• 更新日 : 2025年2月21日

青色申告の個人事業主向けインボイス対応ガイド!消費税申告の手順

個人事業主インボイス制度に対応する場合、所得税とは別で消費税確定申告が必要です。同一の書類での申告はできません。

ただ、「消費税の確定申告の手順が分からない」「インボイスに対応した帳簿の付け方を知りたい」という人も多いでしょう。本記事では、インボイス対応後にやるべきことや消費税の確定申告の方法などをまとめています。

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青色申告の個人事業主はインボイス対応で何が変わる?

個人事業主がインボイス制度に対応する場合、所得税とは別に消費税の確定申告が必要です。また、消費税を確定申告する際に必要な書類を作成したり、帳簿づけの際も消費税の課税・非課税を区別したりと、やるべき作業が増えます。

まだインボイス発行事業者として登録していない場合は、税務署へ登録申請を行ってください。申請から登録番号の発行まで約1ヶ月ほどかかるため、早めに申請しましょう。

消費税の確定申告が必要

インボイス発行事業者の登録をした人は、消費税の確定申告をしなければなりません。消費税と所得税では制度そのものが異なるため、確定申告も別々に提出する必要があります。

消費税額を計算する際は、「簡易課税」「原則課税」のどちらかを選択してから算出してください。ただ、もともと免税事業者であった人は「2割特例」を選ぶこともできます。詳しくは「2割特例 特設ページ」でご確認ください。

消費税と所得税では、作成する書類の様式や確定申告書の提出期限なども異なるので注意しましょう。なお、令和6年分の確定申告は、消費税が令和7年3月31日まで、所得税が令和7年3月17日までです。

参考:【消費税及び地方消費税の申告等】|国税庁

適格請求書(インボイス)発行事業者の登録

適格請求書(インボイス)発行事業者の登録が済んでいない人は、税務署へ登録申請をしてください。書面もしくはe-Taxで申請できます。

書面で申請する場合は、ダウンロードした書類に必要事項を記載し、インボイス登録センターへ送付してください。e-Taxで申請する場合は、「e-Taxソフト」にログインし、必要事項を入力して所轄の税務署へ送信してください。

なお、書面だと番号発行までに約1.5ヶ月ほどかかりますが、e-Taxだと約1ヶ月ほどで発行されます。少しでも早く番号を発行したい人は、e-Taxでの申請がおすすめです。

参考:適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁申請手続|国税庁

請求書の書式を変更

インボイス制度に対応したら、請求書には以下6つの事項を記載してください。

  • インボイスの交付先である相手方の氏名または名称
  • インボイスを発行する事業者の氏名または名称および登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の品目は、軽減税率である旨を記載)
  • 10%・8%それぞれの対象となる対価の総額および適用税率
  • 10%・8%それぞれの消費税額等

上記の事項が全て記載されていないと、適格請求書として扱えない可能性があります。心配な人は、インボイスに対応した適格請求書のテンプレートをダウンロードしてご使用ください。

参考:インボイス制度について|国税庁

税抜きなど帳簿の付け方

インボイスに対応し課税事業者になった場合、経理処理に際して税抜経理か税込経理か選択できるようになります。

  • 税抜経理:消費税額を売上げ・仕入れに含めないで計算し、消費税は「仮受消費税」「仮払消費税」という勘定科目で帳簿を付ける
  • 税込経理:免税事業者であった時と同様に、消費税額を売上げ・仕入れに含めて計算する

どちらの方式を選択しても、最終的な所得税や消費税に差は出ません。

参考:No.6375 税抜経理方式または税込経理方式による経理処理|国税庁

「課税取引金額計算表」等の作成

消費税の確定申告をする際は、事前に「課税取引金額計算表」「課税売上高計算表」「課税仕入高計算表」などを使用すると便利です。それぞれ以下の役割があります。

  • 課税取引金額計算表:税率ごとに区分した課税売上と課税仕入を集計
  • 課税売上高計算表:課税資産の譲渡等の対価の額を算出
  • 課税仕入高計算表:課税仕入に係る消費税額を算出

いずれも、確定申告で提出する必要はありませんが、消費税の計算に役立ちます。使用したい方はこちらからダウンロードしてください。「課税取引金額計算表」のみ、事業所得用・不動産所得用・農業所得用で分かれているため確認しましょう。

適格請求書の管理

交付した適格請求書の写しは保存する必要があります。保存期間は、交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から7年間です。

課税期間は1月1日〜12月31日なので、もし2025年内に適格請求書の写しを交付した場合、「課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日」は2026年3月1日です。よって請求書の写しは、2026年3月1日から7年後の2033年2月28日まで保存する義務があります。

また、レシートや領収書なども前述の6つの事項が記載されていれば、「請求書」という名称でなくても適格請求書として取り扱えます。もし書類ではなく電子データとして交付した際は、電子データのまま保管が必要です。

青色申告の個人事業主が消費税の確定申告をする条件

消費税の確定申告は、全ての個人事業主に義務付けられているわけではありません。

すでに課税事業者である人と免税事業者から課税事業者に切り替えた人に義務付けられています。免税事業者に該当する人は、消費税の確定申告をしなくても問題ありません。

課税事業者に該当する人は、以下の通りです。

  • インボイス発行事業者の登録をした人
  • 基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超えた人
  • 特定期間(前年の上半期)の課税売上高が1,000万円を超えた人

上記のいずれかに当てはまる人は課税事業者となるため、消費税の確定申告が必須です。なお、基準期間や特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていない免税事業者でも、インボイスの登録をすると課税事業者となります。

参考:【消費税及び地方消費税の申告等】|国税庁

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青色申告の個人事業主がインボイス制度に対応した帳簿の書き方

インボイスに対応したとしても、帳簿の付け方にあまり差はありません。ただ、免税事業者からの仕入れに経過措置を適用する場合、記帳の内容に注意する必要があります。

100,000円の商品を税率10%で仕入れたときの、仕訳の記載例は以下の通りです。

【課税事業者から仕入れた場合】(税抜方式)

日付借方貸方摘要
2/9仕入100,000円預金口座110,000円商品A
仮払消費税10,000円

税抜方式で記載する際は、「仕入」と「仮払消費税」に金額を分けます。税込方式で記帳する際は、「仕入」に110,000円とだけ記入してください。

【免税事業者から仕入れた場合】(税抜方式)

日付借方貸方摘要
2/16仕入102,000円預金口座110,000円商品A★
仮払消費税8,000円

免税事業者から仕入れた場合、経過措置を適用できます。適用する場合は、本来納めるべき税金の80%分を「仮払消費税」として記帳してください。上記の場合、本来納めるべき税金は10,000円であるため、経過措置を適用すると仮払消費税は8,000円となります。

また、免税事業者から仕入れたことが分かるように「摘要」欄へ印や文章などを記載する必要があります。

青色申告の個人事業主が消費税を申告するには?

消費税の確定申告は、以下の流れで行いましょう。

  1. 消費税額を計算する
  2. 確定申告書や必要書類を作成する
  3. 期限までに提出する

最初に消費税額を計算してください。「簡易課税」「原則課税」「2割特例」のいずれかを選択し、それぞれの方式で消費税額を算出します。「2割特例」を選択できるのは、一定の条件を満たした人のみです。

消費税額を計算できたら、確定申告書や必要書類を作成します。なお、簡易課税・原則課税・2割特例によって使用する申告書と必要書類が異なるため注意してください。

書類を作成できたら期限内に提出します。令和6年分の期限は令和7年3月31日です。書類の提出と納税までしっかり行ってください。期限に間に合わないと、延滞税が発生します。

参考:消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等|国税庁

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青色申告の個人事業主の確定申告における注意点

所得税および消費税の確定申告をする際に注意してほしいことがあります。確定申告に着手する前に確認しておきましょう。

消費税と所得税の確定申告は異なる

消費税と所得税の確定申告は別々で行う必要があります。同一の書類でまとめての申告はできません。

また、消費税と所得税では、税率や計算方法なども異なります。それぞれの方法で適切に税額を算出し、消費税の確定申告書と所得税の確定申告書に分けて記入してください。

消費税の申告書はこちらから、所得税の申告書はこちらからダウンロードできます。なお、申告書以外に必要な添付書類も異なるため注意しましょう。消費税と所得税それぞれの添付書類を、しっかり確認しておいてください。

消費税と所得税の確定申告の期限に注意

消費税と所得税では、確定申告の期限も異なります。令和6年分の確定申告の期限は、消費税が令和7年3月31日、所得税が令和7年3月17日です。所得税の方が少し早いので注意してください。

忘れそうな方は、所得税と消費税の確定申告を同時に済ませるのがおすすめです。消費税の確定申告は1月1日から行えるため、所得税と一緒に提出できます。

申告期限を過ぎるとペナルティがあるおそれ

もし確定申告書の提出期限を過ぎると、本来納めるべき税金に加算して税金を納めなければなりません。追加で納める加算税は、税務署の通知が来る前に自主的に申告したかどうか、本来納める税金額などによって異なります。

ただ、期限を過ぎた後でも、法定申告期限から1ヶ月以内に自主的に申告した場合や期限内に申告する意思があったとみなされた場合は、税金が加算されません。

また、税金の納付期限に間に合わなかった場合も、延滞税が課されます。延滞税は、法定納付期限の翌日から完納した日までの日数に応じて算出されます。令和6年分の税金の納付期限は確定申告書の提出期限と同日です。

参考:確定申告を忘れたとき|国税庁

インボイス制度に対応したら消費税の確定申告も行いましょう

インボイス制度に対応したら、消費税の確定申告も行ってください。インボイスに対応せず免税事業者のまま継続する場合は必要ありませんが、課税事業者となった場合は確定申告をする義務があります。

また、所得税の確定申告とは別で行う点にも注意が必要です。添付書類や提出期限も異なるため、必要な書類や期限などもしっかり確認しましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

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