• 作成日 : 2014年7月10日
  • 更新日 : 2018年11月9日
  • 初心者向け

源泉徴収の見方~確定申告時や紛失の対応について

確定申告書を記入するために必要な書類のひとつに、源泉徴収票があります。源泉徴収票は、給与・退職手当・公的年金などを支払う者が、支払った額や徴収した所得税額を記載して発行する書類です。
支払いをした者はこれを支払いを受けた者に交付し、一定の要件を満たす場合には税務署にも提出を行います。

源泉徴収票の基本

源泉徴収票には種類が3つあります。

1.給与所得の源泉徴収票:1月1日から12月31日までに支払われた給与などの金額や源泉徴収税額などを記載したもの。支払いをした者は、原則として翌年の1月31日までに前年の支払い分についての源泉徴収票を交付しなければなりません。

2.退職所得の源泉徴収票:退職手当などの支払金額、所得税の源泉徴収額を記載したもの。支払いをした者は、退職日から1ヶ月以内に交付しなければなりません。

3.公的年金等の源泉徴収票:1月1日から12月31日までに支払われた公的年金などの支払額、所得税の源泉徴収税額を記載したもの。支払いをした者は、その翌年の1月31日までに交付しなければなりません。

源泉徴収票の見方と所得税の計算方法

まず、源泉徴収票の見方を理解するためには、所得税の計算方法を知っておく必要があります。

所得税の基本的な計算式は以下の通りとなります。

給与収入の金額-給与所得控除=給与所得
給与所得-各種所得控除=課税所得
課税所得×税率=所得税

それでは、各項目について説明していきます。

1. 支払金額

給与の収入金額(年収)に該当し、確定申告の手続きを行なう年度の1月~12月までの期間に、会社から納税者本人へ支払われた給与、手当や賞与の合計額です。

2. 給与所得控除後の金額(給与所得の金額)

上記計算式の給与所得に該当し、給与の収入金額(年収)-給与所得控除にて算出されます。

給与所得控除は次の算式により計算した金額になります。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超収入金額×10%+1,200,000円
10,000,0000円超2,200,000円(上限)

例えば給与収入が700万円の場合には、給与所得控除の金額は700万円×10%+120万円=190万円です。

給与収入700万円-給与所得控除190万円=給与所得510万円

この510万円という金額を記入することになります。

3.所得控除の額の合計額

上記計算式の各種所得控除に該当し、「社会保険料の金額」、「生命保険料の控除額」、「地震保険料の控除額」、「配偶者控除」、「配偶者特別控除」、「扶養控除」、「基礎控除」などの所得控除額の合計のことを指します。給与所得から各種所得控除の合計額を差し引くことで課税所得が算出されます。

今回はその中で源泉徴収票へ直接金額の記載が必要となる項目についてみていきたいと思います。

社会保険料等の金額

1年間で支払った社会保険料の合計金額です。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料が含まれます。

生命保険料の控除額

源泉徴収票の中にある新生命保険料の金額、旧生命保険料の金額、介護医療保険料の金額、新個人年金保険料の金額、旧個人年金保険料の金額の5項目の合計金額となります。

地震保険料の控除額

地震保険料の金額、源泉徴収票の中にもある旧長期損害保険料の金額から計算され、控除額は最大5万円となります。

4. 源泉徴収税額

源泉徴収で納めた所得税額の累計を指します。この金額はすでに納付済みのものとして扱われることになります。

源泉徴収票の確定申告書への転記

確定申告をするためには、確定申告書への記入が必要です。源泉徴収票は確定申告書A・Bいずれも使うことができます。申告書Aは、申告する所得が給与所得・公的年金など・その他の雑所得・総合課税の配当所得・一時所得だけである場合に使用します。

記入の手順は以下のとおりです。

1.確定申告書A左側の「収入金額等 給与(ア)」の欄に、源泉徴収票の「支払金額」に記載されている金額を記入。

2.「所得金額 給与(1)」の欄に、「給与所得控除後の金額」に記載されている金額を記入。

3.「所得から差し引かれる金額 社会保険料控除(6)」の欄に、「社会保険料等の金額」に記載されている金額を記入。

4.「所得から差し引かれる金額 生命保険料控除(8)」の欄に、「生命保険料の控除額」に記載されている金額を記入。

5.「所得から差し引かれる金額 地震保険料控除(9)」の欄に、「地震保険料の控除額」に記載されている金額を記入。

6.「(6)から(15)までの計(16)」の欄に、「所得控除の額の合計額」に記載されている金額を記入。ただし、所得から差し引かれる項目が源泉徴収票以外にある場合は、その欄に金額を記入して計算し直す必要があります。

7.確定申告書A右側の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額(38)」の欄に、「源泉徴収税額」に記載されている金額を記入。

源泉徴収票の電子交付

従来、源泉徴収票の交付は書面で行われていました。しかし、平成19年1月1日以降に交付されるものは電子交付が可能になりました。電子交付とは、電磁的方法により提供されるものです。

電子交付の方法

電子交付の方法には、次の3つが認められています。

1.電子メールでデータを送信

2.社内LAN(ローカルエリアネットワーク)・WAN(広域ネットワーク))やインターネットなどを利用して閲覧

3.フロッピーディスク、MO、CD-ROMなどの磁気媒体に記録したものを交付

電子交付をするための要件

電子交付をするためには、下記の要件を満たしていなければいけません。

1.源泉徴収票の交付を受ける人に対して、前もって提供される電磁的方法の種類や内容を伝え、電磁的方法または書面で電子交付に対する承諾を得ること。

2.「源泉徴収票の内容を映像として表示および書面への出力ができる」受給者(交付を受ける者)に対し、受信者ファイルに記録(電子交付)する(した)旨を通知することの2つの基準を満たしていること。

3.交付を受ける人から請求があれば、書面で交付すること。

e-Taxと電子交付

電子交付を受けた源泉徴収票は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用した確定申告で添付書類としてオンラインで送信することができます。ただし、国税庁が定めたデータ形式で作成し、電子交付を行う支払い者の電子署名が必要になります。

源泉徴収票を紛失した場合

支払い者側から源泉徴収票を受け取った後、紛失してしまった場合、源泉徴収票は給与または報酬の支払い者でないと発行できません。もしも、源泉徴収票を紛失した場合には、再発行を依頼します。会社に勤めている人は、経理や総務に依頼すれば再発行してもらえます。年末はどこの会社も大変忙しい時期ですので、紛失に気がついたらなるべく早めに連絡しましょう。

源泉徴収票が手元に届いたら、内容を確認し大切に保管しましょう。12月になったらすべての源泉徴収票がそろっているか調べ、不足分についてはすみやかに支払い先に連絡を取り、発行してもらいます。年末調整、確定申告どちらの場合でも源泉徴収票は必要になります。源泉徴収票が手に入らない場合は、所轄の税務署に相談してみましょう。

源泉徴収票不交付の届出手続|法定調書関係|国税庁

確定申告はマネーフォワード クラウド確定申告をご活用ください

自動取得と自動仕訳で確定申告書の作成がラクに。1ヶ月間無料でお使いいただけます!まずはお試しください。
確定申告ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」

確定申告を自動化! マネーフォワード クラウド確定申告

監修:高木 健太郎 (税理士)

税理士法人ナレッジラボ 代表社員
ナレッジラボでは、マネーフォワード クラウドシリーズを使いこなした会計サービスを提供しています。
会計を経営にフル活用するための会計分析クラウドManageboardは、マネーフォワード クラウド会計・確定申告のデータを3分で分析・予測・共有できるクラウドツールですので、マネーフォワード クラウドユーザーの方はぜひ一度お試しください。

Pocket