• 更新日 : 2022年7月7日

ジュニアNISAと大人版の違いを徹底解説!80万円の非課税限度額を使いこなそう

ジュニアNISAと大人版の違いを徹底解説!80万円の非課税限度額を使いこなそう

ジュニアNISAとは、高齢者に偏在する資産を若者にシフトさせるという狙いの元で2016年1月に始まった制度です。もともとは20歳未満の未成年が対象でしたが、成人年齢の引き下げにより、2023年からジュニアNISAは0歳から17歳の未成年が対象となります。

2014年に日本でNISAが導入された結果、その利用状況は中高年者が大半を占めるという実情がありました。そのため、20代、30代の利用状況は10%程度という状況になっていました。この状況を改善するために設立されたのが、ジュニアNISAです。

では、大人版NISAとジュニアNISAはどう違うのでしょうか、今回は上限額などこの2つの違いを解説します。ジュニアNISAは2023年12月をもって終了することが決定していますが、廃止後どうなるのかなども解説します。

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ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)とは

2016年1月より開始されたジュニアNISAは、0歳から19歳の未成年を対象としていましたが、2023年1月1日からは17歳以下の未成年を対象とするようになりました。年間投資限度額は80万円です。

ジュニアNISAでは本来、税率約20%で課税される配当金や売却益が80万円以内の投資に対しては課税対象になりません。ジュニアNISAの投資可能期間は2023年で終了し、終了時点において18歳未満の人については、18歳になるまで非課税で金融商品を保有・運用することができます。

運用は親権者が代行することになります。ただし、運用によって得た金銭が対象の未成年者に対して利用されることを目的にしているため、18歳までは払い出しに制限があります。また、ジュニアNISAでの運用を18歳以降にNISAへ移行することも可能です。

日本に住む未成年者のみ利用できる

制度を利用するためには日本国内に住んでいなければなりません。米国在住や日本国民でない場合にはこの制度は適用できません。また、制度の開始時点で18歳未満でなければなりません。

上限額80万円の非課税枠が利用できる

非課税枠は80万円です。この金額を超えて投資して利益を得た場合には一律20%の課税がなされます。非課税枠が80万円とは年間の投資金額総計が80万円という意味です。

例えば、50万円を株に投資した後に全て売却したとしても、その年の残りの非課税枠は80-50=30万円になります。売却してジュニアNISA口座の投資金額が0円であったとしても、事前に投資していた金額が年間の上限金額から差し引かれるので注意しましょう。

18歳までは払い出しに制限がある

子どもが18歳になるまでは引き出しができません。その理由は、この制度が親や祖父母の資産形成ではなく、子どもの進学や就職等に係る資金を準備するために設立されたものであるためです。

ジュニアNISAとNISAの違いは?

NISAとは、イギリス発祥の「ISA (個人貯蓄口座)」の日本版で、「株や投資信託(投信)の運用益や配当金を一定金額非課税にする制度」のことを指します。

通常株式等で利益を得た場合には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を作ると「年間120万円まで」非課税投資枠が設定できます。つまり、100万円を投資して300万円になった場合にも1円の税金もかからなくなります。

※以下では、わかりやすいように一般NISAを「大人版NISA」と記載しています。

  • 年齢:2023年1月以降は、大人版NISAは18歳以上が対象
  • 年間の投資上限金額:大人版NISAは上限金額120万円
  • 投資期間:2023年(令和5年)まで
  • 非課税対象:運用される株式、投資信託での利益
  • 非課税期間:投資した年から最長5年間
  • 運用管理:大人版NISAは払い出しに制約なし
  • 投資総額:600万円

NISAとジュニアNISAの違いをまとめると、以下の通りです。

 
ジュニアNISA
NISA
年齢
0~19歳 ※1
20歳以上 ※2
年間の投資上限金額
80万円
120万円
投資期間
2023年(令和5年)まで
(大人版と同様)
2023年(令和5年)まで
非課税対象
運用される株式、
投資信託での利益
(大人版と同様)
運用される株式、
投資信託での利益
非課税期間
投資した年から最長5年間
(大人版と同様)
投資した年から最長5年間
運用管理
原則として親権者が代行運用し、
18歳 ※3 までの払い出しが制限

※1 2023年1月1日~2023年12月31日までの期間は口座開設可能年齢は0~17歳    となります。

※2 2023年1月1日以降における口座開設可能年齢は18歳以上となります。

※3 ジュニアNISAの制度が終了する2024年以降においては、ジュニアNISAの口座を廃止して全額払い出しする場合に限り、何歳であっても払い出しは可能となります。口座を廃止しない限りは、18歳になるまでは払い出し制限があります。

NISAについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

ジュニアNISAは2023年の廃止後どうなる?

ジュニアNISAは2023年いっぱいで廃止が決まっているため、今からジュニアNISAを新たに始めるのであれば、投資可能期間は2022年と2023年の足掛け2年となります。本来であれば運用期間は最大5年間ありますが、制度廃止なので仕方がありません。

そのため、年間一人につき80万円×2=160万円までの投資が可能となります。さて、この資産160万円はジュニアNISA制度が廃止されるとどうなるのでしょうか?

ここでは、2022年7月において10歳の子どもがジュニアNISA口座を新規開設したとしてシミュレーションしてみましょう。

【成年になる前にジュニアNISAが廃止となるケース】

成年になる前にジュニアNISAが廃止となるケース

2023年12月31日までに投資した資産については、ジュニアNISA制度廃止後においても、その子どもが18歳になるまでは「非課税」で運用することができます。非課税で運用するためには、2024年以降(ここでは5年後の2027年7月以降順次)に「ロールオーバー」という移管手続きが必要となります。

ロールオーバーによって、「継続管理勘定」に移行することになります。移管後は、18歳になるまで非課税での「運用」が続けられ、売却もできます。ただし、継続管理勘定では新たな投資はできません。

ただし、資産の引き出しについては、ジュニアNISA口座、継続管理勘定など全てから全額を引き出し、口座は廃止にすることになります。

廃止時の年齢を考慮した上でジュニアNISAを活用しよう

例えば大人2人と子ども2人の家族の場合、年間400万円の非課税枠を持つことができます。ジュニアNISAの制度廃止後の2024年以降は、全額払い出しの場合は何歳であっても払い出しは可能ということで、かえって注目を集める結果となったようです。ぜひ、最大限に資産を増やせるよう積極的に活用してみてください。

よくある質問

ジュニアNISAとは?

2016年に開始した子どもの将来に向けた資産形成をサポートする非課税制度ですが、2023年いっぱいで制度が廃止される予定です。詳しくはこちらをご覧ください。

ジュニアNISAの特徴は?

日本に在住の未成年者のみ利用できる投資税制であり、一人当たり年間80万円までの非課税枠が利用できますが、18歳までは払い出しに制限があるのが特徴です。詳しくはこちらをご覧ください。

ジュニアNISAは2023年の廃止後どうなる?

2023年12月31日までに投資した資産については、制度廃止後においても18歳になるまでは非課税で運用することができますが、そのためには移管処理(ロールオーバー)が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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