- 更新日 : 2025年1月7日
個人事業主に法人番号はない?個人事業主管理番号やインボイス制度の登録番号についても解説
個人事業主は、確定申告書等に「個人番号」を付して提出します。
「法人番号」とはその名の通り、法人にのみ与えられる番号であるため、個人事業主には与えられません。
この記事では、個人事業主、フリーランス、自営業向けに、個人番号や法人番号のほかに個人事業主管理番号、インボイス制度の登録番号なども含めて解説します。
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目次
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個人事業主に法人番号は発行されない
法人番号とは、国内の企業や団体などの「法人」を識別するための固有の番号です。
個人の持つ個人番号(マイナンバー)とは別の番号であり、個人には法人番号は発行されません。
法人番号と個人番号(マイナンバー)の違い
法人番号は、2015年10月から導入された制度であり、法人に関する情報の授受や照合の迅速化等を目的として導入された、法人に付与される番号です。
法人番号は、数字のみの13桁で構成され、特に利用範囲の制約がなく、誰でも自由に利用することができます。
これに対し、個人番号(マイナンバー)は、国内に住民票を持つすべての個人に付与される番号で、2016
年1月から導入されました。根拠法によると、個人番号は住民票コードを変換して得られる番号とのことです。
マイナンバーは、行政手続などにおいて個人を識別するために付番された数字のみの12桁であり、国の法令や自治体の条例で定められた事務手続きにおいて利用されます。
参考:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律|e-Gov
法人番号について|デジタル庁、マイナンバー制度について|デジタル庁
個人事業主管理番号とは
個人事業主管理番号とは、GビズID(ジー・ビズ・アイディー)という法人や個人事業主向けの共通認証システムにおいて使用される管理番号のことを指します。
GビズIDは、一つのID・パスワードで、複数の行政サービス電子申請や行政サービスが利用できるアカウントで、主として商用に利用されます。例えば、個人事業主や法人の助成金や補助金の申請、社会保険の手続きや自治体へのオンライン申請などで幅広く利用できます。
GビズIDの利用においては、法人は13桁の法人番号によりますが、個人事業主については8桁英数字の個人事業主管理番号が付番されます。
参考:GビズIDで利用できる省庁・自治体のサービス|デジタル庁
個人事業主が仕事を受注した際の、法人番号と個人番号の取り扱い
個人事業主が仕事を受注した場合、法人番号や個人番号はどのように取り扱われるのでしょうか?
特に、個人番号についてはしっかりとした管理が求められますので気をつけたいところです。
発注者に自身の個人番号を伝えるケース
個人事業主が受注側となる場合において、その個人事業主自身の個人番号を伝えるケースとしては、税務に関して発生します。支払調書は、税法に基づいて法人や個人事業主が一定の支払いを行なった際に、支払い内容を税務署に報告するための書類です。
出典:不動産の使用料等の支払調書|国税庁、「不動産の資料料等の支払調書」
例えば、不動産賃料の支払者は、一定の場合には「支払調書」を作成して税務署に提出する義務があります。このとき、上のように取引の双方の個人番号や法人番号を記載する欄がありますので、あらかじめ不動産賃貸業を営む個人事業主などは自身の個人番号を支払者に伝えておく必要があります。
このほか、ライターへの原稿料・講演料、弁護士等の士業への報酬、外交員報酬等の支払調書記載時においても同様のことがいえます。
発注者の法人番号を請求書等の取引書類に記載してもよい?
個人番号と異なって、法人番号については自由度が高く、国税庁の法人番号公表サイトにおいても利用範囲の制約はなく、誰でも自由に利用できることが記載されています。
したがって、個人事業主が取引先の法人番号を書類等に記載することは、特に問題ありません。
ただし、請求書や領収書に必要となる「インボイス登録番号」と間違わないようにしましょう。取引によっては、代金を支払う側において相手方の「支払通知書や仕入明細書」にインボイス登録番号を記載するケースもあるからです。法人番号と法人のインボイス登録番号は似ているため気をつけましょう。
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個人事業主が仕事を発注した際の、法人番号と個人番号の取り扱い
法人番号や個人番号は商取引ケースにおいて記載が必要となることは少ないですが、税務上の書類として支払調書などにおいて見られます。個人事業主が個人に発注した場合と法人に発注した場合に分けて見ていきましょう。
これら以外に、従業員の源泉徴収手続きをする場合にも各従業員の個人番号が必要となります。
個人番号が必要なケース
個人事業主が発注相手(個人事業主)に支払をした場合に、一定額を超えると支払調書の提出が必要になります。その際、発注相手の個人事業主の個人番号が必要となります。
個人事業主が発注側となる場合、作成する支払調書には次のような例があり、発注相手の個人番号を聞いて、記載する必要があります。
報酬・料金・契約金及び賞金の 支払調書 | バー、キャバレー等のホステスなど | 年間50万円超で支払調書発行 |
---|---|---|
広告宣伝のための賞金など | ||
原稿料、印税、デザイン料、翻訳料、脚本料、作曲料、講演料、著作権使用料、映画・演劇の出演料、弁護士報酬、税理士報酬、社会保険労務士報酬など | 年間5万円超で支払調書発行 | |
不動産の使用料等の支払調書 | 不動産業者である個人事業主 | 年間15万円超で支払調書発行 |
また、支払調書には支払調書を発行した者の個人番号も記載します。
参考:「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁
法人番号が必要なケース
法人番号についても個人番号と同様に考えられます。
個人事業主が発注相手(法人)に支払をした場合には、一定額を超えると支払調書の作成が必要となります。その際、発注相手の法人番号が必要となります。
個人番号と異なり、法人番号はWebサイトで検索することが可能ですので、「法人番号公表サイト」において自身で調べて支払調書の作成ができます。
個人事業主がインボイス制度に登録する番号は?
消費税のインボイス制度における「登録番号」についても、個人事業主と法人では異なります。
法人の場合は、もともと明らかである法人番号の頭にTをつけたものです。
インボイス登録番号 法人:T + 法人番号(数字13桁) |
これに対し、個人事業主のインボイス登録番号は、頭にTのついた数字13桁です。この数字13桁は個人番号や法人番号とは重複しないように「事業者ごとに決められた」番号となります。
個人事業主の登録番号は、税務署に登録申請書を提出し、登録を受けた場合に事業者に通知される番号となります。
インボイス登録番号 個人:T + 登録番号(数字13桁) |
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個人番号、法人番号、インボイス登録番号の識別をしよう!
個人番号、法人番号、インボイス登録番号等種々の番号がありますが、通常の取引では課税事業者は特にインボイス登録番号に注意する必要があります。それは消費税の計算に直結するからです。
しかし、個人番号や法人番号については、今のところ限定的に記載が求められるものであり、通常の取引では利用しないものです。特にマイナンバーの取り扱いは厳格に制限されているため、正当な理由がない限り商取引での記載することはできません。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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