給与をもらっていた場合は、確定申告が必要となります。

会社の事業年度は4月1日から3月31日までの企業が多いため、4月1日から3月31日まで無収入であれば確定申告は必要ないと誤解してしまうことがあるのです。

しかしこの場合は年の途中で退職し就職しなかった場合に当てはまるため、確定申告を必ずしなければならないわけではありません。確定申告をすれば納め過ぎた税金を取り戻すことができるという還付申告に該当します。

確定申告対象期間

確定申告の対象期間に合わせて12月31日に退職し、その後ずっと無収入であれば確定申告は原則として必要ありませんが、12月分の給与が翌年1月に振り込まれるような場合は、確定申告をすることによって納め過ぎた税金が還付されます。

給与は翌月20日払いというように、1か月ずれて支給されることがあります。そのためいくら給与の内容は12月に働いた分だとしても、受け取った年月日で判断されるため、翌年に振り込まれた給与分は確定申告をすることによって納め過ぎた税金を取り戻すことができるのです。

確定申告対象期間_12月分の給与が1月に振り込まれた場合

過納となっている税金を還付するための確定申告は、過去5年間に遡って行なうことができます。もし、まだ還付申告していない源泉徴収票があれば、確定申告の期間を待たずにいつでも税務署に申告することができます。

給与収入以外の収入がある場合

会社を辞めて給与をもらっていなければ確定申告は必要ないというわけではありません。給与以外に受け取った金銭がある場合は、確定申告が必要となります。収入を得る方法は給与だけではないため、注意が必要となります。

給与以外に受け取った金銭所得の種類
家賃収入不動産所得
競馬の払戻金一時所得
マンションの売却利益譲渡所得
生命保険の満期保険金一時所得

また相続による遺産分割で土地や建物を所有することになったり、金銭を受け取ったりした場合は、収入ではないため確定申告は必要ありませんが、相続税の申告対象となります。

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そもそも収入があると自覚していない場合

個人的にお金を貸して返金利息を受け取っている場合であったとしても事業所得雑所得となるため、確定申告が必要となります。

その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人は、原則として確定申告をしなければなりません。

まとめ

本当に収入がない場合は、確定申告は必要ありません。

しかし雇用されていなくても、不動産を売却することがあります。土地を貸しているだけで不動産収入が入ることもあります。

会社に勤務していなくても、収入として入ってきたものは確定申告をしなければならない可能性があります。ただし相続によって手に入った資産に対しては、確定申告ではなく相続税による申告対象となる点で注意が必要です。

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