• 更新日 : 2025年10月21日

確定申告をChatGPTで効率化するには?使い方や注意点を解説

確定申告は、領収書の整理から申告書の作成、最新税制の把握まで、個人事業主にとって毎年の大きな負担となります。

ミスや漏れを防ぎ、効率よく進めるには、業務の自動化や知識サポートの手段を取り入れましょう。

近年では、生成AIの活用によりこれらの作業を効率化できるようになってきました。

本記事では、確定申告で特に手間のかかる工程を整理し、AIやChatGPTを活用した対処法、導入時の注意点などを解説します。

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確定申告で手間がかかる作業は?

確定申告では、書類の整理や税制の理解、数値の計算など、幅広い対応が求められます。個人事業主にとっては、時間と労力のかかる工程が多く、ミスのリスクも高まります。ここでは、効率化すべき作業を取り上げます。

領収書や経費の整理

1年分の領収書やレシートを仕分け・整理する作業は非常に煩雑です。事業用と私用の区別、科目ごとの分類、消えかけた文字の確認などが必要になり、時間がかかるうえに判断も難しい場合があります。放置していた場合には、レシートの紛失が発生しやすくなります。

売上・経費の集計と申告書作成

売上や経費の金額を正確に集計し、決算書や申告書に記載する作業は、会計知識が求められるため初心者には難解です。

青色申告で55万円・65万円控除を受ける場合は複式簿記での記帳が必要になり、専用ソフトを使っても操作に戸惑うケースがあります。e-Tax会計ソフトの普及は進んでいますが、使い慣れていない人にとっては心理的ハードルも残ります。

最新税制の理解

毎年変わる税制に対応しきれないと、本来受けられる控除を見逃してしまうこともあります。たとえば、2025年分所得からは基礎控除が58~95万円に引き上げられ、扶養控除給与所得控除も拡充されました。

また、新設の「特定親族特別控除」なども登場しており、最新の制度を知らないまま申告すると損をする可能性があります。

AIは確定申告のどんな作業を効率化できる?

確定申告は、記帳、仕訳、書類作成、税制の確認といった作業により多くの時間と労力を要します。こうした中で、生成AIや会計系AIの活用により、各工程が自動化されてきており、個人事業主の負担を減らせる可能性があります。

領収書の読み取りと経費分類の自動処理

AIを使えば、領収書をスキャンするだけで日付・金額・店舗名などの情報を読み取り、経費として自動分類することが可能です。かすれた文字や形式の異なるレイアウトにも柔軟に対応できます。

さらに、AIは勘定科目の自動提案も行うため、これまで手動で仕分けしていた手間が大幅に削減されます。

現在ではクラウド会計ソフトと口座やクレジットカードを連携させることで、取引データから自動で仕訳を作成してくれるため、ヒューマンエラーの防止に役立っています。

税務情報の取得や専門知識の補完

AIは、確定申告に関する制度や控除内容、必要書類などの情報を提供できます。

住宅ローン控除の条件」や「医療費控除の対象範囲」などの税務内容も自然言語で問い合わせることで、簡潔でわかりやすい回答が得られます。ただし、税制は毎年のように改正があり、AIは改正前の情報を提供する場合もあるため、AIからの情報だけで確定申告を行うとミスをする可能性もあります。

計算補助・文書作成によるミスの防止

AIや会計ソフトは、確定申告に必要な数値の自動計算や、各種書類の記載内容をサポートすることで、入力ミスや計算誤りのリスクを減らします。会計ソフトの指示にしたがって売上・経費・控除額などを入力しておけば、所得金額や納税額を自動で算出する機能があり、青色申告の複雑な計算にも応用が可能です。

さらに、申告書の各欄にどのような情報を記入すべきかを説明したり、必要な添付書類の案内をしたりもしてくれます。こうした補助により、書類不備や記載漏れの防止にもつながります。

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個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

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ChatGPTは確定申告でどう使える?

確定申告におけるChatGPTの活用は、質問応答にとどまりません。

税務知識の提供や経費判断、シミュレーションなど、実務を進める上で実用的なサポートが受けられます。ここでは個人事業主が利用しやすい例を紹介します。

税務に関する質問・相談への対応

ChatGPTは、税務上の疑問点をその場で確認できる便利な質問窓口として活用できます。

「この控除は自分に当てはまるか?」「どんな書類を提出すべきか?」といった相談に対して、複雑な制度をわかりやすい言葉で説明してくれます。調べる手間が省けるため、特に税制に不慣れな方や、国税庁のサイトで迷子になりがちな方にとって有効です。

夜間や休日でも使えるため、時間に縛られず作業を進められるのも魅力です。

プロンプト例
  • 「扶養控除を受ける条件を教えてください」
  • 「医療費控除を申告するには、どんな書類が必要ですか?」

経費の判断や仕訳のアドバイスを受ける

経費になるかどうかの判断や、会計上の仕訳方法もChatGPTに相談できます。「自宅兼事務所の光熱費は経費になるか」「飲食代は交際費にできるか」など、実務的な判断をサポートします。

仕訳に関しても、勘定科目の選び方や取引の記録方法を例示付きで教えてくれるので、会計初心者にも扱いやすいツールです。

プロンプト例
  • 「自宅兼事務所の電気代は経費になりますか?」
  • 「10万円のノートPCをクレジットカードで買ったときの仕訳を教えてください」

税額の試算や節税効果のシミュレーション

ChatGPTに数値を入力すれば、所得税の概算を計算したり、追加の経費がどの程度税額に影響するかを試算したりできます。「経費をあと5万円追加で計上した場合、納税額はどれくらい減るか」といった問いにも答えられるため、節税対策や申告前の見直しにも役立ちます。

もちろん最終的な申告には専用ソフトや税理士の確認が必要ですが、ざっくりとしたシミュレーションにより、資金計画の精度を高めることが可能です。

プロンプト例
  • 「売上600万円、経費400万円のとき、所得税はいくらくらいになりますか?」
  • 「経費をあと10万円増やすと、税金はどれくらい安くなりますか?」

ChatGPTの始め方とアカウントの準備手順は?

ChatGPTは、OpenAIが開発した対話型の生成AIツールで、文章作成、要約、質問応答、アイデア出しなど多用途に活用できます。導入は簡単で、基本的にはWebブラウザとメールアドレスがあれば、すぐに使い始められます。

アカウント登録の流れ

ChatGPTを使うには、OpenAIの公式サイトでアカウントを作成する必要があります。

まず、Webページ にアクセスし、「Sign up」から新規登録を行います。GoogleアカウントやApple IDでもログインできますが、メールアドレスとパスワードを使った登録も可能です。

SMS認証のために、携帯電話番号の入力が求められます。これにより、本人確認が完了すれば使用開始できます。

利用開始とプランの選択

無料プランでも高性能なAIを使えますが、有料版ではさらに高度な機能が使えます。登録後は、無料プランと、有料プランを選択できます。確定申告や業務効率化を重視する場合には、有料プランの方が安定性・処理能力・拡張機能の面で有利です。

プランはいつでも切り替え可能で、支払いは月額制です。

ChatGPTはWeb版に加えて、スマホアプリ(iOS・Android)でも利用でき、どこからでもAIアシスタントとして活用できます。

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ChatGPTだけで申告書を完成させることは可能?

生成AIは確定申告の強力な支援ツールになりますが、すべてを任せられるわけではありません。

完全自動の申告書作成はまだ難しい

帳簿や証憑をそのまま読み込ませて、確定申告書を自動的に完成させるような運用は、現在のChatGPTでは対応できません。帳簿データには文脈や判断が必要な情報が多く、AI単体では正確な申告書作成に至りません。

仕訳内容の前提や事業形態によって扱いが異なるため、最終判断には人の介在が不可欠です。

AIとの協働で正確性と効率は高められる

申告内容の確認や記載方法のアドバイスなど、各工程をAIが補助する形で活用すれば、高い精度と効率が実現可能です。控除の適用条件を聞いたり、計算の検算を依頼したりすることで、ヒューマンエラーの軽減や時間短縮が図れます。

AIは伴走者として活用するのが理想的です。

ChatGPTを確定申告で使うときの注意点

ChatGPTは確定申告の強力なサポートツールとなり得ますが、税務に関わる領域である以上、使い方には慎重さが求められます。利便性の高さに頼りすぎると、思わぬミスやリスクにつながることもあります。

回答をそのまま鵜呑みにしない

AIから得た回答は有益でも、常に正確とは限らないため必ず自分で確認を行う必要があります。ChatGPTは広範な情報をもとに応答しますが、個々の状況に完全に合致した答えを返すとは限りません。

また、知識は学習時点までの情報に基づくため、税法の最新改正が反映されていない場合もあります。新制度について、モデルが古いと誤った説明を返す可能性があります。

AIのアドバイスはあくまで参考とし、国税庁の公式サイトや信頼できる専門家の情報で照らし合わせながら活用しましょう。

プライバシー保護と入力内容に注意する

ChatGPTを利用する際は、個人情報や機密情報の取り扱いに注意が必要です。無料版などではデフォルトで入力内容が学習利用される場合がありますが、データコントロールで無効化でき、Enterprise版やAPIは学習に利用されません。

ただし法的要請により保存される場合があります。

具体的な金額、氏名、住所、マイナンバーなどをそのまま入力すると、情報漏えいのリスクが伴うので、「売上500万円、経費300万円の個人事業主」といった形で表現すれば、十分に実用的な回答が得られる上、安全性も確保できます。

また、アップロードする資料については、名前や住所をマスキングするなどの工夫も効果的です。

最終判断は人間が行い、公式ツールで確認する

どれだけAIを活用しても、確定申告の責任は納税者自身にあるため、最終判断は人間が行うべきです。

所得税額の算出や控除適用の可否といった重要な判断については、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や市販の会計ソフトなどの信頼性の高いツールを併用し、最終確認を行うことが重要です。

AIの助言をもとに下書きを作成し、公式ツールで検算・送信すれば、誤申告のリスクを下げられます。可能であれば、税理士など専門家のチェックを受けることで、見落としを防ぎ、申告の正確性をさらに高められます。

青色申告と白色申告でChatGPT活用法は違う?

ChatGPTを確定申告で活用する場合、申告区分によってサポートの内容や効果の現れ方が異なります。青色申告と白色申告、それぞれの特性に応じた使い方を理解することで、より効率的に申告作業を進められます。

複雑な作業が多い青色申告ではChatGPTが頼れる補助役に

青色申告は帳簿作成や仕訳、各種控除の計算などが複雑であるため、AIのサポートが効果を発揮します。

青色申告特別控除(最大65万円)を受けるには複式簿記に対応した帳簿をつけるだけでなく、e-Taxで申告するか、優良な電子帳簿保存の要件を満たす必要があります。

さらに、減価償却、繰越損失、家事按分など、専門知識が関与する項目も多く、初めての申告者にはハードルが高くなりがちです。このような場面でChatGPTは、仕訳の例を提示したり、帳簿の記入方法を説明したりと、ガイドとして機能します。

また、計算ミスや控除漏れを防ぐためのチェックや、用語の理解にも役立つため、青色申告の複雑さを軽減するツールとして有用です。

白色申告では税務知識の補完や疑問解消に活用できる

白色申告は帳簿の記載が簡易で、手続きも比較的シンプルですが、初学者にとっては不明点も多く、AIの補助が効果的です。例えば、「経費にできるかどうかの判断」や「控除の適用範囲」「必要書類の確認」など、基礎的な内容でつまずく可能性があります。

ChatGPTはこうした疑問に対して即時に回答し、わかりやすく説明できます。国税庁のサイトの読み解きが難しいと感じる人でも、自然な言葉で質問できる点が利点です。

書類の提出方法や申告期限の確認といった基本的な手続きの流れもAIに尋ねることで理解しやすくなり、白色申告者の不安を軽減できます。

活用の方向性は異なるが、どちらにも効果的

青色申告、白色申告いずれもChatGPTを適切に使うことで、確定申告をスムーズかつ正確に行う手助けとなります。自分の申告区分に応じた使い方を意識することが、AI活用の成果を最大限に引き出すポイントです。

ChatGPTを活用して確定申告の負担を軽減しよう

確定申告の作業は煩雑ですが、ChatGPTのような生成AIを上手に活用すれば効率化できます。

領収書整理や数字のチェック、税知識の確認まで、AIが24時間サポートしてくれるため、個人事業主にとって心強い味方となるでしょう。ただしAIの回答を過信せず、公式情報の参照や専門家による確認を組み合わせることが安全・確実な申告につながります。

ChatGPTの利便性と人間の判断力をバランス良く活かし、確定申告をスムーズに乗り切りましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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