• 更新日 : 2023年12月8日

任意団体も確定申告が必要?やり方や助成金にかかる税金も解説!

身近な任意団体といえば、町内会・自治会をはじめPTA、同窓会、イベントなどいろいろな形態のものがありますが、これらは確定申告が必要なのでしょうか?また、確定申告にあたっても、個人として申告するのか、それとも法人として申告するのでしょうか?

ここでは、主に法人とされる任意団体についての確定申告のやり方や、助成金について解説します。

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任意団体も確定申告が必要?

結論から言いますと、任意団体において収益事業を行っている場合には、法人税を納める義務があります。

法人税法第4条①に次のように記されています。

内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を行う場合、法人課税信託の引受けを行う場合…(中略)…に限る。」

引用:法人税法 第四条|e-Gov法令検索

つまり、法人税法では任意団体を「人格のない社団等」とし、収益事業を行っていれば任意団体においても法人税の確定申告が必要となるのです。

確定申告は、法人税だけではなく消費税についても必要となります。ここでいう収益事業とは、「販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるもの」とされます。

引用:法人税法 第二条十三(収益事業)|e-Gov法令検索

政令で定める事業とは、法人税法施行令第5条(収益事業の範囲)に示される34業種であり、概要は次のとおりです。

  • 物品販売業
  • 通信業
  • 写真業
  • 仲立業
  • 美容業
  • 駐車場業
  • 不動産販売業
  • 運送業
  • 席貸業
  • 問屋業
  • 興行業
  • 信用保証業
  • 金銭貸付業
  • 倉庫業
  • 旅館業
  • 鉱業
  • 遊技所業
  • 無体財産権の提供等を行う事業
  • 物品貸付業
  • 請負業
  • 料理店業その他の飲食店業
  • 土石採取業
  • 遊覧所業
  • 労働者派遣業
  • 不動産貸付業
  • 印刷業
  • 周旋業
  • 浴場業
  • 医療保健業
  • 製造業
  • 出版業
  • 代理業
  • 理容業
  • 技芸教授業

参考:法人税法施行令 第五条| e-Gov法令検索

そもそも任意団体の定義とは?

任意団体には確たる定義はありませんが、業界の団体、学会・研究会、マンションの管理組合、子ども会など、同じ目的を持つ人たちが集まって形成された組織です。

任意団体は法律で定められた組織ではないため、設立にあたって法務局へ登記することや税務署に設立届を提出することはありません。
よって、任意団体には「法人格」がなく、契約の当事者となることはできません。

具体的には、賃貸契約、土地の登記などの行為能力がないため、任意団体は「権利能力なき社団」と呼ばれます。そのため、任意団体は種々の助成金の対象外となる場合もあります。

法人格を持たない任意団体は「人格のない社団等」とされています。

法人税法第2条⑧には「人格のない社団」とは、「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの」と定義されています。

そして、法人税法第3条には「人格のない社団等は、法人とみなして、この法律の規定を適用する。」と記され、法人税を適用することが明言されています。

参考:法人税法 第二条八(人格のない社団等)|e-Gov法令検索
法人税法 第三条(人格のない社団当に対するこの法律の適用)|e-Gov法令検索

任意団体の収益事業に課税する理由は、収益事業を行う一般の法人と同等に扱わないと課税の不公平が生じるからです。

したがって、「法人」とみなされた任意団体が収益事業を行っていれば、法人税の対象となるわけです。

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任意団体とNPO法人の違いは?

任意団体とNPO法人(特定非営利活動法人)の大きな違いは、その名に示されるとおりです。

 

  • 任意団体:法人格を持たない
  • NPO法人:法人格を持つ

 

任意団体が契約の当事者となって契約を締結したり、不動産登記をしたりすることはできません。任意団体が事務所を開設したい場合には、代表者の名義などにならざるを得ません。

一方、NPO法人は特定非営利活動促進法により法人格が与えられており、その法人名義において契約締結や不動産登記ができます。法人格を持ち、法的な権利や義務が明確になっているNPO法人は、社会的に認知されやすいといえます。

一般に法人格をもつものは、「営利法人」と「非営利法人」に分かれます。

 

  • 営利法人:構成員へ利益を分配する法人
  • 非営利法人:構成員へ利益を分配しない法人

 

NPO法人は非営利法人にあたりますので、「収益事業でなければ」課税されません。

任意団体も税金を納める必要がある!

任意団体が収益事業を行っていれば、法人税の対象となると述べてきましたが、収益事業に係るものは法人税だけではなく種々あります。

法人税

任意団体で収益事業を行っている場合には、その収益事業の所得に対して法人税が課税されます。

法人税だけでなく、次の税金についても課税や支払義務が発生します。

  • 法人住民税(都道府県民税や市町村民税)、法人事業税が発生します
  • 地域や団体の規模によって、事業所税が課税されます
  • 不動産や減価償却資産を所有している場合には、固定資産税が課税されます
  • 取引において一定の契約書には印紙税が課税されます
  • 従業員を雇用している場合には、源泉徴収義務者となるので源泉所得税が発生し、従業員の住民税の特別徴収なども発生します。(給与天引きによる税金の支払)

消費税

消費税は、商品の販売やサービスなどの取引を対象にして課税される税金です。
消費税は、国内で事業として、対価を得て行う以下の事業者の取引に課税されます。

  • 資産の譲渡
  • 資産の貸付け
  • 役務の提供

したがって、収益事業の多くが課税の対象となります。

消費税の実際の課税は、基準期間(法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超える場合に対象となります。

インボイス制度も開始となったことで、課税売上高の基準以外の判断軸で、課税事業者になる事業者も増えています。

任意団体に支給された助成金も課税対象となる?

任意団体に支給された助成金があった場合は、どのように考えればよいでしょうか?

収益事業を行う任意団体が国などからの助成金を受けた場合には、原則として課税対象となります。しかしながら、例外的に固定資産の取得や改良のための助成金などについて、収益事業のための固定資産であっても課税されない規定があります。

参考:第2節 収益事業に係る所得の計算等|国税庁

ただし、消費税においては、国などからの補助金などについては課税の対象とならない不課税取引とされています。

参考:No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例|国税庁

任意団体の確定申告のやり方は?

収益事業を行う任意団体の確定申告の事務手続きについては、原則として普通法人の行う法人税の確定申告手続きと同様で問題ありません。

法人税を計算するためには、勘定科目の明細を記録した会計帳簿や取引の根拠資料(請求書領収書など)が必要です。法人税の申告書は前回提出分とのつながりを求めますので、任意団体でも継続した帳簿作成が必要です。

法人税の確定申告書作成までに時間を要するため、税務署や税理士などの専門家に事前に相談するほうがよいでしょう。

なお、法人税の確定申告についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

任意団体を一般社団法人化すると取り扱いが変わる?

権利能力のない任意団体のままでは、その組織の運営上不便になることも出てくるかと思います。そこで、任意団体を一般社団法人として運営するという選択肢が出てきます。

任意団体を一般社団法人化する場合の設立の仕方によって、税務上の取扱いが異なります。

一般社団法人は、課税について次の2つに分けられます。

  • 非営利型の一般社団法人
    剰余金の分配をしない、残余財産を国などに贈与する、社員総会を開催する、親族など理事への制限など非営利型の要件にあてはまる場合には、非営利型の一般社団法人として「収益事業から生じた所得」についてのみ課税されます。
  • 普通型の一般社団法人
    非営利型以外の一般社団法人については、その社団法人が行う「すべての事業」の所得に対して課税されます。

法人税法施行令の第3条においては、非営利型法人の要件などが記載されています。
参考:法人税法施行令 第三条(非営利型法人の範囲) | e-Gov法令検索

任意団体の税金も必ず申告しましょう!

任意団体においては、収益事業がある場合には、法人税法上は申告義務が発生します。
それに伴い、法人が通常支払う地方税なども支払わなくてはなりません。

任意団体といっても組織である以上、どのように運営するのかを話し合って適切な管理を行い、必要な手続きが取れるように備えたいものです。

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よくある質問

任意団体とは?その定義は?

業界の団体、学会・研究会、マンションの管理組合から子ども会まで、同じ目的を持った人たちが集まって形成された組織のことをいいます。詳しくはこちらをご覧ください。

任意団体でも確定申告は必要ですか?

任意団体においても収益事業を行っていれば、法人税の確定申告が必要となります。 詳しくはこちらをご覧ください。

任意団体への助成金も課税対象ですか?

収益事業を行う任意団体が国などからの助成金を受けた場合には、原則として課税対象となります。しかし、固定資産の取得や改良のための助成金は、収益事業のための固定資産であっても課税されない取扱いもあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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