• 更新日 : 2021年6月2日

バイナリーオプションに確定申告は必要?国内・海外の違いや税金対策について解説!

バイナリーオプション(バイナリーオプション取引)による利益(取引差益)が一定以上の金額になると、所得と納税額などについて税務署へ確定申告をしなければなりません。副業として行っているサラリーマンや、その家族による取引も同様です。ただし、金額によっては不要になります。

また、国内バイナリーオプションか海外バイナリーオプションかによっても、適用する税制に違いがあります。よって、確定申告の際は、間違えないように注意しましょう。

本記事ではバイナリーオプションの確定申告についてや国内・海外の税金の違い、バイナリーオプションの利益に対する節税・税金対策を解説します。

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バイナリーオプションで知っておきたい確定申告とは

確定申告とは、個人や法人が1年間に「どれくらいの所得を得て、どれくらいの納税が必要か」について税務署へ報告する手続きです。確定申告書はもちろんのこと、青色申告者は決算書を、白色申告者は収支内訳書を提出します。

開業届を提出した個人事業主や会社を設立した経営者は、確定申告を行い納税する義務があります。また「20万円を超える副業の所得」や「2,000万円以上の給与収入」といった一定の条件を満たす会社員(サラリーマン)も確定申告が必要です。

例えば、バイナリーオプションによって30万円の利益を手に入れた会社員は対象者です。もし確定申告を忘れたり意図的に隠したりすると、税務署に指摘され追徴課税や刑事罰にあたる可能性があります。

現在、国税庁もインターネット取引に関係する税申告の調査を強化中です。毎年「海外投資等を行っている個人に対する調査状況」や「インターネット取引を行っている個人に対する調査状況」を公表するといった取り組みから見ても、注力している様子がうかがえます。所得隠しや無申告などの脱税行為は必ず見つかると思っておくべきです。

一般的な確定申告についてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

バイナリーオプションにかかる税金と確定申告の方法

バイナリーオプションとは「ある通貨の為替レートが一定時間後に上がるのか下がるのかについて二者択一で選び、予想が当たれば利益を得られる」というオプション取引の1つです。バイナリーは「二者択一」、オプションは「権利」を意味します。

バイナリーオプションで得た利益は、前述のとおり税金が課せられるので、一定以上の所得金額になったときには確定申告が必要です。

以下では国内取引と海外取引で適用される税制の違いをみていきましょう。

【前提】バイナリーオプションに関する事前の注意点

バイナリーオプションは上がるか下がるかを選ぶだけなので、一見すると簡単な取引に思われがちです。しかし実際は「複雑かつ論理的な根拠にもとづく取引である」と金融庁や金融先物取引業協会などの解説があります。

上記の事実があるにもかかわらず「必ず儲かる」「必勝法」といったコピーで相手をその気にさせ、高額な情報商材やツールを売り込む詐欺も存在します。税金や確定申告について悩む前に、詐欺被害にあうケースが後を絶ちません。

もしまだバイナリーオプションに手を付ける前や、知り合いから商材やツールの売り込みを聞いた段階であれば、信頼できる金融商品取引業者であるかを確認しましょう。相手が海外の無登録事業者や素性不明の人物であるときは、金融先物取引業協会や国民生活センターなど信頼のおける団体への相談をおすすめします。

【参考】金融庁:バイナリーオプション取引にあたってご注意ください!

国内バイナリーオプションと海外バイナリーオプションの違い

バイナリーオプションには、国内バイナリーオプションと海外バイナリーオプションの2種類が存在します。

国内バイナリーオプションとは、国内に拠点を構える業者の下で行う取引のことです。ただし、本拠地が海外にあっても、日本法人を設立して国内拠点としている場合は、国内バイナリーオプションになります。

国内取引の場合、2013年7月に改定された「個人向け店頭バイナリーオプション取引業務取扱規則 (一般社団法人金融先物取引業協会)」によって、短時間取引の禁止やペイアウト倍率の変動性の導入などの規制を受けます。しかし、規制の存在や国内の登録を受けた信頼性の高い業者との取引のしやすさから、海外バイナリーオプションと比べて安全な取引が可能です。

一方、海外バイナリーオプションとは、海外に拠点を構える業者の下で行う取引のことです。国内取引のような規制がなく臨機応変な取引が可能ですが、その投機性や業者の信頼性を考えると非常にギャンブル性が非常に高いといえるでしょう。

国内バイナリーオプションにかかる税金と確定申告

国内バイナリーオプションにかかる税金は「先物・オプション取引にかかる税金」としてみなされるため「雑所得」かつ「申告分離課税」です。給与所得事業所得などの総合課税とは合算せず、国内バイナリーオプションで得た収入やかかった経費をもとに税額を計算します。

税率は20.315%です。内訳を見ていきましょう。

税率
所得税15%
復興特別所得税
(基準税率×2.1%なので15%×2.1%)
0.315%
所得税+復興特別所得税15%+0.315%=15.315%
住民税5%
合計
(所得税+復興特別所得税+住民税)
20.315%

他の所得が200万円でも1,000万円でも一律20.315%になります。

具体例として以下の条件における税額をみていきましょう。

  • 給与所得:400万円(所得税20%、住民税10%、復興特別所得税2.1%、給与所得控除42万7,000円。なお今回の所得税の復興特別所得税は20%×2.1%で0.42%となる)
  • バイナリーオプションで得た収入:50万円
  • かかった経費5万円
  1. 給与所得にかかる税金
  2. 400万円×(20%+0.42%+10%)-42万7,000円=78万9,800円
  3. バイナリーオプションの収入にかかる税金
  4. (50万円-5万円)×20.315%≒9万1,400円
  5. 最終的に支払う税金
  6. 78万9,800円+9万1,400円=88万1,200円

※所得は収入-経費
基礎控除等は考慮しない
※税額の端数100円未満は切り捨て

国内バイナリーオプションは申告分離課税であるため、通常の所得税用の確定申告書に加えて「確定申告書 第三表(繰越損失等があるときは第四表)」の提出が必要です。バイナリーオプションで出た所得や損失金額などを記載しましょう。

【関連記事】


海外バイナリーオプションにかかる税金と確定申告

海外バイナリーオプションにかかる税金も雑所得ですが、申告分離課税ではなく総合課税に分類されます。ほかの所得と合算しての税額計算です。総合課税は累進課税制度が適用されるため、所得金額に応じた以下の税率になります。

課税される所得金額税率控除額
1,000円~1,949,000円5%0円
1,950,000円~3,299,000円10%97,500円
3,300,000円~6,949,000円20%427,000円
6,950,000円~8,999,000円23%636,000円
9,000,000円~17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

【参考】国税庁|No.2260 所得税の税率

前述の内容と同じく給与所得400万円・バイナリーオプションでの利益50万円・かかった経費5万円で計算した場合の税額をみていきましょう。

(400万円+50万円-5万円)×(20%+0.42%+10%)-42万7,000円=92万6,600円

海外バイナリーオプションについて確定申告を行う場合は、ほかの所得と合算した通常の確定申告書のみになります。ただし損益通算や繰越控除といった制度は使えません。

会社員の副業、学生・専業主婦など確定申告が不要なケース

バイナリーオプションを実施している人の中でも、会社員の副業としてや学生・専業主婦の人が行うものについては、確定申告が不要となるケースがあります。

1つ目は「給与所得のある会社員でバイナリーオプションによって得た所得が20万円以下」の場合です。あくまで所得なので、仮に収入が24万円でも経費が5万円だったときは、雑所得19万円となり確定申告が不要になります。

2つ目は「扶養に入っている学生や主婦で、年間の合計所得が基礎控除48万円以下」の場合です。48万円を超えない限りは課税所得がゼロであるため、確定申告は不要になります。

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バイナリーオプションにおける税金対策による節税

バイナリーオプションで得た利益は、事業所得や譲渡所得などと同じく税金対策によって節税できます。具体的には以下3つの方法です。

  • 経費を計上する
  • 損益通算を行う
  • 繰越控除を行う

ただし、損益通算と繰越控除に関しては、国内バイナリーオプション取引での利益にのみ適用可能です。

経費を計上する

バイナリーオプションによって得た雑所得は「バイナリーオプションで得た雑収入-バイナリーオプションのために使った経費」で計算できます。つまり、経費を多く計上できれば、その分だけ雑所得の金額を抑えられるため、節税効果が期待できます。

バイナリーオプションの経費として申請できる支出は、次のとおりです。

  • 取引中つないでいるインターネット代
  • バイナリーオプションに関する情報誌や書籍代
  • バイナリーオプションに関係するセミナーへの参加費や参加のための交通費など
  • 有識者との接待交際費
  • 取引用のパソコンやツール、周辺機器代
  • 取引にかかった取引手数料

など

経費として申請した支出に関しては、領収書やレシートの保管が必要です。確定申告後に7年間保存することが法人税法上で定められています。

損益通算を行う

もしバイナリーオプションで失敗して損失が出た場合は、その損失金額分だけ「金融商品先物取引等に係る売買損益」や「商品先物取引等に係る売買損益」と損益通算が可能です。

例えば、バイナリーオプションの損失20万円と、日経225先物取引の利益30万円があったとすると、30万円から20万円を差し引いて雑所得10万円に抑えられます。

損益通算できる金融商品先物取引等や商品先物取引等は、次のとおりです。

  • FX(店頭・取引所)
  • 日経225先物取引
  • TOPIX先物取引
  • くりっく365
  • 商品先物
  • ユーロ円3ヵ月金利先物

など

逆に上記の取引で損失が出たときには、バイナリーオプションの利益との損益通算で相殺できます。

一方、損益通算を行う場合は、たとえ損益通算後の税金が0円だとしても必ず確定申告を行います。「損益通算の申込み手続きが確定申告」というイメージです。

繰越控除を行う

繰越控除は、バイナリーオプションで出た損失を、翌年以降の利益(金融商品先物取引等に係る売買損益・商品先物取引等に係る売買損益)と相殺できる制度です。最大3年間まで繰り越せます。

例えば、1年目に80万円の損失が出た場合、その80万円分を3年間繰り越して控除可能です。2年目に利益20万円、3年目に利益10万円、4年目に利益30万円だったケースをみていきます。

  • 1年目:80万円の損失発生
  • 2年目:利益20万円-繰越控除80万円=-60万円(税額0円)で3年目以降に繰り越し
  • 3年目:利益10万円-繰越控除60万円=-50万円(税額0円)で4年目に繰り越し
  • 4年目:利益30万円-繰越控除50万円=-20万円(税額0円)で3年経ったので繰り越しなし

仮に4年目の利益が80万円であり、繰越控除で相殺しきれない場合は、その分だけ課税されます。

  • 4年目:利益80万円-繰越控除50万円=30万円で、30万円×20.315%の納税が発生

繰越控除を行う場合も、損益通算と同じく確定申告をしなければ適用できません。

国内・海外の税制を理解して正しく確定申告しましょう

バイナリーオプションには国内取引と海外取引があり、国内が申告分離課税、海外が総合課税になります。確定申告を行う場合は注意しましょう。

副業のサラリーマンや扶養範囲内の学生・主婦は、一定の金額以下の所得であれば確定申告は不要です。また、確定申告の必要があっても、損益通算や繰越控除などを利用して節税を行えば、納める税金を減らせます。

バイナリーオプション取引の確定申告を正しく理解して、適切な取引と税申告を行いましょう。

【参考】

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よくある質問

バイナリーオプションに確定申告は必要?

バイナリーオプションで得た利益は課税対象なので、一定以上の所得金額になった場合には確定申告が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

国内バイナリーオプションと海外バイナリーオプションの税金面での違いは?

国内バイナリーオプションにかかる税金は申告分離課税ですが、海外バイナリーオプションにかかる税金は総合課税に分類されます。詳しくはこちらをご覧ください。

バイナリーオプションにおける節税対策は?

バイナリーオプションで得た利益は、経費を計上する、損益通算を行う、繰越控除を行うといった方法で節税できます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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