- 更新日 : 2026年10月7日
業務委託で得た所得の確定申告は必要?しなかった場合や源泉徴収について解説
個人事業主・フリーランスや副業といった働き方が広がるにつれて、業務委託で仕事を受注する人も増えてきました。業務委託による所得がある場合、一定の要件に該当すると確定申告が必要となるケースがあるため注意しなければなりません。
本記事では、業務委託契約の概要や(源泉徴収が行われている場合の)源泉徴収税額の確認方法、確定申告について解説します。青色申告との関係についても説明するので、これから個人事業主・フリーランスや副業に挑戦する予定の方の参考になるでしょう。
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業務委託契約とは
業務委託とは、企業が対応しきれない業務の一部もしくは全部を外部に任せることです。業務委託契約は、業務委託時に委託側と受託側で締結する契約を指します。
実は、業務委託は法律で明確に定義されているわけではありません。そこで、実務上の法的根拠とされているのが民法の「請負」と「委任(準委任を含む)」です。
「請負」は「相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」とされています(民法第632条)。一方、「委任」は「相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」(同643条)ものです。
つまり、請負契約では業務請負人が仕事の完成(成果)まで責任を負うのに対し、委任契約では業務を適切に遂行すること(善管注意義務)までしか責任を負いません。
業務委託契約では、「請負」と「委任」のいずれか一方に限定されるものではないため、個別の契約書によって責任の範囲を定めることになります。
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業務委託契約で確定申告は必要?
業務委託契約によって所得を得た場合、所得の区分や金額によって確定申告が必要かどうかが異なります。
個人事業主・フリーランスの場合
個人事業主・フリーランスとして継続的に業務委託の報酬を得ている場合、その実態に応じて「事業所得」として計上することが一般的です。この場合、納税者本人の合計所得金額が48万円を超えると、所得税について確定申告が必要です。
売上から必要経費を差し引いて事業所得を算出し、さらに控除を適用して税額を計算します。
給与所得者の副業の場合
給与所得者が副業で業務委託契約により報酬を得ている場合で、その業務が事業としての実態を備えていないと判断されるときは、「雑所得」として計上します。
この場合、給与所得及び退職所得以外の所得合計額が20万円を超える場合に確定申告が必要です。雑所得も事業所得同様、収入から経費を差し引いた所得金額をもとに税額を算出します。
参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
確定申告をしない場合でも、確定申告や年末調整の内容が市区町村に提出されないときは、住民登録をしている市区町村に対して住民税の申告が必要です。
また、源泉徴収税額が所得税額よりも多ければ、確定申告によって納め過ぎた所得税の還付が受けられます。
業務委託契約の源泉徴収税額を確認するには?
源泉徴収とは、特定の所得の支払者がその所得の支払をする際に、所定の方法により所得税額を計算し、支払金額からその所得税額を差し引いて国へ納付することです。会社員の場合、源泉徴収の仕組みにより給与から税金が天引きされています。
また、個人事業主の場合で源泉徴収される主なケースは以下の通りです。
- 原稿料や講演料など
- 弁護士、公認会計士等特定の資格を持つ人に支払う報酬・料金
- プロ野球選手、プロサッカーの選手などに支払う報酬・料金
- 役務の提供を約することにより一時に支払う契約金(例:プロ野球選手の契約金)
参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
例えば、原稿料や講演料の場合、税額の計算方法は「支払金額×10.21%」です。ただし、同一人に対して支払う金額が100万円を超える部分については20.42%を乗じます。
給与所得以外は源泉徴収票が発行されないため、個人事業主が源泉徴収税額を確認するためには、取引先から交付される支払調書や、請求書・入金明細等で確認することになります。
業務委託契約で青色申告すれば節税にもつながる
個人事業主が確定申告をする際には「青色申告」か「白色申告」のどちらかを選ぶ必要があります。青色申告の記帳は、青色申告特別控除(55万円・65万円)を受ける場合には、年末に貸借対照表と損益計算書を作成できるような正規の簿記によることが原則です。
青色申告は白色申告よりも手間がかかる分、「青色申告特別控除」や「純損失の繰越しと繰戻し」などの特典があります。青色申告特別控除は一定の要件を満たす場合、所得から最大65万円の控除が適用される制度です。特別控除を受けることで、税金が還付になるケースもあります。
純損失の繰越しとは、事業所得が赤字の場合に、損益通算しても控除しきれない純損失を翌年以降3年間に渡り繰り越すことができる制度です。また、損失が生じた年およびその前年のいずれも青色申告している場合には、損失を前年に繰戻し、所得税の還付を受けることもできます。
業務委託で確定申告をしないとどうなる?
本来、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。確定申告が必要な金額にもかかわらず、あえて確定申告をしなければ、無申告として税務上のペナルティの対象となります。
期限までに申告や納税をしないだけで、さまざまなペナルティが課されるので注意しましょう。
まず、期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると無申告加算税が課されます。無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分に20%の割合を乗じて計算した金額が原則です。
さらに、税金納付期限を過ぎた場合には、延滞税が課されます。延滞税は、法令で定められた割合(特例基準割合等)に基づき、期限の翌日から日数に応じて計算されます。
確定申告の手順やペナルティについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
業務委託でも確定申告が必要なことが多い
業務委託契約は、民法の「請負」や「委任(準委任を含む)」を根拠にした契約です。業務委託契約で請け負った仕事でも、一定の要件に該当する場合には確定申告をしなければなりません。
確定申告を怠ると、さまざまなペナルティが課されます。また、確定申告が不要な場合でも、申告することによって還付が受けられるケースがあるため、業務委託を受けたら確定申告を前提にしておくほうがよいでしょう。
確定申告について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
業務委託契約とは?
企業が業務の一部を外部に依頼することで、民法の「請負」や「委任」の規定を根拠にしています。詳しくはこちらをご覧ください。
業務委託契約で確定申告は必要?
業務委託契約により、合計所得金額が48万円を超える際や給与所得者が副業するケースで給与所得及び退職所得以外の所得合計額が20万円を超える際に確定申告が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
源泉徴収税額を確認するには?
取引先から支払調書を申し受けると、一目で源泉徴収税額を確認ができます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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