- 更新日 : 2023年1月12日
確定申告の必要書類/添付書類まとめ【2023年版】会社員と個人事業主向け

年間の所得と所得税を申告する確定申告においては、本人確認をはじめ、事実を証明するためのさまざまな書類を添付しなければなりません。一般的に、確定申告の際はどのような書類の準備が必要なのでしょうか。この記事では、共通して必要なもの、個人事業主の青色申告や白色申告に必要なもの、会社員が医療費控除や住宅ローン控除を受けたいときに必要なものに分けてそれぞれ解説していきます。
目次
確定申告に共通して必要なもの
個人事業主や会社員に関わらず、確定申告する場合に共通して必要な書類や、添付する書類について解説します。
確定申告書
令和4年分の確定申告より、確定申告書の書式が統一されました。従来は確定申告書Aと確定申告書Bがあり、それぞれ使い分けていましたが、「確定申告書」に一本化されました。したがって、1書式となり迷うことはなくなりました。
引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁、所得税及び復興特別所得税の確定申告書
本人確認書類
確定申告では、申告者本人であることを証明するための本人確認書類が必要です。マイナンバーカード(個人番号カード)がある場合は、マイナンバーカードの表面と裏面の写しを確定申告書に添付します(郵送の場合)。
マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類(通知カードや住民票などの写し)と身元確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなどの写し)の2種類の書類を、それぞれ1枚ずつ添付して提出します(郵送の場合)。
持参の場合には、これらの確認書類については提示すればよく、e-Taxで送信する場合には、電子的な本人確認(利用者識別番号や電子署名など)となります。
銀行口座の情報がわかるもの(還付がある場合)
実際に納付すべき所得税よりも源泉徴収額のほうが多い場合や、前年から売上が落ち込み確定所得税額が予定納税額よりも小さい場合は、所得税を多く払っていることになります。所得税を実際より多く負担している場合は、確定申告(還付申告)により所得税の還付を受けることが可能です。
還付申告をする場合は指定の預貯金口座に振り込んでもらう方法、最寄りの郵便局やゆうちょ銀行で受け取る方法のいずれかを選択できます。口座振込の場合は、銀行口座の情報を確定申告書に記載しなければなりません。通帳など銀行口座の情報がわかるものを準備しましょう(通帳のコピーなどを確定申告書に添付する必要はありません)。
所得を証明できるもの
確定申告で所得税を申告する際には、所得の根拠となる収入額などを記入する必要があります。記入にあたっては、所得を証明できる書類の準備が必要です。
個人事業主が事業所得を申告する場合は、後述する事業所得の内訳がわかる書類を作成し、添付します。会社員が確定申告をする際は、給与収入や給与所得の額がわかる所得税の源泉徴収票を用意しますが、添付は必要ありません。
所得控除や税額控除の適用を証明できるもの
確定申告にあたっては、納税者個人の状況を考慮し所得から差し引ける「所得控除」、所得税額から直接差し引ける「税額控除」が認められています。これらはいずれも、納税者の所得税の負担を調整するためのものです。
しかし、所得控除や税額控除が簡単に認められてしまうと、正しい申告と納税が妨げられる可能性があります。そのため、誰でも一律に控除される「基礎控除」(所得控除)を除き、確定申告の際は所得控除や税額控除の適用を証明できる書類が必要です(具体的な例は「会社員の確定申告に必要なもの」の部分でご説明します)。
印鑑
紙の確定申告書を提出する場合、印章の欄に印鑑を捺す必要がありました。しかし、令和3年4月1日以降は、確定申告書への押印が必要なくなりました。この税制改正により、実印の押印や印鑑証明書の添付が必要な書類、相続税や贈与税に関わる財産分割の協議に関する書類以外に、押印の必要はなくなりました。
電子申告の場合
電子申告で確定申告をする場合は、窓口提出や郵送の場合に必要な添付書類のほとんどについて、省略が認められています。電子申告の場合は、マイナンバーカードをカードリーダで読み込むか、事前に税務署で本人確認を行い取得したID・パスワード方式で申告するためです。
所得控除や税額控除の適用を証明する書類については確定申告書作成のために必要かもしれませんが、第三者作成書類の添付の省略が認められているため、大部分は添付が免除されます。
個人事業主の確定申告に必要なもの
確定申告で必要な書類のうち、事業所得のある個人事業主が添付する必要のある書類について、青色申告と白色申告に分けてご説明します。
青色申告に必要なもの
青色申告の承認申請を税務署に提出した事業者は、青色申告で確定申告をします。青色申告をする個人事業主は、以下のような「青色申告決算書」の作成と確定申告書への添付が必要です。青色申告決算書には、損益計算書や貸借対照表のほか、売上や仕入などの内訳や合計額を記載する項目があります。
引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁、令和 年分所得税青色申告決算書(一般用)
「青色申告」についての詳細は以下の記事で取り上げていますので、こちらもご参照ください。
白色申告に必要なもの
青色申告を税務署に届け出ていない事業者は、白色申告で確定申告をします。白色申告をする個人事業主は、以下のような「収支内訳書」の作成と添付が必要です。記載する項目は青色申告ほど多くありませんが、収入や経費の額、売上先や仕入先別の内訳、経費に関連する内訳を記載する項目があります。
引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁、令和年分収支内訳書(一般用)
「白色申告」についての詳細は以下の記事で取り上げていますので、こちらもご参照ください。
会社員の確定申告に必要なもの
会社員は勤務先で年末調整を受けるため、通常、確定申告の必要はありません。しかし、年末調整では受けられない所得控除や税額控除を受ける場合などは、会社員でも確定申告をします。ここでは、会社員が確定申告をする際に必要な書類についてケースごとに解説します。また、ここで取り上げるケースに該当する場合は、個人事業主でも同様の書類の準備が必要です。
医療費控除を受ける場合に必要なもの
医療費控除とは、実際に負担した年間の医療費から保険金などの補てん分を差し引いた額が一定の額を超えるときに受けられる所得控除です。この一定の額とは、「10万円」または総所得金額が200万円未満のときは「総所得金額の5%」のいずれか低い額です。
医療費控除を受けるために、以前は医療機関から発行される領収書を添付しなければなりませんでした。現在では領収書の代わりに「医療費控除の明細書」の作成と添付が求められます。この明細書を作成するためには、領収書に記載の金額などの情報が必要です。
なお、医療期間からの医療費通知(「医療費のお知らせ」など)がある場合は、その医療費通知を添付することで、「医療費控除の明細書」を省略できます。
住宅ローン控除を受ける場合に必要なもの
一般的にいう住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除」のことを指します。これは、住宅ローンを利用して自宅を購入したときなどに適用できる税額控除です。住宅ローン控除は、適用2年目以降であれば年末調整がなされますが、初めて受けたい場合は確定申告をしなければなりません。
種々の細かな制度がありますが共通して添付が必要なものとして、初回には「登記事項証明書」の原本、請負契約書の写しや売買契約書の写しなど、二回目以降は「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」(付表が必要な場合もあります)」と、住宅ローンに関わる借入金の年末残高等証明書が挙げられます。さらに中古物件の場合、認定住宅に該当する場合など、状況によって追加の書類が必要とされます。
自然災害や盗難被害に遭った場合に必要なもの
自然災害や盗難で被害を受けたときは、「雑損控除」の適用ができます。雑損控除は、損失の一部を所得控除として認めるものです。なお、災害により損害を受けたときは災害減免法との選択適用ができます。災害減免法は、所得額に応じて所得税額を軽減免除するものです。
この適用を受けるには、計算書のほか、災害に関連するやむを得ない支出を証明する領収書や、保険金の補填額がわかる書類の添付が必要です。また、「振り込め詐欺」などによる損失は雑損控除の対象となりません。
ふるさと納税をしている場合に必要なもの
ふるさと納税をしている場合で、ほかに確定申告をする必要がなく、寄附した自治体数が年間で5団体以内のときは、ワンストップ特例制度を適用できます。ワンストップ特例制度とは、寄附の度に自治体へ申請をすることで確定申告を行わずに済む制度です。
しかし、年間で5団体を超える自治体にふるさと納税をした場合などはワンストップ特例制度が適用されないため、確定申告が必要です。確定申告の際は、寄附金控除欄にふるさと納税の寄附額から2,000円を差し引いて記載し、自治体から送付される受領書などを添付します。
2か所以上から給与を受け取っている場合に必要なもの
ダブルワークなどで2か所以上から給与を受け取っている人のうち、年末調整をされない給与が20万円を超える場合は確定申告が必要です。この場合は給与所得を申告するために、年末調整を受けている・受けていないに関わらず、すべての勤務先の源泉徴収票を用意します。確定申告の際に添付は不要ですが、申告書作成時に源泉徴収票に記載されている額の転記が必要です。
確定申告は必要書類を早めに準備することが大切
確定申告の内容によって、必要書類や添付書類は変わってきます。申告内容によっては多くの書類が必要になることもありますので、早めに準備しておくことが大切です。
必要書類や添付書類は変更されることもあります。確定申告書に関する様式や必要書類などの最新の情報は、以下の国税庁のページをご参照ください。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得

銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案

自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能

白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
確定申告で必要になる書類は?
共通して必要なのは、確定申告書、本人確認書類、所得が証明できる書類、所得控除・税額控除の適用を証明できる書類です。詳しくはこちらをご覧ください。
電子申告だと書類を省略できる?
電子申告では本人確認書類のほか、所得控除などの際に必要な第三者作成の書類の添付を省略できます。詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主の確定申告で必要な添付書類は?
青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書の作成と添付が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。