2020年 確定申告の変更点まとめ

読了まで約 7

2019年度の確定申告を行う時期が近づいてきました。2020年、令和最初の確定申告ではどのような変更点があるのでしょうか? 今回は、2020年に行う確定申告(2019年度分)の変更点についてまとめてみました。

源泉徴収票の添付が不要に!

サラリーマンが確定申告をする際に必要になるのが源泉徴収票です。これまで、確定申告時には源泉徴収票を台紙に貼って提出していましたが、源泉徴収票の添付は2020年以降の確定申告では不要になります。

源泉徴収票とは?

会社員などの給与所得者は、毎月の給与から所得税が源泉徴収されているはずです。源泉徴収票とは、給与の支払者である会社などが、源泉徴収した金額を証明する書面になります。会社員の場合、毎年年末調整が終わった後に、会社から源泉徴収票をもらっていると思います。

確定申告書への源泉徴収票の添付が不要になる

サラリーマンは、通常、年末調整で所得税の精算が完了します。しかし、サラリーマンでも、年収2,000万円を超える人や副業をしている人は、確定申告の義務があります。また、サラリーマンが医療費控除などの一部の控除を受けたい場合にも、確定申告をする必要があります。

サラリーマンが確定申告をする際には、給与の支払総額や源泉徴収額などを確定申告書に記載すると同時に、これを証明するために源泉徴収票を添付しなければなりませんでした。2020年度の確定申告からは、源泉徴収票の確定申告書への添付は不要になります。

情報の連携を行うことにより、同じ書類を何度も提出させるという無駄を省き、手続きの簡素化を図ることになったのです。

源泉徴収票は保存しておく

サラリーマンが確定申告をする場合、源泉徴収票を見ながら確定申告書に金額を記入する必要があります。源泉徴収票の確定申告書への添付は不要ですが、源泉徴収票が手元になければ確定申告ができません。会社で源泉徴収票をもらったら、なくさないように保管しておきましょう。

支払調書はどうする?

源泉徴収票と似たものに支払調書があります。支払調書は、主にフリーランスや個人事業主として特定の会社から報酬等を受け取っている人に向けて送られます。支払調書には、源泉徴収票と同様、支払総額や源泉徴収額が記載されています。

支払調書は源泉徴収票と違い、発行義務のある書類ではありません。慣行として発行されているものなので、以前から確定申告書へ添付する必要はありませんでした。支払調書はこれまでと変わらず、確定申告書への添付は不要です。

スマホでの確定申告がますます便利に!


今や1人1台が当たり前と言うほど、誰もが持っているのがスマートフォンです。2019年からそのスマホを使って確定申告ができるようになりました。2020年には、スマホで確定申告ができる人がさらに増加します。

e-Taxがさらに便利に!

国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーを利用すれば、確定申告書を作成して印刷したり、e-Taxで送信したりすることができます。2019年1月以降、e-Taxがより便利になりました。マイナンバーカードとICカードリーダライタがあれば、事前に電子証明書を登録することなく、自宅のパソコンからe-Taxが可能になったのです(マイナンバーカード方式)。
【参照】国税庁 マイナンバーカード方式とは

なお、マイナンバー方式を利用しない場合には、税務署でIDとパスワードを発行してもらうことにより、e-Taxを行うことができます(ID・パスワード方式)。
【参照】国税庁 ID・パスワード方式とは

2019年よりスマホ申告が開始

2019年からは、スマートフォンによる確定申告も可能になりました。スマホで国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスすれば、スマホ専用画面から確定申告書を作れます。スマホで作成した確定申告書は、ID・パスワード方式を利用することにより、スマホからe-Taxで税務署に送信ができます。

2020年はスマホ申告ができる人が増える

2019年には、スマホ申告の対象になる人はごく一部でした。スマホ専用画面で入力できるのは1カ所からの給与所得のみだったので、サラリーマンで医療費控除やふるさと納税の還付申告をする人のみ、スマホ申告が可能でした。

2020年からは、給与所得を2カ所以上からもらっている人も、スマホ申告が可能になります。また、一時所得や雑所得もスマホ専用画面で入力できるようになるので、副業で給与以外の収入を得ている人もスマホ申告できるケースが多くなります。

なお、事業所得については、現状ではスマホ申告ができません。個人事業主がe-Taxを利用する場合には、パソコンから確定申告書を送信する必要があります。

スマホ申告でもすべての所得控除に対応

所得から差し引かれる金額が所得控除です。所得控除は全部で14種類あります。所得控除を受けるには、確定申告書に所得控除の種類と控除額を記入しなければなりません。

2019年のスマホ申告では、所得控除のうち、医療費控除と寄付金控除にしか対応していませんでした。2020年からは、スマホ申告でもすべての所得控除に対応します。

確定申告書Bの様式が変更に!

確定申告書Bを使って確定申告する人は、2020年から少し様式が変わっていることに気付くかもしれません。今回の申告書様式の変更は、手続きの簡素化を目的としたものです。

確定申告書AとBの違い

確定申告書には、申告書Aと申告書Bの2種類があります。申告書Aは申告書Bの簡易版で、申告できる所得が限定されています。つまり、誰でも使えるのが申告書Bで、申告書Aは一部の人しか使えないものです。

申告書Aを使うのは主にサラリーマンで、申告書Bを使うのは主に個人事業主です。サラリーマンが医療費控除などを受けるために還付申告するケースでは、申告書Aを使います。申告書Aでは事業所得や不動産所得は申告できないので、サラリーマンでも副業の確定申告をする場合には申告書Bを使わなければならない場合があります。

確定申告書Bの変更箇所とは?

2020年から、確定申告書Bの様式の一部が変更になります。変更になるのは、「所得から差し引かれる金額」の部分です。

所得から差し引かれる金額とは所得控除のことです。所得控除は全部で14種類ありますが、申告書Bでは12個にまとめられており、2020年からの新様式ではこの所得控除の記載順が変わっています。

さらに、新様式では、所得控除のうち社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寡婦・寡夫控除、勤労学生・障害者控除、配偶者(特別)控除、扶養控除、基礎控除の9個の合計金額を記入する欄が追加されます。

これは、年末調整で受けられる所得控除と確定申告でしか受けられない所得控除を分けるためです。年末調整を受けているサラリーマンが申告書Bを使って確定申告する場合、「年末調整で適用を受けた各所得控除の額」と「確定申告で適用を受ける各所得控除の額」が同額の場合には、所得控除の内訳の記載を省略できます。

申告書Aの「所得から差し引かれる金額」欄は、以前からこの様式になっています。サラリーマンが申告書Bを使って確定申告をするケースもあるため、申告書Bも申告書Aと同様の配慮を施したわけです。

まとめ

2020年の確定申告では、主に手続きの簡素化を考えた変更があります。大きな変更ではないので混乱はないと思いますが、覚えておくと便利です。

手間のかかるイメージのある確定申告ですが、年々便利になってきています。確定申告義務がある人は期限に遅れないよう、還付申告をする人は還付金をきちんと受け取れるよう、確定申告を行いましょう。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。



確定申告を自動化! マネーフォワード クラウド確定申告

「マネーフォワード クラウド」シリーズのサービス資料