• 作成日 : 2022年8月26日

サラリーマンの副業での赤字は還付の対象で節税が可能!

サラリーマンの副業での赤字は還付の対象で節税が可能!

サラリーマンのなかには、不動産の貸し付けや商品のネット販売など、いわゆる副業をされている方もいると思います。本業である給与所得が赤字になることはありませんが、副業で赤字を出してしまうケースもあるでしょう。所得税法では、給与所得の黒字とその他の所得
の赤字を相殺できる「損益通算」という制度があります。

今回は、副業で計上した赤字を確定申告して節税につなげる方法について解説します。

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サラリーマンは副業で赤字を出した場合は節税可能!

今回解説する確定申告による所得税の還付は、給与所得の黒字と副業の赤字を相殺し、所得を少なくすることが目的です。所得が減れば結果として、年末調整で負担した所得税が還付されるという仕組みです。

そもそも所得税とは

所得税とは、個人の方が得た所得、いわゆる「もうけ」に対して課税される国税です。

サラリーマンや自営業、不動産賃貸業など、生計を立てるために所得を得る方法は数多くありますが、税法ではこれらの所得に対し種類に応じた計算方法によって公平な税負担をするよう求めています。

また、計算方法が異なるため所得の区分についても詳細に定められており、大きく10種類に区分されています。

一カ所の給与で生計を立てているサラリーマンは、稼いだ「給与所得」に対して所得税を負担しています。「給与所得」はその計算方法から、所得自体が赤字になることはありません。配偶者控除扶養控除などの「所得控除」や、住宅借入金にかかる特別控除である「税額控除」によって所得税がゼロになるケースはあります。しかし、一般的には年末調整を通して所得税を負担しているケースがほとんどです。

なお、給与所得にかかる所得税の年税額が0円の方は、副業の赤字を確定申告しても還付はありませんので注意してください。

所得税について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

副業は事業所得or雑所得?節税したい場合はどうする

一方、副業のほうはどうでしょう。給与所得と異なり、副業では赤字を計上するリスクが想定されます。赤字前提で商売を始める人はいませんが、想定外の思わぬ経費が発生し結果として赤字を計上してしまった、ということは充分考えられます。

赤字であれば副業自体の所得税はゼロで済みますが、この赤字を使って何とか給与の所得税を取り戻し、損失の穴埋めはできないかと考えたくもなります。今回紹介するのは「損益通算」の制度を使って所得税の還付を受ける方法です。

ただし「損益通算」を適用する前提として、副業が「雑所得」の場合は損益通算を適用できません。

サラリーマンの方の副業が「事業所得」「雑所得」いずれに区分されるか?というポイントは、たびたび争点となります。その理由は、損益通算適用の可否が所得区分によって決まるからです。

判断を難しくしているのは、事業所得と雑所得を明確に区分する税法の規定がないことが理由に挙げられます。所得区分の判断はケースバイケースであり、納税者本人の判断で申告することになります。

判断基準の一つとして挙げられるのは、副業を「反復」「継続」して行う意思があるかという点です。

例えば店舗を賃借したり、設備を購入したりするなど、継続的に副業を続けられるような準備をしているのであれば、継続の意思ありと判断され事業所得となる可能性が高いでしょう。逆に、ネットオークションで一時的、あるいは不定期に販売をしているようなケースでは、事業として反復継続しているとは言い難く、雑所得とされる可能性が高くなります。

サラリーマンが青色申告(確定申告)し還付を受ける方法

事業所得と雑所得の違いとして、もう一つ挙げられるのが「青色申告」です。

「青色申告」とは、一定の帳簿要件を満たして確定申告をすれば、税法上の様々な特典を受けられる制度です。青色申告特別控除や青色申告専従者給与など、青色申告の特典によって所得税を減らすことができます。

「青色申告」ができるのは次に挙げる3つの所得のみです。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 山林所得

サラリーマンの副業が上記のいずれかに該当すれば、税務署に「開業届」および「青色申告承認申請書」を提出すると「青色申告」を始められます。

副業が雑所得とされた場合には「青色申告」ができませんので注意してください。

確定申告の進め方について知りたい方は、以下の記事を参照して下さい。

ただし節度を守らないと税務署から告発の危険も

「事業所得」と「雑所得」で、税法上の大きな差があることはお分かりいただけたでしょう。しかし「雑所得」で生じた副業の赤字を「事業所得」として申告すれば、バレると税務署からペナルティがあります。

事業所得と雑所得の境界線

先にも述べましたが「事業所得」と「雑所得」の区分は難しいものがあります。一般的にはサラリーマンの場合、本業はあくまで給与所得であり、副業の所得は「雑所得」となります。

先にも述べたとおり、事業所得とするための判断基準は「事業の反復性・継続性」です。例えば、一時的に行ったネット販売で生じた「雑所得」の損失を「事業所得」で申告することはできません。所得区分の判断は、納税の有利不利で決められるものではなく、あくまで取引実態で判断されるということを理解しましょう。

問題になってしまった例

給与所得との損益通算が可能であり、青色申告もできることから、雑所得に該当する副業の損失を「事業所得」で申告しようとするケースがあります。

なかには、所得税の還付を狙って故意に事業所得で損失を計上し、給与所得との損益通算を行うケースも見受けられます。悪質な場合は、税務署から脱税として告発されますので注意してください。

また、300万円以下の副業については、雑所得として区分しようという所得税法の改正案も出てきていますので申告する際は最新情報にも注目したいところです。

副業した場合の住民税申告

副業がある方の確定申告で注意したいのが住民税の申告です。給与以外の所得がある方が確定申告をすると、その他の所得部分に対する住民税の申告も確定申告書内で同時に行うことになります。

住民税申告

引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
   「申告書A【令和3年分用】」

会社に内緒で副業をしている方が、赤字分を確定申告をする際に注意しなければならないのが「住民税の徴収方法」です。サラリーマンの方は住民税を「特別徴収」(いわゆる給与天引き)にて納付しています。
確定申告では、副業にかかる住民税の徴収方法を選択する欄がありますが、ここで「特別徴収」を選択してしまうと大変です。副業分の住民税も会社の「特別徴収」に上乗せされて徴収されます。つまり、会社に副業がバレるということです。

他にサラリーマンが安心してできる節税対策

副業の赤字を確定申告して節税をする方法の他にも、サラリーマンの方ができる節税対策はあります。

最近、「ふるさと納税制度」を利用される方が増えてきました。所得控除の一つである寄付金控除を受け節税しながら、地場産品を貰えるという二度おいしい制度が好評で利用者が年々増加しているようです。ワンストップ特例制度を使えばサラリーマンの方でも確定申告不要で節税が可能です。

最近では、一定金額範囲内の投資にかかる運用益が非課税になる「NISA」なども、節税対策として人気があります。

副業を行っている場合は、確定申告で赤字を適切に処理しましょう!

副業とはいえ、商売は黒字が良いのは当然ですが、それでもなお赤字を計上してしまうことはあります。紹介したとおり、赤字だからと諦めずに確定申告をすることで所得税の還付を受けられますので、適切な処理を忘れずに行いましょう。

よくある質問

副業の赤字を確定申告するメリットは?

本業である給与所得にかかる所得税の還付を受けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。

副業の損益通算とは?

事業所得にかかる赤字と給与所得の黒字を相殺することを指します。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告をすると副業がバレる?

副業にかかる住民税を「特別徴収」にしてしまうとバレます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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