• 更新日 : 2025年3月3日

物価高騰にともない個人事業主が受け取れる給付金は?減免制度や仕訳方法についても解説

物価高騰にともない、金銭面で苦労している個人事業主の方もいるでしょう。本記事では、個人事業主が物価高騰にともない受け取れる給付金について解説します。

個人事業主が利用できる減免・支払い猶予制度についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

広告

なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。

チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。

この記事を読む方におすすめ 青色申告1から簡単ガイド
内容を見る 無料登録でもらう

税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、毎年使える保存版としてご活用ください。

広告
来年の確定申告をオンラインで、簡単に

マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。

取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。

PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

マネーフォワード クラウド確定申告
詳細を見る 無料で使ってみる

物価高騰の影響を受ける個人事業主を対象とした給付金

物価高騰の影響を受ける個人事業主を対象とした給付金について解説します。代表的な給付金としては、次の2つが挙げられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

住民税非課税世帯給付金

2024年の11月22日の総合経済対策で、「住民税非課税世帯へ3万円の給付金」の支給が閣議決定されました。対象者は、令和6(2024)年度の住民税が非課税世帯の方です。

物価高騰対策として、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円、子供1人につき2万円を支給する方針が検討されています。

住居確保給付金

住居確保給付金とは、収入が減少した人(個人事業主やフリーランスも含む)の家賃を支援する制度のことです。

対象要件は次のとおりです。

  1. 主たる生計維持者が以下のどちらかの場合
    • 離職・廃業後2年以内である場合
    • 個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合
  2. 直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12と、家賃(上限あり)の合計額を超えていないこと
  3. 現在の世帯の預貯金合計額が、各市町村で定める額(基準額の6月分。ただし、100万円を超えない額)を超えていないこと
  4. 求職活動要件としてハローワーク等に求職の申込をし、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

東京都特別区の場合、支給上限額は次のとおりです。

世帯の人数:1人 支給上限額(月額)5万3,700円
世帯の人数:2人 支給上限額(月額)6万4,000円

参照:厚生労働省 住居確保給付金

物価高騰の影響を受ける個人事業主を対象とした補助金・助成金

物価高騰の影響を受ける個人事業主を対象とした補助金・助成金もあります。ここでは、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金について紹介します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の変化に対応するための補助金です。新分野への展開や業態転換などの大きな変化をともなう事業再構築に挑む中小企業や個人事業主を支援しています。

ここでは、成長分野進出枠の要件や補助上限額などについて紹介します。

成長分野進出枠
通常類型GX進出類型
対象
  • ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者
  • 国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者
ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取り組みをこれから行う事業者
補助上限3,000万円(※4,000万円)

※短期に大規模賃上げを行う場合

  • 中小:5,000万円(※6,000万円)
  • 中堅:1億円(※1.5億円)

※短期に大規模賃上げを行う場合

補助率
  • 中小企業1/2(※2/3)
  • 中堅企業1/3(※1/2)

※短期に大規模賃上げを行う場合

  • 中小企業1/2(※2/3)
  • 中堅企業1/3(※1/2)

※短期に大規模賃上げを行う場合

対象経費建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費・専門家経費、広告宣伝費・販売促進費、研修費、廃業費
※廃業費は成長分野進出枠(通常類型)のみ

参照:経済産業省 事業再構築補助金第13回公募の概要

小規模事業者持続化補助金

小規模事業持続化補助金とは、持続的経営に欠かせない販路開拓や生産性の向上などの取り組みを支援する制度です。

免税事業者からインボイス発行事業に転換する事業者を対象にした「インボイス特例」や、事業場内最低賃金を引き上げる事業者を対象に「賃金引上げ特例」などもあります。「インボイス特例」や「賃金引上げ特例」などは、要件を満たすことで補助上限額が上がるのが特徴です。

補助上限額は次のとおりです。

  • 通常枠、ビジネスコミュニティ型:50万円
  • 災害支援枠、創業型:200万円
  • 共同・協業型:5,000万円

各枠の要件や補助上限額は、次の表を参考にしてください。

一般型

通常枠インボイス特例賃金引上げ特例災害支援枠
要件経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者免税事業者から課税事業者に転換事業場内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者令和6年能登半島地震等における被災小規模事業者
補助上限50万円補助上限50万円上乗せ補助上限150万円上乗せ直接被害:200万円
間接被害:100万円
補助率2/3
※賃金引上げ特例を選択した事業者のうち、赤字事業者は3/4
定額、2/3
対象経費機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費(税理士等への相談・コンサルティング費用など)左記に加え、車両購入費

創業型

創業型
要件産競法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
補助上限200万円
※インボイス特例は適用
補助率2/3
対象経費通常枠同様

共同・協業型

共同・協業型
要件地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関が地域振興等機関となり、参画事業者である10以上の小規模事業者の販路開拓を支援
補助上限5,000万円
補助率
  • 地域振興等機関に係る経費:定額
  • 参画事業者に係る経費:2/3
対象経費
  • 地域振興等機関:人件費、委員等謝金、旅費、会議費消耗品・備品費、通信運搬費、印刷製本費、雑役務費、委託・外注費、水道光熱費
  • 参画事業者:旅費、借料、設営・設計費、展示会等出展費、保険料、広報費

ビジネス コミュニティ型

ビジネス コミュニティ型
要件商工会・商工会議所の内部組織等(青年部、女性部等)
補助上限50万円、2以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円
補助率定額
対象経費専門家謝金、専門家旅費、旅費、資料作成費、借料、雑役務費、広報費、委託費

参照:中小企業庁 持続化補助金の概要

IT導入補助金

IT導入補助金とは、ITツールの導入費用の一部を補助する制度です。ハードウェア(パソコンやタブレット)や会計ソフトなどのソフトウェアの購入費用だけでなく、ソフトの利用料も補助されます。

枠/類型通常枠複数社連携IT導⼊枠インボイス枠セキュリティ
対策推進枠
インボイス対応類型電⼦取引
類型
補助額ITツールの業務プロセスが1〜3つまで︓5万〜150万円
4つ以上︓150万円
〜450万円
(a)インボイス枠対象経費︓同右
(b)消費動向等分析経費︓50万円×グループ構成員数
(a)+(b)合わせて3,000万円まで
(c)事務費・専⾨家経費︓200万円
ITツール︓1機能︓〜50万円
2機能以上︓〜350万円
PC・タブレット等︓〜10万円
レジ・券売機等︓〜20万円
〜350万円5万〜150万円
補助率中⼩企業︓1/2
最低賃⾦近傍の事業者(※2):2/3
(a)インボイス枠対象経費︓同右
(b)・(c)︓2/3
〜50万円以下︓3/4
(⼩規模事業者︓4/5)
50万〜350万円︓2/3
ハードウェア購⼊費︓1/2
⼤企業︓1/2
中⼩企業︓2/3
中⼩企業︓1/2
⼩規模事業者:2/3
補助対象経費ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)、導⼊関連費(保守サポートやマニュアル作成等の費⽤ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)、導⼊関連費(保守サポートやマニュアル作成等の費⽤ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)、導⼊関連費(保守サポートやマニュアル作成等の費⽤クラウド利⽤料(最⼤2年分)サイバーセキュリティお助け隊サービス利⽤料(最⼤2年分)

(※2)3ヶ月以上地域別最低賃⾦+50円以内で雇⽤している従業員数が全従業員数の30%以上であることを⽰した事業者

参照:中小企業庁 「IT導⼊補助⾦」でIT導⼊・DX(デジタルトランスフォーメーション) による⽣産性向上を⽀援︕

広告
個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。

税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

内容はこちら 無料登録でもらう

物価高騰の影響を受ける個人事業主が利用できる減免・支払い猶予制度

物価高騰の影響を受ける個人事業主が利用できる減免・支払い猶予制度について、解説します。

国民健康保険料(税)の減免

要件を満たした場合には、国民健康保険料(税)の軽減や減免を受けられる制度があります。軽減対象は法令で定められた所得基準を下回る世帯で、被保険者応益割(均等割・平等割)額の7割、5割または2割を減額可能です。

いっぽうの減免は、災害や特別な事情により国民健康保険料(税)を納めることが難しい場合が対象となります。

詳しくは、以下に問い合わせてみましょう。

  • 市町村国保の場合:お住まいの市町村の国民健康保険の窓口
  • 国民健康保険組合の場合:加入している国民健康保険組合または各都道府県の窓口

個人事業主が受け取った給付金・補助金・助成金は課税対象?

国や地方自治体から個人事業者に対して支給される給付金・補助金・助成金などについては、所得税法などの法令の定めによって課税か非課税かが異なります。ここでは、課税対象になるケースと非課税になるケースについて見ていきましょう。

 課税対象になるケース

課税対象になるものは、次のとおりです

具体的には、持続化給付金(事業所得者向け)や家賃支援給付金、都道府県の休業・時短要請協力金、すまい給付金などが該当します。

非課税になるケース

非課税になるものとしては、所得税法の規定により非課税となるものと、給付金等の支給の根拠となる法律により非課税となるものの2つがあります。非課税とされるものの具体例は、次のとおりです。

  • 特別定額給付金
  • 生活保護の保護金品
  • 児童(扶養)手当
  • 雇用保険の失業等給付
  • 被災者生活再建支援金
  • 学生支援緊急給付金
  • 東京都認証保育所の保育料助成金
  • 東京都のベビーシッター利用支援事業における助成
  • 子育て世帯への臨時特別給付金 など
広告
"法人成り"を検討してみませんか?

マネーフォワード クラウド会社設立は、個人事業主が法人成りを検討したほうがよいタイミングをまとめた「法人化を検討すべき7つのタイミング」を無料で用意しております。

創業支援に強い税理士監修で、ポイントがまとまったお得な1冊となっていますので、ぜひ将来を見据えた情報収集でご活用ください。

法人化を検討すべき7つのタイミング

内容はこちら 無料登録でもらう

個人事業主が受け取った給付金・補助金・助成金の仕訳方法

給付金や助成金を受け取った場合の会計処理は、給付金や助成金が課税されるか非課税なのかで異なります。それぞれのケースについて見ていきましょう。

課税対象の場合

給付金や助成金が課税の場合は、個人事業主も法人も仕訳は同じです。給付金は、雑収入科目で処理します。

借方貸方摘要
預金◯円雑収入◯円給付金

非課税の場合

個人事業主の場合は、事業主借勘定で仕訳し収益に影響しないように処理します。なお、給付金が事業用の通帳ではなく、私用の通帳に振り込まれた場合は、振込口座と給付金とが事業に関係ないものであるため、仕訳の必要はありません。

借方貸方摘要
預金◯円事業主借◯円給付金

個人事業主の給付金は確定申告が必要?

個人事業主が課税対象となる給付金を受け取った場合、確定申告が必要です。税金は給付時に差し引かれないため、受け取った金額を収益として計上したうえで確定申告を行いましょう。

確定申告のやり方については、以下の記事を参考にしてください。

物価高騰による給付金は個人事業主も対象

物価高騰による給付金や補助金などは、個人事業主も対象です。物価高騰による給付金としては、住民税非課税世帯給付金や住居確保給付金などがあります。補助金・助成金の一例としては、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金などが挙げられます。

ただし、個人事業主が受け取った給付金・補助金・助成金は法令の定めによって課税か非課税かが異なるため注意しましょう。また、課税対象となる給付金を受け取った場合には確定申告も必要です。

広告
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

右矢印アイコン もっと読む

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

広告