• 更新日 : 2022年5月17日

個人事業主の節税・税金対策とは?経費にできるものや裏ワザも紹介!

個人事業主の節税・税金対策とは?経費にできるものや裏ワザも紹介!

ここでは、個人事業主を始めとした事業を行っている人なら覚えておきたい税金対策や節税の裏ワザとして活用できる方法をご紹介します。合法かつ合理的な税金対策を実施しておけば、税務調査が来ても怖くありません。

また、青色申告についても解説します。青色申告をすることで控除額が増え、節税を実現することが可能です。その他にも、小規模企業共済制度や経営セーフティ共済制度、iDeCo、ふるさと納税の利用などの所得税・住民税の節税につながる方法、家賃や保険の支払い方についても解説します。

法人化するほうが良いのか迷ったときに検討したいことや、事業用クレジットカードを使った支払いのメリット、そもそも納税額はどのように計算するのかなどもご紹介します。正しい税金対策と、おすすめの節税方法に関する基礎知識をまとめていますので、ぜひご一読ください。

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個人事業主が納める税金とは?

個人事業主が納める税金としては、主に次の4つが挙げられます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

このうち、個人事業税と消費税は、すべての個人事業主に納税義務があるわけではありません。どのような条件を満たすと納税義務が生じるのか、また、それぞれの税金はどのように課税されるのかについて見ていきましょう。

所得税

所得税とは、毎年1月1日から12月31日までの間に得た収入から経費を引いた「所得」に対して課される国税です。経費とは収入を得るために必要な費用のことで、経費が多いと所得が減り、課税総所得が減ることで所得税も減ります。

2037年までの所得税に関しては、2.1%の割合で復興特別所得税も発生するので注意しましょう。例えば、所得税額が100万円であれば復興特別所得税は2万1,000円となり、合算して納税します。

所得税についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

住民税

住民税とは、毎年1月1日時点に住所や事業所を置いている都道府県と市区町村に納める税金です。例えば、5月1日にA県B市からC県D市に事務所を移転した場合は、その年の住民税はA県B市に納付します。

住民税については、毎年、確定申告後に市区町村から住民税課税決定通知書が送られてくるので、特に計算する必要はありません。納付書も送付されるので、一括あるいは年4回に分けて納税しましょう。

住民税についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

個人事業税

個人事業税とは、法律で定められた業種の事業を行っている場合に課される税金です。事業税のかかる業種は都道府県ごとに決められており、事業や地域によって税率は異なるので確認しておきましょう。

例えば、東京都の場合、物品販売業や製造業、飲食店業、不動産売買業などを行う場合には所得に対して5%の税率で個人事業税が課せられます。また、畜産業や水産業に従事している場合には、所得に対して4%の税率で個人事業税が課せられます。

個人事業税についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

消費税

売り上げ時に買い手から受け取った消費税分から、自分が仕入れや経費で支払った消費税分を引いた差額を、原則として翌年の3月31日までに申告・納税します。

買い手から受け取った消費税がある場合でも、前々年における課税対象売上高が1,000万円以下であれば、その年の消費税納税が免除されます。ただし、前々年における課税対象売上高が1,000万円以下の場合でも、前年の1月~6月の課税対象売上高が1,000万円を超えると消費税納税の義務が発生するので注意しましょう。

消費税についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

個人事業主の納税額の計算方法は?

個人事業主の納税額の計算方法

個人事業主が納税する税金のうち、消費税については特に計算する必要はありません。売り上げ時に受け取った消費税分から仕入れや経費として支払った消費税を差し引き、期限までに納付できるように準備しておきましょう。

一方、所得税と復興特別所得税、住民税、個人事業税については、「課税総所得」を算出することで各税額を計算可能です。課税対象額は以下の手順で計算しましょう。

  1. 収入から経費を除いて、所得を求める
  2. 所得から所得控除を除いて、課税総所得を求める
  3. 課税総所得に所得税率をかけ、税額控除を差し引いて所得税を求める
  4. 所得税に2.1%をかけて復興特別所得税を求める
  5. 課税総所得の10%から税額控除を差し引いて住民税の所得割額を求める(均等割額は所得に関わらず一律)
  6. 課税総所得に個人事業税率をかけて個人事業税を求める

なお、住民税には「所得割額」と「均等割額」があり、合算して納付します。均等割額は所得に関わらず一律で、自治体によって税額は異なりますが、5,000円程度が一般的です。

個人事業主の節税・税金対策は?裏ワザはある?

次に、個人事業主ができる節税・税金対策について紹介します。

青色申告を利用する

65万円の控除(※)を受け取れる青色申告をしていないのであれば、ぜひ、65万円の控除を受けられる青色申告に切り替えましょう。

青色申告には単式簿記で10万円控除が受けられるものと、複式簿記で65万円の控除が受けられるものがあります。経理などに詳しくない人は、複式簿記は難しそうだと諦めている人もいるかもしれません。しかし、最近では青色申告のソフトも様々出されており、年間1万円程度から利用できるものもあります。

複式簿記で記帳すれば、65万円の控除が受けられます。控除というのは、課税対象にならない収入のことで、例えば、290万円の年収の人なら、225万円が課税対象になります。

基礎控除の38万円(2020年分以降、所得2,400万円以下で控除額48万円)を合わせれば、課税対象になる収入は187万円です。現在、所得税の税率は、195万円以上が10%となっており、195万円以下になれば、5%の所得税で済みます。

もし、すべての報酬から10%の源泉徴収税が支払われていたなら、それらの合計額の半分は、確定申告後に戻ってくる計算になるのです。

(※)2020年分以降の青色申告特別控除額は55万円となりますが、これまでの要件に加えて、e-Taxによる電子申告あるいは電子帳簿保存のいずれかを行うことで、控除額65万円を受けることができます。

青色申告についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

必要経費を正しく計上する

事業収入を得るためにかかった費用は必要経費として計上することができます。たとえ少額であっても細かく正確に計上することで、課税総所得が減り、所得税や住民税、個人事業税などの節税につながるでしょう。

たとえば自宅と事務所が同じ場合は、家賃を必要経費として計上できるでしょう。床面積のうち、事務所が占める割合を計算し、その割合を家賃にかけて経費を求めます。また、水道光熱費や自動車にかかる費用なども、事業にかかった割合を丁寧に計算して経費計上すれば、節税を実現できるでしょう。

経費についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

所得控除を活用する

課税総所得を減らすことで節税を実現できます。課税総所得は所得から所得控除(所得から差し引くことのできる金額のこと)を差し引いて求めます。つまり、所得控除を正しく申告することが、節税のポイントにもなるのです。

所得控除には、基礎控除や医療費控除配偶者控除生命保険料控除などがあります。いずれも申告しないと控除されないので、忘れずに申告するようにしましょう。

所得控除についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

少額減価償却資産の特例を活用する

10万円以上のものを購入したときは、固定資産として考えます。固定資産は各耐用年数で割った金額をその年の減価償却費として経費計上できますが、資本金が1億円以下で従業員が500人以下の青色申告をしている個人事業主は、取得価格が30万円未満のときは、「少額減価償却資産の特例」を適用して、その年度にまとめて減価償却することが可能です。

例えば、少額減価償却資産の特例が適用されない場合について考えてみましょう。購入した資産の経費計上額は、耐用年数で割った数からさらにその年度内の月数に比例した金額となります。資産の購入金額が24万円で耐用年数が4年、購入したタイミングが事業年度の最後の月であれば、その年に経費計上できる原価できる金額は5,000円です。しかし、少額減価償却資産の特例が適用されると、購入したタイミングに関わらず全額、この場合であれば24万円を経費計上できます。

ただし、少額減価償却資産の特例が適用できるのは年間合計300万円までです。

少額減価償却資産の特例についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

家賃や生命保険料などは年払いする

家賃や生命保険料などは1年間分をまとめて支払うことで、まとめて損金算入することが可能です。月払いにすると、家賃や保険料の対象となる月にならないと損金算入できず、その年の経費としては計上できない可能性があります。また、生命保険料は年払いにすると割安になる点も注目しましょう。

小規模企業共済制度・経営セーフティ共済などに加入する

退職金の支払いが経営に影響を与えることもあります。小規模企業共済に加入すれば、掛金は全額所得控除になり、なおかつ計画的に退職金を準備していくことも可能です。

また、倒産に備える中小企業倒産防止共済も、掛金は全額所得控除になります。

小規模企業共済についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

中小企業倒産防止共済についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

iDecoを利用する

iDeCoも掛金は全額所得控除となります。また、自分で運用できるので、将来的に掛金として支払った金額の合計額よりも多額を受け取れることもiDeCoの特徴です。

iDeCoについてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

ふるさと納税をする

ふるさと納税をすれば、寄附金のうち「2,000円を越える部分」について、控除上限額内で所得税と住民税から全額が控除されます。また、各自治体の返礼品を受け取れることがあるのも、ふるさと納税の特徴です。

なお、ふるさと納税では「ワンストップ特例」を利用することで、確定申告の手続きを省略できることがあります。しかし、ワンストップ特例は会社員などの確定申告をしない方向けの制度のため、個人事業主は利用できません。

ふるさと納税についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

法人化を検討する

法人化すると自分の給与に給与所得控除を適用できます。また、退職金が適正額以内であれば損金算入できるのも法人化のメリットです。

個人事業主が法人化するメリットやデメリットについてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

法人化のタイミングについてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。

会計ソフトや事業用クレジットカードの利用もおすすめ!

会計ソフトを使えば、経費の計算などがより簡単になります。また、会計にかかる時間を有効活用できるのも会計ソフトのメリットです。

マネーフォワードでは個人事業主の会計をサポートする「マネーフォワード クラウド会計」をご提供しております。マネーフォワード クラウド会計についてより詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。

事業用クレジットカードを利用することで、事業費と生活費を明確に分けることができ、会計をよりシンプルにすることが可能です。また、急な支出に備えられるのも事業用クレジットカードの特徴です。

事業用のクレジットカードについてより詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。

はやめの対策で賢く節税メリットを享受しよう

細かく経費を計上すること、適切に管理することが節税のポイントです。紹介した手法も参考に、節税を進めていきましょう。小規模企業共済制度などを活用すると、退職金も計画的かつ節税しつつ準備できるようになります。

また、はやめに対策を実施することで、確定申告の時期に慌てず対応できるようになります。計画的に節税対策を実施しましょう。

よくある質問

個人事業主が納める税金の種類は?

所得税と復興特別所得税、住民税、個人事業税、消費税。消費税については課税事業者であること、前々年における課税対象売上高は1,000万円超が条件となります。詳しくはこちらをご覧ください。

所得税の計算方法は?

収入から経費を差し引いて所得を求め、さらに所得控除を差し引いて課税総所得を求めます。課税総所得に所得税率をかけ、税額控除を引くと所得税が求められます。詳しくはこちらをご覧ください。

課税所得額を減らすポイントは?

経費を正しく申告すること、所得控除を活用することで、課税総所得を減らせる。課税総所得が減ると、所得税や住民税、個人事業税が減ります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド確定申告

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