初めての確定申告で押さえたい3つのポイント【BASE OWNERS DAYレポート】

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深堀さん2 

確定申告のシーズンが近づいてきました。個人事業主の方はもちろん、会社員で副収入のある方も気になるテーマかもしれません。

2019年12月5日のカンファレンス「BASE OWNERS DAY 2019」(BASE株式会社主催)で、マネーフォワードはネットショップ運営者向けの確定申告セミナーを行いました。

登壇したのは、税理士資格を持ち、現在は「マネーフォワードクラウド会計」の開発企画を担当する深堀宗敏。本稿では、深堀によるセミナー「BASEのオーナー必見!初めての確定申告のポイントはこれだけ!」の一部を紹介します。

【プロフィール】深堀 宗敏(ふかほり むねとし)

株式会社マネーフォワード
経理財務プロダクト本部 プロダクト戦略部部長

大手税理士法人にて個人から法人まで幅広く会計・税務コンサルティング業務を行った後、独立し税理士事務所を開業。また、マネーフォワードにてマネーフォワード クラウド会計・確定申告のプロダクト開発・企画に従事している。

確定申告って難しい

深堀 確定申告
深堀宗敏:まず始めに皆さんにお伺いしたいのですが、確定申告が好きな方は手を挙げてもらえますか?

(セミナー聴講者から手が上がらず)

あまりいらっしゃらないですよね(笑)。では、嫌いな方は?

(挙手多数)

そうですよね、確定申告ってとっつきにくいイメージですもんね。実際に確定申告と関連してネットで検索されるキーワードを調べてみたのですが、「確定申告とは」だったり、「確定申告のやり方」「確定申告期間」といった基礎的な情報を気にされている方が多いようです。

今回は初めて確定申告をする方に向けて、押さえておくべきポイントをお伝えしたいと思います。

確定申告って何だろう?

確定申告とは、1月1日から12月31までの1年間で得た所得にかかる税金の額を計算し、税務署に申告納税する手続きです。申告するのは前年分の所得です。例えば2020年に申告するのは、2019年分の所得です。確定申告期間は通常毎年2月16日から3月15日までですが、2020年は2月17日から4月16日(※期限延長措置につき)までです。

所得と収入は、同じ意味合いに捉えられてよく混同されるんですが、別のものなので注意しましょう。収入というのは一般的に売上げのことを指し、所得というのは収入から必要経費等を差し引いた金額です。

ざっくりとしたイメージでいうと、所得は「利益」と思ってください。なので、利益に対して税金がかかってきます。そして収入から引く必要経費というのは、事業に必要な経費のこと。プライベートでの支払いは含めてはいけません。

納税額は所得で決まる

では、所得にかかる税金とは何か、確定申告書でどうやって納税額が決まるのかお話していきます。

「収入」「経費」「所得控除」の3点をおさえるべき

個人事業主の方の場合は、収入から経費を引いて事業の利益を出します。
次に事業の利益から所得控除を引きます。そして利益から所得控除を差し引いたものが所得です。所得額を算出後、その数字に税率をかけ、納税額が確定します。ちなみに、所得額によって税率は変わります。
今の流れをざっとおさらいすると、以下の図のようになります。

途中に出てくる「所得控除」って何?と思われる方もいるかもしれませんが、医療費控除や、生命保険料控除が該当します。個人の所得税を計算する際、その人の所得金額から差し引くことができるものが所得控除です。
ざっくりお話ししましたが、所得税額の計算に必要な要素は「収入」「経費」「所得控除」この3つだけなんですね。なのでショップオーナーさんの方であれば、以上3点をまとめておいてください。

確定申告書はどうやって作るの?

深堀さん 確定申告書 作り方
確定申告で税務署に提出するものは、確定申告書決算書です。その決算書を作るために会計帳簿とその元になる領収証の保管が必要になります。基本的に7年保管期間が必要になります。

個人事業主の確定申告に必要な所得を計算するときには、多くの会計帳簿やその情報をまとめた決算書が必要になります。つまり、確定申告を行う上で決算書と会計帳簿を作るのが非常に大変かつ重要です。

決算書と会計帳簿とは

まず、決算書とは事業に関する収入と経費とその他の情報の詳細です。何の勘定科目にいくら使われたのか詳細に書かれています。
会計帳簿は、お金の流れを記録したものです。中身としては日付、取引相手、取引内容、目的、金額といったものを記載する必要があります。

仕訳を起こす際の4つのルール

ご用意いただくものが領収書です。確定申告では、次のスライドにあるように山盛りの領収書を一つ一つ仕訳することになります。仕訳を作成する上では一定のルールがあり、最低限以下の4つを付ける必要があります。
(1)日付
(2)金額
(3)使用用途
(4)目的のためのラベル(勘定科目)
このルールに従って仕訳をすると、以下の図のような仕訳が完成します。

この時点でちょっとうんざりしますよね。これが第1のストレスで、具体的な仕訳の作り方がわからない、仕訳の起こし方を調べるのに時間がかかるといった問題が発生します。仕訳をやったことがない方ですと、領収書1枚の仕訳を行うのに3~4分もかかったりします。1日かけてやっと終わるか終わらないかといったところですね。

特に勘定科目の判断についてストレスを感じている方は多いです。勘定科目には旅費交通費、新聞図書費、通信費、車両運搬費、水道光熱費といったものがあります。よく聞く悩みとしては、似たような勘定科目が混在していてわからないというものです。

雑費は極力使わず、なるべく分類しよう

実際に具体例として、こちらの領収書の勘定科目や仕訳を考えてみたいと思います。

7月9日にタピオカラテを現金支払い702円で購入したという領収書です。この領収書はどういう勘定科目で、どういった仕訳にするかわかる方いらっしゃいますか?

参加者:雑費ですか……?

深堀:雑費は極力使わないようにしてください。確かに雑費は使いたくなると思います。インターネットで調べてみても、分類がわからないものは雑費に入れてくださいという情報が出てきますが、そもそも雑費とは簡単に言えば「その他」にあたるものです。なんでもかんでも雑費にするのではなく、なるべく分類して仕訳できるようにしましょう。

雑費以外にどんな勘定科目が当てはまるかわかりますか?

参加者:用途によって変わると思いますが、例えば接待交際費とか?

深堀:確かにそうですね。お答えいただいた通り、用途によって変わります。
取引先のお土産や打ち合わせやで使うものでしたら、接待交際費や会議費として扱う可能性があります。さらに、仕訳も以下の図のような形で記載しなければいけません。

具体的に説明すると、日付が7月9日で借方、貸方という書き方を使います。

費用である場合は借方(仕訳の左側)に記載し、お金が出ていった場合は貸方(仕訳の右側)に記載します。今回は現金で支払いを行ったので、<現金、702円>といった情報も記載します。さらに、会議費、現金といった記載では不足する店舗名や取引先といった詳しい内容を記載します。

以上が取引先との打ち合わせの場合ですが、従業員へのお茶菓子の場合、他の点は共通ですが、勘定科目を福利厚生費に変えたり、内容がわかるように摘要に追加記載する必要があります。このように仕訳を作成するには勉強が必要です。

決算書への表示

仕訳の後に集計し、決算書に表示させる流れについて説明したいと思います。

まず、作成した仕訳をもとに勘定科目ごとに会計帳簿を集計し、決算書・損益計算書・貸借対照表として表示させる必要があるんですが、ここまで来るともう意味がわかりませんね(笑)。このように、仕訳は作成できたけれどもどうやって集計するかわからない、決算書と仕訳の繋がりがわからないという第2のストレスが発生します。

早速以下の図をご覧いただきながら、具体的な例を見ていきましょう。勘定科目の売上高を青色にしていますので、この売上高だけをまず集計してみましょう。

12月3日から12月5日までの売上高を合計すると、1,700円でした。これにより、損益計算書の売上高は1,700円となります。このような計算を、現金、交際費、消耗費といったそれぞれの勘定科目で行う必要があります。

大変な点をお伝えしてきたのですが、仕訳を作成した後の集計はどんな会計ソフトでも自動でできますので、この集計についてはほとんど考える必要がありません。しかし、Excelで仕訳や集計をする場合は、先ほど申し上げた勘定科目ごとの計算を行う必要があって、大変です。

楽になるとはいえ、適切に仕訳を起こす知識は会計ソフトを使っていても必要になります。日付、金額、勘定科目、そして適用を入力する必要があって、そのためのルールを覚えなければいけません。特に勘定科目のラベルを考えるためにはある程度の知識が必要になるので、最低限ここは押さえておきたいですね。

確定申告セミナーは以上になります。ありがとうございました。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

Bizpedia編集部

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