退職金に関する確定申告

定年退職をしたとき、または転職した場合でも、退職金に関する就業規則が定められているのであれば、退職金を受け取ることができます。

原則として、退職金は源泉徴収されるため確定申告の必要ありませんが、場合によっては確定申告をすることで納めすぎた税金を取り戻すことができます。

今回は、どのような場合に確定申告をした方がメリットがあるのかという点について解説します。

退職時に確定申告で納め過ぎた税金を取り戻せる可能性がある3つの例

細かい条件によって変動しますが、まずは大枠でどの様な場合に確定申告をした方がお得なのかを確認しましょう。

1.退職前の給与が少ない場合

退職前の給与が前年度に比べて減少した場合は、所得税が多めに計算されている場合があります。

2.社会保険料を払っている場合

退職後に支払った社会保険料は、社会保険料控除を適用することができます。

3.医療費が控除が受けられる場合

医療費の総額が10万円以上かかっている場合、またはセルフメディケーション税制が適用出来る場合、医療費控除を使うことができます。

退職金の税額の計算方法

退職金に関する税金は、他の所得よりも税負担が軽くなるように分離して課税されます。勤続年数に応じた控除額から退職所得金額を計算し、速算表を用いて源泉徴収税額を算出します。なお、課税所得が0円になった場合、税額は発生しません。

退職所得金額を求める計算式は以下の通りとなります。

退職所得金額=(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2

例)入社3年目の6月賞与支給後に退職した社員の場合

1.退職金の支給額は150万円と想定します。
2.勤続年数は、1年未満の端数か月は切り上げとなりますので、3年となります。
3.「退職所得控除額の計算の表」の計算式(40万円×勤続年数3年)を使用して、退職所得控除額120万円を計算します。
4.もらった退職金150万円から退職所得控除額120万円を引いたものに、1/2を掛け、15万円とします。(15万円=(150-120万円)×1/2)
5.「退職所得の源泉徴収税額の速算表」を確認します。退職所得金額15万円は195万円以下となるため、所得税率5%が適応されます。つまり15万円×5%×102.1%=7,657円が、退職所得の源泉徴収税額となります。加えて住民税が10%課税されることも注意しなければなりません。

上記の3つの例の具体例

退職前の給与が少ない場合

退職前の給与が少ない場合とは、たとえば、昨年度給与収入が1年間で500万円で、今年も同額の見込みであった場合です。

年の途中、特に前半で退職すると、給与金額が当初の見込みよりも著しく減少することになります。

当初の見込みよりも給与が少なかった場合、源泉徴収された税金は納めすぎとなりますので、確定申告することで取り戻すことができるのです。

社会保険料を払っている場合

退職所得の受給に関する申告書」を給与支払者に提出していれば、正しい税額で計算されますので、確定申告する必要がありません。しかし、以下のような場合は確定申告することで、還付金を受け取ることができます。

・退職後も健保の任意継続保険料を支払っている場合
・国民健康保険に切り替えて、介護保険料と一緒に納付している場合
・国民年金保険料を支払っている場合

健康保険料などの保険料以外にも、生命保険料や地震保険料を支払っているのであれば、それぞれ「生命保険料控除」「地震保険料控除」として確定申告または還付申告することができます。

医療費が10万円以上かかった場合またはセルフメディケーション税制を受けられる場合

退職所得の受給に関する申告書」を給与支払者に提出していれば、正しい税額で計算されますので、確定申告する必要がありません。しかし、医療費が10万円以上かかった場合、または所得金額の5%を超える医療費が発生した場合には、確定申告することで還付金を受け取ることができます。またセルフメディケーション税制を受けられる場合も同様です。

特殊な場合

死亡退職金の場合

退職金や退職手当に関する規定がある場合、死亡した従業員に対して支払う場合があります。受け取るはずであった従業員は既に死亡しているので、支給される給与や退職金は「退職所得の源泉徴収」ではなく「相続税」として課税されることになります。

相続人(配偶者や子ども)が相続するか相続放棄するか、また相続する場合の受け取り額などによって、相続税の課税額が変動します。相続人の受給額が確定したら「退職手当金等受給者別支払調書」を給与支払者が作成することになります。

1年に2回以上退職金を受け取った場合

同じ年に、別の会社から既に退職金を受け取っていたり、2箇所以上から退職金が支給されたりすることがあります。

退職金の支払いを年に複数回受けた場合、退職金を受ける人がすべての退職金を合算して源泉徴収額を計算した書類「退職所得の受給に関する申告書」を、給与支払者(会社)に提出する必要があります(所得税法203条)。「退職所得の受給に関する申告書」提出しなかった場合は、所得税20%と復興特別税0.42%を合算した20.42%という、通常より少し多めに源泉徴収されることになります。

退職所得の受給に関する申告書」を提出して正しい源泉徴収税額で計算すれば、原則として確定申告する必要はありませんが、医療費控除などの還付を受けたい場合は確定申告する必要があります。

退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合、確定申告することで納めすぎた税金を取り戻すことができます。

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参考サイト

退職金と税
退職所得の源泉徴収税額の速算表



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監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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