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  • 作成日 : 2015年2月17日

インプラント・矯正治療で医療費控除を受けるための条件

歯のインプラントや矯正治療は、通常の「治療目的」とは異なり「自由診療」という扱いとなります。そのため保険が適用されず、高額な医療費がかかってしまいます。

しかし、大幅な軽減とまではいかなくとも、その費用を医療費控除の一部とすることで、納付した税金の一部が還付される場合があります。今回は、そんなインプラント矯正治療医療費控除について解説していきます。

医療費控除とは

医療費控除の条件

医療費控除の条件では、年間の医療費が10万円(年間所得が200万円未満の人の場合はその所得金額の5%)を超えている部分に関して200万円を上限として所得税計算時の所得金額から控除することができます。

医療費として認められる治療費や入院費だけでなく、通院の際に利用した公共交通機関の交通費や、風邪の治療のために薬局で購入した風邪薬なども控除の対象として含まれます。ただし、通院時に利用したマイカーのガソリン代や駐車場利用料、医師への謝礼金、風邪の予防のためのビタミン剤など、病気や怪我の治療に直接関係ないものや必要ないものに対する出費は、医療費控除としては認められていません。

なお、妊娠した女性が入院した場合など、長期に亘って医療費の支払いが発生する場合に年をまたぐ場合の医療費控除の金額は、実際にその年に支払った医療費のみを計上します。

どうやって受けることができるのか

医療費控除は自動的に受けられるものではなく、税務署に「確定申告」をすることで受けることができます。これは、給与所得を受けている一般企業等の従業員が源泉徴収を受けていても同様です。

確定申告の際には、実際に医療費としていくら支払ったのかを証明するために、医療費等の領収書を一緒に提出する必要があります。ただし、通院時に利用した電車代やバス代の場合は領収書がなくても、利用区間と利用日を明確にすることでその代用とすることができます。

なお、支払った医療費には「生計を一にする者」、簡単に言えば一緒に住んでいる家族の医療費を合算することができるので、その場合はそれらの医療費等の領収書も一緒に提出します。また、源泉徴収を受けている人の場合は、その源泉徴収票を一緒に提出する必要があります。

インプラント・矯正で医療控除を受けるには

インプラント・矯正とは?

インプラントは、一般的には医療目的のために体内に何らかの医療機器を取り付ける手術のことで、歯の場合、顎の骨を削って人工歯を装着するための土台を埋め込む手術および埋め込む人工歯根のことを言います。

矯正は、歯並びが悪くて咬み合せがうまくいかない人の歯並びを正常にするための手術です。一般的にはワイヤーとブラケットを装着して長い時間をかけてゆっくりと歯を動かす方法が採られますが、並びの悪い歯を削ってその上に被せものをする「補綴矯正」や、顎の手術が行われることもあります。

医療費控除が受けられる場合

医療費控除として認められる費用は、あくまでも「治療目的」であることが必要になります。インプラントや矯正もその例に漏れず、歯科医師が治療において必要だと認めた場合において医療費控除の対象となります。

例えば、発育段階にある子供の歯の矯正に関しては、子供の成長を阻害しない目的のために必要であると認められる不正咬合の治療などがその例となります。

また、この場合治療を受けるのは子どもですから、多くの場合は母親が付き添いとして一緒に歯科に通院することになるでしょう。その際に利用した電車代やバス代なども、医療費控除の対象となります。何かしらの理由で入院が必要になった場合も、一部を除いて医療費控除の対象となります。

医療費控除を受けられる可能性がある場合

しかしながら、特に成人矯正の場合は「美容目的」としての矯正手術が多くなります。その場合、一般的には治療目的として認められませんが、美容目的でなく、治療目的を主な目的としている場合には医療費控除として認められる場合があります。

その場合、主に咀嚼障害の改善のための治療で、歯科医師が治療目的であると判断した場合に限ります。専門医による診断書があればほぼ確実に認められるでしょう。

医療費控除を受けるのが難しい場合

美容目的の場合

その矯正が完全に美容目的であると判断された場合には、ほぼ確実に医療費控除の対象とはなりません。その判断は歯科医師によるものなので、仮に利用者が「治療目的である」と主張したところで覆ることはありません。

例えば、歯を白くするための「ホワイトニング治療」の場合、治療と銘打っていてもその目的は治療ではなく美容目的であるため、医療費控除の対象とはなりません。

その他、治療に関して必要のない出費に関しては医療費控除の対象外となります。例としては、通院時のマイカーのガソリン代や、医者への謝礼金、入院時の個人的理由による一人部屋の利用の際の利用料などです。

さらに、医療費をクレジットカードで支払った場合にもそれが医療目的の出費であれば医療費控除の対象とはなりますが、そのためのカードの利子や手数料は医療費控除としては含まれません。

まとめ

インプラントや矯正は保険が適用されないため高額な医療費を支払うことになりますが、それが治療目的である場合には医療費控除として申請することで税金の一部が還付されることになります。

それが医療費控除に含まれるかどうかは歯科医師の判断によるものですが、治療目的だと判断された場合には是非とも確定申告をして少しでも税金の還付を受け、医療費の負担を軽減させましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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