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  • 作成日 : 2021年9月3日

白色申告の収支内訳書とは?書き方・記入例をわかりやすく解説

白色申告の収支内訳書とは?書き方・記入例をわかりやすく解説

「収支内訳書」とは確定申告白色申告で行う方が作成する資料です。

収入金額や仕入金額の明細、利子割引料や家賃などの経費、専従者控除などを資料から転記・集計したものを、確定申告書に添付して税務署に提出します。

また、収支内訳書の様式は不動産や農業など、所得の種類に応じて変わってきます。

今回は、白色申告を行なう際に必要となる収支内訳書の書き方に関して記入例を図解しながらみていきたいと思います。

白色申告に必要な収支内訳書とは?

収支内訳書は、白色申告による申告を行う際に確定申告書Bと一緒に提出するものです。
その年の1月1日~12月31日の期間に発生した売上や仕入、収入を得るためにかかった必要経費などを勘定科目ごとに集計します。
収支内訳書を作成する目的は、売上などの「収益」から「仕入」や「必要経費」を差し引きした残りである「所得」を計算することです。

「収益」 - 「仕入」 - 「必要経費」 = 「所得」

ここで計算した「所得」とその他の「所得」を合算した「合計所得金額」が税額計算の基礎となりますので、正確に作成する必要があります。

なお、青色申告による申告を行なう方は、白色申告の「収支内訳書」に当たるものとして「青色申告決算書」を用いることになります。
収支内訳書を提出する義務のある方は以下のすべての項目に該当する方です。

  • 事業所得(農業所得を含む)、不動産所得、山林所得のいずれかがある方
  • 青色申告者でない方
  • 確定申告書の提出を行なう方

収支内訳書の種類

収支内訳書には「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」の3種類があり、それぞれ所得に応じた用紙を使用します。

事業所得がある場合

事業所得のうち、営業等による所得がある場合は、収支内訳書の「一般用」を使用します。
事業所得に該当するかどうかは、

  • 営利性や有償性があるかどうか
  • 継続性や反復性があるかどうか
  • 事業遂行性があるかどうか
  • 取引に傾注しているかどうか
  • 社会通念上、事業所得といい得るかどうか

などといった事業所得の定義に照らし合わせて判断することになります。
一般的には雑所得に区分される「アフィリエイト収入」や「広告収入」であったとしても、上記の要件に該当する場合は収支内訳書の作成が必要です。

不動産所得がある場合

不動産所得がある場合は収支内訳書の「不動産所得用」を使用します。
不動産である土地やマンションを貸し付けて賃貸料や更新料を得た場合、不動産所得となります。
ただし、不動産そのものを売却して得た所得は「不動産所得」ではなく「譲渡所得」に該当します。
また、譲渡所得については別途「確定申告書第三表」と「譲渡所得の内訳書」を作成する必要があります。

農業所得がある場合

事業所得のうち、農業所得がある場合は、収支内訳書の「農業所得用」を使用します。
農業所得も事業所得に含まれますので「一般用」でもいいのでは?と思うかもしれません。
しかし、農業所得では「種苗費」や「農具費」といった農業特有の勘定科目が数多く存在します。
そこで、農業特有の勘定科目をあらかじめ項目として印字してある収支内訳書が用意させているのです。
農業所得者にとって記入しやすい用紙となっています。

収支内訳書の書き方・記入例

それでは実際の記入方法を順番に見ていきたいと思います。

収支内訳書(一般用)

収支内訳書(一般用)

出典:令和2年分収支内訳書

先にも述べましたが、「一般用」は事業所得のうち営業等の所得がある場合に使用する用紙です。
記載する項目は大きく分けて「収入金額」と「必要経費」の2つに分類されます。
「収入金額」はさらに次の3つに細分されます。

  1. 売上高
  2. 家事消費
  3. その他の収入

このうち「2.家事消費」は、事業用として購入した商品等を通常の売上以外にプライベートで消費したり第三者に贈与することを指します。

プライベートで消費した商品等は事業所得の計算上、必要経費として計上されていますので経費に見合うだけの収入金額を計上しなければ損益のバランスがとれなくなります。

そこでプライベートで消費した分を「家事消費」として収入に計上しなければならないことが、所得税基本通達第39条と第40条で定められています。

またその他の収入には、手数料や売上割戻などのリベート代金や、本来販売する目的ではなかった空き箱などが販売された場合の金額を記入します。

基本情報の記載方法

収支内訳書 白色申告

「令和◯年分」のところへは、計算を行なう年分の数字を記入します。例えば「令和2年1月1日~令和2年12月31日」の期間の確定申告を行なうのは令和3年3月ですが、このケースでは「令和2年」と記載します。
なお、令和3年4月1日より確定申告書や収支内訳書への押印が不要となりました。

収入金額・経費の記載方法

収入金額・経費の記載方法 白色申告

経費にすることができる売上原価は、式で表すと期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高となります。
この計算は収支内訳上で行なうことになるので、<5>の「期首商品(製品)棚卸高」には1月1日に棚卸を行った際の在庫の合計金額を記入します。
<6>の「仕入金額」には年度中に仕入れを行った金額を買掛金になっている金額も含めて記入します。そして<7>に<5>と<6>の合計金額を記載します。<8>の「期末商品(製品)棚卸高」には12月31日に棚卸を行った際の在庫の合計金額を記載します。
最後に<9>に<7>~<8>の金額を記載することで、売上原価が算出されるという形になっています。<11>~<18>までの経費の欄にはそのまま経費を記載します。

給料賃金の内訳の記載方法

給料賃金の内訳の記載方法 白色申告

この欄には、家族以外の人へ給料の支払いを行った場合に記載をします。氏名、年齢、業務への従事月数を記載します。「源泉徴収税額」の欄へは、年末調整の終了後の税額を記載します。

事業専従者の氏名等の記載方法

事業専従者の氏名等の記載方法 白色申告

事業専従者の名前、年齢、続柄、従事月数を記載します。
事業専従者とは、具体的には以下の条件の全てに該当する家族のことを指します。

  • 事業主と生計を一にしている配偶者かその他の親族
  • その年の12月31日時点で年齢が15歳以上
  • その年の6ヶ月以上事業に従事している

事業専従者についての詳しい説明は以下のページをご参考にしてください。


白色申告 事業専従者

売上(収入)金額の明細と仕入金額の明細の記載方法

売上(収入)金額の明細と仕入金額の明細の記載方法

取引先の名前と住所、1年間の取引額を記載します。金額が大きい順に記載していき、書ききれないときは「上記以外の売上先の計」「上記以外の仕入先の計」にまとめて記載します。

売上(収入)金額の明細と仕入金額の明細の記載方法 白色申告

収支内訳書(一般用)2ページは主に、収支内訳書(一般用)1ページの内訳を記入するための用紙となっています。
卸売業や小売業など仕入が伴う場合は、仕入金額の明細や減価償却費の計算が必要になりますが、サービス業など仕入や減価償却費が発生しない場合は仕入金額や減価償却費を記入せず、空欄のまま提出します。
減価償却に該当する資産であったとしても、使用可能期間が1年未満のものや取得価額が10万円未満の場合は少額資産に該当するため、減価償却費の計算をする必要はありません。

減価償却の計算の記載方法

減価償却 記載方法 白色申告

「減価償却資産の名称等」には、対象資産の記載を行います。「取得価額」は、資産を購入した際にかかった金額です。
「償却の基礎になる金額」は以下のようになります。
定額法(平成19年4月1日以降に取得):取得価額
定率法:未償却残高

「耐用年数」には、資産の種類ごとに定められている法定耐用年数を記載します。「償却率」も耐用年数などから導くことができます。「本年中の償却期間」には、年度内に購入した資産に関しては購入から経過した月数を、今年度よりも前に購入した資産に関しては「12」を記載します。
「未償却残高」には、今年度の減価償却が終わった後に、未償却の金額がどのくらいあるかを示しています。前年分の「未償却残高」から今年度で減価償却した金額を引くことで求めることができます。

地代家賃の内訳の記載方法

地代家賃の内訳の記載方法 白色申告

「本年中の賃借料・権利金等」には、権利金、更新料などを上段へ記載し、家賃などの賃借料を下段へ記載します。ここには、実際に支払った金額だけでなく、支払うことが確定している金額も記載します。

利子割引料の内訳の記載方法

利子割引料の内訳の記載方法 白色申告

個人や金融機関以外の企業からお金を借り、利息の支払いが発生した場合には「12月31日時点での借りている金額」「1年間で支払った利息」「利息の中でも事業のために行なった借入金に対応する利息」を記載します。

収支内訳書(不動産所得用)

収支内訳書(不動産所得用) 白色申告

出典:令和2年分収支内訳書不動産所得用

「不動産所得用」を記入する際の注意点ですが、不動産収入の内訳に賃借人の住所と氏名を記載する必要がありますが、書ききれないことが考えられます。
万が一1ページに書ききれない場合には、「不動産の所在地」や「住所」など記載を要する項目を別紙に作成し「別紙明細」として添付することも認められています。
収支内訳書(不動産所得用)の1ページは2ページで作成した明細の合計額を転記するため、次に紹介する2ページの明細を先に作成するようにしましょう。

収支内訳書 白色申告

収支内訳書(不動産所得用)の2ページ目では主に減価償却費の計算を行ないます。
土地は減価償却することはできませんが、建物や機械設備は減価償却費を計算する必要があります。
償却方法が定額法であれば毎年一定額を償却することになるため、昨年度の白色申告時に提出した収支内訳書の控えを元に計算すれば、効率よく作成することができます。

収支内訳書(農業所得用)

収支内訳書(農業所得用) 白色申告
(参考:令和2年分収支内訳書農業所得用
「農業所得用」の1ページ目には、収入や経費に関する金額を記入します。注意点として、他の収支内訳と同じく家事消費した分を家事消費金額として収入金額に含めることや、2ページめの丸付き数字の金額と対応させることが挙げられます。

収支内訳書(農業所得用)

2ページ目には、販売した農産物を水耕栽培のものと温室やビニールハウス(特殊施設)で栽培したものとに分けて記載するようにします。
また、減価償却資産には農機具だけでなく、果樹や家畜などの生物に関しても減価償却費を計上する必要がある点で注意が必要です。

収支内訳書の入手方法

収支内訳書の用紙の入手方法は以下のとおりです。

1.税務署の窓口で入手

各税務署には申告に必要な確定申告書や収支内訳書などが用意されています。
最寄りの税務署に直接赴いて入手することができます。

2.国税庁HPから出力

国税庁のホームページにも申告に必要な確定申告書や収支内訳書がPDF形式で用意されています。自分が必要な用紙を印刷して使用する方法です。
確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等|国税庁

3.e-Tax「確定申告書作成コーナー」で作成

同じく国税庁のホームページにはウェブを利用した確定申告をサポートする目的で「確定申告書作成コーナー」が用意されています。
インターネット環境があれば「確定申告書作成コーナー」で収支内訳書を作成して出力することが可能です。
【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップ

収支内訳書を正しく作成し、確定申告しましょう

白色申告をするために必要な用紙として、収支内訳書3種類を紹介しました。事業内容によって申告する内容が大きく変わる不動産所得と農業所得に関しては、用紙の様式が特徴的となっています。
不動産所得と農業所得に該当しない所得は事業所得などに該当するため、汎用的な収支内訳書(一般用)を使用して、白色申告します。

よくある質問

収支内訳書とは何ですか?

不動産所得や事業所得がある方の確定申告で、所得を計算するために作成する資料です。詳しくはこちらをご覧ください。

収支内訳書にはどのような種類がありますか?

「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」の3種類があります。詳しくはこちらをご覧ください。

収支内訳書の入手方法は?

税務署の窓口、国税庁HPから入手可能です。また、確定申告書作成コーナーでも作成できます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド確定申告

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