• 更新日 : 2026年2月9日

矯正歯科治療の確定申告 – 歯列矯正は医療費控除の対象?

噛み合わせの調整や審美のためなど、さまざまな目的で歯列矯正(歯科矯正)が行われています。一般的に、治療を受けた者が負担した医療費は所得税の所得控除である医療費控除の対象になりますが、歯列矯正も医療費控除に含めることができるのでしょうか。

この記事では、歯列矯正と医療費控除の関係、医療費控除を申告する場合の確定申告書の書き方などについて解説していきます。

歯列矯正(歯科矯正)は医療費控除の対象になる?

歯列矯正の費用は、医療費控除の対象になる場合とならない場合、両方のケースが考えられます。医療費控除においては、治療の目的が重視されます。では、どのような条件だと医療費控除の対象になるのか、子供の場合と大人の場合に分けて解説します。

子供の歯列矯正の場合

子どもの歯列矯正にかかる費用が医療費控除の対象となるかどうかは、主に「治療の目的」によって決まります。

審美的な改善(見た目を美しくすること)のみを目的とした場合は対象外ですが、噛み合わせの不具合など、医学的に治療が必要と判断されるケースであれば、その費用は医療費控除の対象となります。

特に成長期にある子どもの場合、歯並びや顎の状態は身体の健全な発育に大きく影響します。そのため、適切な成長を促すために行われる矯正治療は、社会通念上必要な医療行為とみなされ、医療費控除の対象になると考えられます。

また、小さな子どもが一人で通院できず、保護者の方の付き添いが必要な場合は、付き添いの方の交通費も医療費控除に含めることができます。ただし、認められるのはバスや電車などの公共交通機関の運賃であり、自家用車で通院した際のガソリン代や駐車場代は対象外となります。

大人の歯列矯正の場合

子どもの矯正とは異なり、大人の矯正治療については「年齢」ではなく「治療の目的」が医療費控除の判断基準としてより厳格に適用されます。しかし、大人だからといって一律に控除が受けられないわけではありません。

容貌を美しくするためだけの「審美目的」の矯正は、医療費控除の対象外となります。一方で、噛み合わせが悪く食事がしにくい、発音に支障が出ているなど、機能的な問題を回復するために行われる矯正であれば、それは「医療行為」とみなされ、控除の対象となります。

たとえきっかけが「見た目をきれいにしたい」という思いであったとしても、検査の結果、医学的に治療が必要な状態(噛み合わせ等の機能的問題がある状態)であると医師が判断し、治療が行われた場合は対象に含まれる可能性があります。

機能的な問題の有無はご自身での判断が難しいため、矯正歯科医に相談し、医学的な見地から治療が必要かどうかを確認してもらいましょう。

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは、所得税の計算において認められている「所得控除」という制度の一つです。所得控除には、1年間の所得(総所得金額等)から所定の金額を差し引くことで、税金がかかる対象額(課税所得)を低く抑える効果があります。これは、多額の医療費がかかった場合の経済的な負担を少しでも軽減するために設けられた仕組みです。

対象となるのは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に、実際に支払った医療費の合計額が一定の基準を超えた場合です。

この制度の大きな特徴は、申告するご本人だけでなく、配偶者や子どもなど生計を共にしている家族の医療費もすべて合算できる点です。家族全員分の領収書をまとめることで、控除の適用を受けやすくなります。

参考:医療費控除を受ける方へ|国税庁

医療費控除については、以下の記事で詳細を解説していますので、こちらもご覧ください。

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デンタルローンやクレジット払いは医療費控除の対象?

矯正治療は費用が高額になるケースが多いため、デンタルローンやクレジットカードの分割払いを選択される方も少なくありません。医療費控除においては支払いの手段は問われないため、ローンやクレジットを利用した場合でも、現金払いと同様に控除の対象とすることができます。

ここで注意が必要なのは「申告をする年」です。ローンや分割払いの場合、信販会社等が患者様に代わって歯科医院へ立替払いをした時点で「支払いが完了した」とみなされます。そのため、実際に口座から引き落とされる月々の返済額をその都度申告するのではなく、ローン契約やカード決済を行った年の医療費として、その未払いの総額をまとめて申告します。

ただし、控除の対象として計上できるのはあくまで「治療費本体」の金額のみです。分割払いに伴って発生する金利や手数料部分は、医療費控除の対象には含まれませんので、これらは除外して計算する必要があります。確定申告によって還付金はいくら戻ってくるのか

会社員の年末調整の項目には、医療費控除の項目がありません。医療費控除を適用したい場合は、確定申告が必要です。

会社員は年末調整で所得税を精算している状態ですので、医療費控除を確定申告すれば、所得税の一部が還付金として後日戻ってきます。さらに、医療費控除の確定申告により住民税も安くなります。

確定申告で戻ってくる還付金を求めるには、まず医療費控除の額を算出する必要があります。また、医療費控除は以下の計算式によって求めます。

医療費控除の計算

引用:医療費控除を受ける方へ|国税庁

歯列矯正分を含めて支払った医療費から保険金などの補てん額を差し引き、さらに10万円(総所得金額等200万円未満の人は総所得金額の5%)を差し引いた額を医療費控除の額とします。

還付金として戻ってくる額の目安は、以下の図のように、医療費控除に所得税率をかけた額です。

還付金の額 = 医療費控除の額 × 所得税率

(例)給与所得(給与の支払金額から給与所得控除を差し引いた額)450万円の人が、その年に支払った医療費の額50万円(補てんされた保険金は20万円)について医療費控除を適用して確定申告した(所得控除は基礎控除と医療費控除のみとする)。

※給与所得額は、勤務先から配布される源泉徴収票で確認できます。

50万円-20万円-10万円=20万円(医療費控除の額)
20万円×20%(所得税率※)=4万円(還付金の目安)

【所得税の速算表】※参考

課税所得額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

なお、給与所得者と同様に、年末調整の対象でない個人事業主は、確定申告で医療費控除を受けることで、課税所得金額を減らせます。また、確定申告の際、すでに源泉徴収されている金額があれば、還付されるケースもあります。

歯科矯正において、医療費控除を受けるために必要な確定申告のやり方(方法)

歯科矯正にかかる医療費控除を受けるには、給与所得者・個人事業主にかかわらず、確定申告が必要です。

確定申告を行うにあたって、まずは、確定申告書に添付の必要がある「医療費控除の明細書【内訳書】」を作成します。

医療費控除の明細書

引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁医療費控除の明細書【内訳書】

納税者が加入する保険組合から「医療費通知(医療費のお知らせ)」が発行されている場合、通知に記載されている医療費の合計額を「1 医療費通知に記載された事項」の該当欄へ記載します。この医療費のうち、生命保険金や健康保険の給付金で補てんされている分があるなら、そちらも漏れなく記載しましょう。

参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

医療費通知が発行されない場合には、「2 医療費(上記1以外)の明細」欄へ、支払った医療費の額や支払先の医療機関などの情報を記載します。また医療通知書がある場合でも、子供の治療に付き添った際の公共交通機関の交通費などがあれば、こちらの欄へ記載しましょう。

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書」を加工して作成

医療費控除明細書を作成したら、確定申告書にある「所得から差し引かれる金額」の「医療費控除」に、医療費控除の額を記入します。医療費控除の欄には区分という枠が設けられていますが、この区分は「セルフメディケーション税制」を選択した場合に使用し、通常の医療費控除に該当する歯列矯正では記入する必要はありません。

会社員であれば源泉徴収票を参考に、ほかに必要な箇所を記入して、先に作成した医療費控除の明細書とともに確定申告書を所轄の税務署に提出します。

医療費控除を受けるときの注意点

医療費控除の手続きをスムーズに進めるために、特に間違いやすい点や注意すべきポイントを整理しました。

家族全員分の治療費を合算できる

医療費控除は、申告するご本人だけでなく「生計を一にする(生活費を共にしている)」ご家族の分もまとめて申請できます。子どもの矯正費用なども合算することで対象額が大きくなりやすいため、家族全員の医療費を漏れなく集計して確定申告を行いましょう。

保険金などで補てんされた分は差し引く

医療保険の手術給付金や、高額療養費などの支給を受けた場合は注意が必要です。これらのお金を受け取った場合は、その金額を支払った医療費から差し引いて計算しなければなりません。補てんされた金額を引かずに申告してしまわないよう、入金状況をよく確認してください。

領収書は提出不要でも「5年間保存」が義務

現在の制度では、確定申告書への領収書の添付は不要となりました。しかし、捨ててよいわけではありません。税務署から提示を求められた際に確認できるよう、ご自宅等で5年間保管しておく義務があります。

ローンやクレジット利用時は契約書を保管

デンタルローンなどを利用した場合、病院からの領収書が発行されないケースがあります。その場合は、領収書の代わりに「ローンの契約書」や「信販会社の利用明細書」などが支払いの証拠となります。金額や契約日がわかる書類を必ず保管しておきましょう。

年をまたぐ治療は「支払った年」で判断

矯正治療は期間が長く、支払いが年をまたぐことも珍しくありません。医療費控除はあくまで「その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った額」が対象です。治療が完了していても支払いが翌年になった分は、翌年分の申告に回すことになりますので、支払日を基準に振り分けましょう。

歯列矯正も場合によっては医療費控除の対象になる

歯列矯正は、審美目的で行ったものであれば医療費控除の対象になりませんが、子供の成長過程で必要なもの、機能的な問題の治療が必要なものであれば、医療費控除の計算に含められます。

医療費控除の適用には確定申告が必要ですので、この記事でも紹介した確定申告のやり方やポイントをしっかり押さえて確定申告を行いましょう。

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